著者
中村 優理菜 梶原 健吾 矢野 裕子 松下 昂樹 吉井 隆一 中村 朋文 富田 正郎 木下 博之 向山 政志
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.177-181, 2023 (Released:2023-05-28)
参考文献数
8

症例は,90歳女性.1年間でCre 1.97 mg/dLから3.86 mg/dLまで増悪する腎機能障害を認め,呼吸苦や胸水貯留も認めたため,透析導入も含め精査加療目的に当院救急搬送となった.入院後精査の結果,粘液水腫昏睡が診断され,持続緩徐式血液濾過透析(CHDF)とともに甲状腺ホルモン補充を行った.全身状態および腎機能は改善を認め,通常の血液透析(HD)に移行,その後HDも離脱した.甲状腺機能低下症は腎機能障害の原因としては頻度が低いが,速やかな介入によって腎機能は改善するとされている.今回のように腎機能障害の原因検索の際には,甲状腺機能低下症を鑑別にあげて,ホルモン値の測定などの精査を行うべきであると考えられた.
著者
渡辺 満久 中村 優太 鈴木 康弘
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.88, no.3, pp.235-250, 2015-05-01 (Released:2019-10-05)
参考文献数
39
被引用文献数
2

能登半島南西岸地域の隆起の原因を明らかにするため,沿岸の変動地形調査を実施した.本地域の海成段丘面は,高位のものからH1面~H4面,M1面・M2面,A面に区分できる.また,岩石海岸には離水ベンチが認められる.M1面はMIS 5eに形成された海成段丘面である.それより古いH1面~H4面には赤色風化殻が認められる.A面は,11世紀以前に離水した完新世段丘面(ベンチ)であると考えられる.これらの段丘面の高度には,累積的な南への傾動が認められる.調査地域北部では,富来川南岸断層が海成段丘面を変位させており,MIS 5e以降の累積鉛直変位量は約30 mである.その活動性はMIS 5e以降に高まったと考えられる.複数のベンチは間欠的な隆起を意味しており,調査地域の隆起運動は,南東~東傾斜の逆断層運動によってもたらされたと考えられる.このため,富来川南岸断層は沿岸から3~4 km沖合にある海底活断層に連続する可能性がある.
著者
伊藤 祥江 髙木 聖 小川 優喜 瀧野 皓哉 早藤 亮兵 川出 佳代子 今村 隼 稲垣 潤一 林 由布子 中村 優希 加藤 陽子 森 紀康 鈴木 重行 今村 康宏
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.38 Suppl. No.2 (第46回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.BbPI1176, 2011 (Released:2011-05-26)

