著者
足立 大育 十代田 朗 津々見 崇
出版者
一般社団法人 日本観光研究学会
雑誌
観光研究 (ISSN:13420208)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.145-151, 2021 (Released:2022-06-04)
参考文献数
11

本研究は 1980 年代にブームとなったまちづくり運動である「ミニ独立国運動」の持続性について調査したものであり、インターネット検索にて現在活動が確認できたミニ独立国 40 か国を対象にアンケート、ヒアリングを行った。本研究の調査より、持続にはミニ独立国運動の特徴である「パロディで楽しくやること」と「地域の一体感を作ること」が重要であり、持続性のためには住民のやる気と自治体の人材・資金を組み合わせる方法が考えられる。ミニ独立国の活動の持続に初期の施策の充実度は関連しないが、活動の派生には施策の充実度が重要であると考えられることが分かった。
著者
足立 大 山中 健太朗 春原 政浩 降旗 建治 柳沢 武三郎 湯浅 昌謙
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.398, pp.81-86, 2002-10-18
参考文献数
4

本報では,日本の伝統建築物の一つである寺院(長野県信州新町 興禅寺)の音響特性と鳴らしものについて音響工学的観点から解析・検討した.寺院の残響特性を解析するとともに,施食会という儀式を録音・分析することによって,儀式に使われる鳴らしものについて周波数分析した.その結果から,本堂の残響時間は人の存在によって0.8秒前後(無)から0.7秒前後(有)へ変化すること,代表的な鐘の各共振周波数比が1:2.7:5であること等を明らかにした.そのような鳴らしものの中で,木魚は前報で検討し,等価回路に基づく合成木魚音が有効であることを明らかにした.この合成木魚音をバーチャル木魚音と呼び,引き続き,ばちによる力関数との畳み込みによる合成方式を提案し,バーチャル木魚と本物の木魚との合奏効果を検討した.その結果から,バーチャル木魚は本物の木魚と同様に使用できることが分かり,一人で何役もこなすことができる点でその有効性が検証されたと言える.
著者
三原 悠 門 浩志 黒瀬 亮 辻中 瑛里香 中村 匡志 足立 大也 山内 明日香 深井 邦剛 八田 告
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.265-269, 2022 (Released:2022-04-28)
参考文献数
23

症例は94歳,女性.入院1年4か月前に腎硬化症を原疾患とした末期腎不全に対し,長期型バスキュラーカテーテルを左内頸静脈に留置し血液透析を開始していた.入院2日前に転倒し,右肩を打撲した.右肩の疼痛増悪,血液透析時の血圧低下をきたしたため入院となった.入院10日目に脱血不良のためカテーテル抜去を試みたが,皮下のカフを剥離した状態にもかかわらず強い抵抗を認めた.入院11日目に透視下造影検査でカテーテルにガイドワイヤーを挿入し,血管壁の付着を剥離しカテーテルを抜去した.日本において,長期型バスキュラーカテーテルは血液透析患者の高齢化とともに使用が増加してきており,抜去困難となるケースにおいては慎重に対応する必要がある.
著者
羽鹿 牧太 高橋 浩司 山田 哲也 小巻 克巳 高田 吉丈 島田 尚典 境 哲文 島田 信二 足立 大山 田渕 公清 菊池 彰夫 湯本 節三 中村 茂樹 伊藤 美環子
出版者
農業技術研究機構作物研究所
巻号頁・発行日
no.10, pp.1-20, 2009 (Released:2011-03-05)

「なごみまる」は、大豆の主要アレルゲンの一つαサブユニットを欠失した大豆品種の育成を目標として、「タチナガハ」を母とし、αサブユニットを欠失する「α欠(I)(現在の「ゆめみのり」)」を父として交雑した系統に、「タチナガハ」を3回戻し交雑して育成した新品種である。大豆の主要アレルゲン蛋白質の一つであるβ-コングリシニンのαおよびα’サブユニットを欠失している。関東地域の主力品種である「タチナガハ」よりやや早生だが、ほぼ同等の収量性及び耐倒伏性を備えている。アレルギーリスクを軽減した豆乳等の大豆食品の原料として利用できる品種であり、2006年に「なごみまる」と命名し、種苗登録への出願を行った。
著者
荒又 美陽 足立 大育 加納 怜育 菊川 理気 坂本 和大 渋谷 京佑 田嶋 玲 萩原 周太郎 菱沼 航
出版者
東洋大学社会学部
雑誌
東洋大学社会学部紀要 = The bulletin of the Faculty of Sociology, Toyo University (ISSN:04959892)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.117-133, 2018-01

