著者
木村 護郎クリストフ
出版者
社会言語科学会
雑誌
社会言語科学 (ISSN:13443909)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.4-18, 2010-08-31

本稿の目的は,日本の言語問題に取り組むうえで言語権という観点のもつ意義や限界,また今後の課題を明らかにすることである.はじめに日本の学界における言語権の受容と位置づけを整理する.そして実際の適用事例として旧来の(音声)言語的少数者,移住者,ろう者,非英語母語話者をとりあげ,言語権が日本の具体的な言語問題にどのように適用されているかを考察する.そのうえで,言語権の問題点として本質主義のジレンマと多数派へのアプローチの困難をとりあげ,言語権をめぐる問題に対処するために,異なる学問分野および適用事例,また理論家と実践者が協働する可能性を検討する.
著者
木村 護郎 今野 宏亮 徳元 仁美 松原 由未子 粟井 瞳 佐々木 誠
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.323-329, 2004 (Released:2005-01-29)
参考文献数
34

大腿四頭筋(Q),内・外側ハムストリング(H)各々の筋力の筋力比と大腿部肉離れの発生との関係を明らかにするために,スポーツ活動を行っている大学生27名を対象に,膝伸展筋力と膝屈曲筋力(下腿内旋位,中間位,外旋位)を測定した。対象者は,過去に大腿部肉離れを起こした経験のある学生(損傷群)10名,経験のない学生(対照群)17名の2群に分類し,対象肢は,損傷群における損傷肢と非損傷肢,ならびに対照群の両脚34肢(対照肢)とした。損傷群のうちの2名(陸上1名,バレーボール1名)はQの肉離れを経験しており,損傷側においてQの筋力は相対的に弱い傾向があることが示唆された。Hの肉離れを経験した者8名において,QならびにHの筋力が対照肢よりも損傷肢で高値であった。特に,外側Hを損傷した者のHの筋力は対照肢よりも損傷肢で強かった。Qの肉離れは,競技の動作特性ならびに相対的なQの筋力の不足が発生要因である可能性があり,外側Hを損傷した者は,その筋の動筋に対する拮抗作用としての収縮・弛緩の微調整の役割が強いか,不備が生じやすいと考えられた。
著者
木村 護郎クリストフ
出版者
社会言語科学会
雑誌
社会言語科学 (ISSN:13443909)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.4-18, 2010-08-31 (Released:2017-05-01)

本稿の目的は,日本の言語問題に取り組むうえで言語権という観点のもつ意義や限界,また今後の課題を明らかにすることである.はじめに日本の学界における言語権の受容と位置づけを整理する.そして実際の適用事例として旧来の(音声)言語的少数者,移住者,ろう者,非英語母語話者をとりあげ,言語権が日本の具体的な言語問題にどのように適用されているかを考察する.そのうえで,言語権の問題点として本質主義のジレンマと多数派へのアプローチの困難をとりあげ,言語権をめぐる問題に対処するために,異なる学問分野および適用事例,また理論家と実践者が協働する可能性を検討する.
著者
松原 由未子 粟井 瞳 木村 護郎 今野 宏亮 徳元 仁美 佐々木 誠
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.341-345, 2004 (Released:2005-01-29)
参考文献数
29
被引用文献数
10 2

本研究の目的は,緊張性振動反射による興奮性効果と振動刺激による抑制性効果のいずれが,筋疲労時の筋硬度に影響するかを明らかにすることである。健常な学生20名(平均年齢24.4歳)を対象に,筋の疲労に至る等尺性運動直後に5分間,105 Hzの振動刺激を与える場合と振動刺激を与えない場合の筋硬度の変化を比較検討した。その結果,最大努力での等尺性運動によって筋疲労が生じ,これに伴って増した筋硬度は,振動刺激を与えることによって5分以上15分未満の間で回復が遅くなることが示された。振動刺激は疲労した筋に対して,緊張性振動反射による興奮性効果が優位に影響し,これに加えて,遮断された血流の除去作用の低下による疲労代謝物質の局所への停滞を増長することで,筋硬度を低下・回復させるのに有効に作用しないものと推察された。しかし,運動後15分には運動前と同程度の筋硬度に回復したため,筋硬度の増大は一過性であり,比較的早く影響がなくなるものと考えられた。
著者
伊達 聖伸 渡辺 優 見原 礼子 木村 護郎クリストフ 渡邊 千秋 小川 浩之 西脇 靖洋 加藤 久子 安達 智史 立田 由紀恵 佐藤 香寿実 江川 純一 増田 一夫 小川 公代 井上 まどか 土屋 和代 鶴見 太郎 浜田 華練 佐藤 清子
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究は、加速する時代のなかで西洋社会の「世俗」が新局面に入ったという認識の地平に立ち、多様な地理的文脈を考慮しながら、「世俗的なもの」と「宗教的なもの」の再編の諸相を比較研究するものである。ヨーロッパ大陸とアメリカ大陸の政教体制を規定している歴史的文脈の違いを構造的に踏まえ、いわゆる地理的「欧米」地域における世俗と宗教の関係を正面から扱いつつ、周辺や外部からの視点も重視し、「西洋」のあり方を改めて問う。