著者
岡田 忠司 杉下 朋子 村上 太郎 村井 弘道 三枝 貴代 堀野 俊郎 小野田 明彦 梶本 修身 高橋 励 高橋 丈夫
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.8, pp.596-603, 2000-08-15 (Released:2009-02-19)
参考文献数
11
被引用文献数
33 193

医薬品として販売されているγ-アミノ酪酸製剤(合成GABA製剤)は,脳代謝促進作用があり,脳梗塞・脳出血後遺症等,脳血管障害の諸症状の改善や血圧上昇抑制効果が認められている.また最近の医学分野の研究では,更年期障害や初老期の自律神経障害にみられる精神的症状の緩和にも効果があると報告されている.本試験では,コメぬかから分別製造した「GABA蓄積脱脂コメ胚芽」を用いて,更年期及び初老期の被験者20名に対する効果をプラセボとの比較にて検討した.その結果,更年期及び初老期に見られる抑うつ,不眠,イライラ,不定愁訴の自律神経障害の改善に,GABA蓄積脱脂コメ胚芽が高い効果を示すことが明らかになった.またこのほかに,高血圧症や肝機能の改善作用も示され,服用に伴う副作用も全く見られなかったことから,毎日摂取できる機能性食品素材として高い利用価値を有していることも明らかになった.
著者
野田 明子 宮田 聖子
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.66, no.J-STAGE-2, pp.95-105, 2017-08-31 (Released:2017-09-06)
参考文献数
22

睡眠障害・睡眠不足は認知症のリスクファクターであり,認知症の発症・重症化の予防において睡眠検査は有用である。睡眠の客観評価法として,終夜における睡眠深度・睡眠中の呼吸循環の生理現象を総合的に評価する睡眠ポリグラフ検査,睡眠覚醒リズムを評価するアクチグラフィ,過眠症の診断や治療効果の判定として実施される反復睡眠潜時検査および在宅で行うことができる簡易睡眠呼吸障害検査がある。主観的睡眠検査として,ピッツバーグ睡眠質問票およびエプワース眠気尺度は睡眠障害のスクリーニングとして日常臨床で汎用されている。また,睡眠日誌はアクチグラフィとともに概日リズム睡眠障害の診断に必須の検査である。これらの睡眠検査の臨床的意義,検査方法および評価を十分理解し,実施することが重要である。
著者
宮崎 総一郎 北村 拓朗 野田 明子
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.122, no.12, pp.1475-1480, 2019-12-20 (Released:2020-01-09)
参考文献数
21

24時間社会の今, 人々の生活スタイルは夜型化し睡眠時間は確実に減少している. 短い睡眠時間でも日常生活に問題なければよいが, 実際には睡眠不足によりもたらされる影響は, 肥満, 高血圧, 糖尿病, 心血管病, 精神疾患等多岐にわたり, 看過できるものではない. 睡眠は「疲れたから眠る」といった, 消極的・受動的な生理機能ではなく, もっと積極的かつ能動的であり,「明日によりよく活動するため」に脳神経回路の再構築 (記憶向上), メンテナンス (脳内老廃物の除去) を果たしている. 睡眠不足や質の悪い睡眠は認知症の促進因子となり, 逆に, 質の良い睡眠は抑制因子となることが近年明らかにされてきている. また, 耳鼻科医が関与することの多い閉塞性睡眠時無呼吸は間歇的な低酸素や高二酸化炭素血症, および頻回な覚醒反応により, 肥満・高血圧・糖尿病・脂質代謝異常症などの生活習慣病と深く関連していることが報告されている. さらに最近の研究で, 認知症発症に対して睡眠時無呼吸が影響を及ぼしていることがいくつかの大規模研究によって示されている. 今後, 睡眠の観点からも認知症予防に取り組むことが必要であり, 特に30代から50代までの若い世代の睡眠不足や睡眠障害,睡眠時無呼吸に対する早期診断, また若年者からの睡眠教育が第1次予防として重要であると考える.
著者
福田 敏男 湧田 雄基 長谷川 泰久 新井 史人 川口 三夫 野田 明子
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.125, no.1, pp.43-49, 2005 (Released:2005-04-01)
参考文献数
45
被引用文献数
1 9

In this paper, we propose an algorithm to estimate sleep quality based on a heart rate variability using chaos analysis. Polysomnography(PSG) is a conventional and reliable system to diagnose sleep disorder and to evaluate its severity and therapeatic effect, by estimating sleep quality based on multiple channels. However, a recording process requires a lot of time and a controlled environment for measurement and then an analyzing process of PSG data is hard work because the huge sensed data should be manually evaluated. On the other hand, it is focused that some people make a mistake or cause an accident due to lost of regular sleep and of homeostasis these days. Therefore a simple home system for checking own sleep is required and then the estimation algorithm for the system should be developed. Therefore we propose an algorithm to estimate sleep quality based only on a heart rate variability which can be measured by a simple sensor such as a pressure sensor and an infrared sensor in an uncontrolled environment, by experimentally finding the relationship between chaos indices and sleep quality. The system including the estimation algorithm can inform patterns and quality of own daily sleep to a user, and then the user can previously arranges his life schedule, pays more attention based on sleep results and consult with a doctor.
著者
太城 康良 和田 正法 野田 明 Tashiro Yasura Wada Masanori Noda Akira
出版者
三重大学地域人材教育開発機構
雑誌
三重大学高等教育研究 = Mie University Journal of Studies on Higher Education (ISSN:24325244)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.81-84, 2020-03

