著者
木村 周平 小西 公大 伊藤 泰信 内藤 直樹 門田 岳久 早川 公
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2021-04-01

本研究はソーシャルデザイン実践について、生活・地域・教育の領域において、それを推し進める「準専門家」(後述のようにアドバイザーやコンサルタント、研究者等を含む)の実践に着目して研究することで、ソーシャルデザインに対して文化人類学からどのような関わり方が可能なのかについての知見を提示することで、人類学や近接学問領域の蓄積、さらに公共的な実践に対して貢献しようとするものである。
著者
早川 公
出版者
日本共生科学会
雑誌
共生科学 (ISSN:21851638)
巻号頁・発行日
vol.11, no.11, pp.80-89, 2020 (Released:2020-07-10)
参考文献数
16

As Haruki Murakami argued in his “Wall and Egg” speech, awareness of the problem demands answers to how to engage with the “system” today. In order to think about it, this paper will consider it from the perspective of the human activity of “community development”. Specifically, we will briefly trace the process of community/city development in postwar Japan, and organize the trends of community development today. Then, using the discussion between D. Graver and J. Scott as a springboard, we will attempt to build an idea for “anarchic community development” which is currently under consideration.
著者
辰巳 仁史 早川 公英 曽我部 正博
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.187-191, 2015 (Released:2015-07-31)
参考文献数
19

Intracellular and extracellular mechanical forces affect the dynamics of actin cytoskeletons, however, the underlying biophysical mechanisms how forces are transduced into changes in the actin dynamics remain largely unknown. We find that activity of the actin severing protein ADF/cofilin negatively depends on tension in the actin filament through tension-dependent binding/unbinding of cofilin to/from the actin filament, thereby relaxed actin filaments are severed whereas tensed ones are not. Here we review the latest knowledge on this phenomenon and discuss its biological impact.
著者
笹井 宣昌 縣 信秀 宮津 真寿美 早川 公英 河上 敬介
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.A0458-A0458, 2008

【目的】負荷運動により骨格筋が肥大して、筋力が増強される。運動中、収縮力に対抗する力学的負荷(張力)が筋に働く。その張力が加わることが、筋肥大に重要であると考えられる。しかし、その分子メカニズムは十分に解明されていない。これまでに我々は、培養骨格筋細胞の伸張刺激による肥大に、自己・傍分泌を介して PI3K/Akt/TOR 経路が働くことを支持する結果を得た。そこで今回は、伸張刺激による自己・傍分泌が、伸張刺激による肥大に十分であるかどうかを調べた。<BR><BR>【方法】ニワトリ胚胸筋由来の筋芽細胞を、 collagen type I をコートした薄いシリコン膜上に初代培養した。筋線維様に成長した筋管(筋細胞)が一定方向に並ぶように工夫した。培養 5 日目の筋管に、その長軸方向の周期的伸張刺激(周期 1/6 Hz、伸張率 10%)を、 72 時間加えて伸張群とした。伸張群と同じチャンバー内で、非伸張の細胞(同チャンバー非伸張群)と、それらと別のチャンバー内で、非伸張とした細胞(別チャンバー非伸張群)を実験対照として用いた。各群における筋管の太さ(直径)を、次の手順で計測した。 4% パラフォルムアルデヒドで固定した細胞の位相差顕微鏡像を、デジタルカメラで、シリコン膜全域に亘り任意に撮影した。画像解析ソフト Scion Image を用いて、筋管の直径を計測した。尚、本研究は、名古屋大学における動物実験に関する規定・指針に従って行われた。<BR><BR>【結果】筋管の太さ (mean ± SD) は、別チャンバー非伸張群 20.9 ± 9.7 μm (n = 215)、同チャンバー非伸張群 21.5 ± 11.6 μm (n = 91) に対して、伸張群 34.1 ± 18.2 μm (n = 103) であり、伸張群の筋管が有意に肥大した (p < 0.01)。なお、別チャンバー非伸張群の mean + 1SD を超える太さの筋管が占める割合は、同群 15.8% に対して、同チャンバー非伸張群 26.2%、伸張群 48.6% であり、伸張群のみならず、同チャンバー非伸張群にも太い筋管が増えていた。<BR><BR>【考察】同チャンバー非伸張群で、十分な肥大が見られなかった。よって、自己・傍分泌を介した PI3K/Akt/TOR 経路の活性化は、本系の肥大に十分ではない。しかし、その PI3K/Akt/TOR 経路を阻害すると、伸張群の肥大が顕著に抑制されることは分かっている。これらの点から、同経路は、この伸張刺激による肥大に関連するが、その働きは、主に自己・傍分泌とは別に調節されていることが考えられた。<BR><BR>【略称】PI3K: phosphatidylinositol 3-kinase, TOR: target of rapamycin
著者
早川 公
出版者
大阪国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2022-04-01

