著者
伊藤 浩明 森下 雅史 山田 緑 大島 美穂子 坂本 龍雄 田中 昭
出版者
一般社団法人日本小児アレルギー学会
雑誌
日本小児アレルギー学会誌 (ISSN:09142649)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.65-68, 2005-03-01 (Released:2010-08-05)
参考文献数
13
被引用文献数
2 2

ヤマイモは, 仮性アレルゲンを含む食品として知られているが, 一般臨床でIgE抗体測定ができなかったために, ヤマイモアレルギーに関する報告は少ない. 本稿では, ヤマイモ摂取により即時型アレルギー反応を認め, ユニキャップによりIgE抗体が陽性であった乳幼児7例を報告した. ヤマイモアレルギーの症例は, 顔全体から全身に及ぶ紅斑・蕁麻疹又は浮腫を認め, 2例で呼吸器症状 (咳嗽・喘鳴), 1例で消化器症状 (嘔吐・下痢) を認めた. 患児は, ヤマイモを含むかりんとうや焼いたヤマイモなど, 加熱された加工品にも反応した. 一方, IgE抗体陰性者7例で認められた誘発症状は口周囲の紅斑に限定されており, 仮性アレルゲンによるものと思われた. 以上より, ヤマイモ特異IgE抗体測定は, 真のアレルギーと仮性アレルゲンによる反応との鑑別に有用であると考えられた.
著者
伊藤 浩明
出版者
一般社団法人日本小児アレルギー学会
雑誌
日本小児アレルギー学会誌 (ISSN:09142649)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.9-16, 2010 (Released:2010-07-09)
参考文献数
13
被引用文献数
1

食物アレルゲン特異的IgE抗体検査は,患者血清中の特異的IgE抗体を高感度に検出して,食物アレルギーの診断に対する感度は比較的良好である.一方,抗体陽性であっても誘発症状を認めない偽陽性がしばしば存在し,臨床現場ではある抗体価以上であれば食物アレルギーと診断できる確率(陽性的中率)を参考にすることが限界である.しかし,食物間の交差抗原性を考慮して複数の食品の抗体価を比較することにより,経口負荷試験に頼らなくても診断精度を向上させる工夫ができる.さらに,アレルゲン成分別に抗体価を測定して,感度・特異性に優れた検査を開発する研究が進められている.
著者
伊藤 浩明 菊池 哲 山田 政功 鳥居 新平 片桐 雅博
出版者
THE JAPANESE SOCIETY OF PEDIATRIC ALLERGY AND CLINICAL IMMUNOLOGY
雑誌
日本小児アレルギー学会誌 (ISSN:09142649)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.87-91, 1992-09-25 (Released:2010-04-30)
参考文献数
15
被引用文献数
3 1

アレルギー疾患の食事療法のひとつとして, アラキドン酸カスケード由来のケミカルメディエーター産生抑制を目的として, n-6系列多価不飽和脂肪酸 (リノール酸, アラキドン酸) 摂取を減らし, n-3系列多価不飽和脂肪酸 (α-リノレン酸, イコサペンタエン酸) を積極的に摂取させる「α-リノレン酸強化食療法」を, 6名のアトピー性皮膚炎患児に施行した. 124±40.4日間の指導により, 3例がアトピー性皮膚炎の改善傾向を示し, 他の1例も指導を継続することで改善傾向を示した. 血清リン脂質中の脂肪酸組成で, n-3/n-6比, イコサペンタエン酸/アラキドン酸比が有意に上昇した (p<0.01). それに伴い, ザイモザンと新鮮自己血清刺激による末梢血多核白血球からの Leukotriene C4放出が有意に減少した (p<0.05). 以上の結果から, 日常の食生活の中で施行できる「α-リノレン酸強化食療法」は, アレルギー疾患の食事療法の基盤として有益である可能性が示唆された.
著者
大島 美穂子 成瀬 徳彦 伊藤 浩明
出版者
一般社団法人日本小児アレルギー学会
雑誌
日本小児アレルギー学会誌 (ISSN:09142649)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.551-559, 2020-12-20 (Released:2020-12-20)
参考文献数
15

