著者
簗瀬 英司 岡本 賢治
出版者
鳥取大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

世界に先駆けて、セルロースから直接バイオエタノールを生産できる遺伝子組換え発酵細菌を開発するために、セルロース系バイオエタノール生産のキーとなる遺伝子群の解析を実施した。先ず、我が国独自の発酵細菌であるZymobacter palmaeの全ゲノムを完全解読し、そのゲノム情報に基づき作製したDNAマイクロアレイを用いてエタノール発酵時に発現する遺伝子群の挙動を詳細に解析した。その結果、高効率なエタノール生合成代謝のキー遺伝子群、糖質の細胞内取り込みに働くキー遺伝子群、およびストレスに応答遺伝子群を初めて明らかした。
著者
橋本 毅彦 廣野 喜幸 岡本 拓司
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究においては、1960年代以降に通商産業省の主導によって設立された技術研究組合の活動内容の調査分析を目的とするものである。特に、戦後日本において不活発であったとされる産学連携、すなわち大学と企業との間の共同研究に関して、技術研究組合という場を通じて、直接的ないしは間接的な協力があったかどうかを調査することを目的とするものであった。平成17年度においては、そのような技術研究組合のいくつかを取り上げて、その研究活動を検討した。平成18年度においては、それらの技術研究組合に対して、過去における産学共同の有無、当時の史料の有無を問い合わせるアンケートを実施した。アンケートに対しては、10余りの技術研究組合から回答が寄せられた。また、『科学技術白書』などの政府の報告書に現れる記事を通じて、戦後の産学協同のあり方を概括した。それとともに、化学産業、コンピュータ開発などをめぐるいくつかの技術研究組合に関しては、関連する報告書等をより具体的に調査した。いずれの調査委においても、大学と企業とが直接共同研究するのではなく、本研究で取り上げた技術研究組合や科学技術の各分野において設立されている財団法人の研究機関などが、共同研究の場を提供することで両セクターの仲介役のような役割を果たしたものがあることが示された。
著者
岡本 圭史
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2008-03

制度:新 ; 文部省報告番号:乙2164号 ; 学位の種類:博士(理学) ; 授与年月日:2008/3/24 ; 早大学位記番号:新4818
著者
金岡 晃 勝野 恭治 岡本 栄司
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.682-690, 2010-03-15

電子メールを通じて感染するマスメール型ワームは数多い種類のワームの中で多くの割合を占め,さらに繁殖性や生存力の強さから社会的な問題になっている.現在ワームに焦点を当てた研究が多く行われているが,マスメール型ワームの感染の特徴であるメーリングリストを経由した感染を扱った研究はほとんど行われていないため,マスメール型ワームの感染プロセスの特徴がいまだ詳細に解析されていない.本論文では,メーリングリストの効果を包含したマスメール型ワームの感染数理モデルを提案する.提案モデルは,メーリングリストの効果に加えて,現実社会に沿った電子メールによる社会ネットワーク構造を反映することが可能である.さらに本論文では提案モデルに基づいてシミュレーションを行い,従来研究では分からなかった,メーリングリストの影響効果が感染初期で強く働いていることを解明することができた.
著者
干場 信司 五十部 誠一郎 佐藤 義和 堂腰 純 曽根 章夫 岡本 全弘
出版者
日本家畜管理学会
雑誌
家畜の管理 (ISSN:03888207)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.73-80, 1988-03-10

