著者
安冨 歩 深尾 葉子 脇田 晴子 長崎 暢子 中村 尚司 生田 美智子 千葉 泉 西川 英彦 中山 俊秀 葛城 政明 苅部 直 渡辺 己 星 泉 小寺 敦 上田 貴子 椎野 若菜 與那覇 潤 黒田 明伸
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

人間を含む生命の生きる力を「神秘」として捉え、その発揮を阻害する要因たる「暴力」を合理的に解明する研究戦略を「合理的な神秘主義」として見出した。こうして発揮される神秘的な力こそが秩序形成の原動力であり、それは個々人の魂の脱植民地化を通じて実現される。この側面を無視した秩序論は必然的に暴力を正当化することになる。
著者
中村 尚司 津田 守 広岡 博之 河村 能夫 鶴見 良行
出版者
龍谷大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1993

政治的な独立を達成した後に野心的な工業化が進めたアジア諸国では、急激な社会生活の変化と環境破壊を引き起した。南北間の経済格差とともに、南側諸国内における社会階層間や地域間の格差拡大も深刻である。永続可能な発展を目標にして、環境問題に配慮した新しい南北問題の社会経済指標を検討する必要がある。すでに、世界銀行や国連諸機関では、経済成長率以外の要因を加えた各種の社会経済指標を発表している。本研究は、社会経済発展に関する既存の諸指標を批判的に検討する一方、適切な代案を模索する。本年度は、4回にわたる研究会を開催し、調査研究の方法に関する考察を中心に、「厚生の指標について」、「社会経済指標の研究方法」、「循環、多様、関係という視点からみた発展指標」、「アジアにおける経済格差研究の問題点」、「農村における貧困研究の国際比較」という報告と討論を行ない、個別的な地域の課題として、「フィリッピンにおける経済発展の特質」、「仏教復興運動と農村開発」、「農村金融とエンパワーメント」などのテーマを取り上げ、実証的な報告とその批判的な検討を行なった。その一方で、東南アジアと南アジアの諸地域におけるフィールド7-7によって得られたデータに基づき、それぞれの地域社会の具体的な特殊性を考察して、国際機関による南北格差の指標の現実性を検討し、問題点の指摘を試みた。南側の対象地域としては、フィリピン、タイ、マレーシア、バングラデシュおよびスリランカを取り上げた。南北の比較に必要な北側の代表的な地域として、日本とアメリカ合衆国の対照的な指標を取り上げて吟味した。
著者
長岡 和則 古渡 意彦 佐藤 昭二 虻川 成司 樋口 英雄 中村 尚司
出版者
Japan Health Physics Society
雑誌
保健物理 (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.352-361, 2004 (Released:2010-08-05)
参考文献数
28
被引用文献数
4 6

Field measurements of the cosmic-ray neutron dose rate on the ground using the neutron dose-equivalent counter developed by Nakamura were conducted in order to allow an understanding of neutron dose rate distribution in Japan. The effects of altitude, geomagnetic latitude, snowfall and rainfall on the neutron dose rate were confirmed from the results of the field measurements. Altitude variation can be fitted to an exponential function (eαZ), where Z is altitude (km). The α value for the neutron dose rate increased with increasing geomagnetic latitude, 0.6-0.8(km-1) at latitudes 20°-40°. Roughly, α=0.01×L+0.4 (for Z under 2km), where L is the geomagnetic latitude(°). The effect of geomagnetic latitude on the neutron dose rate was approximately 2% per degree(°) at latitudes 20°-40° Reductions in neutron dose rate due to snowfall and rainfall are caused by a decrease in component backscattering from wet ground surfaces. The neutron dose rate (H*(10)) at sea level at a geomagnetic latitude near 25° in 2002 was approximately 4nSv/h, and the neutron dose rate obtained from the neutron energy spectrum up to 400MeV with the Bonner sphere counter developed by Uwamino was 5.7nSv/h. This difference may by due to the low sensitivity of the dose-equivalent counter to neutrons with energies above 15MeV.
著者
中村尚司
出版者
日本評論社
雑誌
参加型開発
巻号頁・発行日
2002
被引用文献数
1
著者
兵藤 知典 竹内 清 中田 正也 宮坂 駿一 金森 善彦 東原 義治 梅田 巌 木村 逸郎 山越 寿夫 高橋 善昭 古田 悠 内田 俊介 田中 義久 片岡 巌 播磨 良子 布施 卓嘉 中井 優 島村 光 大久保 正紀 田中 俊一 三浦 俊正 伊藤 泰義 西村 達雄 中村 尚司 金井 康二 山路 昭雄 植木 紘太郎 木邨 祐二 竹村 守雄
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.15, no.5, pp.312-321, 1973-05-30 (Released:2010-04-19)
参考文献数
74

