著者
井上 千晶 長島 玲子 松本 亥智江 山下 一也 Chiaki INOUE Reiko NAGASHIMA Ichie MATSUMOTO Kazuya YAMASHITA
出版者
島根県立大学短期大学部出雲キャンパス
雑誌
島根県立大学短期大学部出雲キャンパス研究紀要 (ISSN:18824382)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.9-17, 2010

本研究の目的は尿失禁を有する地域在住一般女性高齢者の特性を明らかにすることである。在宅で生活する65歳以上の女性高齢者82名に対し、聞き取り調査と身体機能測定及び体組成計測を行った。今回は、尿失禁の有無と頻度、自覚的重症度と身体機能、筋肉量との関連を検討した。結果、尿失禁の有無、自覚的重症度と長座位体前屈、尿失禁の頻度とTUG、開眼片足立ち、FRに関連が見られた。また、筋肉量では、体幹筋肉量と尿失禁に関連が見られたが下肢筋肉量の減少と尿失禁に関連があるという結果は得られなかった。身体機能と筋肉量の分析から、尿失禁と体幹筋肉量、バランス機能、柔軟性、歩行能力に関連があることが示唆された。
著者
穐山 浩 坂田 こずえ SPIEGELHALTER Frank 古井 聡 中島 安基江 橘田 和美 手島 玲子
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.65-70, 2010
被引用文献数
5

リアルタイムPCRを用いた未承認遺伝子組換えトウモロコシDAS59132系統(E32)の検知法を8機関によるバリデーション試験により評価した.試験試料は0%,0.05%,0.1%の3濃度粉末試料と0.01% の抽出DNA溶液試料で,各濃度試料を2点並行により併行再現性や室間再現性などを評価した.トウモロコシ内在性遺伝子の検出試験ではすべての試料において良好な増幅曲線が得られ,陽性と判定された.E32検出用試験では,すべての 0% 試験試料と1機関において 0.01% 試験試料2点の内1試料で2反応並行の1反応が陰性であった以外は,良好な増幅曲線が得られ陽性と判定された.検出限界は約0.01%と判断された.本研究により,E32の検知法の妥当性が確認された.
著者
今村 正隆 鍋師 裕美 堤 智昭 植草 義徳 松田 りえ子 前田 朋美 曽我 慶介 手島 玲子 蜂須 賀暁子 穐山 浩
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.239-247, 2018-10-25 (Released:2018-11-14)
参考文献数
4
被引用文献数
1

2011年3月の東京電力福島第一原子力発電所事故により,放射性物質による食品汚染が発生した.地方自治体による出荷前放射性物質検査の有効性を検証するため,放射性セシウムが検出される蓋然性が高い食品・地域を重点的調査対象とした買い上げ調査を行った.2014年度は1,516試料,2015年度は900試料,2016年度は654試料を調査した結果,一般食品における放射性セシウムの基準値を超過した試料数は2014年度では9試料(0.6%),2015年度は12試料(1.3%),2016年度は10試料(1.5%)であった.放射性セシウムが検出される蓋然性が高い食品・地域を重点的に選択したが,基準値超過率は1%程度であったことから,各地方自治体における出荷前の検査体制は適切に整備され,かつ有効に機能していることが確認された.原木栽培や天然のきのこ,天然の山菜,野生獣肉などは放射性セシウム濃度が高い試料が存在したことから,継続的な監視が必要であると考えられた.
著者
長田 侑 鈴木 恵一郎 中島 玲子 堀地 直也 沢 丞
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病
巻号頁・発行日
vol.55, no.10, pp.793-797, 2012

