著者
楠本 成寿 福田 洋一 竹村 恵二 竹本 修三
出版者
学術雑誌目次速報データベース由来
雑誌
地學雜誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.110, no.1, pp.32-43, 2001
参考文献数
35
被引用文献数
1 11

In order to solve a mechanical inconsistency that the Osaka Bay basin exists between the Median Tectonic Line (MTL) and Arima-Takatsuki Tectonic Line (ATTL) (right-lateral left-stepping faults), we attempted to investigate and evaluate the basin forming mechanism at the termination of right-lateral left-stepping faults by means of the dislocation modeling.<BR>The results of the numerical simulations show that the sedimentary basin can be formed at the termination of the right-lateral left-stepping faults develop, if the secondary fault caused by the rightlateral motion is a reverse fault and its displacement is larger than 20% of the lateral motion. We applied this model to the fault distribution in the Kinki district, and found that tectonic structures around the Osaka Bay can be explained by combination of 1) the right-lateral motion of the MTL and ATTL and 2) the reverse motion of their secondary faults, <I>i.e</I>., Nara-Toh'en Fault, Ikoma Fault and Rokko-Awaji Fault Systems.
著者
小森 浩二 山崎 裕己 古前 竜平 玉登 まき 福田 洋 板橋 司 菊田 真穂 高田 雅弘 宮﨑 珠美 中野 祥子 三田村 しのぶ 首藤 誠 山本 淑子 塙 由美子
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.186-192, 2014-03-10 (Released:2015-03-10)
参考文献数
12
被引用文献数
1

Loxoprofen (Loxonin®) is a widely administered non-steroidal anti-inflammatory drug (NSAID) in Japan, with annual sales exceeding 50 billion Japanese yen. Although it is a very versatile drug and is often administered to breastfeeding women, the information available regarding its mammary gland transfer is inadequate.Therefore, in this study, we analyzed loxoprofen levels in the blood and milk of four breastfeeding women who received the drug for pain relief. These women visited the Obstetrics and Gynecology Department of Hanwa Sumiyoshi General Hospital for consultation or a cesarean section.One tablet of Loxonin® (loxoprofen 60 mg) was orally administered to each of the four women, and blood and milk samples were collected 0, 30, 90, 150 and 330 min after drug administration. Twenty microliters of ethanol was added to the blood and milk samples (10 μL), and the mixture was centrifuged at 12000 g for 15 min. The supernatant was analyzed by high-performance liquid chromatography (HPLC).Loxoprofen levels in blood peaked 90 min after its oral administration in all four patients, with the highest level being 4.5 μg/mL in patient II, whereas loxoprofen level in milk was below the detection limit (0.1 μg/mL) at all time points. Taken together, the data suggest low mammary gland transfer of loxoprofen, and thereby a low lactation risk.
著者
竹林 正樹 甲斐 裕子 江口 泰正 西村 司 山口 大輔 福田 洋
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.73-78, 2022-02-28 (Released:2022-04-16)
参考文献数
22

目的:第29回日本健康教育学会学術大会シンポジウム「わかっていてもなかなか実践しない相手をどう動かす? —身体活動促進へのナッジ—」における発表と討議の内容をまとめることで,今後の身体活動・運動促進支援に資することを目的とする.現状と課題:心理・社会的特性に沿った行動促進手法の1つに「ナッジ」がある.ナッジでの身体活動・運動促進に関する先行研究では,「プロンプティング(例:階段をピアノの鍵盤模様にし,利用時に音が鳴る)」に一定の効果がある可能性が示唆されている.しかし,日本では,ナッジによる身体活動・運動促進に関する先行研究が少なく,特に行動継続に関する見解が十分とは言えない状況にある.知見と実践事例:身体活動・運動促進には,ナッジの枠組みである「FEAST(Fun: 楽しく,Easy: 簡単に,Attractive: 印象的に,Social: 社会的に,Timely: タイムリーに)」とヘルスリテラシー向上を組み合わせた介入が効果的と考えられる.この実践例に,青森県立中央病院が実施する「メディコ・トリム」事業がある.この事業では「笑い」を取り入れた健康教室を行った後,参加者が生活習慣改善を継続した可能性が示唆された.さらなる研究・実践を蓄積していくことにより,継続性のある身体活動・運動促進に関する方略の確立が求められる.
著者
金森 悟 坂本 宣明 白田 千佳子 海野 賀央 江口 泰正 山下 奈々 北島 文子 厚美 直孝 小林 宏明 高家 望 福田 洋
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.79-86, 2021-02-28 (Released:2021-03-10)
参考文献数
6

