著者
本多 正喜 城田 陽子 金子 鈴 高橋 滋
出版者
The Japanese Society of Health and Human Ecology
雑誌
民族衛生 (ISSN:03689395)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.115-123, 1995 (Released:2011-02-25)
参考文献数
14

We studied 388 cases who have consulted by telephone twice or more, and were selected from records kept at the Gunma Prefectural Mental Health Center since its opening (1986) until March 1993. For many cases, such series of consultations ended after no more than four calls, but 19 cases have lasted over several years or over a hundred calls. The most frequent type was related to mental illness of various sourts; the second most frequent concerned problems of children. Among the first type, many cases had visited psychiatric hospitals or clinics, increasing percentage wise as they passed the stages of their condition; first, anxiety overhaving fallen mentally ill; second, dissatisfaction or doubt about psychiatric treatment; third, anxiety over rehabilitation. Many cases felt completely at a loss over difficulties in finding solutions to their problems even after consulting with mental hospitals, clinics, or other counseling facilities. Cases continually used telephone for a sense of ease and/or familiarity with counselors of the Center. It was suggested that these continuing telephone consultations followed public relations that the Center's services were available without charge, and especially that they were so easily accessible by telephone.
著者
宮永 和夫 川原 伸夫 高橋 滋 尾内 武志 森 弘文 横田 正夫
出版者
医学書院
雑誌
精神医学 (ISSN:04881281)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.43-49, 1985-01-15

抄録 CTスキャンを施行した群馬大学医学部附属病院受診者を調査し,透明中隔腔及びヴェルガ腔を有する症例を抽出し検討した結果,以下のような知見を得た。 (1)全科9,408例(男5,104例,女4,304例)中,男29例,女16例の計45例(0.47%)にこれらの腔を認めた。なお男性に女性より多く認められた。 (2)45症例は,透明中隔腔のみ35例(78%),透明中隔腔及びヴェルガ腔9例(20%),ヴェルガ腔のみ1例(2%)に分けられた。 (3)45例には,疾患別にみると,てんかん,頭痛,発育障害,精神分裂性障害などが多く認められた。 (4)内因性精神病,すなわち精神分裂性障害と感情障害においては約5%の頻度でこれらの腔が認められた。 (5)これらの腔と精神分裂病症状の関係は,1)症状形成に関与する,あるいは 2)単なる合併であるというつの可能性が指摘された。
著者
小栗 友紀 角田 鉄人 加来 裕人 堀川 美津代 稲井 誠 黒田 英莉 鈴木 真也 田中 正己 伊藤 卓也 高橋 滋
出版者
天然有機化合物討論会実行委員会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.56, 2014

