著者
河野 健一
出版者
長崎県立大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012

論文2点を発表。第1 論文『ボスニアで結実した「人間の安全保障」の復興支援-- 現地密着の手法が難民と住民の心を開いた』は長崎県立大学発行の国際情報学部研究紀要第13 号(2013 年 1 月発行)に掲載。第2 論文『ボスニアの戦後復興支援で民族協同を実現--JICA プロジェクトの成功要因を検証する』 では、ボスニアの経験を同じく民族紛争で荒廃したスリランカの戦後復興と民族和解支援に応用する新事業に力点を置き、アジア調査会発行の学術雑誌『アジア時報』(2013 年 1・2 月合併号)に発表した。英文概要は、第1 論文に付した英文要約を簡略化したものを付す。
著者
河野 健司
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.330-333, 2006-05-01 (Released:2011-10-14)
参考文献数
21

標的細胞に遺伝子を導入し,効率よく発現させる技術の確立は,遺伝子治療や再生医療などの先進医療の発展にかかわる重要な鍵である.効率のよい遺伝子発現を実現するためには,遺伝子の最終目的地点である細胞核内まで遺伝子をスムーズに送り届けることができ,しかも生体にとって安全性の高い運搬体の開発が必要である.本稿では,標的細胞において効率的な遺伝子発現を誘導するための遺伝子送達システムの設計について,筆者らが進めている機能性リボソームを用いた遺伝子送達システムを中心に解説する.
著者
矢部 広樹 河野 健一 森山 善文
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.397-403, 2016 (Released:2016-10-20)
参考文献数
27
被引用文献数
2

【目的】心大血管術後の透析患者におけるAT 強度以下の処方心拍数を,Karvonen 法と安静時心拍数に定数を加算する方法(HRrest+α)から検討した。【方法】心大血管術後の透析患者16 名に対し心肺運動負荷試験を実施し,AT 時の心拍数(以下,HRAT)を測定した。そして各処方式の負荷定数を変化させて求めた処方心拍数とHRAT の信頼性を級内相関係数(以下,ICC)で検討した。また各定数で求めた処方心拍数がHRAT を超える割合(%over AT)も算出した。【結果】透析群においてKarvonen 法でk = 0.13,HRrest+α でα = 11 の定数で求めた処方心拍数は,HRAT とのICC がそれぞれ0.9 と0.92 であり,%over AT が36.8% と15.8% であった。【結語】α = 11 で求めるHRrest+α の処方心拍数は,心大血管術後の透析患者において,AT 強度を超えない範囲での運動強度になると考えられる。
著者
河野 健一 西田 裕介 森山 善文 森 敏彦 矢部 広樹
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.255-262, 2017 (Released:2017-08-20)
参考文献数
19
被引用文献数
7

【目的】透析患者の運動能力低下に至る障害構造モデルを構築し転倒との関連を明らかにする。【方法】維持透析患者329 例に対し,背景因子の調査,身体機能と運動能力の測定を横断的に実施し,パス解析にて運動能力低下に至るモデルの適合度を検証した。また,同一患者に対して転倒の有無を前向きに追跡し,転倒に対する運動能力低下の危険性を検討した。【結果】高齢化,透析期間の長期化,炎症状態といった疾患背景が間接的に,また低栄養状態,筋肉量低下,筋力低下,歩行の動揺性を増大させ直接的に運動能力の低下に関与した(χ2 = 11.782,CMIN/DF = 0.982,GFI =0.99,CFI = 1.000,RMSEA < 0.001)。そして,運動能力低下は転倒の独立した危険因子であった。【結論】障害構造モデルの観測変数に着目することは,透析患者の理学療法臨床推論を進め転倒を予測するうえで有用と示唆された。
著者
河野 健一 森山 善文 矢部 広樹 西田 裕介
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.44 Suppl. No.2 (第52回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1464, 2017 (Released:2017-04-24)

