- 著者
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岡田 俊樹
前田 安彦
金内 誠
角田 潔和
鈴木 昌治
小泉 武夫
- 出版者
- 公益財団法人 日本醸造協会
- 雑誌
- 日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
- 巻号頁・発行日
- vol.94, no.10, pp.849-852, 1999-10-15 (Released:2011-09-20)
- 参考文献数
- 12
- 被引用文献数
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青ヶ島の芋焼酎製造に用いられる粉状麹の諸性質を調べた。(1) 粉状麹の製麹過程中の水分含量の変化は, 引込み時に45.0%であったものが, 7日目の出麹時は, 32.0%まで減少した。これは, 一般的な散麹の値より10%程度高かった。(2) 粉状麹の製麹中の酸度は, 出麹まで増加し続け, 4.0meに達した。これは, 一般的な焼酎用麹の酸度よりわずかに低いものであった。(3) 粉状麹の出麹時の各種酵素力価は, AAは1, 100U/g・麹, GAは260U/g・麹であり, 白麹菌を用いて製麹した焼酎用麦麹と比べて, AAで約12倍, GAで約1.4倍高かった。APは11,900U/g・麹で, 焼酎用麦麹と同等であり, ACPは9, 800U/g・麹で, 約3倍高い値を示した。また, 耐酸性α-アミラーゼは530U/g・麹だった。(4) 粉状麹の製麹過程中の細菌酸度は, 製麹開始後, 4日目に3.1meに達したが, その後減少し, 出麹時は2.4meだった。これは, 一般的な散麹の値より高い値だった。以上の結果より, 青ヶ島の芋焼酎製造に用いられている粉状麹は, 酸度が高いことや各種の酵素力価より, 焼酎用麹として十分な品質を有していることが明らかとなった。