著者
岡 一郎 末 紀夫 高橋 久幸
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.149-154, 2004 (Released:2008-03-15)
参考文献数
15
被引用文献数
1 5

トマトの毛管式水耕栽培において,標準培養液に人工海水塩を添加して,塩類処理が果実の糖度と重量に及ぼす影響を調査した. 3段摘心栽培では,培養液のECが高く推移した区ほど糖度は高く,糖度と果実重量には負の相関が認められた.標準液に2000 ppmの塩類を添加した培養液で栽培を始め,第3花房開花期から標準液補給に変えて培養液のECを低下させた区では,目標に近いBrix 8.5~9.7の糖度が確保でき,全期間塩類を添加処理した区に比べて,果実重量の低下もやや抑えることができた. 8段摘心栽培では,培養液の窒素濃度を高め,さらに塩類を加えてEC 6 dS・m−1で栽培した区で第1果房からほぼ目標糖度に達し,塩類のみでECを高めた処理区に比べて,上段果房での果実重量の低下も避けることができた.
著者
谷岡 一郎
出版者
日本犯罪社会学会
雑誌
犯罪社会学研究 (ISSN:0386460X)
巻号頁・発行日
no.32, pp.76-86, 2007-10-20

2010年には新しい裁判員制度-アメリカの陪審制に類似のもの-が日本でスタートするようである.現在までのところ,刑罰の決定(量刑)は専門の裁判官によってなされており,その決定は専門家による「さじかげん」をもとにしている.たとえば「罪を認めている」,「反省」,「生い立ち」などの明文化されていない要素や,その重みづけによるさじかげんである.従って犯罪や刑罰にそれほど詳しくない裁判員による新制度がスタートしたとき,具体的かつ客観的な量刑の評価基準,もしくはガイドラインが必要となるだろう.日本では近年,司法システムに若干の変更や改変がなされた.特に厳罰化の方向,つまり刑を重くする方向である.新しい犯罪類型が定義され,いくつかの犯罪において,最高刑が引き上げられもした.ただしこの厳罰化については,単に最高刑を引き上げるより,刑罰の「確実性」を増やす方が効果的ではないかとする議論がある.本稿でも司法制度および刑罰論の観点から,厳罰化の意味を考える.日本の刑法は明治時代初期に作られた.以来,当時には予想しえなかった多くの行為類型が犯罪と定義されてきた.しかし刑法典も時代によるほころびが見え,現代風の反社会的行為に対応しきれていないのではないか.少なくとも大衆の感覚ではそうである.司法制度全般を議論すべき時期が来ているように思う.本稿がその端緒となればこれにまさる幸せはない.
著者
谷岡 一郎
出版者
慶應義塾大学法学研究会
雑誌
法学研究 (ISSN:03890538)
巻号頁・発行日
vol.84, no.9, pp.517-543, 2011-09

宮澤浩一先生追悼論文集論説一 序論二 ブッキング・ビジネス三 オンライン・ゲーミングと法四 ハンディとオッズ - ネヴァダ州のブック・メイキング五 法律上の問題点六 日本人とギャンブル行政
著者
藤村 順也 石森 真吾 神岡 一郎 沖田 空 親里 嘉展 西山 敦史 米谷 昌彦
出版者
一般社団法人 日本小児腎臓病学会
雑誌
日本小児腎臓病学会雑誌 (ISSN:09152245)
巻号頁・発行日
pp.cr.2016.0090, (Released:2016-12-22)
参考文献数
21
被引用文献数
1

インフルエンザウイルス (flu)ワクチン接種,flu 感染は小児特発性ネフローゼ症候群 (NS)再発の誘因となるがその詳細を検討した報告はない。今回,flu ワクチン接種または感染を契機としてNS 再発に至った小児6 例を報告する。flu ワクチン接種によるNS 再発が3 例 (以下,ワクチン再発例),flu 感染によるNS 再発が3 例 (以下,感染再発例)で全例が男児であった。flu ワクチン,感染後に全く再発のないNS 例を対象とし,その背景を検討した。ワクチン再発例では,ワクチン接種3 回全てをNS 初発または最終再発から6 か月未満の時期に行っており対照群 (15 回中3 回)よりも多かった。感染再発例においても,flu 感染3 回全てがNS 初発または最終再発から6 か月未満の時期で対照群 (5 回中0 回)よりも多かった。flu ワクチン,感染に伴ったNS 再発には,背景に症例毎の病勢の影響が存在するかもしれない。本検討は症例数が少なく,今後大規模な多施設共同研究が望まれる。
著者
谷岡 一郎
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.118-125, 2012-01-15