【はじめに,目的】糖尿病性腎症は透析導入の原因疾患として最も多く,それに廃用性,加齢性変化も加わるため,透析導入時点で身体機能が低下している者も少なくない。加えて,経年的な透析治療は,異所性石灰化による関節可動域制限や関節痛,慢性的な低蛋白血症や骨格筋機能の低下,身体活動量の低下を引き起こす。当該患者は,急性疾患等への罹患を契機に身体機能や運動能力が低下し要介護状態に陥りやすく,健康寿命の喪失に至る。これは,透析医療に関する医療費以外の社会保障費を増大させ,また,患者やその家族の生活の質を低下させるという点において重大な問題である。透析患者に対する運動指導を中心とした理学療法は,糖尿病等の予防的管理だけでなく,経年変化として運動能力の低下を防ぎ,健康寿命を延伸することにも重要な意義を持つ。そこで,本研究の目的は,一定期間内に運動能力の低下する危険性の高い透析患者を把握すべく,評価指標とその基準値を明らかにすることとした。【方法】対象は,初期評価時に歩行ならびに日常生活が自立した維持血液透析患者180例とした。患者背景因子(年齢,性別,糖尿病やその他合併症の有無,透析歴,透析管理状況),栄養状態(geriatric nutritional risk index,GNRI),炎症状態(c-reactive protein,CRP),身体機能(握力,除脂肪量),運動能力(歩行速度,歩行周期変動係数,short physical performance battery,SPPB)を初期と1年後の2回評価した。1年後にSPPBの得点が3点以上低下した状態を運動能力低下と定義し,運動能力低下を従属変数,その他評価指標を独立変数とし,単変量解析,多重ロジスティック回帰分析を実施した。また,独立した関連因子に対してROC解析を行いカットオフ値,感度,特異度を算出した。【結果】歩行速度が運動能力低下の独立した危険因子であった(OR=0.168,95%CI=0.037~0.762)。また,そのカットオフ値は0.84m/sec(感度0.71,特異度0.68,曲線下面積0.68)であり,0.84m/sec以下の歩行速度の患者は,そうでない患者と比較し,1年後に運動能力が低下する危険性が5.38倍高く(OR=5.381,95%CI=2.058~14.073,p=0.001),年齢,性別,透析期間,糖尿病の有無,栄養状態,炎症状態にて補正後も同様の結果が得られた。【結論】歩行速度の遅い透析患者ほど,1年間という比較的短い期間において運動能力が低下する危険性が高いことが明らかとなった。基準値として0.84m/secを参考とし,これを下回る患者に対して,運動指導を中心とした理学療法の必要性が示唆された。
著者
原 采花 河野 健一 大下 裕世 矢部 広樹 長嶋 史子 名村 晋哉 一柳 浩志 森山 善文 西田 裕介 山田 哲也
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11618, (Released:2020-02-27)
参考文献数
27

【目的】維持血液透析患者の栄養状態,身体機能の代表値ならびにカットオフ値を下回る患者の割合を年代別に明らかにした。【方法】670 例の維持血液透析患者に対して,患者背景,Body Mass Index(BMI),Geriatric Nutritional Risk Index(以下,GNRI),握力,膝伸展筋力,通常歩行速度,Short Physical Performance Battery(以下,SPPB)を横断的に調査した。サンプルサイズの妥当性を確認し,代表値の算出とカットオフ値を下回る患者の割合を年代間で比較した。【結果】50 歳以上の年代では十分なサンプルサイズを設定できた。GNRI,握力,膝伸展筋力,歩行速度,SPPB はいずれも年代が高いほど低値で,80 歳代においてカットオフ値を下回る割合が高かった。【結論】維持血液透析患者の栄養状態,身体機能の年代別代表値と高齢患者における低下の実態を示すことができた。
著者
窪田 貴文 河野 健二
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.3_17-3_32, 2022-07-22 (Released:2022-09-22)

C++はコンパイラ,ウェブブラウザエンジンなど様々なシステムソフトウェアを開発するプログラミング言語として用いられている.しかし,近年システムソフトウェアが大規模化にするにつれて C++プロジェクトのビルド時間が長くなってきていることが問題となっている.そこで本稿では C++プロジェクトのビルドを高速化する手段として有効である3つの手段 (Unity Builds, Zapcc, そして C++ Modules) について解説をする.まず,実際に大規模な C++プロジェクトにおけるビルド時間の現状について紹介し,そのビルド時間のブレイクダウンを示すことで C++のビルドにおいてどの処理がボトルネックになっているか明らかにする.そして各手法のアプローチ・実装について紹介し,適用後にどの程度改善されるかを示す.また,各手法の課題についても議論する.
著者
平野 裕真 河野 健一 山内 克哉 安田 日出夫
出版者
The University of Occupational and Environmental Health, Japan
雑誌
Journal of UOEH (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.257-262, 2022-09-01 (Released:2022-09-09)
参考文献数
18
被引用文献数
1

