著者
亀原 めぐみ 森田 みゆき
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.56, 2013

〈目的〉 本研究は、2009年発表の「高等学校家庭科における洗浄力試験教材の開発」、2011年発表の「高等学校家庭科における洗浄力試験教材の実践」を基に、その実践結果について報告するものである。2009年の研究では大学生を対象に実践を行い、その結果、この実験を用いて授業を行う有効性を得られた1)。2011年の研究では、高等学校家庭科授業時に高校生を対象に実践を行い、この実験によりどのような効果が得られるのか、また改善すべき点は何かを明確にし、教材としての有用性を高めることができた2)。そして今回の研究では、「家庭総合」被服分野の授業の教材として授業に組み込み、実践を行ったものである。実験から得られる効果は何か、より精査な教材にするに改善すべき点は何か、明確にすることを目的とする。〈方法〉 汚染布は(財)洗濯科学協会の湿式人工汚染布を用いた。汚染布を一枚ずつ渡し、各家庭で洗濯を行ってもらった。調査項目は、洗濯衣類、洗剤、洗濯物の詰め込み具合、使用した水の種類である。洗浄後の汚染布を持ち寄り、全員で見た目での比較の順位付けを行った。その結果と調査項目を一覧表にし、それを資料に衣生活管理の授業を行った。さらに全員にアンケートを実施した。実践1:高等学校家庭科「家庭総合」1年生19名。2012/2/1実施。実践2:高等学校家庭科「家庭総合」1年生20名。2012/2/5実施。実践3:高等学校家庭科「家庭総合」1年生20名。2012/2/5実施。実践4:高等学校家庭科「家庭総合」1年生16名。2012/2/5実施。実践5:高等学校家庭科「家庭総合」1年生19名。2012/2/7実施。実践6:高等学校家庭科「家庭総合」1年生19名。2012/2/7実施。〈結果〉 前回からの改良点 1)汚染布を他の洗濯物に安全ピンで留め付けることで、途中で失くす生徒はいなかった。2)教師側が用意した多様なサンプルも含めて洗浄効果の順位付けをしたことは、多くの例を示す上でもよかった。3)実験時の調査項目を4項目に絞ることで、項目が多いと取り組む意欲を削ぐといった点を、改善することができた。意識の変化 洗濯への関わりは、実践前後で次のように変化した。「ぜんぜんしない」54%→42%(減少)、「いつもする」5%→10%)、「よくする」5%→10%「時々する」12%→16%「自分のものは自分でする」10%→14%(増加)。このことから、実験を通して洗濯への興味関心が高まった事がわかる。実験時の感想から 実験の効果として次の6つが挙げられる。1)「洗濯、というものがわかった。」「汚れたものを洗うということをやって、気持ち良かった。」洗濯への興味関心を持たせられる。2)「洗濯中、時々止まることがあるのを知った。」初めて洗濯機を使い、洗浄の仕組みについて関心を持つ子もいた。3)「自分の布はあまりきれいになっていなかったのに、クラスの人のはとてもきれいになっていて驚きました。」「クラスの人が洗ってきている布を見て、洗濯はそこまで落ちるわけではないのを知った。」友達と比較することで高い興味関心を引き出せる。4)「小さくなった。布の周りの糸がほつれた。」洗浄効果以外の、洗濯による布の傷みにも気付くことができる。5)「普段から部活のユニフォームを親に洗濯してもらっているが、とても大変なことだと改めて思いました。感謝の気持ちを忘れないようにしたいです。」「家の人から、これからもやってくれるとうれしいんだけど…と言われた。」家族とのつながり・会話の一助になる。6)「『家庭科でやった』と言ったら、『じゃあ、自分のものは自分でね。』と言われ、自分の洗濯物は自分で干すところまでやるようになった。家庭科の授業を通して、家事に少し興味を持ったよ!」「洗剤のCMを気にするようになった。」興味関心の広がりが見られる。今後多くの生徒が日々の実践へとつなげていくためにはどうしたらよいか、その点を見据えた授業展開が、検討課題と言える。1) 高等学校家庭科における洗浄力試験教材の開発、亀原、森崎、森田、日本家庭科教育学会第52回大会要旨集、132-133頁(2009)2) 高等学校家庭科における洗浄力試験教材の実践、亀原、森田、日本家庭科教育学会第54回大会要旨集、176-177頁(2011)

1 0 0 0 菊池謙二郎

著者
森田美比著
出版者
耕人社
巻号頁・発行日
1976
著者
小松 晃之 木平 清人 森田 能次
出版者
中央大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2018-06-29

