著者
辻 正敏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.96, no.5, pp.555-558, 2013-05-01

本研究では,屋外防犯用途のマイクロ波センサにおいて,草葉の揺れ物体による誤検知を大幅に減少させる手法を提案する.その手法は,検出物体の移動距離を求め,そのしきい値を設けて判定するものである.Xバンドのマイクロ波センサを用いて草葉の移動距離のデータが採取され,分析が行われる.その結果,検出物体の2秒間の累積移動距離のしきい値を0.4mにしたとき,草葉の揺れに対する誤検知率を従来の受信新号のレベル判定のみを行うセンサと比較して0.0134%程度まで減少させることができた.また,揺れ物体の移動距離は,正規分布に従うため,設定した移動距離のしきい値に対する誤検知率を推定することが可能であることが分かった.
著者
高辻 正基 小国 研作
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會誌 (ISSN:00214728)
巻号頁・発行日
vol.86, no.770, pp.109-113, 1983-01-05
被引用文献数
1
著者
高辻 正基
出版者
日本植物工場学会
雑誌
植物環境工学 (ISSN:18802028)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.2-7, 2010-03-01
被引用文献数
10 27

完全制御型植物工場の現状。日本の平成20年度の食糧自給率はカロリーベースで41%、穀物自給率に至っては28%でOECD諸国の中では最低である。また休耕地と耕作放棄地は150万ヘクタールにのぼるとも言われている。これらはたしかに深刻な事態ではあるが、工業が発展した先進国で農業人口が急減し農業が衰退するのは必然であろう。これは何も日本に限ったことではないのであるが、日本の特殊性は農地当りの人口密度が極めて高いことにある。そのため自給率の低さが目立ち、休耕地の増大が問題視される。日本農業の新しい展開としては、その零細性(大規模化が困難)と工業のポテンシャルと合わせて、高付加価値農業(植物工場とバイオ農業)に向うのが有力であると考えられる。天候や場所に捉われずに作物を大量生産できる植物工場は日本に適した農法である。異常気象が来ようが狭い土地であろうと、都会のビルの中でも大量生産でき、また知的営農であるから若年層の就農希望も期待できる。ただ現状の問題点は対象が主に野菜であるから自給率にはほとんど寄与できないことと、初期導入コストと生産コストがかなりかかることである。植物工場とは野菜や苗を中心とした作物を施設内で光、温湿度、二酸化炭素濃度、培養液などの環境条件を人工的に制御し、季節に関係なく自動的に連続生産するシステムをいう。ほとんどの植物工場で制御しやすい水耕栽培を使っている。しかし土壌栽培による植物工場も可能で、最近では有機植物工場の試みもある。植物工場野菜の特徴としては無農薬、洗わずにそのまま食べられる、長持ちする、えぐみや苦味が少なく食べやすい、ロスが少ない、などが挙げられる。最近の消費者の安全・安心への志向、健康志向にピッタリである。
著者
壇辻 正剛 新保 仁 堂下 修司 梅崎 太造 大西 雅行 土岐 哲
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1996

日本語音声に対するIPA(the International Phonetic Alphabet,国際音声記号、国際音声表記、国際音声字母、国際音標文字)表記の基準作成を求めて、人文系と工学系の研究者が協力して研究を推進した。音声学的側面、音韻論的側面などの言語学的側面および日本語教育などの語学教育的側面、音声の音響分析、音声認識、音声合成などの音響工学、音声情報処理的側面など様々な方面からの研究を統合することによって、日本語音声の記述にIPAという一種のグローバルスタンダードを導入する基盤を確立した。分析対象の音声資料の収集に関しては、既存の音声データベースを活用するだけでなく、独自に音声データの録音、収集、編集を行なった。アンケート調査の結果、相違の著しかった音声を中心に、精緻な音響分析を施し研究の進展を図った。また、比較検討のため他の諸言語の音響分析も行った。主観的な判断に傾きがちであった聴覚印象に頼る音声転写に音響分析を積極的に活用して客観的な基準の作成に努め、定量的な比較や定性的な比較が可能になる新たな音響素性の導入を提案した。また、日本語教育や障害者教育など教育の現場にどのようにIPA表記の問題を活用していくのかを各側面より検討した。その成果の一部をコンピュータ支援型日本語教育システムの開発に導入することが可能になった。IPAのコンピュータ処理に関して、従来のIPAの数値コードの問題点を指摘すると共に、改善案としてより合理的な新たな数値コード化の導入を提案した。さらに、音声合成や音声認識など音声情報処理の分野にIPA表記の問題を導入し、日本語の合成音の記述、表記に関して基準を提供した。音声認識に関しては、特定言語にとらわれない記号系の利用としてIPAを利用する研究を進めるなど、各分野の研究の進展とIPAの応用に新しい側面から視点を与える研究を推進した。
著者
辻 正二 中村 彰治 原田 規章 坪郷 英彦 松野 浩嗣 石田 成則 高野 和良 速水 聖子 鍋山 祥子 林 寛子 高橋 征仁
出版者
山口大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

