著者
折笠 成宏 村上 正隆 斎藤 篤思
出版者
日本エアロゾル学会
雑誌
エアロゾル研究 (ISSN:09122834)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.24-31, 2015-03-20 (Released:2015-04-16)
参考文献数
9
被引用文献数
1

As one of the physical evaluation techniques of seeding effects, cloud seeding experiments were conducted utilizing an instrumented aircraft, with the use of dry-ice pellets in cold clouds and hygroscopic flares and salt micro-powders in warm clouds as a seeding agent. We demonstrated from the in-situ measurements that dry-ice pellet seeding of mixed-phase orographic clouds were effective, based on the comparison of estimated radar reflectivity factor, ice water content, or precipitation intensity from the 2D images of ice particles between seeded portions and their surroundings. The observational results we obtained so far showed that hygroscopic seeding of warm clouds might be effective under limited conditions.
著者
折笠 成宏 村上 正隆
出版者
(公社)日本気象学会
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.75, no.6, pp.1033-1039, 1997-12-25 (Released:2009-09-15)
参考文献数
8
被引用文献数
4 22

低濃度の氷晶からなる巻雲を測定するために新型の雲粒子ゾンデを開発した。このゾンデは倍率の異なる2台の小型ビデオカメラを搭載しており、粒径7μm-5mmの粒子の映像を1.6GHzのマイクロ波を通して地上に伝送する。従来の雲粒子ゾンデでは、サンプリング体積が小さいために、雲粒子の数濃度が低い雲の粒径分布が正確に評価できなかった。この点を克服するために、吸引用の小型ファンを付加することによって十分なサンプリング体積を確保した。また、周囲の気圧変化やゾンデの上昇速度によるサンプリング体積の変化を室内実験によって評価した。捕捉率の理論的計算から、10μm以上の粒子が全て捕捉されると考えられる。強制吸引式雲粒子ゾンデによる巻雲の観測例から、10μm以上の氷晶の粒径分布を250m間隔で精度良く決定できることがわかった。この雲粒子ゾンデの観測結果は、巻雲の生成や維持の機構を理解するのに有益な情報を与える。
著者
村上 正隆 折笠 成宏 斎藤 篤思 田尻 拓也 橋本 明弘 財前 裕二 牧 輝弥 荒木 健太郎 松木 篤 久芳 奈遠美
出版者
気象庁気象研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

つくばサイトに於いて、各種エアロゾル測定・採取装置、雲核計、氷晶核計を用いて通年観測を継続実施した。エアロゾルの物理化学生物特性および雲核・氷晶核活性化スペクトルの季節変化について明らかにした。大気エアロゾルの主要構成要素である、黄砂粒子・バイオエアロゾル・種々の人為起源エアロゾル(標準粒子)を対象とした雲生成チェンバー実験や雲核計・氷晶核計を用いた測定結果と詳細雲微物理モデルの結果に基づき、その雲核能・氷晶核能を種々の気象条件下で調べ定式化した。その結果を用いて非静力学モデルなどに用いるエアロゾル(雲核・氷晶核)・雲・降水を統一的に取扱う新機軸のパラメタリゼーションを開発した。