症例は92歳,女性.認知症のため老人施設に入所中.糖尿病の指摘歴はなかった.2011年6月9日から食思不振,10日から頻呼吸を認め,当院に救急搬送された.尿ケトン(2+),随時血糖値986 mg/d<i>l</i>,アニオンギャップ開大を伴う代謝性アシドーシスを認め,糖尿病性ケトアシドーシスと診断し,インスリン治療を開始し軽快した.HbA1c 6.4 %(以下HbA1cはNGSP値で表記(Diabetol Int 3(1):8-10, 2012. ))と上昇が乏しく,インスリン分泌能は枯渇しており,膵島関連抗体は陰性で,劇症1型糖尿病の診断基準に合致した.われわれの検索した範囲では,本例は他の病型を含めた1型糖尿病における国内最高齢での発症報告例となる.認知症を有する高齢者の劇症1型糖尿病では,本例のように典型的糖尿病症状を来たさない症例もあり,診療の上で留意すべきと思われた.<br>
著者
高崎 光浩 服部 佳代子 北原 真里子 溝口 明美 大島 玲子 浦山 緑 内野 秋子 和田 米敏 井原 貴子
出版者
一般社団法人 日本医療情報学会
雑誌
医療情報学 (ISSN:02898055)
巻号頁・発行日
vol.22, no.5, pp.391-398, 2002 (Released:2017-08-14)
参考文献数
3

佐賀県における子育てのあり方を地域全体で考え愛情をもった育児・育児支援が図られることを目的としたインターネット上の情報提供サイトを構築し,運用している.地域情報については行政機関とも内容を検討したため,地域全体で子育てについて考える第一歩につながったと思われる.従来は自治体や病院・医院等が実施している保健指導,母親学級,母子健康相談の受講などが唯一の情報源であったが,働く女性の増加と就労形態の変化によりそれらの受講が困難となっている.インターネットでの情報提供は現状の解決策のひとつと考えられる. このサイトの運用により,子育て対象者の仲間づくり・仲間意識の向上・専門家による子育てに関する正しい知識の普及を図ることができ,当事者の不安の軽減に役立っていると思われる.より細かな需要の把握とコミュニケーション実現のために,掲示板の有効かつ活発な活用に向けて検討が必要であることが示唆された.
著者
手島 玲子 穐山 浩 奥貫 晴代 佐久嶋 順一郎 合田 幸広 小野寺 博志 澤田 純一 豊田 正武
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.188-193, 2000-06-25 (Released:2008-01-11)
参考文献数
14
被引用文献数
33 50

世界的に遺伝子組換え技術を利用して開発された農作物の実用化が進んでいるが, 実際の商品は組換え作物の後代交配種由来であることが多く, そのような作物における動物の免疫系への影響, 特にアレルギーとの関連について調べられた報告はない. 著者らは, 今回, アレルギー高感受性のB10Aマウス及びBNラットを使った実験において, 除草剤耐性遺伝子 (CP4-EPSPS) が導入された遺伝子組換え (GM) 大豆摂取が, 動物の免疫系に影響を及ぼすか否かの検討を行った. 同等の栄養成分を有する近親の非組換え (non-GM) 大豆を対照として用いた. GM, non-GM混餌飼料を摂取させたマウス, ラットとも両群の体重及び餌の摂取量に有意差はみられず, 15週投与後の各種主要免疫臓器の病理組織像においても, 両群とも異常は認められず, また大豆抽出物に対するIgE, IgG抗体価とも両群において差はみられなかった.
著者
植草 義徳 鍋師 裕美 堤 智昭 蜂須賀 暁子 松田 りえ子 手島 玲子
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.177-182, 2014-08-25 (Released:2014-09-11)
参考文献数
6
被引用文献数
1 6

本研究では,食品を介した放射性物質の摂取量の実態を把握することを目的とし,マーケットバスケット(MB)試料(平成24∼25年)および陰膳試料(平成24年)を用いて,放射性セシウムの一日摂取量(Bq/day)および1年当たりの預託実効線量(mSv/year)を推定した.MB試料および陰膳試料から推定された放射性セシウムの年当たり預託実効線量の最大値は,それぞれ0.0094および0.027 mSv/yearであり,福島県近辺地域においてやや高い値を示す傾向が見られた.しかしながら,いずれの試料においても,放射性セシウムによる年当たり預託実効線量は,平成24年4月より施行された新基準値を定める根拠となった1 mSv/yearと比較して極めて小さい値であることが明らかとなった.
著者
吉松 嘉代 河野 徳昭 川原 信夫 穐山 浩 手島 玲子 西島 正弘
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.132, no.5, pp.629-674, 2012 (Released:2012-05-01)
参考文献数
412
被引用文献数
2 3 1

