著者
猪上 淳
出版者
公益社団法人 日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.38-41, 2019 (Released:2019-02-28)
参考文献数
19
著者
猪上 淳 飯島 慈裕 高谷 康太郎 堀 正岳 榎本 剛 中野渡 拓也 大島 和裕 小守 信正
出版者
国立極地研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

北極の温暖化増幅に関して、低気圧活動の役割に着目した観測的・数値的研究を実施した。(1)シベリア域の低気圧活動の変動は、水蒸気輸送過程を通じて水循環・河川流量の変動に影響を与えるとともに、夏季北極海上の海氷を減少させる特有の気圧配置を左右する要素であること、(2)冬季バレンツ海やベーリング海の低気圧活動の変化は、近年の北極温暖化および海氷減少に影響する一方で、中緯度での厳冬を引き起こし、その予測には中緯度海洋の変動が鍵であること、(3)北極海航路上の強風や海氷の移流を精度よく予測するには、高層気象観測網の強化が必要であること、などを明らかにした。
著者
猪上 淳 A. CURRY
出版者
独立行政法人海洋研究開発機構
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2006

急速に変化する北極圏を機動的かつ安価に観測するためのシステムとして自律型無人小型飛行機(UAV)を導入した。観測・データ解析の結果、(1)衛星観測による夏季海氷密接度は海氷の表面融解の影響を受けて7%過小評価していること、(2)陸面の植生分布等の差異によって表面温度の変動が3度〜7度も幅がありその影響が大気境界層内にも及ぶこと、(3)海面水温の空間分布の変化に伴い大気境界層が変質することなど、大気・海氷・海洋・陸域の各分野においてUAVが有効な観測システムであることが示された。