目的:筆者らは,多職種産業保健スタッフの研究会にて「コロナは世界・健康教育・ヘルスプロモーションをどう変えたのか?」というテーマで夏季セミナーを開催した.本報告ではセミナーの開催概要を紹介するとともに,参加者によるセミナーの評価について報告する.方法:2020年9月13日に多職種産業保健スタッフの研究会のコーディネーター12名がセミナーを開催した.参加形態はZoomを用いたオンライン形式とした.全体の構成は第I部に基調講演,第II部は産業保健の現場からの話題提供,第III部は「オンラインの対面型コミュニケーションツールで可能になったことや新たな使い方」についてのグループワークとした.セミナーの評価を行うため,参加者を対象にGoogle formを用いた質問票調査を実施した.結果:参加者は71名,調査への回答者は52名(73.2%)であった.回答者のうち女性が69.2%,年代では40代が34.6%,職業では看護職が53.8%であった.各部について参考になったという者は80.8~96.2%であった.学んだことを今後に活用していこうと思う者は94.2%,全体について満足であった者は96.2%であった.結論:本セミナーでは,新型コロナウイルス流行下での健康教育やヘルスプロモーションの意義や事例,可能性が議論された.参加者のほとんどがセミナーに満足し,本セミナーの開催は意義があった.
著者
福田 洋一 服部 晃久 奥野 淳一 青山 雄一 土井 浩一郎
出版者
日本測地学会
雑誌
測地学会誌 (ISSN:00380830)
巻号頁・発行日
vol.68, pp.1-13, 2022 (Released:2022-05-18)
参考文献数
29

National Institute of Polar Research (NIPR) has been conducting absolute gravity measurements not only at Japanese Antarctic research station, Syowa since early 1990s, but also other foreign research stations in Antarctica recently. To validate the absolute gravimeter employed, test measurements were conducted at the gravity point located at the machine shop in NIPR usually before and after the measurements in Antarctica. The observed gravity values at the point, however, often varied exceed the expected instrumental errors. To explain the causes of the large gravity variations, we compared the observed gravity values with the precipitations at three AMeDAS(Automated Meteorological Data Acquisition System)stations, groundwater levels at a Tokyo Metropolitan Government observatory, and the height data at four GEONET (GNSS Earth Observation Network System)stations. The result of the comparisons showed that 1) the seasonal or shorter gravity variations were mainly caused by the precipitations and the resultant soil moisture and/or shallow groundwater changes, and 2) the secular or longer period gravity variations were explained by the uplift after the 2011 Tohoku-oki earthquake and the long-term variations of the groundwater level at deeper depths. After removing these effects, the standard deviation of the gravity residuals was less than 3 µGal (1 µGal=10−8 m/s2).
著者
石濱 裕美子 福田 洋一
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究はチベット仏教の大成者ツォンカパ・ロサンタクペーペル(1357-1419)の最古層の伝記の研究を通じて、ゲルク派の歴史・教会史を明らかにすることを目的とした。現在入手可能なツォンカパの最も古い伝記には、『自伝』、直弟子のケドゥプジェ(1385-1438)の一般的な伝記『信仰入門』と神秘体験を綴ったンカ『秘密の伝記』、それに対する補遺として書かれたジャンペルギャムツォ(1356-1428)の『ツォンカパ伝補遺』他2篇がある。本研究課題では、これらの伝記の和訳研究を通じて、文献学、歴史学、仏教学の視点からツォンカパの思想形成や当時の教団の具体的な姿などを明らかにした。これらの伝記の成立順も確定することができた。まず最初に『自伝』が書かれて、ツォンカパの学習過程が修学期間、思想形成期間、講説期間という三つの期間に分けるパターンが確立した。ケドゥプジェの『信仰入門』が書かれ、次に同じく『秘密の伝記』が書かれ、それらを踏まえて『ツォンカパ伝補遺』が書かれた。その大部分はツォンカパ在世時に書かれたが、ツォンカパの死後『信仰入門』の最後にその様子が付け加えられたと推定される。また、ツォンカパの著作の全てのコロフォンを整理した。そこには、著作年次はほとんど見られないが、著作場所が記されていることが多く、また『信仰入門』にはツォンカパの場所の移動が細かく記されているので、それらを対照することで、多くの著作の著作年次または著作順序を明らかにすることができた。本研究課題の成果として、報告書において『自伝』、『秘密の伝記』、『補遺』の訳注と『信仰入門』の梗概を収録した。『信仰入門』全体の訳注は後日、その他の資料も含めて刊行予定である。
著者
後藤 理絵 竹林 正樹 関根 千佳 福田 洋
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.294-301, 2022-11-30 (Released:2022-12-26)
参考文献数
24