Patients with minimal change nephrotic syndrome (MCNS) are prone to loss of motor skills due to urinary protein leakage, steroid myopathy, and other factors. Acute kidney injury (AKI) is a common complication that contributes to the loss of physical function. Rehabilitation is crucial, but its efficacy and safety are unknown. Here we present a case of a patient with MCNS complicated by AKI, who commenced rehabilitation after dialysis was discontinued and experienced improved mobility. The patient, a woman in her 70s, was admitted to our hospital with bilateral lower limb edema and decreased urine output for approximately 5 days. Treatment with prednisolone and furosemide was initiated, but then dialysis was initiated due to AKI. Rehabilitation was started after dialysis was discontinued. The patient’s muscle strength and physical activity improved, and her exercise capacity and exercise tolerance improved without adverse effects. Rehabilitation may contribute to the improvement of exercise capacity without worsening renal function and urinary protein in patients with MCNS complicated by AKI.
著者
野澤 真伸 今村 智史 河野 健二
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:21888795)
巻号頁・発行日
vol.2022-OS-155, no.7, pp.1-8, 2022-05-19

異種プログラミング言語を併用することで,それぞれの長所を活かしてアプリを実装する場合がある.その際,異種プログラミング言語間でデータ構造を共有する処理が必要となる.データ共有を行うためには,データ構造を特定のプログラミング言語やマシンアーキテクチャに依存しない中立なフォーマットを経由してやりとりすることが一般的である.中立なフォーマットへの/からの変換をシリアライズ/デシリアライズといい,特に不揮発性メモリのような高速ストレージを媒介してデータ共有を行う場合,そのオーバーヘッドは無視できない.本論文では異言語間でのデータ共有高速化の手法を提案する.異言語間でのデータ共有を行う場合,あらかじめデータ共有を行う言語やアーキテクチャが特定できる場合も多く,そのような状況に特化した方式を示す.例えば,数値計算の前処理を Julia で行い,その後の計算処理を Python で行う場合などがある.このような状況では,1) 汎用性の高い中立なフォーマットを用いる必要がないため,シリアライズ/デシリアライズが簡略化できることに加え,2) ランダムアクセスが高速であるという永続メモリの特性を活かしたシリアライズ/デシリアライズ処理が可能となる.提案手法を Python と Julia 間のデータ共有に用い,Python と Julia に実装された従来のシリアライズ/デシリアライズ処理と比較したところ,Python から Julia にデータを送信する場合は,配列のシリアライズとデシリアライズがそれぞれ 1.57 倍と 3.03×106 倍,辞書のシリアライズとデシリアライズが最大でそれぞれ 2.38 倍と 1.23 倍の高速化が可能であることがことが確認できた.また Julia から Python にデータを送信する場合は,配列のシリアライズとデシリアライズはそれぞれ 3.26 倍と 4.06×105 倍,辞書のシリアライズとデシリアライズは最大でそれぞれ 1.78 倍と 14.4 倍の高速化が可能であることが確認できた.
著者
落合 淳 嶋村 誠 河野 健二
雑誌
研究報告システムソフトウェアと オペレーティング・システム(OS)
巻号頁・発行日
vol.2009-OS-112, no.8, pp.1-8, 2009-07-29

現在,ユーザの個人情報を不正に収集するスパイウェアを検出する手法としてTaint Analysis が注目されている.Taint Analysis では,パスワードなどのデータに taint と呼ばれる情報を付加し,taint 情報を持つデータが操作されたときに伝播規則に基づいて taint 情報を伝播する.そして,taint 情報を含むデータが外部に流出した場合にスパイウェアとして検出する.既存のスパイウェアは Taint Analysis を回避していない.そのため,Taint Analysis はスパイウェアが回避手法を用いた場合を考慮していない.本論文では,Taint Analysis の回避手法への耐性を向上させるため,既存の Taint Analysis に対する回避手法を示し,taint 情報の伝播規則の問題点を指摘する.回避手法を検証するため,一般的な伝播規則を用いた Taint Analysis を実装し実験を行った.実験の結果,回避コードを組み込むことで,Taint Analysis による検出ができなくなることを確認した.これにより,taint 情報の伝播規則を改良する必要があることを示した.
著者
河野 健太郎 石井 啓義 寺尾 岳
出版者
九州精神神経学会
雑誌
九州神経精神医学 (ISSN:00236144)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.74-80, 2019-08-15 (Released:2020-10-05)
参考文献数
40

19世紀,気質の概念は Kraepelin ら精神科医から提唱されていた。Kraepelin の概念を継承し,Akiskalは双極性障害と単極性うつ病が連続性を持ち,それらを包含する概念として「双極スペクトラム」を提唱した。また,双極スペクトラムに関連するTemperament Evaluation of Memphis, Pisa, Paris and San Diego-autoquestionnaire version(TEMPS-A)で同定された抑うつ,循環,発揚,焦燥,不安の5つの感情気質を示した。本稿ではTEMPS-Aの気質中心に関連する,様々な研究を紹介する。TEMPS-Aの気質とTemperament and Character Inventory(TCI)の気質の関連についての研究,気質と光の関係についての研究,fMRIやPETを用いた気質に関連する脳機能画像研究,最後に薬物反応性や自殺などふくめ,臨床への応用が期待される研究について提示したい。
著者
河野 健一 KOHNO Kenichi
出版者
県立長崎シーボルト大学
雑誌
県立長崎シーボルト大学国際情報学部紀要 (ISSN:13466372)
巻号頁・発行日
no.2, 2001-12-20