赤血球の代替物となる人工酸素運搬体の実現は次世代医療の最重要課題である。これまで多くの化合物が開発されてきたが、副作用や有効性に問題があり、未だ実用化には至っていない。本研究は、組換えヘモグロビン(rHb)と組換えヒト血清アルブミン(rHSA)からなる新しい人工酸素運搬体「組換え(ヘモグロビン-アルブミン)ナノクラスター」(rHb-rHSA3クラスター)を合成し、その構造と酸素結合能を明らかにすることを目的としている。さらにrHbの部位特異的アミノ酸置換により、適度な酸素親和性を有するクラスターも合成する。ヒト血液に全く依存しない量産可能な赤血球代替物の創製に挑戦する。(1)部位特異的アミノ酸置換による酸素親和性の制御:2019年度に得られた成果をさらに展開し、rHbの Leu-β28、His-β63、Cys-β93、Asn-β102を部位特異的アミノ酸置換により、Tyr、Gln、Ser、Alaに変えたrHb変異体を産生し、それらを用いてrHb(X)-rHSA3クラスター(Xは変異箇所を示す)を合成した。いずれも赤血球の酸素親和性(25Torr)に近い適度な酸素親和性を有する人工酸素運搬体となることがわかった。以上の結果を総合し、rHb-rHSA3クラスターがヒト血液に依存しない究極の赤血球代替物となることを実証した。研究成果は、国内学会での発表、国際学会誌への論文掲載により公開した。また、宇宙航空研究開発機構(JAXA)との共同で行った本成果の一部を紹介する動画が、JAXAのウェブサイトに公開された。
著者
スホルクワイク 亜蘭 谷津 元樹 森田 武史
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.SWO-055, pp.02, 2021-11-26 (Released:2022-01-12)

近年,Embodied AIなどの現実世界や3D環境との相互作用を通じて学習を行い,仮想ロボットを用いて3D環境で様々なタスクを行うことができるシステムの研究が行われている.しかし,これらにはユーザに対する質問や要求に答えるだけで対話が途切れてしまう一方向のタスクが多い.本研究では3Dの家庭環境オントロジーと常識推論を用いて,仮想ロボットがユーザと双方向なやりとりしながら案内場所を推論し,家を案内することが可能なタスク指向対話型システムを開発することを目的とする.
著者
小野寺 龍太 祝 桂合 森田 泉
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
日本金属学会誌 (ISSN:00214876)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.521-527, 2002 (Released:2008-04-24)
参考文献数
24

We examined the effect of grain size on flow stress and yield-point phenomena in variously heat-treated low-carbon steel specimens. We found that the experimental results are easily understood if the flow stress consists of two internal stresses, Yint and Yir. Yint is a common internal stress that is work hardened; Yir is the cause of yield-point phenomena, and its value is supposed to be rapidly decreased (work-softened) to zero with strain. Both Yint and Yir were affected by grain size. Furthermore, the effect of heat treatment was strong on Yint but weak on Yir. The Hall-Petch coefficient k was appreciably larger at lower yield points than in the large strain region. This comparison supports the hypothesis of the existence of two internal stresses because the grain size dependence of flow stress at lower yield points has two origins, Yint and Yir, whereas the latter case has only one origin, Yint. In the strain region exceeding yield-point elongation, the stress-strain curves of specimens with various grain sizes were perfectly superposed on each other by parallel translation, which means that if Yint is expressed as Yint(ε)=f(ε) for a specimen with a certain grain size, it is expressed as Yint(ε)=f(ε+Δε)−Δσ for arbitrary grain size specimens, where Δε and Δσ are the amounts of translation in strain and stress, respectively.
著者
森田 善一郎
出版者
社団法人 日本金属学会
雑誌
日本金属学会会報 (ISSN:00214426)
巻号頁・発行日
vol.28, no.7, pp.556-558, 1989-07-20 (Released:2011-08-10)
参考文献数
11
被引用文献数
1
著者
森田耕喜
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
国際医療福祉大学紀要 = Bulletin of International University of Health and Welfare (ISSN:13424661)
巻号頁・発行日
no.1, pp.29-42, 1996-08-31