目的:20~40歳代の労働者向け口腔健康行動促進冊子作成のプロセス評価を行うこと.事業内容:20~40歳代労働者を対象に,ナッジを設計した口腔健康行動促進の漫画冊子を作成した.プロセス評価として作成担当者の意識の変化と作成コスト,読者の満足度等を調べた.作成担当者の意識はインタビュー,作成コストは実績から把握し,満足度等はナッジ群(ナッジ型漫画冊子を配布)と対照群(情報提供型冊子を配布)に無作為に割り付けた上でウェブ調査を行った.事業評価:作成後に担当者の意識向上が見られ,作成コストは約88万円だった.読者による冊子の印象(解析対象:ナッジ群119人,対照群120人)は,表紙は「面白そう」(ナッジ群,対照群の順に48.7%, 25.8%),「読みやすそう」(79.0%, 48.3%),「イラストが良い」(57.1%, 28.3%),「情報量が多い」(26.9%, 59.2%),「読むのが不快」(7.6%, 18.3%)で,いずれもナッジ群は有意に評価が高かった.表紙と本編の印象が一致する傾向の項目も見られた.歯周病の知識は,ナッジ群のみ有意に増加した.以上から,ナッジ型漫画冊子は読者の評価が高く,知識向上に役立ち,特に表紙のナッジが重要と示唆された.結論:ナッジ型冊子は,総じて好印象であり,有意な知識向上につながった.ただし,回答に応じて付与された経済的インセンティブが結果に影響した可能性がある.今後は経済的インセンティブのない条件で調査を行う必要がある.
著者
福田 洋
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.29-35, 1988-04-20 (Released:2017-10-20)

言語がわかりやすく,子供にも理解できるということぱ,その言語が次の世代に伝わってゆくための必須の条件である.コンピュータ言語についても同様のことがいえる.PROLOGは非常に強力かつすぐれたコンピュータ言語なのだが,子供にはほとんど使えない,といってもよい.それは,難かしい数学の述語論理の知識が必要なこと,また,子供が学んでゆくための,簡単な導入部分をもっていない等の理由からである.一方,LOGOでは,数学的な基礎は,記述のわかりやすさの下に隠れ,またタートルグラフィクスという言語を学んでゆくための良い導入部分をもっている.LOGOが4,5歳の子供でも使える,ということには既に多くの報告例がある.本稿は,LOGOシステムの中で書いたPROLOGの報告である.従来のPROLOGに記述をわかりやすくするための"キーワード",またPROLOGへの簡単な導入部分としての"つみ木のグラフィクス"等を追加した.
著者
福田洋著
出版者
社会思想社
巻号頁・発行日
2001
著者
福田 洋
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.378-386, 2019-11-30 (Released:2019-11-30)
参考文献数
8