【目的】2000年に回復期リハビリテーション病棟(以下、リハ病棟)制度が創設され、医療施設の機能分化が進められた。急性期病院における在院日数は短縮され、長期の入院を必要とする脳卒中片麻痺患者はリハ病棟を有する病院への転院を余儀なくされる。脳卒中ガイドラインにおいては早期リハを積極的に行うことが強く勧められており、その内容には下肢装具を用いての早期歩行訓練も含まれている。しかし、装具処方から完成までには通常1~2週間を要することなどから、急性期病院における片麻痺患者に対する積極的な早期装具処方は容易ではなく、装具適応患者に対する装具処方のほとんどが、リハ病棟転院後に行われているのが実情であろう。その結果、歩行能力の改善が遅れ、入院期間が長くなっていることが推測される。当院は人口約14万7千人の医療圏における中核病院で、平成18年にリハ病棟を開設した。現在は当院一般病棟からの転棟患者ならびに近隣の救急病院からの転院患者も広く受け入れている。今回われわれは、当院リハ病棟に入院した脳卒中片麻痺患者において、下肢装具作製時期が発症から退院までの日数におよぼす影響について検討したので若干の考察とともに報告する。【方法】平成18年12月から平成22年7月までの間に当院リハ病棟に入院し、理学療法を施行した初回発症の脳卒中片麻痺患者のうち、下肢装具を作製した32例を対象とした。内訳は脳梗塞25例、脳出血7例、男性15例、女性17例、右麻痺13例、左麻痺19例、平均年齢69.5±13.3歳であった。当院の一般病棟からリハ病棟に転棟した群(以下、A群)と他院での急性期治療後に当院リハ病棟に入院した群(以下、B群)の2群に分けた。これら2群について(1)作製した装具の内訳ならびに(2)発症から当院リハ病棟退院までの日数について調査した。また、(2)に含まれる1)発症から装具採型までの日数、2)発症からリハ病棟入院までの日数、3)リハ病棟入院から装具採型までの日数、4)リハ病棟入院から退院までの日数の各項目についても合わせて調査した。2群間の比較は対応のないt検定を用いて行い、5%未満を有意な差と判断した。【説明と同意】本研究はヘルシンキ宣言をもとに実施し、収集した個人情報は当院の個人情報保護方針をもとに取り扱っている。【結果】(1)A群は長下肢装具(以下、KAFO)3例、金属支柱付短下肢装具(以下、支柱AFO)13例、プラスチック製短下肢装具(以下、P-AFO)1例であった。B群はKAFO2例、支柱AFO6例、P-AFO7例であった。(2)A群で137.2±32.5日、B群では166.8±30.2日でA群の方が有意に短かった。(2)-1)A群で22.5±9.8日、B群では48.2±12.4日でA群の方が有意に短かった。(2)-2)A群で21.9±7.3日、B群では33.8±11.3日でA群の方が有意に短かった。(2)-3)A群で0.65±9.8日、B群では14.5±7.1日でA群の方が有意に短かった。(2)-4)A群で115.2±31.5日、B群では131.5±32.3日でA群の方が短かったが、有意差はみられなかった。【考察】本研究では、装具作製時期ならびにリハ病棟入院時期に着目し、発症からリハ病棟退院までを4つの期間に分けて入院日数との関連について検討した。その結果、リハ病棟入院日数においては両群間に差はなかったが、A群においてはリハ病棟転棟とほぼ同時期に装具の採型がされており、発症からの日数も有意に短かった。このことから、早期の装具処方によりリハ病棟転棟後もリハが途絶えることなく継続することが可能で、早期に歩行が獲得できたものと思われる。その結果、発症から退院までの期間を短縮したと考えられる。一方、B群においてはリハ病棟入院時期のみならず装具作製時期も有意に遅かった。リハ病棟入院日数にはA群と差がなかったことから、作製時期が発症から退院までの日数に影響をおよぼしたものと考えられる。急性期病院においては在院日数の短縮、作製途中での転院の可能性、また義肢装具士の来院頻度など積極的な装具作製を妨げる多くの要因があることが推測される。近年、急性期病院において装具が作製されることは少なく、リハ病院での作製件数が増加傾向にあること、また、リハ病棟が急性期にシフトしてきていることが報告されている。B群では当院リハ病棟転院から装具採型まで約2週間要していたことから、今後は転院後早期から装具処方について検討する必要があろう。2007年から連携パスが運用され始めている。それが単なる情報提供に留まらず、片麻痺患者に対する早期の装具処方、スムーズなリハの継続、そして早期の在宅復帰につながるよう連携することが必要であろう。【理学療法学研究としての意義】脳卒中発症後の早期装具作製は早期歩行獲得、在院日数の短縮に結びつく。それを推進するための地域連携について考えるものである。
著者
佐田 実季 田邉 将之 川脇 治 中村 優花 岡島 寛
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.345-352, 2020 (Released:2020-06-12)
参考文献数
28

Paved roads are said to be able to use them for a long time with adequate maintenances on a regular basis. However, due to a shortage of manpower for repairs, sufficient maintenance have not been taken on some municipal roads in Japan, and the deterioration has progressed rapidly. Furthermore, around 2025, many asphalt pavements paved during the period of high economic growth in Japan are expected to deteriorate rapidly, hence, a more effective method than the current manual repairing method is required. In this research, we aim to realize a machine that automatically detects and repairs cracks. As a starting point, this paper studies crack detection, one of the important elemental technologies. Assuming actual use, it is necessary to be robust to disturbances such as different colors of paved roads and illumination change due to the weather. To solve this problem, we propose a robust crack detection using deep learning. Specifically, the crack detection was performed by classifying cracked and uncracked areas by semantic segmentation using U-Net. The learning process was performed with various images including lighting changes in the training data set. As a result, we achieved a robust segmentation of cracked areas with 92.5 percent accuracy of Intersection over Union.
著者
中村 優花 上田 留梨子 河村 美奈
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.11, pp.791-793, 2010-11-01 (Released:2011-11-01)
被引用文献数
1