<p> アブラムシの中には鮮やかな体色をもつものも多く,その体色表現にポリケタイド系色素が深く関わっていることが分かってきた.そして当研究室では,これまでにイタドリに寄生するユキヤナギアブラムシ(Aphis spiraecola,黄色)から黄色色素furanaphin<sup>1)</sup>を,セイタカアワダチソウに寄生するセイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシ(Uroleucon nigrotuberculatum,赤色)から赤色色素uroleuconaphin A<sub>1</sub>, B<sub>1</sub>,<sup>2)</sup>黄色色素xanthouroleuconaphin<sup>3)</sup>を,ソラマメヒゲナガアブラムシ(Megoura crassicauda,緑色)から緑色色素viridaphin A<sub>1</sub> glucoside<sup>4,5)</sup>を単離し構造決定した.その他,megouraphin glucoside A, Bやuroleuconaphin A<sub>2a,b</sub>, B<sub>2a,b</sub>の構造決定も行った (Fig. 1).一方,これら色素はポリケタイドであることから,生物活性も期待された.実際,</p><p>Fig. 1</p><p>ヒト前骨髄性白血病細胞 (HL-60)に対する細胞毒性試験を行ったところ,furanaphinのIC<sub>50</sub>は25 mM,uroleuconaphin A<sub>1</sub>では30 mM,uroleuconaphin B<sub>1</sub>が10 mM,viridaphin A<sub>1</sub> glucosideが23 mMと,弱いながらも細胞毒性を示した.このように当研究室ではアブラムシのもつ色素成分に注目して研究してきたが,今回は無色透明のアブラムシCryptomyzus sp.について調べた.当然のこととして,色素は存在しないと考えられるが,それに代わる何らかの化合物の存在を期待した.</p><p>1. 構造決定</p><p>1-a. 抽出と単離</p><p> Cryptomyzus sp.はヤブサンザシ(Ribes fasciculatum)の葉裏にひっそりと目立たず寄生している無色で透明感のあるアブラムシである.体長わずか0.5-1 mmの極小な昆虫であることから,テントウムシなどの捕食昆虫にとっては極めて発見しにくいものと思われる.このアブラムシを刷毛で掃き集め,エーテル中で潰して成分を抽出した.このエーテル抽出物を順相及び逆相クロマトグラフィーを繰り返し,4種の無色結晶cryptolactone A<sub>1 </sub>(1), A<sub>2 </sub>(2)(A<sub>1 </sub>: A<sub>2</sub> = 6.2:1)およびcryptolactone B<sub>1 </sub>(3), B<sub>2 </sub>(4) (B<sub>1 </sub>: B<sub>2</sub> = 4.7:1)を得た (Fig. 2).当然ながら着色成分は一切得られなかった.</p><p>Fig. 2</p><p>1-b. Cryptolactone A<sub>1</sub> (1)およびA<sub>2 </sub>(2)の構造</p><p> Cryptolactone A<sub>1 </sub>(1)の分子式はCI-HRMSよりC<sub>18</sub>H<sub>30</sub>O<sub>4</sub>と決定した.またIRスペクトルから水酸基 (3407 cm<sup>-1</sup>),カルボニル基 (1712 cm<sup>-1</sup>)の吸収が観測された.<sup>13</sup>C-NMRより18個の炭素シグナルが観測され,DEPTより1個のメチル基 [d<sub>C</sub>/d<sub>H</sub> 14.1/0.88],11個のメチレン基 [d<sub>C</sub>/d<sub>H</sub> 29.9/2.34 and 2.41, 41.5/1.75 and 1.82, 48.8/2.53 and 2.66, 43.6/2.43, 23.6/1.57, および 22.6, 29.1, 29.2, 29.3, 29.4, 31.8/1.26-1.32],4個のメチン基 [d<sub>C</sub>/d<sub>H</sub> 121.4/6.03, 145.2/6.89, 74.8/4.74, 63.7/4.39],2個のカルボニル炭素 [d<sub>C</sub> 164.2 and 212.2] の存在を確認した.またこれらデータから2個のオキシメチン基 [d<sub>C</sub>/d<sub>H</sub> 74.8/4.74, 63.7/4.39],2個のオレフィン炭素 [d<sub>C</sub>/d<sub>H</sub> 121.4/6.03, 145.2/6.89]の存在も確認できた.最終的にHMBC実験の詳細な検討により,化合物1はb-ヒドロキシケトン構造を側鎖にも</p><p>(View PDFfor the rest of the abstract.)</p>
著者
北村 奉正 高橋 滋
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.31-35, 2004
被引用文献数
1

女子短大生125名を対象として, 夏期および冬期休暇における飲料摂取量を調査し, 以下の結果が得られた。<br>1日の平均飲料摂取量は, 夏期が921m<i>l</i>, 冬期が705m<i>l</i>で, 夏期が有意に多かった。夏期および冬期ともに, 他の飲料, 清涼飲料の順に多かった。清涼飲料および他の飲料の摂取量は, 夏期が冬期より多かった。<br>清涼飲料の種類別の摂取量は, 夏期ではウーロン茶飲料, 紅茶飲料, ブレンド茶飲料, 天然果汁 (100%) の順に多かった。冬期ではウーロン茶飲料, 紅茶飲料, 天然果汁 (100%), ブレンド茶飲料の順に多かった。他の飲料の摂取量は, 夏期ではむぎ茶, 水, ウーロン茶, 牛乳の順に多く, 冬期では緑茶, 水, 牛乳, ウーロン茶の順に多かった。<br>茶系飲料の摂取量は夏期に多かったが, 摂取量に対する割合は約50%で季節に影響されることが少なかった。
著者
奥川 郁 土屋 邦之 石原 陽介 中野 且敬 秋岡 清一 大坂 芳夫 高橋 滋 迫 裕孝
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.44, no.7, pp.861-867, 2011-07-01 (Released:2011-07-23)
参考文献数
7

