著者
横平 徳美 岡本 卓爾
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.84, no.8, pp.1484-1493, 2001-08-01
参考文献数
7
被引用文献数
10

EDDコネクション受付制御方式では, コネクションの設定要求が発生した場合, そのコネクションを設定するものと仮定したときのそれに属するパケットの最悪の場合のend-to-end遅延を計算し, この遅延がそのコネクションの許容するend-to-end遅延以下のときのみその設定を許可し, それらの遅延の差(遅延余裕)を分割してそのコネクションの通過するリンクに割り当てる. この割当ては, 受付制御の容易化のために考えられたものであるが, ネットワーク内に同時に設定可能なコネクションの最大数(最大コネクション数)は, 割当てのし方に大きく左右される. 本論文では, ネットワーク内の特定のリンク群の利用率が他のリンク群の利用率より常時大きくなるようにコネクションの設定要求が発生するトラヒックパターンを対象に, 新たな割当法として, リンクの最悪遅延に比例して割り当てる方法(遅延法)を提案し, 従来の均等に割り当てる方法(均等法)及び利用率に比例して割り当てる方法(利用率法)と比較している. 数値例によれば, 最大コネクション数の面では, 遅延法は均等法及び利用率法に比して同程度か, あるいは, 最大でそれぞれ約1.30倍及び約1.48倍の性能が得られる. 受付制御の所要時間の面では, 遅延法は均等法と同程度であり, 利用率法より格段に優れている.
著者
綱島 伸明 佐藤 洋一郎 横平 徳美 岡本 卓禰
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.1, 1995-03-27

マルチウィンドウ合成方式として広く用いられている描画時合成方式では,管理ソフトウェア(例えば,Xウィンドウシステムにおけるサーバ)において,ウィンドウ間の重なり処理や再描画処理が実行されるが,ウィンドウの移動やリサイズなどのように,短い時間間隔で連続的に要求が発生するウィンドウ操作の場合,各操作に伴うこれら2つの処理がこの時間間隔内に終了せず,連続的操作全体の実行時間がユーザの許容範囲を越えてしまう.一方,この問題点を緩和できる方式として拡張表示時合成方式が知られている.この方式では,各ウィンドウの画像(他のウィンドウに隠されている画像も含む)が別々のメモリに格納され,これらから同時に読み出した画像が,各ウィンドウの表示優先順位にもとづいてハードウェア的に合成される.従って,管理ソフトウェアにおける重なり処理は不要となるが,多数のウィンドウの表示を可能とするためには,メモリ量が膨大になる.本報告では,拡張表示時合成方式の利点を極力生かしつつ,メモリ量を大幅に低減することのできる合成方式を提案する.
著者
岡本 秀輔 鎌田 賢 米倉 達広
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.130, pp.43-47, 2007-07-02

Webアプリケーションとして複数プレイヤー参加型RPGを簡易に作成するためのプログラミングツールについて述べる.このツールの設計目標は単純な指定でさまざまなRPGを作成できることである.プログラミングの初心者や小学生などもこのツールの対象ユーザに含めている.ツールはGUIエディタとコードジェネレータからなる.GUIエディタはRPGのキャラクタの動作を規定する状態遷移図を作成するためのものである.コードジェネレータは,ゲームを構成するためのC,PHP,JavaScript,HTMLなどのコードを状態遷移図から生成する.生成されたRPGは,Firefox,Safari,IEといったよく使われるWebブラウザで操作できる.RPGのプレイヤーがWebブラウザ上でクリックやキー入力を行うと,その結果がWebサーバに送られデータベースに記録される.その結果,プレイヤーの入力が,他のプレイヤーのアバタやプレイヤーと関連を持たないゲームキャラクタに影響を与えることができ,さらにそれが他のプレイヤーの画面に反映される.状態遷移図は特定のプログラミング言語には依存せずに動作を規定するための道具である.そして,その構造は単純なために簡単に学習できるとともに,ゲームキャラクタの振舞指定に適している.本報告では,ツールを用いて容易にWeb用のRPGを作成できる可能性について述べる.
著者
山本 瑞秋 米倉 達広 岡本 秀輔 鎌田 賢 荒木 俊郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.89, no.10, pp.2246-2250, 2006-10-01
被引用文献数
2

本論文では,状態遷移図の編集とその自動変換によるWebブラウザ自動生成ツールを提案する.具体的には,カスタマイズ可能なWebブラウザ「Mozilla Firefox」の拡張機能を利用した上記プロトタイプシステムを試作したので報告する.
著者
成川 礼 岡本 忍
出版者
北海道大学低温科学研究所
雑誌
低温科学 (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.673-678, 2009-03-31

