著者
川上 悟郎 西田 佳史 本村 陽一 溝口 博
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 : 日本知能情報ファジィ学会誌 : journal of Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.190-200, 2008-04-15
被引用文献数
3 3

本論文では,日常行動理解研究を推進するために,異分野の専門家や知見を利用するユーザが,日常行動に関連する情報を書き込んだり,分析したり,考察したり,活用するための,容易に理解可能な情報表現法やそれに基づく計算法を考察する.また,そのような情報の表現や計算の手段を提供する具体的なシステムとして,「時空間意味情報マッピング・システム」(STS Map;Spatio-Temporal-Semantic Map)を提案する.STS Mapは,1)ロケーションセンサを用いた現象の時空間展開機能,2)時空間座標系をベースとした多層的な情報の表現機能,3)時空間統計数理を用いたモデリングとリターゲット機能から構成される.本論文では提案システムの実現可能性と有用性を考察するために,ロケーションEMGセンサを用いて保育園の遊具で遊ぶ幼児47名の行動計測を行い,時空間意味情報マッピング・システムを適用した事例について報告する.さらに,幼児の年齢を考慮した難度を有する新しい遊具の設計について報告する.新しい遊具は幼児の遊んでいる「最中」の行動をモデル化し,構築したモデルによる筋電位推論値のクロス評価を行い,モデルの改善を行った.改善された行動モデルをベースとしてリターゲットを行うことで新しい遊具での筋電位発生頻度を推論し,その結果を遊具デザインの指針として,遊具メーカと協力することで遊具を作成した.
著者
LuBounVinh 角田 哲也 川上 玲 大石岳史 池内 克史
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.36, pp.295-300, 2008-05-01
被引用文献数
2

複合現実感(MR)における実物体と仮想物体のオクルージョン問題を解決するため,実画像から前景領域の抽出と影領域の除去を行い,さらに画像中の位置座標から前景物体の奥行き推定を行う手法を提案する.前景領域の抽出については確率モデルに基づく手法を用い,色,コントラスト,時間的事前確率を用いて精度を高める.確率モデルにおけるエネルギー最小化にはグラフカットを用いる.また抽出した前景領域に対し,各画素の色度とカメラの分光感度特性から求められる logF 値を用いることにより,影領域を除去する.最後に画素ごとの描画判定に利用されるステンシルバッファを用いて,前景物体によるオクルージョンを考慮しながら仮想物体の重ね込みを行う.屋外環境で全方位カメラを用いてパノラマ単画像を撮影し,画像シーケンスに対して仮想物体の合成を行うことによって提案手法の有効性を確認した.This paper presents a method solving the occlusion problem in Mixed Reality (MR). We cut out foreground from a real image using probability-based segmentation method. Using the color, spatial and temporal priors, we can improve the accuracy of the segmentation. The energy minimization is executed by graph cuts. Then we remove shadow region from the foreground with log F value calculated from the pixel value and the spectral sensitivity characteristic of the camera. Finally we superimpose virtual objects using the stencil buffer which is used to limit the area of rendering for each pixel. Synthesized images of an outdoor scene show the efficiency of the proposed method.
著者
伊藤 崇仁 篠原 亮 梶本 裕之 川上 直樹 舘 章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.106, pp.53-60, 2005-05-27

By projecting the master image onto the slave robot, high-quality, face to face communications of the interlocutor and the master are achieved in the master slave system. In the process, we use retrorefrective projection technology. In addition, transmitting depth information of the master enables the interlocutor to view the master imge (projected onto the slave robot) from any point of view, while the system is quite simple.
著者
大石 康正 井上 倫夫 小林 康浩 加納 尚之 中島 健二 川上 孝志
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.48, pp.409-410, 1994-03-07
被引用文献数
3