国立情報学研究所により電子化
著者
河野 健
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.224-230, 2012 (Released:2013-09-30)
参考文献数
10
著者
嶋村 誠 河野 健二
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.48-63, 2009-12-17

遠隔から攻撃コードをネットワークを介して挿入するリモートコードインジェクション攻撃はセキュリティ上の大きな問題の 1 つである.これに対し,攻撃コードを検知・解析するシステムとして,ネットワーク・コードエミュレータが提案されている.ネットワーク・コードエミュレータでは攻撃コードの疑似実行を行うことにより,攻撃コードを精度良く検知したり,攻撃コードの振舞いを詳細に解析したりできる.また,攻撃コードを実行して解析を行うため,暗号化や難読化を施された攻撃コードにも耐性がある.本論文では,被害プロセスのメモリ上のデータを攻撃コードの一部として利用するメモリスキャン攻撃を用いると既存のネットワーク・コードエミュレータによる解析を妨害できることを示し,メモリスキャン攻撃も解析できるネットワーク・コードエミュレータである Yataglass+ を提案する.実際に Yataglass+ のプロトタイプを作成し,実際の攻撃コードにメモリスキャン攻撃を適用し実験を行った結果,Yataglass+ は正しくメモリスキャン攻撃を適用した攻撃コードを解析できた.
著者
金丸 千沙子 竹藤 順子 片桐 龍一 河野 健太 竹本 竜志 三浦 幸仁 池上 仁 千葉 修一
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
vol.42, pp.P-233, 2015

【背景・目的】近年、イヌをはじめとする社会生活を営む動物は、動物福祉向上の観点から複数頭で群飼育することが求められるようになっており、より生態に近い飼育環境へ改善することで、精度・再現性の高い実験となることが期待されている。一方で、群飼育下での安全性試験の実施は、動物同士の接触、干渉などが毒性評価へ影響を及ぼす懸念があるほか、飼育器材の改良も必要となり、わが国におけるGLP試験での実施例はまだ多くない。今回我々は、群飼育下でイヌにおける13週間反復投与試験を実施し、良好な成績を得ると共に、今後の課題を抽出したので紹介する。【方法】入手時8~9カ月齢のビーグル犬を2~3頭のグループで飼育した。通常の個別飼育ケージ(W 900×D 900×H 1590 mm)の両側面を開閉式に改良し、複数ケージを連結できるものを使用した。単飼育は投与、給餌、尿検査、心電図検査並びに獣医学的ケアの観点から必要と判断された場合に限定し、その他の期間は群飼育とした。群分けでは、馴化期間中のグループは考慮せず、個別の体重値に基づく層別割付を行った。層別割付後に同一投与群内で2~3匹の新たなグループを作成し、相性確認で問題がないことが確認された場合にグループ成立とした。【結果】群分けにおいて、新たなグループは全て成立した。各種検査項目には単飼育時との明らかな差は認められなかった。ケージ症状の観察では、個体の特定の可否を明確に記録することで、単飼育時との検出感度の差を最小限にとどめることができた。なお、雄の1グループで投与9週目に闘争による負傷が発生し、それ以降は単飼育としたが、その他のグループでは問題は認められなかった。【結論】本実験条件下では、既に単飼育で実施した短期間投与の試験成績と大きな齟齬は生じなかった。今後、住環境の改善など更なる動物実験における福祉向上を目指すと共に、リソースの有効活用も追求していく必要があると考えられる。
著者
河野 健司
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.23, no.6, pp.644-653, 2008 (Released:2009-02-13)
参考文献数
51

リポソームのDDSとしての有用性を高めるためには,リポソームに新しい機能を与え,しかも,高いパフォーマンスを実現することが重要である.高分子化学からのリポソームへのアプローチは,リポソームの高機能化・高性能化を実現するためのすぐれた手法であり,これまでに高分子の導入によってさまざまな高機能リポソームが構築されてきた.本稿では,筆者らが展開してきた温度応答性高分子やpH応答性高分子の導入による機能性リポソームの構築を中心に,リポソームの機能化・高性能化における高分子化学からのアプローチの有用性について述べる.