【背景】食物アレルギーによる給食の除去対応は,給食で提供される最大量を超えて食べられることを確認したうえで解除される.【目的】地域の学校給食における卵,乳の最大使用量を明らかにする.アレルギー対応食の栄養を評価するとともに,食物アレルギー児が通常給食を喫食できる基準を考察する.【方法】愛知県豊田市の2018年度の学校給食198食を対象に,卵と乳の使用量を献立表と加工品の納入物資明細書より調査した.また,卵,乳アレルギー対応給食と通常食の栄養価を算出し,学校給食摂取基準と比較した.【結果】豊田市の飲用牛乳を除いた給食1食における卵の最大使用量は45 g,乳タンパク質最大含有量は5.93 gであった.乳を完全除去した牛乳アレルギー対応食では,カルシウム摂取が学校給食摂取基準の21.9±9.2%にとどまった.【結論】自治体の給食における使用量より,食物アレルギー対応が必要な基準を示すことができた.乳除去対応は著明なカルシウム不足につながるため,除去解除の根拠となる具体的な使用量を開示することは有意義であると考えられた.
著者
藤田 建 伊藤 浩明 渡邊 紘章
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.355-359, 2020 (Released:2020-12-25)
参考文献数
17

【緒言】悪性腫瘍に合併した続発性全身性多汗症に対して推奨されている治療法はないが,症状緩和にオピオイドが有効であった症例を経験した.【症例】64歳女性.右腎細胞がん(右腎摘除術後),骨転移,肺転移,左副腎転移と診断され,右股関節部のがん疼痛と,突発する全身多量発汗の症状緩和目的で緩和ケア病棟に入院した.がん疼痛に対しては,入院前から使用していたフェンタニル貼付剤を増量することによりレスキューが必要ない状態となった.発汗に対しては,腫瘍熱と考え解熱鎮痛薬とステロイドを使用したが効果を認めず,オキシコドン速放製剤を予防的に使用することにより症状緩和が得られた.【考察】本症例の発汗には視床下部とフェンタニル貼付剤が関与したと考えられる.オピオイドは視床下部に作用し発汗を抑制する可能性がある.
著者
楳村 春江 和泉 秀彦 小田 奈穂 漢人 直之 伊藤 浩明
出版者
日本小児アレルギー学会
雑誌
日本小児アレルギー学会誌 (ISSN:09142649)
巻号頁・発行日
vol.29, no.5, pp.691-700, 2015
被引用文献数
1

【目的】鶏卵・牛乳アレルギーであった児の除去解除が進み,完全解除が許可された時点における食生活の実態を評価した.【方法】2013年5月~12月の外来受診時に主治医より完全解除を許可された鶏卵アレルギー16名,牛乳アレルギー1名,鶏卵+牛乳アレルギー21名を対象にアンケート調査を実施した.さらに,その中で協力の得られた21名の保護者からは,写真判定を含む3日間の食事調査を行った.【結果】家庭内,外食,買い物においては改善がみられ,保護者の負担は軽減していた.しかし,大量摂取や卵低加熱料理については,未だに症状誘発に対する恐怖感,不安感を持っていた.食事調査の結果からは,一日当たりの鶏卵,牛乳そのものの摂取は過半数の患児が鶏卵1/2個,牛乳100ml以下であり,牛乳アレルギー児は,カルシウムの摂取量が目標量を下回っていた.【結語】除去食生活の長期化による食べないことの習慣化や保護者の不安などが要因となり,多くの患児にとって「真の解除」を得ることが困難である実態が明らかとなった.
著者
林 直史 中川 朋子 松井 照明 杉浦 至郎 漢人 直之 伊藤 浩明
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.37-45, 2018 (Released:2018-02-20)
参考文献数
29
被引用文献数
2