現在の高度産業社会には、これまで人類の歴史が経験したことのない新しい時間問題が生まれている。これまで人類は、進化の中で身につけた生命的時間と人間が自ら形成した社会的時間をうまく調和させてきたが、今日のグローバル化と情報通信技術の進展によって生じたハイスピード化社会は、社会的時間を大きく変化させて、人類の時間構造に歪みを増幅させて、生命的時間に慢性的時差ボケを生みつつある。今回の時間意識の調査研究ではハイスピード化によって社会的時間の変化が生じており、これが生命的時間との間でズレを生んでいることがある程度明らかになった。調査データの分析からは、ハイスピード化が生命的時間に負の影響をもたらし、青年や高齢者に身体の不調(疲労やイライラ度や不眠や生理不順など)や社会病理の原因を生んでいることが明らかになった。
著者
竹内 洋一郎 石田 良平 辻 正利
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. A編 (ISSN:03875008)
巻号頁・発行日
vol.48, no.430, pp.747-757, 1982-06-28
被引用文献数
2

有限円柱の一つの端面に偏心円形熱源のある問題は,平面熱応力問題として解決できない厚肉円板の,一方の平たん部の境界面に偏心円形熱源の問題ともなり,工業上有用性が多い.この問題は完全ないわゆる三次元熱応力問題による解析によらねばならない.本研究は熱弾性変位ポテンシャル,ミッチェルおよびブシネの関数の三者に関する熱弾性基礎方程式を解いて,非定常熱応力分布を求めた.
著者
辻 正 寺井 勇三 大岡 五三實 宇多田 修 木下 進一 高城 敏美
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
動力・エネルギー技術の最前線講演論文集 : シンポジウム
巻号頁・発行日
vol.2004, no.9, pp.165-168, 2004-06-22

This paper proposes the early stage Plan that Iron works and Refinery cooperate to save energy and to increase Co-production Blast Furnace process is originally Co-production process (Iron production & Gasification production) Excess fuels (asphalt & pulverized coal) injecting into Blast Furnace is gasified high-efficiently (95〜98%) At the early stage Plan, Excess fuels are asphalt 60kg/ton-pig iron and pulverized coal 65kg/ton-pig iron. This Blast Furnace Gasification System and BFG (Blast Furnace Gas) Combined Cycle Power System are optimized in a typical Iron works model (6mihon ton/Y steel product) with Pinch Technology method This Optimization yields Power (559MW) and surplus COG (Coke Oven Gas) that is exported to Refinery Energy saving 13% of total Iron works energy consumption is estimated.
著者
大田 方人 辻 正義 辻 尚利 藤崎 幸蔵
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.671-675, 1995-08-15
被引用文献数
4

北海道の褐毛和種牛の血液から分離した Babesia属原虫 (B. sp,1)の形態, 抗原およびタンパク質性状について, B. ovata(三宅株)との比較を中心に解析した. ギムザ染色後のB. sp.1感染血液塗抹標本を光学顕微鏡を用いて観察すると, B. ovataと類似した種々の形態を呈する虫体が認められた. しかし, 双梨子状虫体の長径, 短径および長幅指数は B. ovataより有意に大きかった. 酵素免疫測定法を用いて解析した結果, B. ovata抗原と β.sp.1抗原と B. ovata感染牛血清およびβsp.1抗原と B. ovata感染牛血清はそれぞれ交差反応性を有するが、いずれも同種の抗原と血清との反応よりは弱かった. また, B sp.1抗原に対して B. bonis および B. bigimina淑感染牛血清はほとんど反応しなかった. B. sp.1または B. ovata感染牛血清を用いたウエスタンブロット法によって, B. sp.1 と B. ovataとでは分子量の異なるタンパク質が抗原性を有することが明らかとなった. 二次元ポリアクリルアミド電気泳動後のタンパク質スポットパターンは, B. sp.1 と B. ovataとでは著しく異なった. 以上の成績から, B. sp.1 は B. ovataとは異なる種である可能性が示唆された.