目的:本稿では,2019年4月7日~11日にニュージーランド・ロトルア市で開催された第23回IUHPE国際会議の概要とNPWP(北部西太平洋地域)の動向について紹介する.内容:国際会議のテーマは「WAIORA: Promoting Planetary Health and Sustainable Development for All(すべての人々に地球規模の健康増進と持続可能な開発を)」で,約1200人(日本からは約40人)が参加した.基調・準基調講演では,健康格差,健康の社会的決定要因,気候変動,世代間の健康,ヘルスリテラシー,デジタル時代のスマートヘルスプロモーションなどが取り上げられた.シンポジウムや口演,ポスターに加え,Master Classなどの新しい議論形式も用意された.最終日には「健康の公平性の確保」「都市・居住環境の持続可能な開発」「気候変動への適応戦略」「参画・平和・正義・人権・世代間の健康の平等のための包括的なガバナンス・システム・プロセスを構築」の4つの戦略への行動を呼びかけたロトルア声明が採択された.3年に1度の理事選挙及び地域副会長選挙が行われ,会長にMargaret Barry氏,NPWP地域副会長に神馬征峰氏が選出された.次回2022年はカナダのモントリオールで開催予定である.結語:第23回IUHPE国際会議の概要を報告した.今後も日本からの積極的な情報発信が期待される.
著者
坂本 直治 杉原 栄一郎 朴 宗晋 福田 洋 礒沼 弘 饗庭 三代治 檀原 高
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.47-51, 2010 (Released:2010-03-25)
参考文献数
19
被引用文献数
3 2

目的:肺炎は一般臨床の場でよく遭遇する疾患であり,高齢者にとっては死因の上位を占めている.我が国は高齢化社会を迎えており,高齢者肺炎患者を診る機会も多い.そこで高齢者市中肺炎の死亡例を解析し予後因子の検討を行った.対象と方法:順天堂東京江東高齢者医療センター高齢者総合診療科に2005年1月から2006年12月までの間に入院を要した65歳以上の高齢者の一般市中肺炎患者200例を対象とした.これらの200症例を死亡群,治癒群に分け,入院時において早期に把握できる項目として患者背景,基礎疾患,身体所見,一般検査所見,胸部レントゲン所見,A-DROPを用いた重症度の比較検討を行った.結果:対象患者の死亡率は15%であった.平均年齢は死亡群の方が高く,入院までの期間も死亡群の方が長い経過を要していた.基礎疾患では脳血管障害,循環器疾患,認知症を多く認めたが,複数の基礎疾患を合併している症例が多くみられた.検査所見では死亡群の方が,総蛋白値,アルブミン値は低値,BUN値は高値であった.胸部レントゲン所見では死亡群のほうが陰影の広がりが大きい傾向がみられた.A-DROPによる重症判定では死亡群の方が重症,超重症例を多く認めた.考察:高齢者肺炎死亡例を検討したが予後因子として治療までの期間,総蛋白質値,アルブミン値などの栄養状態や,脱水などの臨床所見,胸部レントゲン所見の広がり具合が重要であった.A-DROPによる重症度判定は簡易に日常臨床の場で行うこともでき有用であると考えられた.
著者
福田 洋治 佐野 工 白石 善明 森井 昌克
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. ICS, [知能と複雑系] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.125, pp.69-76, 2001-07-23
参考文献数
20