カーフハッチの有効性は, 空気の新鮮さと1頭ずつの隔離飼養による疾病の感染防止に基ずいていると考えられるが, 同時にカーフハッチ自体は, 屋外の気象条件を子牛にとって少しでも快適なものとする役割を持っている。本報では, 冬期を対象とした前報にひきつづき, 夏期におけるカーフハッチ内気象環境の改善効果を知る目的で, 子牛のカーフハッチ利用行動と気象環境との関係を検討した。行動調査は, 北海道十勝地方において、7月から9月にわたり8頭の子牛を一般型, 通風型, FRP製, 連鎖型の4種類のカーフハッチに収容して実施した。得られた結果は, 次の通りであった。1)一般型, 通風型およびFRP製のカーフハッチに収容された子牛は, 日中(日の出から日の入りまで)の52%ないし61%をカーフハッチ内で過ごした。これは, 冬期の約80%に比べ, 著しく低い利用率であった。これに対して連鎖型カーフハッチに収容された子牛は, 78%ないし80%の高い利用率を示した。2)冬期間カーフハッチ利用率との間に極めて高い相関を示した風速は, 夏期には, 通風型カーフハッチに収容された3頭のうちの1頭にのみ有意な相関が認められたが, 他の7頭には有意な相関は認められなかった。3)降雨はカーフハッチ利用率に大きく影響を与えており, 降雨日には, 無降雨日の1.3倍ないし1.6倍の利用率を示した。4)通風型カーフハッチに収容された3頭のうちの1頭と一般型カーフハッチに収容された一頭の計2頭の子牛については, 屋外気温および屋外黒球温度とカーフハッチ利用率との間に有意な正の相関が認められ, これらのカーフハッチに防暑効果があることを伺わせた。5)素地のままのFRP製カーフハッチに収容された子牛のカーフハッチ利用率と日射量および日照時間との間には有意な負の相関が認められ, FRP製カーフハッチは防暑効果を有していないことが推察された。6)北海道において, カーフハッチは夏・冬それぞれ異なった機能, つまり冬には風に基ずく寒さを防ぐ機能を持ち, 夏には雨よけとしての機能を持っていることが明らかになった。
著者
岡本 隆司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, pp.576-577, 1997-03-06

個人消費者がネットワークを通じて購買を行うという、企業と消費者間の電子商取引 (EC) を実現するため、通商産業省により平成7年度1次補正予算から総額100億円が充当され、現在、エレクトロニック・コマース推進事業として公募された19の実証実験等のプロジェクトが進められている。これらのプロジェクトは全体で350社以上の企業、50万人以上の消費者が参加する巨大なテストベッドとなっている。電子商取引実証推進協議会 (EC協議会: ECOM) は、平成8年1月の設立以来、これらプロジェクトの連携調整を図ると共に、ECに関わる技術的、制度的課題の検討、国際的な連携、協力を進め、EC実現のための共通基盤 (プラットフォーム) の形成を目指して活発な活動を展開している。本講演では、これら実証実験の動向と各種の課題について述べる。
著者
岡本 大輔 古川 靖洋
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.31-62, 1995-10-25

エキスパート・システムとは,問題領域の専門家から獲得された専門知識を利用して推論を行ない,十分に複雑な問題を専門家(エキスパート)と同程度の能力で解決することを目標とする知的プログラムである。本論文ではそのエキスパート・システムの企業評価論への適用可能性を探った。そのため筆者らは,実際にフレーム型システムを用いた企業評価用エキスパート・システムEFSA ver.2.04を構築し,その構造を示し,どのように推論し,どの程度の問題解決能力を持つかを示した。その結果,かなり高度に専門的な問題解決能力をシステムに持たせられることがわかった。
著者
石丸 知二 戸川 忠玲 竹内 善浩 宮原 圭 足立 かおる 神田 浩子 村上 和代 阿南 宏美 岡本 雄三
出版者
Biophilia Rehabilitation Academy
雑誌
バイオフィリア リハビリテーション研究 (ISSN:13475568)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.27-28, 2002

当医療法人は母体病院を中心に, 介護老人保健施設·訪問看護ステーション·ヘルパーステーション·在宅介護支援センターを併設している. 病院は急性期病棟30床, 特殊疾患病棟40床からなり, 老健は入所48床で2, 3階の2フロアー制である. 平成10年, 「パタパタ」·「コロコロ」による下肢トレーニング(現呼称は創動運動)を紹介され, 理学療法士(以下, PT)によるリハ室練習とは別に病棟や居室で行うリハビリ(以下, 病棟·居室リハ)の一部として開始し, その後滝沢氏の来院, オリエンテーション等を受けた. 一時は病棟で時間を決め毎日実施されていたが, 病棟の編制変え, 人員の異動等があり次第に尻すぼみとなり継続の難しさを感じているところである.<BR>今回, 「タキザワ式リハビリプログラム」及び病棟·居室リハに対する職員の意識調査を実施したので, その結果に考察を含めて報告する.