【目的】ピーナッツアレルギー(PA)の診断におけるAra h 2特異的IgE抗体(sIgE)検査の有用性と,PA患者における他のナッツ類アレルギー合併について検討した.【方法】2014年4月~2015年3月に,ピーナッツsIgE陽性者にAra h 2-sIgE検査を行った.ピーナッツ経口負荷試験(OFC)又は明らかな摂取歴・誘発歴からPAの有無が確定できた217人(そのうちPA群90人)に関して,臨床像を後方視的に検討した.【結果】Ara h 2-sIgE≧0.35UA/mLにおけるPA診断の感度85.6%,陽性基準である≧4.0UA/mLであれば陽性的中率93.1%,特異度96.9%であった.Ara h 2-sIgEは,OFC(n=42)における誘発閾値量や症状の重症度と有意な関連を示さなかった.PA群における他のナッツ類アレルギー合併者は9人(10.0%)であった.【結語】Ara h 2-sIgE陽性基準の妥当性が再評価された.PA患者に対しても,他のナッツアレルギーの有無を適切に鑑別診断する必要性が再確認された.
著者
石黒 智紀 松井 照明 松本 圭司 渡邊 由香利 濵嶋 浩 池山 貴也 窪田 祥平 北村 勝誠 高里 良宏 杉浦 至郎 伊藤 浩明
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.70, no.9, pp.1207-1210, 2021 (Released:2021-11-10)
参考文献数
7

12歳,女児.既往に気管支喘息,アレルギー性鼻炎あり.自宅で作ったたこ焼きを4個摂取直後にアナフィラキシーショック,呼吸不全を認めた.開封後1カ月間室温で保存したたこ焼き粉を使用したこと,ダニ抗原特異的IgEがクラス6と強陽性であったことからパンケーキ症候群を疑った.被疑粉が破棄されていた為,冷蔵保存されていたたこ焼きから虫体数と抗原量の測定を試みた.ワイルドマン・フラスコ法によるダニの洗い出しとELISA法による抗原量測定を実施した.結果は,コナヒョウヒダニ430匹/gを認め診断に至った.ELISAではDer f 1 21.1ng/gを検出したが,これは虫体数に比して少なかった.検出されたダニ抗原量が少なかった原因として,加熱や還元剤による抗原性の減弱,ダニ抗原とグルテンとのジスルフィド結合による不溶化等が考えられた.パンケーキ症候群が疑われるが被疑粉の入手が困難な場合,調理された食品の鏡検を行うことで直接ダニ虫体を確認することを考慮すべきである.
著者
大瀧 悠嗣 北村 勝誠 松井 照明 高里 良宏 杉浦 至郎 伊藤 浩明
出版者
一般社団法人日本小児アレルギー学会
雑誌
日本小児アレルギー学会誌 (ISSN:09142649)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.490-498, 2022-12-20 (Released:2022-12-20)
参考文献数
15
被引用文献数
2

目的日本の小児における木の実類アレルギーの増加が報告されているが,小児の救急受診患者の背景や誘発症状を検討したものはなく,当センターにおける状況を分析した.方法2016年2月~2021年10月に木の実類の即時型症状で救急外来を受診した29例(27名)について,原因食物,患者背景,誘発症状,治療を診療録から後方視的に検討した.結果原因はクルミ12例(10名),カシューナッツ12例,マカダミアナッツ3例,アーモンド1例,ペカンナッツ1例で,年齢中央値は3歳であった.15例がアナフィラキシー,うち5例はアナフィラキシーショックであった.13例がアドレナリン筋肉注射,うち1例がアドレナリン持続静脈注射を要した.11例が入院し,うち3例は集中治療室へ入院した.初発は22例で,そのうち14例が他の食物に対する食物アレルギーを有していた.結語木の実類アレルギーの救急受診患者は,年少児がアナフィラキシーで初発した事例が多かった.予期せぬ重篤事例を未然に防ぐため,何らかの医学的及び社会的対策が望まれる.
著者
伊藤 浩明
出版者
一般社団法人日本小児アレルギー学会
雑誌
日本小児アレルギー学会誌 (ISSN:09142649)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.124-130, 2012 (Released:2012-05-31)
参考文献数
21