本研究は,平成20(2008)年度日本農芸化学会大会(開催地 名古屋)において開催された高校生による第4回「ジュニア農芸化学会」で“優秀賞”を受賞した.多くの伝統的な発酵食品は,乳酸菌と酵母を核とした多種多様な微生物が複雑に相互作用した環境の中で生み出される.糠床を利用した糠漬けも,その例に漏れない.本研究は,糠床のもつ抗菌機能に焦点を当て,糠床の特性解明とその文化的背景の理解を内容としている.
著者
小川 直毅 五月女 真人 中村 優男 森本 高裕
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.75, no.3, pp.154-159, 2020-03-05 (Released:2020-09-14)
参考文献数
24
被引用文献数
1

光起電力は現代社会に欠かすことのできない応用物性であり,太陽電池から各種光センサーまで広く利用されている.その歴史は長く,半導体p–n接合やショットキー接合に代表される“界面”の光起電力は180年ほど前から知られている.一方,1960年前後に空間反転対称性の破れた“バルク結晶”における光起電力が見出され,古典描像では説明できない巨大な起電力と特異な励起波長/偏光依存性を示すことから「異常光起電力効果」と呼ばれてきた.近年,我々の理解が進み,この異常光起電力の起因が,光励起に際した電子雲の実空間変位(シフト)であることが明らかとなったため,「シフト電流」へと改称されつつある.物質中の電子による誘電分極は,現代的な観点では,波動関数の量子力学的位相(ベリー位相)により表現される.シフト電流はその光学遷移前後の変化に対応し,始状態(価電子帯)と終状態(伝導帯)のベリー位相の差によって発生していると捉えることができる.このベリー位相差は,理論的に電子雲重心の実空間シフトと同義であり,光学遷移の時間スケールで光電流が駆動されることになる.最近私たちは,各種強誘電体で観測される光電流が,主にシフト電流に起因していることを,分光実験と理論計算の比較により明らかにした.通常,光起電力や光電流は試料に金属の電極を用意して配線を行い,増幅器等の電子回路を介して,オシロスコープや電圧/電流計で計測されている.しかし,シフト電流の本質的な高速性により,そのダイナミクスを明らかにするためには別の実験手法が必要となる.反転対称性の破れた試料にパルス光を照射した際には,パルス状のシフト電流が発生し,この短時間の電荷運動は電磁波を放射する.この電磁波を定量的に検出することにより,電極や測定回路に依存しない,非接触での超高速光電流測定が可能となる.これはテラヘルツ放射分光と呼ばれる計測法の一種である.また近年では,バンド構造の第一原理計算からシフト電流の励起スぺクトルが定量的に予測できるようになっている.これら実験と計算を比較することにより,シフト電流の励起ダイナミクス,またベリー位相への依存性が理解できるようになってきた.シフト電流は一種の分極電流であり,指向性を持ち,ボルツマン輸送理論で記述される通常の散逸電流とは質的に異なった性質を示す.量子力学的位相が観測値に現れるという点も興味深い.シフト電流は電流源とみなすことも可能であり,発生する起電力の大きさは試料の内部抵抗の関数となるため,物質のバンドギャップには制限されない.その超高速性,さらには赤外波長域での高効率光検出法としてなど,シフト電流は基礎/応用両面から大きな注目を集めている.
著者
石丸 大稀 藤本 まなと 中村 優吾 諏訪 博彦 安本 慶一
雑誌
2021年度 情報処理学会関西支部 支部大会 講演論文集 (ISSN:1884197X)
巻号頁・発行日
vol.2021, 2021-09-10

本研究では人が互いにコミュニケーションを取る際,リアルとバーチャルでどのような違いがあるのかを考察し,その違いを小さくするための技術開発を行う.本発表では目的や用途による変化の分析から,今後のAR技術開発の対象とする分野を検討する.
著者
中村 優介
出版者
慶應義塾大学大学院法学研究科内『法学政治学論究』刊行会
雑誌
法学政治学論究 : 法律・政治・社会 (ISSN:0916278X)
巻号頁・発行日
no.119, pp.571-603, 2018