当研究室では筋萎縮性側索硬化症(ALS:Amyotrophic Lateral Sclerosis)患者のために意思伝達補助装置(Communication Aid)について研究してきた。ALSは全身の筋肉が次々と麻痺していく進行性の疾患で、原因不明で治療法も未だ確立されていない難病である。この病気に侵された人は、最悪の場合、全身が殆ど動かせなくなる。そこで、患者の意志を他人に伝えることのできる装置が望まれてきた。現在、このコミュニケーションエイドの入力として脳波を用いることについて検討中である。本報告では、事象関連電位とその利用法について述べる。
著者
川上 孝志 井上 倫夫 小林 康浩 加納 尚之 古城 明宏 中島 健二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.38, no.12, pp.2458-2467, 1997-12-15
被引用文献数
3 2

筋萎縮側索硬化症(ALS)は身体の動きが徐々に阻害されていく難病である.この患者の意志伝達を補助する手段として,提示された視覚情報に対して誘発される脳電位波形(EEG)を利用する方法を提案する.本報告では,提示した刺激に応答して誘発される事象関連脳電位(ERP)の中から,目標とした刺激に対して検出されるP300成分をとらえる手法として,ハール・ウェーブレット変換の基底関数を用いたフィルタ処理を利用する.具体的には,提示された複数の項目から特定の対象を選択する実験において,このフイルタ処理とアベレージング手法を併用し,高い確率で目標とした項目を判定できることを示す.そして,ALS患者に対する意志伝達補助装置(CA)の入力手段としてERPを利用するための方法について検討を行ったので報告する.In this paper we describe the possibility of understanding ALS patient's requests by any neuro-physiological manners.The patient has no physical capability for speaking,though maintaining intellectual activities.In this proposal,communicaion with a testee is undertaken in a visual stimulus which is displayed on the CRT screen.For example,Event Releted brain Potentials(ERP)Appears within his Electroencephalogram(EEG)posterior to the stimulus as the result of intellectual evaluation of proposed visual stimuli.This means that we are able to affirm his answer to our question by detecting P300 component within ERP.For its well detection,ERP is filtered based on the Haar-Wavelet transform and applied averaging method for some wave-forms.Then,we could obtain a good result for some experiments which chose the word phrase by using these methods.This system will be of much practical use for the communication with ALS patients.
著者
大石 康正 井上 倫夫 小林 康浩 加納 尚之 中島 健二 川上 孝志
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.49, pp.341-342, 1994-09-20

筋萎縮性側索硬化症(ALS:Amyotrophic Lateral Sclerosis),頚椎損傷,脳内出血などの患者は,自らの意志を周囲の健常者に伝えることが困難である.このような人の意志伝達を補助する装置(CA:Communication Aid)の研究開発が,切望されている.とりわけALSは全身の筋肉が次々と麻痺し,遂には死に至る進行性の疾患で,脳機能は正常であるが,末期には全身の筋肉がほとんど動かせなくなる.そこで,患者の意志を他人に伝えることを補助する装置が望まれてきた.現在,このコミュニケーションエイドの入力として事象関連電位を用いるための実験を進めている.本報告では,視覚刺激を与えたときに現れる事象関連電位をコミュニケーションエイドの入力とする方法について述べる.
著者
吉村 淳一 川上 愛 石塚 悦子 川崎 昭一
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.849-851, 2004 (Released:2005-03-29)
参考文献数
3

これまでの頭皮裂創処置では, 縫合後抜糸までガーゼで創を保護し洗髪は制限されていたため, 頭皮のかゆみや髪のべたつきなどの不快感, テープをはがす時の痛みの訴えが日常的に聞かれていた。そこで創部を開放し, 早期洗髪を行ってもらう方法につき検討した。頭皮裂創患者40例を対象に, 縫合後2日前後の早期に創を開放し, 洗髪を行ってもらい, 合併症の有無をチェックし処置についての感想について聞き取り調査を行った。その結果感染や癒合不全はなく, 大多数例に好感がもたれ, より快適な創傷処置法の一つの選択肢として有用であると考えられた。
著者
川上 弘美 木田 元 富山 太佳夫
出版者
岩波書店
雑誌
図書
巻号頁・発行日
no.663, pp.2-11, 2004-07