In recent years, seichi-junrei( pilgrimage to animation settings) has become a popular topic of study. Existing researches have mainly focused on the reaction of targeted areas, understanding seichi-junrei as a kind of tourism, and describing the events or souvenirs that are prepared for guests. Few works, however, have studied how the animations in question have affected the areas' image. This paper uses a methodology of literary studies to analyze nine animations and discuss their effect on the areas in which they are set and how they have led to pilgrimage. Although more systematic research is necessary, our work makes the followingconclusions: 1 ) the pilgrimages tend to be held so that fans can have the same experiences as animations' characters. Fans like to visit the everyday places in animations, including schools and small restaurants. One symbolic place is enough to spark a pilgrimage. 2 )Animations need to accurately reproduce these places, since photos taken by pilgrims must correspond with animation scenes. 3 ) Pilgrimages can bring about relationships between residents and anime fans, but this relationship is not necessarily a motivation for pilgrims. 4 ) Recent anime works tend to portray the idealized human relations, which do not oftenexist in reality. However, many fans may expect those ideals when relating to residents. 5 )It is possible that animation works and any resulting pilgrimage can change the image of regions of anime settings, which can obscure regions' actual history.

1 0 0 0 禅林句集

著者
足立大進編
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
2009
著者
山崎 徹 足立 大樹 藤田 和孝 網谷 健児 三浦 永理 早乙女 康典
出版者
兵庫県立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-10-21

ナノ結晶合金やアモルファス合金は高強度材料ではあるが、塑性変形中の加工硬化は生じない。このため、引張や圧縮変形時には塑性伸びを殆ど生ずることはなく、局所的なせん断帯を生じて脆性的に破壊し、これが、これら高強度合金の実用化への大きな障害となっている。本研究では、電解析出法によりナノ結晶相とアモルファス相の複合組織を有するNi-W合金を作製し、塑性変形誘起のナノ結晶粒成長を利用した加工硬化性の発現と高延性化を実現できた。さらに、アモルファス構造を有するZr基金属ガラスに貴金属を添加することにより、塑性変形誘起のナノ準結晶相の析出を促進させ、加工硬化性を発現させることができた。
著者
足立 大樹
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

Al-Zn-Mg合金にMnを過飽和に添加し、急冷凝固法を用いてアトマイズ粉末を作製し、773Kで脱ガス処理をすることによりサブミクロンオーダーのMn金属間化合物を高密度に分散させることが出来る。これを773Kで熱間押出することでMn金属間化合物の周囲に転位が高密度に導入される。通常の合金であれば不連続動的再結晶の一種である粒子促進核生成再結晶(PSN)が生じるが、今回はMn金属間化合物間の距離が非常に近いことからPSNは抑制され、連続動的再結晶が生じ、微細な等軸の動的再結晶粒が一部で生じた。動的再結晶率は30%強であり、未動的再結晶部分は押出方向に伸張していた。得られた押出しままの組織は押出方向、ED//<111>or<100>に強度に配向した押出し集合組織であったが、これを423Kという非常に低い温度で熱処理することにより未動的再結晶部分からも静的再結晶が生じ、全面に微細な結晶粒が得られた。非常に低温における変化であったため、静的連続再結晶の可能性が考えられたが、集合組織の変化を調べたところ、押出集合組織が緩和され、よりランダムに近い組織が得られていたため、低温熱処理中の静的再結晶は連続再結晶であることが分かった。ランダムな組織は押出効果が得られる押出集合組織よりも押出し方向の強度には劣るが、その他の方向に優れた当方的な組織である。以上のことから、動的再結晶組織に低温熱処理の条件を加えることにより、強度に一方向に配向した組織から、ランダムな組織まで、目的に応じて容易に制御することが可能であることが分かった。