ギャンブルは大別して、完全情報ゲームと不完全情報ゲームに分かれる。特に前者はアルゴリズム化の進む分野であるが、完全情報ゲームでも、期待値が固定されたもの(たとえばルーレット)と変化するもの(ブラックジャック)が存在する。ギャンブラーの多くは、これらの数学的事実を無視するか、勝手な解釈に陥りがちであり、逆に胴元はそれを利用する。不完全情報ゲームとしてのギャンブル・アイテムには、スポーツ・ブッキング、麻雀、ポーカーなどがあるが、非対称の情報をどう活かすかがプレイ選択の鍵となる。特にスポーツ・ブッキングにおける集団心理を利用すると、期待値100%以上のベットがありえる。
著者
藤村 順也 石森 真吾 神岡 一郎 沖田 空 親里 嘉展 西山 敦史 米谷 昌彦
出版者
一般社団法人 日本小児腎臓病学会
雑誌
日本小児腎臓病学会雑誌 (ISSN:09152245)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.35-40, 2017 (Released:2017-04-14)
参考文献数
21
被引用文献数
1 1

インフルエンザウイルス (flu)ワクチン接種,flu 感染は小児特発性ネフローゼ症候群 (NS)再発の誘因となるがその詳細を検討した報告はない。今回,flu ワクチン接種または感染を契機としてNS 再発に至った小児6 例を報告する。flu ワクチン接種によるNS 再発が3 例 (以下,ワクチン再発例),flu 感染によるNS 再発が3 例 (以下,感染再発例)で全例が男児であった。flu ワクチン,感染後に全く再発のないNS 例を対象とし,その背景を検討した。ワクチン再発例では,ワクチン接種3 回全てをNS 初発または最終再発から6 か月未満の時期に行っており対照群 (15 回中3 回)よりも多かった。感染再発例においても,flu 感染3 回全てがNS 初発または最終再発から6 か月未満の時期で対照群 (5 回中0 回)よりも多かった。flu ワクチン,感染に伴ったNS 再発には,背景に症例毎の病勢の影響が存在するかもしれない。本検討は症例数が少なく,今後大規模な多施設共同研究が望まれる。
著者
寺岡 一郎 伊藤 集〓
出版者
無機マテリアル学会
雑誌
石膏と石灰 (ISSN:21854351)
巻号頁・発行日
vol.1956, no.22, pp.1175-1178, 1956-05-01 (Released:2011-03-07)
参考文献数
1

When plaster of Paris is mixed with water in order to make a plaster mold, there takes place a phenomenon so called “segregation of water” in the mold. This phenomenon is one of the causes of the change of dimension of plaster mold. So called “Segregation” is caused by the excess water during setting of plaster. It can be explained exactly by means of measuring the water content, the micro-photo graph, and the thermal expansion of different parts of a mold. We have studied how to prevent the phenomenon and obtained some effective results.
著者
兼岡 一郎
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.117, no.3, pp.668-673, 2008-06-25 (Released:2010-05-14)
参考文献数
10

Based on radiogenic isotopes, we can obtain information about the Earth related to time. Radiometric dating is a typical example. Due to the advanced development of current analytical techniques, radiometric ages covering the Earth's entire history can be obtained with an error of less than 1%, even for a mineral crystal. However, there still remain problems to be clarified including the reliability of decay constants and the meanings of value obtained. In another approach, an isotope ratio including a radiogenic isotope can be used to clarify the evolution of the Earth. By applying multiple isotope systematics for typical volcanic rocks such as Mid-oceanic ridge basalts (MORBs) and oceanic island basalts (OIBs), we conjecture the chemical state of the Earth's interior such as the degree of chemical fractionation and degassing. As an additional material used for clarifying the Earth's deep interior, I demonstrate the significance of kimberlites which might reflect the state of the Earth's deep interior more directly than OIBs.
著者
松岡 一郎
出版者
一般社団法人 日本薬学教育学会
雑誌
薬学教育 (ISSN:24324124)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.2018-032, 2018 (Released:2018-09-27)
参考文献数
8