近年のゲノム解析の進展と,それにともなうゲノムレベルの様々な網羅的解析手法の開発により,膨大な量の計測データがデータベースに蓄積され続けている.生物学者は研究を進める上で,これらの情報を有効に活用する必要性に迫られている.本章では,光合成生物に関連するオミックスデータベースの内容と所在について紹介する.
著者
岡本 敏雄 西之園 晴夫 対馬 勝英 大岩 元 君島 浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.96, no.78, pp.41-46, 1996-05-25
被引用文献数
1

現在, 世界的規模で情報教育の必要性が叫ばれ, 様々な国においてその努力がなされている. 情報リテラシーは, 未来社会における新しい学力として認知され始め, 慎重かつ着実な履行が求められつつある. 本稿では, 情報処理教育から情報教育への概念的変化を取り上げ, 児童・生徒の問題解決や自己表現, 知識や意思伝達のための道具的利活用の視点から情報教育の在り方を議論する. また, 今後への対応として, 我が国の学校教育の中での情報教育の選択的独立もしくは総合科目としての制度化の可能性を, 小・中・高一貫したカリキュラムとして考慮しながら考察し, 情報教育の実現に向けての要望と課題を述べる.
著者
岡本 茂典
出版者
生命科学振興会
雑誌
ライフサイエンス
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.50-60, 2007
著者
岡本 茂典
出版者
生命科学振興会
雑誌
ライフサイエンス
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.44-50, 2007
著者
岡本 裕子
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.125, no.6, pp.350-357, 2005 (Released:2005-08-01)
参考文献数
38

化学物質の安全性評価には動物実験が不可欠であり,その膨大な動物実験データを基に現在の化学物質のリスク評価は成立している.一方,1960年代にイギリスで発生した動物愛護の考え方は,その後,環境問題と連動し,社会問題のひとつとして大きくとりあげられ,EUでは,化粧品に対する動物実験の禁止が施行されるに至っている.またOECDでも化学物質の評価へのin vitro試験法ガイドラインの受け入れがなされている.これらは,経済,貿易に関する国際ハーモナイゼーションの観点から社会科学的に重要な課題である.このような社会的背景から,ここ10数年の間,日本でも動物実験代替法の開発が開始され,産官学の協力で厚生労働科学研究を中心に代替法の開発評価研究に取り組んでいる.安全性評価に対する代替法は,Russellらが定義した3Rの原則(Replacement:置換,Reduction:削減,Refinement:試験法の洗練)の考え方をもとに評価されている.特に,動物実験代替法は,それを用いてヒトへの安全性を評価する試験法であることから,通常の生体機能評価に用いられているin vitro試験法とは異なり,試験法としての有用性の確認に加えて,バリデーションによる試験法の再現性確認や倫理性,経済性,国際性,技術的一般性についても考慮して開発される必要がある.現在,完全に置き換えられると認証された代替試験法は存在していない.毒性試験の代替法の困難さは,invitro 試験法は毒性の有無の識別は可能であっても,動物において評価可能な用量.反応関係の確認が期待できない点にある.したがって,毒性の有無の識別を利用したスクリーニング法としての利用にとどまることが多い.しかし,ヨーロッパでの動物実験禁止という現実問題をクリアするため,社会科学的な観点から,実際的な取り組みとして代替法を組み込んだ安全性評価試験体系を構築していくことが必要と考えている.ここでは,現在代替法開発が進んでいる局所刺激性試験法である眼刺激性試験法および光毒性試験法について,その開発と応用について述べる.
著者
鷹岡 亮 新脇 尋子 岡本 敏雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.368, pp.59-64, 2003-10-10
被引用文献数
1

近年、学習支援機能を実現する手段としてエージェントが利用され、教授機能を実現する教授エージェント(Pedagogical Agent)や擬似的な学習者を演じる仲間エージェントなど様々な学習支援環境が提案されている。このような学習支援環境では複数のエージェントが関与することも考えられ、これらエージェント間のコミュニケーションやエージェントの構成法が論じられなければならない。そこで、本研究では、教育タスクを対象としたエージェント構成法に関する基礎的研究として、複数の教授エージェントが関与する学習支援環境における協調プロトコルを開発することを目的としている。本稿では、学習支援プロセスにおける教授エージェント間の協調タスクを分析して定義する。また、そこで必要とされるパフオーマティブと協調プロトコルについて検討する。