一 はじめに二 フランス軍の崩壊と英仏間の決裂 (一) フランス軍の崩壊とイギリス (二) レイノー内閣総辞職と英仏間の決裂三 二つの「フランス」とイギリス外交 (一) ド・ゴールの「フランス」とイギリス外交 (二) フランス艦隊砲撃作戦の実行に至る経緯四 フランス艦隊砲撃作戦後の英「仏」関係 (一) ヴィシー政府との外交関係の断絶 (二) ド・ゴールの「フランス」の発展とチャーチル五 ダカール襲撃作戦の失敗とド・ゴールの政治的な将来 (一) ダカール襲撃作戦の立案過程 (二) ダカール襲撃作戦の帰結とド・ゴールの「フランス」の行く末六 ド・ゴールの「フランス」の制度的発展とチャーチル (一) ヴィシー政府との「暫定協定(modus vivendi)」の検討 (二) 帝国防衛評議会の承認とド・ゴールの「フランス」の制度的発展七 おわりに
著者
松井 太衛 中村 優太
出版者
FCCA(Forum: Carbohydrates Coming of Age)
雑誌
Trends in Glycoscience and Glycotechnology (ISSN:09157352)
巻号頁・発行日
vol.32, no.189, pp.J127-J131, 2020-09-25 (Released:2020-09-25)
参考文献数
51

ABO血液型は赤血球をはじめ上皮細胞表面や分泌体液中に広く存在するが、その生理的な機能は明らかではない。出血時に血小板を傷口につなぎ止め、血栓形成を担うフォンウィルブランド因子(VWF)は、血液型糖鎖の機能解明に1つの鍵を与えている。VWFは血液型を持つ少数の血漿タンパク質の1つである。血液型はVWFの血中濃度に影響を及ぼし、O型では非O型に比べて25%ほど低い。また、O型は非O型に比べて虚血性心疾患や血栓性疾患になるリスクが低いが、その反面、救急搬送された患者では、O型で出血死のリスクが高いことが明らかになり、これらにVWFが関わる可能性が示唆されている。O型患者のVWFは生理的な切断酵素であるADAMTS13への感受性が高いことから、A型およびB型糖鎖がVWFを切断酵素から防御している可能性が考えられる。血漿タンパク質における糖鎖の役割としては、シアル酸残基がプロテアーゼなどの種々の加水分解酵素に対する保護作用を持つことや、続いて露出するガラクトース残基がアシアロ糖タンパク質受容体によるクリアランスマーカーとしての役割が考えられてきたが、血液型糖鎖が中性の保護基として機能する可能性が示され、VWFを通して血液型糖鎖の新たな役割の解明が期待される。
著者
田中 里穂 日吉 優佳 中村 優里 相原 遥 日向 実佳 平賀 美樹 川合 康央
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.63, 2016

本研究は、大学の学部を対象としたデジタルコンテンツの開発を通じて、デジタルコンテンツとその開発手法による大学での学びの新しいプロモーションを行うことを目的とする。本コンテンツは、大学での学びのキーワードを紹介する3Dリズムゲームを作成し、開発チームのプロジェクトの方法をまとめることとする。大学教員をモチーフにした3DCGモデルのキャラクターを作成し、ダンスの動きを追加したものを用いる。ユーザーは、ケミカルライトを模倣した加速度センサを持つデバイスを使用して、リズムアイコンにタイミングを合わせて操作することによってポイントを取得するものとします。
著者
中村 優一 角田 直人 山田 幸生
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
年次大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.65-66, 2003

Water as well as wastes is removed from the blood of patients under dialysis treatment. If the quantity of the removed water exceeds the limit by some reasons the probability of dangerous accidents becomes high. Therefore, it is highly desired to monitor the blood status continuously during dialysis treatment. This paper presents some results of a fundamental research of measurement of water content in blood using near infrared spectroscopy and multivariate analysis for the purpose of continuous blood monitoring.
著者
田中 伸之輔 南谷 圭持 中村 優花 平田 謙次 松本 裕希子 原 有希
出版者
THE JAPAN SOCIETY FOR MANAGEMENT INFORMATION (JASMIN)
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
pp.143-146, 2024-01-31 (Released:2024-01-31)