食物経口負荷試験(Oral food challenge, OFC)は,食物アレルギー診断のgold standardであり,アレルギー専門施設のみならず,広く全国の小児科で実施されている.OFCは,食物アレルギーの初期診断だけでなく,耐性獲得の診断にも重要な役割を果たす.最近では「必要最小限の除去」を目指すために,少量であっても安全に摂取可能なアレルゲン量を決定することを目的とするOFCも,専門施設を中心として行われることが増加してきた.OFCの標準的な方法についてはガイドラインも発行され,ほぼ確立してきたといえる.しかし,その結果に基づき,特に負荷試験陽性者に対して安全域を見込んで食事指導を進める方法については,今後の十分なエビデンス作りが求められている.
著者
松井 照明 田島 巌 牧野 篤司 内藤 宙大 森山 達哉 渡邊 弥一郎 北村 勝誠 高里 良宏 杉浦 至郎 和泉 秀彦 伊藤 浩明
出版者
一般社団法人日本小児アレルギー学会
雑誌
日本小児アレルギー学会誌 (ISSN:09142649)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.234-240, 2022-08-20 (Released:2022-08-22)
参考文献数
19

目的:ボンラクトⓇ iの原料である酵素分解分離大豆たんぱく(酵素分解SPI)は,熱処理と酵素処理により低アレルゲン化されている可能性があり,そのアレルゲン性を確認することを目的とした.方法:1.酵素分解SPI及びその原料のSPIのポリアクリルアミド電気泳動(SDS-PAGE)及び免疫ブロッティングを行った.2.大豆アレルギー患者に対して皮膚プリックテスト(SPT),豆腐または豆乳とボンラクトⓇ iの経口負荷試験(OFC)の比較を行った.結果:1.SDS-PAGEではSPIよりも酵素分解SPIで全体に低分子化されたバンドが確認され,免疫ブロッティングではGly m Bd 28K及び30Kに特異的なバンドが検出されづらくなった.2.2/3例で,大豆と比較して酵素分解SPIのSPT膨疹径が小さかった.OFCでは3/4例でボンラクトⓇ iの症状誘発閾値たんぱく量が多く,全例で重症度が低かった.結語:ボンラクトⓇ iは低分子化されており,アレルゲン性が低いことが示唆された.
著者
北村 勝誠 伊藤 友弥 伊藤 浩明
出版者
一般社団法人日本小児アレルギー学会
雑誌
日本小児アレルギー学会誌 (ISSN:09142649)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.141-147, 2022-06-20 (Released:2022-06-20)
参考文献数
15
被引用文献数
3

【目的】小児アナフィラキシー症例における木の実類の現状を明らかにする.【方法】2017年4月~2021年3月に愛知県下の救急指定施設をアナフィラキシーで受診した15歳未満の全患者調査から,食物を原因とする2,480例のうち木の実類による308例を解析した.【結果】症例数は2017年度40例,2018年度74例,2019年度94例,2020年度100例と増加した.原因食物に占める割合は,2017年は木の実類が6.0%で鶏卵,牛乳,小麦につぐ第4位であったが,2020年は18.8%で第1位となった.年齢別原因食物では2020年に木の実類は1,2歳,3-6歳群の第1位となった.189例(61.8%)が入院し,うち3例が集中治療室に入院した.147例がアドレナリン投与を受け,エピペンⓇ所有は55例であった.木の実類の内訳はクルミ,カシューナッツ,マカダミアナッツ,ピスタチオの順に多かった.【結語】15歳未満のアナフィラキシー症例において,木の実類の割合が明らかに増加していた.
著者
松井 照明 杉浦 至郎 中川 朋子 武藤 太一朗 楳村 春江 漢人 直之 伊藤 浩明
出版者
日本小児アレルギー学会
雑誌
日本小児アレルギー学会誌 (ISSN:09142649)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.63-71, 2017
被引用文献数
1