文化人類学界では、公共人類学に代表されるように、近年になって社会との具体的な関与のあり方やそのための理論の模索がさかんになってきた。本研究では、大きく2つの問題に応えるために以下の課題を設定する。第1に、これまで文化人類学者の余技とみなされてきた「アウトリーチ」の取組みに着目し、その具体的実践から制作の技法を抽出する。そして第2に、これまで文化人類学の学術的意義とみなされてきた他者理解とは別の仕方の特定を分析する。この2つの検討を通じて、公共領域の問題に関わる人文社会科学の具体的なあり様を提示することが本研究の目的である。
著者
早川 公康 小林 寛道
出版者
大妻女子大学人間生活文化研究所
雑誌
人間生活文化研究 (ISSN:21871930)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.24, pp.78-95, 2014-01-01 (Released:2014-06-30)
参考文献数
64
被引用文献数
1 1

知的障害児の身体的側面や体力・運動能力に関する調査・研究は部分的,限定的なものも含め,様々な報告が見受けられるが,わが国の文部科学省によって推進されている新体力テストを踏まえた測定および考察については,まだそれほどのデータや研究知見はほとんど見当たらない.今回は文部科学省の新体力テストを主な項目として定め,一般健常児と知的障害児の身体的側面および体力・運動能力を比較し,知的障害児の実態に迫ることで,知的能力への対応だけでなく身体的側面や体力・運動能力の向上に寄与することを目的として本研究を行った.東京大学生涯スポーツ健康科学研究センターにおいて身体的側面および体力・運動能力を評価するために各種測定を行った.被験者は知的障害児24名で,そのうち男子が20名(16.0±5.5歳),女子が4名(13.3±3.4歳)であった.身体的側面については,身長,体重,体脂肪率,筋量等を測定した.体力・運動能力の測定については,主に文部科学省・新体力テスト実施要項等に則り,握力,背筋力,長座体前屈,股関節開脚角度,10m歩行,10m障害物歩行等を実施した.一般健常児等の全国平均値と比較できる項目については,比較の上,検討を行った.男子において身長,体重,体脂肪率,筋肉量いずれも個人差が大きく,特に体脂肪率については10%を下回る人と60%に迫る人との差が顕著であるなど,発育の改善,適正な体組成維持のための各種要因について検討される必要があるものと考えられた.長座体前屈について,健常児の全国平均では年齢とともに向上するのに対して,今回の被験者の場合,向上していく人と低下していく人の両極端なケースがあり,個人差を大きくする生活要因が存在する可能性も推察された.背筋力について,男子においては同年齢(13歳)で85kgの差がある被験者2名が存在したが,その原因については筋量,筋-神経系,認知機能の状態等が関係しているものと考えられる.10m歩行については,歩行それ自体は生活の基本動作でもあるため,著しく能力の低い人にとっては日常生活に支障を感じている機会が多いことが推察される.10m障害物歩行能力については男女ともに全被験者が一般高齢者の全国平均よりも低く,50m走能力についても男女ともに全被験者が健常児の全国平均よりも低いことが示された.背筋力,握力および10m歩行,10m障害物歩行,50m走については,有意差は認められなかったものの男女ともに筋量が多い群のほうが筋力や運動能力が高い傾向がうかがえた.しかし,標準偏差が大きいことや知的障害児の心身の状態が多岐にわたり個人差も大きい実情についても理解する必要がある.
著者
早川 公 近藤 友大
雑誌
国際研究論叢 : 大阪国際大学紀要 = OIU journal of international studies (ISSN:09153586)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.21-37, 2020-10-31

This paper examines the significance of interdisciplinary fieldwork, which enables the co-creation of local resources, through the presentation of its specific characteristics. Specifically, the authors take the example of an academic research project on a target society in the Globally Important Agricultural Heritage Systems (GIAHS) area of Miyazaki Prefecture, which they are involved in, and confirm the process through which local resources were embodied in the project among local residents, government officials, and researchers. In addition, the project will be examined from the perspective of co-creation, which will contribute to the improvement of future crossdisciplinary collaboration projects.