本研究では、組織開発の構造的・技術的側面だけでなく人間的側面を重視する方法として開発された「人間中心設計・実践コミュニティに基づく組織開発手法」が、A社内に導入・展開された約3年のプロセスを事例分析した。その結果、従業員が「組織開発の主体」に成長する、対話型の学習・実践プログラムが段階的に設計されていたこと、人間の認知・感情・行動に着目する人間中心設計の考え方が、従業員のポジティブな感情体験を生み出す組織文化を支えていたことが示された。
著者
中村 優花 岡﨑 甚幸
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.83, no.754, pp.2441-2451, 2018 (Released:2018-12-30)
参考文献数
88

This study is to analyze the types of spatial composition within Buddhist shrines. The focus was on the spatial composition, the plan forms and the arrangement of worship objects (stupas and Buddhist statues). This research is based on 55 documented Buddhist temples in Central Asia. The shrine architectures have been divided into 4 types based on spatial compositions. The meanings of spatial composition also have been discussed by conjecturing how worship acts were performed in shrine architectures. For the purpose of this study, Central Asia is defined as: northern Pakistan, Afghanistan, Uzbekistan, Tajikistan, Kyrgyzstan, Turkmenistan and Xinjiang Uyghur (Fig. 1). The plan forms were divided into the following types: single chamber, two-celled chamber which has main chamber and ante-chamber (having wing walls and without wing walls type), and the corridor type (a main chamber enclosed by a single wall/ two-celled chamber enclosed by a single wall) (Fig. 2). According to the classification of plan forms, the arrangement of worship objects was classified as I, II, III, and IV. The spatial compositions were analyzed based on the schemas. The shrine architectures have been divided into 4 types as the follows (Fig. 3): I. Worshippers face worship object inside or outside the chamber: Worshippers do not enter inside, and face to the worship object directly; Worshippers enter inside directly without wing walls, judging from its large scale; Worshippers enter inside through wing walls, judging from its large scale and the spatial composition. II. Shrine with axiality: the worship object is located at the further end of the shrine (in some cases, center of the shrine). There is the symbolic direction to the worship object. Worshippers face the worship object. III. Shrine with circumambulatory: the worship object is housed in the center of the main chamber. Accordingly, pradak?i?a (Buddhist devotional practice) is performed. IV. Shrine with centrality: the worship objects are placed on three sides or four sides of the main chamber. The plan forms of shrines are centralized plan such as a square and a cruciform. Axiality is a common characteristic in many shrine architectures. Axiality is necessarily component in the case of the two-celled chamber type shrines. In addition, it became clear that there is the shrine architecture includes some characteristics of spatial composition: axiality + circumambulatory, and axiality + circumambulatory + centrality. Over a long period of time, circumambulatory design was adopted for wide areas because it indicated the circumambulation ritual from left to right of the worship object. On the other hand, there were few examples of shrine architectures with centrality. It has been conjectured that centrality was a determinate factor judging from the aspect of geographical distribution. Based on the analysis, the meaning of the spatial compositions was considered. The conclusions are as follows: - Shrines with axiality means that the Buddhist world continues forward. - Shrines with circumambulatory were held for service of the cosmological Buddha. - Shrines with centrality had worshippers enclosed by the Buddhist world. It could be considered that “circumambulatory” and “centrality” is contrasting characteristics of spatial composition and suggests a change of meaning in the shrine architecture.
著者
髙木 聖 安藤 直樹 中村 優希 今村 康宏
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.98-103, 2012-04-01 (Released:2014-01-15)
参考文献数
17
被引用文献数
4