死についての哲学的洞察は、哲学がこれまでどのように死を問うてきたかという哲学史的問題へと我々を向かわせる。死とは何かという問いが、古来、哲学者達にとって根源的であり続けてきたのは、人間が本質的に死という未来によって限定された存在であるからである。ヘーゲル哲学における死の概念の考察が本稿の目的であるが、最初に死の概念について歴史的に概観し、次にヘーゲルの初期論稿と『精神現象学』における存在概念として特徴づけることによって、ヘーゲル哲学において生命と死の概念がもつ意味を考察する。初期論稿において生命は世界の存在概念として特徴づけられ、その存在性格が愛による運命との和解という初期思想の根本概念を規定している。「意識の経験の学」としての『精神現象学』に至って、生命は自己意識として捉えられ、生命は精神の生命となる。その際、死は生命の終わりでもなく、生命の対立概論でもなく、生命に内包され再生と新たな生命創造の契機であることが明らかになる。ヘーゲル哲学を含め近代西欧哲学はデカルトにより発見された「我思う」の自我、即ち、意識の哲学であるが、生命と死の概念についても、それが精神としての生命であり、意識の死であることが結論づけられる。Diese vorliegende Arbeit ist ein Versuch, den Begriff des Todes in der Hegelschen Philosophie aufzuklären. Das Problem des Todes oder die Frage nach dem Tod war immer wieder das bedeutendeste Problem für alle Philosohen, weil das Sein des Menschen wesentlich vom Tode beschränkt ist. Wollen wir zeigen, warum es sinnvoll ist, philosophische Betrachtungen über Tod anzustellen, so müssen wir zunächst erklären, wie Philosophie bis heute nach dem Tode gefragt hat.IN dieser Arbeit zuerst verblicken wir historisch und philosophisch den Befriff des Todes. Veispiel, da die Seele unsterblich und der Tod die Trennung von Leib und Seele sei. Für Decartes bedeutet der Tod des Menschen nur das Ende der automatischen Maschine.Dann wollen wir den Begriff des Lebens und Todes in Hegels Philosophie in Betracht ziehan. In den Hegels Theologischen Jugendschriften bezeichnet das Leben das Wirkliche d.h. die Weise des Sein. Auch in Phänomenologie des Geistes wird das Leben als Seinsbegriff klar.Seit Decartes und Kant könnten wir sagen, da Subjekt der neuzeitlichen Philosophie in anderen Worten, Vermittler Bewußtsein ist. SO in diesem Sinne ist der Tod des neuzeitlichen Menschen der Tod des Bewußtseins.
著者
田川 伸一 森田 昌孝 堀口 健一 吉田 宣夫 高橋 敏能
出版者
山形大学
雑誌
山形大學紀要. 農學 (ISSN:05134676)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.1-7, 2014-02

2番草リードカナリーグラス(Phalaris arundinacea L., RCG)を材料とした発酵TMR(Total mixed ration)の発酵品質に及ぼす豆腐粕と製造元の異なる2種類のトウモロコシジスチラーズグレインソリュブルの利用,並びに酵素(商品名:プロセラーゼ10)0.2%添加効果をRCGの混合割合(原物)を45%と65%でパウチ法により検討した。先の報告の1番草RCGを供試したときより2番草RCG発酵TMRの発酵品質のうち,pHは高く乳酸含量は低かった。しかし,酪酸が殆ど検出されなかったためV-スコアとフリーク評点は高かった。また,何れのRCGの混合割合の場合も,酵素添加による発酵品質の改善効果は弱かった。2番草RCGを利用した時の発酵品質の評価が高かった原因に1番草より水分含量が低かったことが考えられた。
著者
森田 敦郎 小森 大輔 川崎 昭如
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.491-496, 2013-07-01 (Released:2013-12-24)
参考文献数
13

本稿は,チャオプラヤ・デルタにおける水管理の変遷と社会の関係を描き出す試みである.20世紀前半の開発は,デルタ全体を一つの灌漑システムへと再編するものであった.このシステムは,雨季の灌漑(水の均等な配分),乾季の灌漑(選択された地域への給水),雨季の洪水防御(指定氾濫地域への導水)という三つの目的を持つ.これらの三つの機能は,それぞれ絡み合いながら歴史的に発展してきた.だが,1990年代に進行した農業変化と産業化にともなって,三者の葛藤は顕在化しつつあり,水管理に新たな課題を突き付けている.
著者
小西 伴尚 石井 智也 福永 真之 森田 健太郎
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.131, 2020

<p> 昨年度より、三重高校(中高一貫高校部)1年生140名全員で、目標とした『自分から行動をとる生徒を増やす』『地域への関心を高め、その魅力や課題を発見し、行動がとれる』に向けて、近隣の大台町旧宮川村にて、高校 1年生全員が学ぶことができるプログラムを計画・実施してきた。1年目は、できる限り生徒自身が何事も行うように仕向け、教員は大枠(実行委員会を組織すること、取組の途中に遠足を利用すること、対象地域を旧宮川村にすること、最低一年間地域のことを考え・課題をみつけ・自分(達)ができることを考え・行動にでること)のみを設定することとした。これにより、実行委員会の生徒は感化され、目的に合った生徒が育ってきたが、他の生徒の変容は少なかった。その後、引き続き旧宮川村や自分の地元、学校のある松阪市の課題を見つけ、行動に出る機会を作り、動き出す生徒を増やしている。</p><p> また、同様の企画を本年度の1年生にも引き継いで実施した。そこでは、一年目に組んだ教員が学年団におらず、さらに準備期間が短くなった中で、実施にこぎつけ、生徒が動く内容は少なくなったが、良い経験となった。発表では、引き継ぎの難しさも踏まえて報告する。</p>