This is a report on the activities of the Research Committee on Neutron Shielding (Apr. 1970-Mar. 1973), Atomic Energy Society of Japan. The Committee studied the present status and problems in Japan and the trends in foreign countries in such fields as neutron reactor shielding, including transport calculations, duct streaming, spectroscopy, shielding optimization and cross sections for shielding calculations. Three working groups established in the Committee-Neutron Transport, Duct Streaming and Cross Section for Shielding-undertook such activities as (a) calculations of the five benchmark problems for testing computational methods in neutron transport, (b) a survey of theoretical and experimental approaches to duct streaming, and (c) intercomparison of nuclear data for particular nuclides related to shielding in data libraries such as ENDF/B-I, III, KFK-120 and -750.
著者
飯本 武志 藤本 登 中村 尚司
出版者
Japan Radioisotope Association
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.93-102, 2014
被引用文献数
1

本事業は,高校生による放射線等に関する課題研究活動を,文部科学省が支援するものである。この課題研究は,交流会,自主研究,成果発表会の三つの柱で構成されている。メディアでも紹介され,大変に評判のよい事業であったが,残念なことに,この支援事業は平成24年度で打ち切られた。7年間の支援事業の概要を紹介すると共に,今後の展開の可能性を考察した。
著者
平川 幸子・村上 佳菜・義澤 宣明・滝澤 真理・河合 理城・佐藤 理・高木 俊治 中村 尚司 義澤 宣明
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.167-172, 2014

<p>2011 年3 月11 日に発生した東日本大震災に伴う原子力発電所事故直後から環境中及び露地野菜,原乳,水道水等から,ヨウ素131 が検出された.本稿では,主にヨウ素131 による内部被ばく線量の再評価の参考となる,事故直後の福島県住民の避難状況及び避難者の避難中の食生活及び流通実態について調査し,課題を整理した. 調査結果からは,事故直後に避難者が摂取した食品等の多くは事故前からの備蓄品又は被災地外からの支援物資であったことが確認された.さらに,対象野菜の出荷制限,水道水の摂取制限の他,流通施設の被災,小売店舗の閉鎖,等の状況からヨウ素131 で汚染された食品等が大量に消費される状況ではなく,一般に広く流通した可能性は低いことが示唆された.</p>
著者
中村 尚司 津田 守 広岡 博之 河村 能夫 鶴見 良行
出版者
龍谷大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1993

本年度は、2年目であるため報告書のまとめ方を念頭において、4回にわたる研究会を開催した。5月27日の第1回研究会では、津田守が「ピナトゥボ大噴火にともなう災害とルソン島中部の地域開発」について報告し、自然災害に対する救助活動の国際比較をまとめることにした。6月27日の第2回研究会では斉藤千宏「貧困・ニーズの充足・指標--80年以降の諸理論の比較検討」について報告した。あわせて中村尚司が「参加型農村開発の諸問題」を取り上げ、コロンボ大学との共同研究案を紹介した。第3回研究会は、9月8、9の両日に原グループと合同で福岡にて研究合宿を行った。川村能夫が「貧困概念とその指標について」、広岡博之が「社会経済指標の再検討について」報告した。10月17日に行なった第4回研究会では、斉藤千宏が「民衆科学運動と政府の相互作用--インド・ケララ州の事例--」、中村尚司が「海の交易と経済システム」について報告した。12月16日に、食道ガンの予後が思わしくなかった研究分担者の一人である鶴見良行が急逝し、共同研究を続けることができなくなった。まことに残念である。最終回の第5回研究会は、2月13日から15日まで長浜市において合宿し、報告書の執筆内容について各自が概要を報告し、その研究内容について討論した。この研究会の報告書は、鶴見の執筆を得られないものの、次年度の総括班の刊行物として印刷される予定である。
著者
佐藤 誠 峯 陽一 文 京洙 シャーニー ジョルジオ カルロス マリア・レイナルース 中村 尚司 鄭 雅英 佐藤 千鶴子 安藤 次男 小島 祥美 大倉 三和 スコーマン マキシ ソロモン フセイン コーネリッセン スカーレット バレスカス マリア・ロザリオ ベイリー エイドリアン アティエンサ マリア・エラ ハートウェル レオン デヤヘール ニコラ 大西 裕子 坂田 有弥
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

国際人口移動を単なる労働移民の問題にとどまらない複合現象として理解する視点にたち、日本とアジア、南アフリカと南部アフリカという二地域における国際人口移動の実態把握と比較分析を通じて、流出地域と流入地域において人間の安全が保障されるための課題は何であるのかを、人間安全保障の批判的摂取をふまえつつ解明した。具体的には、社会セクターにおける人口移動に焦点をあて、国際人口移動研究への理論的貢献を行った。