回復期リハビリテーション病棟(リハ病棟)において下肢装具を処方した脳卒中片麻痺患者を当院一般病棟からリハ病棟に転棟した群(A群)と急性期病院から当院リハ病棟に転院した群(B群)の2群に分け,発症から装具作製までの日数ならびに総入院日数について比較・検討した.両日数ともにA群で有意に短く,早期装具作製が総入院日数の短縮につながる一要因であると考えられた.また,転院時期や転院から作製までの日数がそれらに影響をおよぼすことが示唆された.急性期病院とリハ病棟の双方が装具処方に対する認識を共有し,早期処方,スムーズなリハの継続,そして早期の在宅復帰につながるよう地域連携パスが有効に運用されることが望まれる.
著者
古庄 玄樹 中村 優介 福本 健人 常國 晋吾 加戸 啓太 平沢 岳人
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.27, no.67, pp.1559-1562, 2021-10-20 (Released:2021-10-20)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

The conventional workflow for producing wooden parts requires the wood workpiece to be firmly secured in the position predetermined by a processing path generation step. As a result, it is difficult to process curved raw wood pieces using machines. To overcome this difficulty, we developed a single-shot posture estimation technique using pre-reconstructed 3D points and features, as well as a processing path transformation technique that adjusts the path according to the actual posture of the fixed workpiece. A curved beam named “taiko bari” was processed and subsequently tested. The results demonstrated that the proposed techniques are suitable for practical applications.
著者
中出 麻紀子 岩城 なつ美 中村 優花 黒谷 佳代
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.51-60, 2021-02-28 (Released:2021-03-10)
参考文献数
26
被引用文献数
1

目的:主食・主菜・副菜の揃った食事と生活習慣,知識・健康意識,健康状態との関連を明らかにする.方法:横断研究として,兵庫県の1大学の1~4年次学生を対象に2019年に自記式質問紙調査を実施し,健診データの提供も受けた.153名の女子学生を解析対象とし,主食・主菜・副菜の揃った食事(1日2回以上)の摂取頻度が週4日以上の高頻度群,週3日以下の低頻度群に分類し,2群間で生活習慣,知識・健康意識,健康状態を比較した後,年齢と現在の居住形態で調整した二項ロジスティック回帰分析を行った.結果:高頻度群は90名,低頻度群は63名であった.二項ロジスティック回帰分析の結果,自炊頻度が高い人(オッズ比〔95%信頼区間〕: 2.96〔1.15, 7.64〕),栄養に関する知識がある人(3.33〔1.30, 8.48〕),健康に気をつかう人(7.29〔3.13, 16.98〕)は,そうでない人と比較して高頻度群の割合が高かった.また,BMIや体脂肪率が高いことが高頻度群の割合が低いことと関連していた(それぞれ0.84〔0.72, 0.98〕,0.90〔0.83, 0.98〕).BMIが18.5以上25 kg/m2未満の人と比較し,18.5 kg/m2未満の人(3.49〔1.19, 10.22〕)では高頻度群の割合が高かった.結論:主食・主菜・副菜の揃った食事は自炊,栄養に関する知識,健康意識の高さ,体格と関連していた.
著者
神應 知道 片岡 祐一 花島 資 中谷 研斗 佐藤 照子 土屋 志保 内藤 亜樹 中村 優 三浦 芳典 浅利 靖
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.835-842, 2016 (Released:2016-06-20)
参考文献数
28
被引用文献数
2

【目的】多職種運用 ICU栄養管理プロトコール導入効果の検討。【方法】ICU滞在2週間以上の患者でプロトコール導入前と導入後の2群間で栄養管理の結果を後方視的に検討。【結果】導入前(127人)に比べ導入後(103人)では,3週目のプレアルブミン(16.9mg/dL,20.7 mg/dL,p=0.013),4週目のアルブミン(3.3g/dL,3.6g/dL,p=0.025),経腸栄養投与開始日(3.9±4.2日,1.8±0.4日,p=0.038),ICU入室48時間以内の経腸栄養投与率(35.4%,53.4%,p=0.008)が有意に改善した。ICU滞在日数(22.6±11.5日,20.8±7.3日,p=0.15),ICU死亡率(16.5%,8.7%,p=0.059)は改善傾向を認めた。さらに ,48時間以内の早期経腸栄養達成に関する多変量解析では ,プロトコール導入はオッズ比2.16と独立した因子であった。【結論】多職種運用 ICU栄養管理プロトコールは,48時間以内の早期経腸栄養を達成でき,臨床栄養内容を有意に改善させた。