Developments in the use of genetically modified plants for human and livestock health and phytoremediation were surveyed using information retrieved from Entrez PubMed, Chemical Abstracts Service, Google, congress abstracts and proceedings of related scientific societies, scientific journals, etc. Information obtained was classified into 8 categories according to the research objective and the usage of the transgenic plants as 1: nutraceuticals (functional foods), 2: oral vaccines, 3: edible curatives, 4: vaccine antigens, 5: therapeutic antibodies, 6: curatives, 7: diagnostic agents and reagents, and 8: phytoremediation. In total, 405 cases were collected from 2006 to 2010. The numbers of cases were 120 for nutraceuticals, 65 for oral vaccines, 25 for edible curatives, 36 for vaccine antigens, 36 for therapeutic antibodies, 76 for curatives, 15 for diagnostic agents and reagents, and 40 for phytoremediation (sum of each cases was 413 because some reports were related to several categories). Nutraceuticals, oral vaccines and curatives were predominant. The most frequently used edible crop was rice (51 cases), and tomato (28 cases), lettuce (22 cases), potato (18 cases), corn (15 cases) followed.
著者
小黒 康正 浅井 健二郎 小黒 康正 杉谷 恭一 小川 さくえ 増本 浩子 桑原 聡 恒吉 法海 東口 豊 恒吉 法海 福元 圭太 杉谷 恭一 小川 さくえ 坂本 貴志 増本 浩子 濱中 春 山本 賀代 岡本 和子 北島 玲子 桑原 聡 クラヴィッター アルネ オトマー エーファ
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

ドイツ現代文学は、言語に対する先鋭化した批判意識から始まる。とりわけホーフマンスタール、ムージル、カフカの文学は、既存の言語が原理的機能不全に陥っていることを確信しながら、言語の否定性を原理的契機として立ち上がっていく。本研究は、ドイツ近・現代文学の各時期の代表的もしくは特徴的な作品を手掛かりとして、それぞれの作品において<否定性>という契機の所在を突き止め、そのあり方と働きを明らかにした。
著者
初見 基 北島 玲子 OPHULSーKASHI ライノルト
出版者
東京都立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

科学研究費を受けて行なわれた4年間にわたる本研究の究極的な目的は、1989年の「ベルリンの壁崩壊」、そして90年の東西ドイツ統一に端的に現れた<世界の冷戦構造の解体>を背景に、1990年代のドイツの文化状況がどのような変化をこうむったか、知識人の発言及び発表作品に即して具体的に険証し、それを20世紀思想史の枠組みに位置づけることにあった。ただ、この4年問は、その研究のための準備段階と当初から構想されており、第一に据えられた具体的な課題は、基礎資料の収集・整理だった。そのなかではとくに、1990年以降刊行されたものを中心とする、新刊作品・研究書の充実化、雑誌・新聞等に掲載された論文や記事等の資料の収集、そして、コンピュータ・ネットワークを通じて流されている、主として90年代そして2000年代に入ってからのドイツの言論状況をめぐる資料収集が試みられた。こうしたもくろみの7割方は達成されたかと思うこの4年問の作業において、第二には、上記資料の整理・ファイリングが試みられた。ただ、量的に多いだけでなく、質的にも多岐に渡るため、いまだ充分な整理には到っていない。これは今後の課題として残ってしまった。また第三に、これまでも行なわれてきた共同研究が継続された。定例研究会が開かれた他、全国から研究者が集まるドイツ現代文学ゼミナール、オーストリア現代文学ゼミナールなどにも参加し、研究成果の検討がなされた。この成果の一端は、『成果報告書』にまとめられる他、それとは別途に、4年間の研究の最新成果が論考としてまとめられ、2002年度末に公表される予定である。そこにおいては、統一ドイツにおける、<民族>、<国家>、<性>等の<アイデンティティ>が、従来とではいかに変化しているか、という点についての考察がなされる。