著者
神田 知紀
出版者
一般社団法人日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.11, pp.776-781, 2017 (Released:2017-11-25)
参考文献数
25
被引用文献数
1

ガドリニウム造影剤は一般的に用いられるMRI造影剤である. ガドリニウムは強い毒性をもつため, ガドリニウム造影剤は投与後すぐに排泄されるように設計されている. ところが, 近年ガドリニウム造影剤が脳内に残留することが画像所見から明らかになり, ガドリニウム造影剤の安全性が揺るがされている. しかも体内に残留するガドリニウム量は市販されている造影剤間でも異なり, 造影剤間の格差が生じている. 現時点までの知見および安全性の考え方について概説した.
著者
神田 知子 安藤 真美 高橋 徹 丸山 智美 五島 淑子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.59, no.12, pp.1005-1009, 2008 (Released:2010-07-29)
参考文献数
22
被引用文献数
3

We analyzed the levels of free amino acids and related substances, and nucleic acid-related compounds in a niboshi extract soup stock and niboshi-flavored mixed seasoning soup stock by using an amino acid analyzer. Niboshi (30 g) was soaked in 1 l of water for periods of 0, 30, and 180 min. Each solution was boiled for 5 min and used to prepare the niboshi extract soup stocks. These soup stocks contained serine, 3-phospho-1-serine, taurine, threonine, aspartic acid, asparagine, glutamic acid, glutamine, glycine, alanine, valine, cysteine, methionine, cystathionine, isoleucine, leucine, tyrosine, tryptophan, phenylalanine, ornithine, lysine, histidine, arginine, hydroxyproline, proline, urea, NH3, and nucleic acidrelated compounds of ATP, ADP, AMP, IMP and HxR. The mole fraction of glutamic acid in the total amino acids and their related substances in the mixed seasoning soup stock was 95%. The only nucleic acid-related compound detected in the mixed seasoning soup stock was IMP. The glutamic acid content was over 11.8-fold higher in the mixed seasoning soup stock than in the niboshi extract soup stocks. The IMP content was over 2.9-fold higher in the niboshi extract soup stocks than in the mixed seasoning soup stock.
著者
進士 誠一 横堀 將司 清水 哲也 神田 知洋 林 光希 安康 勝喜 吉田 寛
出版者
日本医科大学医学会
雑誌
日本医科大学医学会雑誌 (ISSN:13498975)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.98-104, 2022-02-20 (Released:2022-03-15)
参考文献数
11
被引用文献数
2

During their clinical clerkships (CCs) in surgery, medical students are generally introduced to such areas as surgical indications, surgical techniques, and perioperative management through rounds and practical skills training on wards and in operating rooms. Given the technological advances made in virtual reality (VR) over recent years and its increasing use in education and corporate training, we decided to try using VR for the benefit of students on surgical CCs. To this end, we developed what we termed a "VR surgery tour" in the field of gastrointestinal surgery, which involved students using VR goggles to view edited 3D images. We then asked 26 fifth- and sixth-year medical students at Nippon Medical School assigned to CCs in gastrointestinal surgery between November 2020 and September 2021 to evaluate the VR surgery tour via a questionnaire survey. The questionnaire included questions using a five-point Likert scale and space for free comments. Our results showed that all respondents felt satisfied with the VR surgery tour, with 96% of them indicating it was a viable alternative to clinical training; moreover, about 90% of the students found it useful as a teaching aid for pre-learning and requested that VR teaching materials be made available in other fields as well. We concluded that our VR surgery tour is a valuable supplement to practical training in gastrointestinal surgery and that it increases medical students' motivation to learn. We believe VR is an effective teaching aid and that there will be increasing demand for its use in various education and training programs.
著者
真柄 仁 林 宏和 神田 知佳 堀 一浩 谷口 裕重 小野 和宏 井上 誠
出版者
日本顎口腔機能学会
雑誌
日本顎口腔機能学会雑誌 (ISSN:13409085)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.22-32, 2013 (Released:2015-04-01)
参考文献数
23
被引用文献数
4 6