薬剤師養成を主たる目的とする薬学教育が6年制に移行して,10年余が経過した.従来,日本の薬学部は基礎科学における発信力をもとに発展してきた.しかし,「患者本位の視点」,「臨床現場との連携重視」,「臨床現場における問題解決能力の養成」などの6年制教育の基本理念は,薬学教員に発想の転換を迫るものであり,人材養成の目標を重視したカリキュラム設計やこれに基づいた教員相互のFD活動が求められている.2012~2016年度に採択された文部科学省大学間連携共同教育推進事業「四国4薬学部連携事業」では,高度な実践能力を有する臨床薬剤師や臨床薬学分野の研究者を養成する枠組の構築を目指して様々な取り組みを実施してきた.本稿では,同連携事業の取り組みから「海外薬学教育調査」について紹介すると共に,この調査で得られたヒントをもとに日本の6年制薬学教育へのフィードバックについて論じたい.
著者
柏柳 誠 松岡 一郎
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

フェロモン受容細胞は神経細胞の一種であり、フェロモン情報を中枢に伝えるためには、電気的信号に変換することが必須であるが、その性質はほとんど不明であった。カメのフェロモン受容細胞が存在する鋤鼻器感覚上皮にアデニル酸シクラーゼの活性化剤であるforskolinを与えたところ、フェロモン受容細胞で神経インパルスの増加が見られたことから、フェロモン受容細胞にアデニル酸シクラーゼとcAMP依存性チャネルが存在することが示唆された。そこで、電気生理学的にcAMP依存性チャネルの存在の確認し、さらにその性質を解析した。カメのフェロモン受容細胞に各種濃度のcAMPを投与したところ、濃度依存的に内向き電流応答が生ずることを見出した(J. Neurosci.,1996)。濃度依存性は、嗅細胞で得られたものと類似していた。この際、膜コンダクタンスは上昇した。内向き電流が生じている時にランプ波を与えることにより逆転電位を調べたところ、カメの嗅細胞の逆転電位に近い値が得られた。以上の結果から、カメのフェロモン受容細胞には嗅細胞と同様のcAMP依存性チャネルが存在することが明らかになった。カメの鋤鼻器感覚上皮から調製した膜標品を用いて、アデニル酸シクラーゼ活性のforskolinおよびGTP依存性を調べた。フェロモン受容細胞におけるアデニル酸シクラーゼ活性は、嗅上皮と同様であった(Biochem. Biophys. Res. Commun.,1996)。さらに、forskolinをフェロモン受容細胞に与えたところ、副嗅球から誘起脳波を測定できたことから、cAMP依存性経路を介した応答が中枢に伝達されることを確認した(Chem. Senses, 1996)。ヘビなどでは、フェロモンがcAMP濃度を変化させることが報告されていることから、爬虫類におけるフェロモン受容はcAMPを介して行われている可能性が考えられる。
著者
兼岡 一郎 小嶋 稔 小嶋 美都子 鮎川 勝 永田 武
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.12-20, 1968-03

第7次南極観測隊により,南極Lutzow-Holm湾の東海岸およびオングル島の露岩中より,新たに数種の試料(片麻岩)が採集された.従来この地域の年代決定および古地磁気学的研究は独立に行なわれていたが,今回は同一試料についてK-Ar年代および自然残留磁気測定を行ない,次のような結果を得た.K-Ar年代は大体4億年前後の値を示すが,これらは従来のRb-Sr法,U-Pb法による5億年の値よりやや若い値を示す.しかし,この地域の地質が複雑なこと,今回用いられた試料と以前に年代決定が行なわれた際に用いられた試料との相対的関係が不明等のことにより,この差が試料の差によるものか,あるいは方法による差かは断定できない.ただこの地域が高度の変成作用を受けたという立見・菊地(1959)の報告を考慮すると,4〜5億年の値は,この地域における変成時期を示すと考えるのが妥当である.同一試料をmaficな部分(主に黒雲母,角閃石)とfelsicな部分(主に長石,石英)とに分けてK-Ar年代を求めると,前者が後者よりも古い値を示し,全岩による測定はそれらの中間の値を示す.Maficな部分のAr保持が高いということから,この場合にはmaficな部分による年代が最もその値に近いと考えられる.また,Lutzow-Holm湾を含むQueen Maud Land付近の年代測定結果をも考慮すると,この地域の大部分はCambrian以後の年代を示すことが予想される.この年代決定に用いられた試料についての自然残留磁気測定の結果は,この時期の磁極の位置はほぼ赤道上,西径約150°付近に存在することを示す.この結果は,以前永田・清水(1959;1960)および永田・山合(1961)によって得られたものとほぼ一致する.