リーディング・ライティング教育を行う「教養ワークショップ」では,新書に対する書評を成果物としている.本研究の目的は,学生による評価を成績に加味することの妥当性を検証することである.相関解析の結果,教員による評価と学生による評価は,ある程度高い正の相関を示した.学生による評価では,単純な評価票を用い,評価法を指示し,匿名性を持たせることで,教員による評価と同様の傾向を持つようになる.条件を整えることで,学生による評価も成績に加味することの妥当性が示された.
著者
野田 明生 伊藤 伸一 脇岡 徹 密川 守 仲摩 憲次郎 永田 見生
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.369-371, 2013-03-25
参考文献数
6

術後感染(SSI)は,患者の術後成績に大きく影響するだけでなく,術者にとってもその負担は大きく,最も避けたい合併症のひとつである.今回我々は,中規模救急病院における単年度のSSI発生について検討し,施設単位の総括的なSSI予防と対策について検討した.対象は2010年度一年間に手術を施行した360例.抗生剤は点滴によるセフェム系抗生剤を手術当日および術後1日間を原則とし,ガーゼ交換は術後一週目に行い,その間創部は開放せず,ドレーン抜去は創閉鎖のまま施行した.SSI発症率は360例中3例,0.8%で,うち2例は基礎疾患の無い若年者であった.起炎菌は1例がMRSAで,他の2例は同定不能であった.全例感染確認後早期に追加手術を行い,全例でSSIは治癒できた.若年者であっても感染の危険性は常に存在しており,一旦SSI発症が認められた場合は,躊躇せず追加手術を検討する必要があると考えられた.
著者
小田 敦子 野田 明 武田 雅子 藤田 佳子
出版者
三重大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

平成15年6月に海外共同研究者アニタ・パターソンを交えての第1回の研究会に始まり、毎月の研究会を持ち、15年から16年度はエマスンのエッセイを17年度は詩を中心にテキストの精読と、共同研究者がそれぞれ専門とするエマスンの同時代の作家・詩人の観点からの議論を続けた。共同研究会は難解なエマスンのテキストを読む効果的な方法で、エマスンのテキストの19世紀における受容の実態、同時代人たちはエマスンを「マスター」と感じ、エマスンに批判的であると考えられているホーソーンやあまり関係づけられることのないディキンスンでさえ、彼の言説に注目し影響を受けていたことがわかった。研究代表者の小田は、平成16年度にアメリカのホーソーン学会に採択された研究発表"The Old Manse and the Concord as Emersonian Symbol"や、アメリカ文学会関西支部大会シンポジアムでの発表「エマスンの‘The Master Word'」で、エマスンがホーソーンに与えた影響を指摘した。野田は、エマスンがメルヴィルに与えた影響について、特に、文学の独創性や文学テキストの引用行為に対する両作家の姿勢・考え方に焦点を合わせることで検証しようとした。武田は、紀要に「ディキンスンの捉えたエマスン-伝記的事実に見る」を発表したが、これを踏まえて、エマスンとディキンスンの関係についての先行の研究をまとめることで、エマスンの影響を考察した。藤田は、当時の興味深い問題、科学と文学のかかわりの点からエマスンとソローを考察しエマスンの特性を論じると共に、この面に於いてエマスンがソローに及ぼした影響を明らかにした。パターソンは、ホイットマンとエマスンとの間の両義的な感情に関するこれまでの研究を精査した上で、彼らの相違点にもエマスンがホイットマンに教えたものの影を認めた。
著者
岡田 忠司 杉下 朋子 村上 太郎 村井 弘道 三枝 貴代 堀野 俊郎 小野田 明彦 梶本 修身 高橋 励 高橋 丈夫
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.8, pp.596-603, 2000-08-15
被引用文献数
29 193 25

医薬品として販売されているγ-アミノ酪酸製剤(合成GABA製剤)は,脳代謝促進作用があり,脳梗塞・脳出血後遺症等,脳血管障害の諸症状の改善や血圧上昇抑制効果が認められている.また最近の医学分野の研究では,更年期障害や初老期の自律神経障害にみられる精神的症状の緩和にも効果があると報告されている.<br>本試験では,コメぬかから分別製造した「GABA蓄積脱脂コメ胚芽」を用いて,更年期及び初老期の被験者20名に対する効果をプラセボとの比較にて検討した.<br>その結果,更年期及び初老期に見られる抑うつ,不眠,イライラ,不定愁訴の自律神経障害の改善に,GABA蓄積脱脂コメ胚芽が高い効果を示すことが明らかになった.またこのほかに,高血圧症や肝機能の改善作用も示され,服用に伴う副作用も全く見られなかったことから,毎日摂取できる機能性食品素材として高い利用価値を有していることも明らかになった.
著者
中田 誠一 野田 明子
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

鼻呼吸障害があり夜間に無呼吸が認められる人も鼻手術後には、鼻腔の通気性が有意に改善すると睡眠構築、日中の眠気が有意に改善した.夜間のnasal cycleは昼間活動時に比べて回数が少なく、周期が有意に長かった.
著者
野田 明男
巻号頁・発行日
2007-03-23

In order to see how predominant results the west group of trainers gained over the east groupin the horse racing data[ 3] of JRA for the period from 1998 to 2005, the author aims at a quantitativestudy of explored data analysis, and follows C.Hirotsu by making use of the statistical approachdiscussed in Chapter 6 of his book[ 1]. Indeed, based upon the data books[ 3], we make out a lot of 2×6 contingency tables with ordered categories, and compute various statistics in Tables A, B and C ofsection 3 that play significant roles in the theory of accumulated chi-square test. These tables then enableus to extract some conclusions in the last section, concerning the theme mentioned in the title of thisreport