本研究は,嚥下障害のある患者と健常者の舌骨運動時間と距離,舌骨位,および食塊移送のタイミングを比較することにより,嚥下障害における病態の一つと考えられる舌骨位の下垂が嚥下機能にどのように影響しているかを検証することを目的とした. 対象は,嚥下障害を主訴として来院され嚥下造影検査を行った65名の患者(以下患者群),対照として健常被験者10名(以下健常群)とした.得られたデータから,舌尖の運動開始を基準に舌骨運動・食塊移送の時間経過を計測し,また,第四頸椎前下縁を基準として舌骨位を計測し,患者群と健常群で比較を行った. 患者群では食塊移送時間が口腔,咽頭ともに延長しており,更に食塊の咽頭流入は嚥下反射惹起を示す急速な舌骨挙上と比べ有意に先行していた.第四頸椎を基準とした場合,患者群と健常群に明らかな舌骨位の違いは認めなかった.疾患別の検索を行うと,嚥下反射以降は各疾患とも類似した舌骨の動きが認められたが,嚥下反射前は複雑な軌跡を示した.いくつかの疾患では,嚥下反射惹起前の舌骨の移動距離と移動時間に正の相関関係が認められたため,舌骨位が嚥下反射惹起遅延に影響を与えている可能性が考えられた.
著者
神田 知子 安藤 真美 五島 淑子 櫻井 菜穂子 花井 玲子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.390-400, 2004
参考文献数
20
被引用文献数
2

山口県の豆類といも類を用いた料理に関するアンケート調査および聞き取り調査を行い,山間部(阿東町)と海岸部(山陽町)における地域性を検討したところ,以下の知見が得られた. 1)阿東町は豆類やいも類の自家栽培が多く,平均6.4種類の作物を栽培していた. またきな粉,豆腐,こんにゃくなどの食品を手づくりしている世帯も多かった. 一方,山陽町では,平均2.8種類の作物が栽培されていた. 2)阿東町では,自家栽培の多い食材を用いた料理が多く,工夫して食されていることが明らかとなった. 一方,山陽町では出現した料理の種類が多く,とくにじゃがいもと木綿豆腐の料理が多かった. 3)行事に関連する料理は阿東町の方が多く,葬式の料理を地域で作るという風習も残されていた. 4)豆類を用いた郷土料理である「けんちょう」と「いとこ煮」について検討した結果,材料や作り方に両地域で違いが見られた. 本研究を行うにあたり,アンケート調査にご協力いただきました阿東町消費者連絡協議会と山陽消費者の会の皆様に深謝いたします. なお本研究は日本調理科学会特別研究「調理文化の地域性と調理科学」の一環として行った. また平成13年度日本調理科学会大会において発表した.
著者
清水 哲也 水口 義昭 吉岡 正人 松下 晃 金子 恵子 川野 陽一 勝野 暁 神田 知洋 高田 英志 中村 慶春 谷合 信彦 真々田 裕宏 横室 茂樹 内田 英二
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.79-85, 2016-01-31 (Released:2016-04-26)
参考文献数
19

ERCPは胆膵疾患の診断に不可欠な手技となり,ERCPを応用したさまざまな手技が活用されている一方,ERCPの偶発症は重篤化しやすく慎重を要す手技である。ERCP合併症の中でも後腹膜穿孔は死亡率が高く,その診断と対処が重要である。1999年1月から2015年5月までのERCP自験例 4,076例のうちERCPの後腹膜穿孔を10例(0.25%)に認め,その原因と対応を検討した。穿孔部位は,乳頭部3例,胆管3例,膵管2例,十二指腸2例であり,原因は,乳頭部穿孔ではEST,胆管穿孔では砕石処置具の挿入,膵管穿孔ではカテーテル操作,十二指腸穿孔では内視鏡の挿入による損傷であった。後腹膜穿孔を疑う際にはENBDや胃管で減圧しCTで後腹膜穿孔の重症度を確認する。CTで後腹膜に液体貯留を認め,かつ発熱や疼痛のある症例は緊急手術を行う。後腹膜気腫のみ,もしくは少量の液体貯留のみで無症状の症例は保存的加療を行い経時的に疼痛や液体貯留をフォローし,所見の悪化がある際は緊急手術を考慮する。
著者
神田 知子 高正 晴子
出版者
山口県立大学
雑誌
山口県立大学学術情報 (ISSN:18826393)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.50-55, 2008-03-31

朝鮮通信使とは,江戸時代に1607年から1811年まで,約200年間計12回にわたり,朝鮮国王から幕府に派遣された総勢300~500人もの平和外交使節団である.2007年は第1回から400年目の年にあたるため,「朝鮮通信使400周年記念,しものせき馬関まつり参加事業」の一環として朝鮮通信使おもてなし (饗応)料理の再現が行われた.再現した料理は1711年8月29日に,長州藩主毛利吉元が自ら接待にあたり,「長門下之関御馳走一番(長州藩の御馳走が一番)」と評された時の饗応料理の中で,三使(正使,副使,従事官)に提供された五五三膳と引替三汁十五菜の一部である.再現料理に要した食材料の種類から,動物性たんぱく質源である魚介類が多いことがわかった.また,保存効果や抗菌効果をもつ山椒やからし,わさびなどの香辛料が多用されていることがわかった。