ネットワークのサービス品質(Quality of Service; QoS)を保証するQoS制御技術は, ネットワーク・ポリシーに基づいてトラヒックをいくつかのクラスに分類してそれぞれ異なった扱い方をする, 差別化されたサービスクラスを実現する.したがって, QoS制御に利用されるパケットの識別情報(IPヘッダやTCP/UDPヘッダの情報)は, ネットワーク上で閲覧できなければならない.しかし, ESP(Encapsulating Security Payload)やSSL(Secure Socket Layer)などのアプリケーション層に属さない, 暗号化をともなうセキュリティ・プロトコルは, 元パケットの識別情報を秘匿または隠蔽し, ネットワーク上のQoS制御を妨げてしまう.そこで本稿では, ネットワーク上のQoS制御を考慮したセキュリティ・プロトコル(ESP considered QoS, ESPQ)を提案し, その安全性と有効性を検討する.
著者
池田 博 土井 浩一郎 福田 洋一 野口 隆志 中嶋 俊哉 飯村 憲 渋谷 和雄
出版者
公益社団法人 低温工学・超電導学会 (旧 社団法人 低温工学協会)
雑誌
低温工学 (ISSN:03892441)
巻号頁・発行日
vol.39, no.8, pp.348-353, 2004 (Released:2008-03-10)
参考文献数
8
被引用文献数
3 3

From February 2003 to January 2004, a new superconducting gravimeter with a cryocooler was installed to replace the former device at the Syowa station in Antarctica. The new gravimeter has a high sensitivity of one nano-gal and is being used to survey the earth's core in the Global Geodynamics Project. A new type of diaphragm was confirmed to well isolate the vibration from the refrigerator cold-head and effectively prevent solid air contamination. A remote monitoring system from Japan is also going to be installed.
著者
奥田 裕樹 福田 洋治 白石 善明 井口 信和
雑誌
研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:21888655)
巻号頁・発行日
vol.2017-CSEC-78, no.16, pp.1-6, 2017-07-07

本研究では,端末にマルウェアを送る主要な手段の 1 つであるドライブ ・ パイ ・ ダウンロード攻撃 (DBD 攻撃) を含むインシデントを想定し,マルウェアの感染と活動の調査を支援するシステムを開発する.本システムは,インシデント発生時の通信パケットの記録から DBD 攻撃に関連する悪性 Web サイトへのリクエストとそのレスポンス,Web クライアントの動作を再現する.悪性 Web サイトは作られてから姿を消すまでの期間が短く,端末に設置されたマルウェアが活動後に消失,または攻撃者が痕跡を消去 ・ 攪乱すると,事後の調査が困難になる.インシデント対応の初動や調査の場面で本システムを用いることで DBD 攻撃によるマルウェア感染の過程が再現できる.これをインシデントが観測 ・ 記録できる環境で実施することでマルウェア感染の過程と活動の痕跡の収集と記録を支援する.
著者
西尾 祐哉 廣友 雅徳 福田 洋治 毛利 公美 白石 善明
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2016論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.2, pp.496-502, 2016-10-04 (Released:2016-11-08)

Drive-by Download 攻撃に利用される悪性 Web サイトには,アクセスしてきた端末の環境によって挙動を変えるものがある.そのため,単一の解析環境では十分な情報を得ることができず,悪性な挙動を見逃してしまう可能性がある.また,悪性 Web サイトで利用される JavaScript は難読化が施されている場合が多く,それが解析を困難にしている要因にもなっている.著者らはマルチ環境解析の動的解析と難読化コードの解析を組み合せた方法を示している.一方,より多くの悪性サイトを分析するためには分析作業の効率化も必要となる.本稿では,マルチ環境解析の一部である通信ログ解析を自動化する方法を示す. The malicious websites used by Drive-by Download Attacks change their behavior for web client environments. Therefore, single-environment analysis cannot obtain sufficient information and may miss a malicious behavior. In addition, JavaScript used in malicious websites is often obfuscated, and it becomes the factor making analysis difficult. In this paper, we propose the analysis method based on the multi-environment analysis of the traffic log analysis was partially automated in order to analyze efficiently the more malicious websites.