<p> 【背景】卵黄の経口負荷試験 (oral food challenge : OFC) は, 微量の卵白負荷試験という位置づけで実施されることが多いが, 卵黄に残留する卵白量に関する情報は限られている.</p><p> 【目的】卵黄に残留する卵白量を推定したうえで, 症状誘発閾値の低い卵アレルギー患者に対する加熱卵黄摂取の可否について検討した.</p><p> 【方法】鶏卵から卵黄を分離したうえで加熱し, 卵黄表面の卵白と卵黄膜を用手的に剝離し, 重量を測定した. 2014年6月から2015年2月に施行した加熱卵白OFC陽性者から, 加熱卵白1.0gが摂取可能と判定された11人を対象として, 加熱卵黄OFCを施行した.</p><p> 【結果】卵黄に残留した卵白と卵黄膜の合計量は0.7g (0.6~1.0g, <i>n</i>=6) であった. 加熱卵黄OFCを施行した11例中9例は陰性, 1例は局所の紅斑, 1例は複数範囲の紅斑を認めた.</p><p> 【結語】加熱卵白1.0gの摂取が可能な卵アレルギー患者は, 生の状態で取り分けた加熱卵黄負荷試験で8割以上が陰性であった.</p>
著者
尾辻 健太 二村 昌樹 漢人 直之 林 啓一 伊藤 浩明
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.60, no.8, pp.971-982, 2011-08-30 (Released:2017-02-10)
参考文献数
35
被引用文献数
2

【目的】即時型小麦アレルギーに対するω-5グリアジン特異的IgE抗体(以下,ω-5グリアジンIgE)検査の診断的価値を検討する.【方法】2008年1月〜10月に当科で小麦特異的IgE抗体(以下,小麦IgE)検査を施行した全症例でω-5グリアジンIgEを測定し,小麦経口負荷試験又は病歴に基づいた小麦アレルギーの診断との関連を検討した.解析対象者は233人(年齢中央値3.6歳),小麦アレルギー群59人,非小麦アレルギー群174人であった.【結果】小麦アレルギー群の割合は,ω-5グリアジンIgEクラス2(n=31)で68%,クラス3(n=15)で87%,クラス4以上の3人は100%であった.一方小麦アレルギー群でも陰性(<0.35U_A/ml)を示す患児が24%存在した.これらのデータを元に,ω-5グリアジンIgEのプロバビリティーカーブを作成した.【結語】ω-5グリアジンIgE抗体は,小麦アレルギーの診断に高い陽性的中率を示すが,診断感度の低さから,必ず小麦IgEと併せて評価すべきである.
著者
南 拓人 中野 慎也 高橋 太 松島 政貴 中島 涼輔 清水 久芳 谷口 陽菜実 藤 浩明
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2020
巻号頁・発行日
2020-03-13

The thirteenth generation of International Geomagnetic Reference Field (IGRF-13) was released by International Association of Geomagnetism and Aeronomy (IAGA) in December, 2019. Prior to the release, we submitted a secular variation (SV) candidate model for IGRF-13 using a data assimilation scheme and a magnetohydrodynamic (MHD) dynamo simulation code (Minami et al. submitted to EPS special issue for IGRF-13). Our candidate SV model was evaluated by IAGA Division V Working Group V-MOD and contributed to the final IGRF-13SV model with the optimized weight. This became the first contribution to the IGRF community from research groups in Japan. This was enabled by bilateral corroboration between Japan and France; in our data assimilation scheme, we used the French main field model (Ropp et al. 2020), which was developed from magnetic observatory hourly means, and CHAMP and Swarm-A satellite data. We adopted an iterative assimilation algorithm based on four-dimensional ensemble-based variational method (4DEnVar) (Nakano 2020), which linearizes outputs of our MHD dynamo simulation (Takahashi 2012; 2014) with respect to the deviation from a dynamo state vector at an initial condition. The data vector for the assimilation consists of the poloidal scalar potential of the geomagnetic field at the Earth’s core surface, and flow velocity field slightly below the core surface, which was calculated by presuming magnetic diffusion in the boundary layer and tangentially magnetostrophic flow below it (Matsushima 2020). Dimensionless time of numerical geodynamo was adjusted to the actual time by comparison of secular variation time scales. For estimation of our IGRF-13SV candidate model, we first generated an ensemble of dynamo simulation results from a free dynamo run. We then assimilated the ensemble to the data with a 10-year assimilation window from 2009.50 to 2019.50 through iterations, and finally forecasted future SV by linear combination of the future extension parts of the ensemble members. We generated our final SV candidate model by linear fitting for the best linear combination of the ensemble MHD dynamo simulation members from 2019.50 to 2025.00. We derived errors of our SV candidate model by one standard deviation of SV histograms based on all the ensemble members. In the presentation, we plan to report our IGRF project through the bilateral corroboration with France, and describe our SV candidate model.