ポリカルボフィルカルシウム製剤服用後にイレウスにて開腹術を行った67歳の女性の症例について報告する.右卵巣嚢腫で手術既往があった.下痢のため近医よりポリカルボフィルカルシウム製剤を7日分処方された.服用12日目に腹部膨満と嘔吐が出現し,当院救急受診,入院となった.CTにて小腸の拡張と,小腸内に結腸内便様の内容物を認めた.イレウス管を挿入し保存的に経過を見たが,症状の増悪を見たため入院4日後に開腹した.癒着解除だけでは,腸内容を送り出せなかったため,小腸壁を切開し内容物を排出した.腹腔内の癒着のために腸管内容排出遅延が生じ,そのために服用していたポリカルボフィルカルシウム製剤が過度に膨潤,硬化した.このことによって,開腹術が必要となったと考えられた.この症例について,文献的考察を加えて報告する.
著者
高橋 滋
出版者
警察政策学会
雑誌
警察政策
巻号頁・発行日
vol.12, pp.18-46, 2010
著者
宮田 圭悟 藤井 宏二 高橋 滋 竹中 温 李 哲柱 竹内 義人
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 = The journal of the Japan Surgical Association (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.62, no.12, pp.3073-3076, 2001-12-25

右卵巣癌摘除後に発生した,左頸部転移および放射線照射後の上肢浮腫に対して,左胸肩峰動脈から鎖骨下動脈に向けて動脈注入用カテーテルを挿入し皮下リザーバーを留置,週1回4時間かけてグリセオール200mlを55回持続動脈注入したところ,左上肢は軟化し周径の縮小をみとめた.<br> ハドマー,マイクロ波照射にても軽快しない難治性上腕浮腫に対して,在宅グリセリン動脈注入療法は有用であった.
著者
高橋 滋 本多 正喜 宇部 弘子 椎原 康史
出版者
群馬大学
雑誌
群馬大学医療技術短期大学部紀要 (ISSN:03897540)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.91-97, 1995-03-31

We investigated emotional effects of music in 227 normal female subjects, which were classified into 123 younger-aged group (10-24 yr.) and 104 middle-aged group (30-64 yr.). We presented three different types of classical music: Sonata No.2 (Rachmaninoff), Peer Gynt Suite Nr.1 (Grieg) and Brandenburg concerto No.2 (Bach). The emotional responses aroused by music were assessed by the questionnaire, which were consisted of the 12 emotional responses. The four factors extracted by factor analysis were interpreted as follows: the anti-depressive effect, the anxiety effect, the elated effect and the sedative effect. Compared with the factor scores of younger-aged group, the middle-aged group had higher scores of the anti-depressive effect in Grieg and Bach, higher scores of the anxiety effect in every three music and higher scores of the sedative effect only in Grieg. As to the effect of different types of music, Grieg had the anxiety effect but Bach had the anti-depressive effect. Thus this questionnaire proved to be useful to assess the emotional effect aroused by music.
著者
高橋 滋 岡森 識晃 小舟 賢 寺田 麻佑 ヨアヒム ザンデン
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

憲法における環境関連規定の在り方につき、わが国において憲法改正の動きも前提として活発な法律上の議論が行われ、さらにそれらの議論が沈静化した現状を踏まえつつ、学問的議論を比較法的に深めた。特にドイツ、フランス、その他EU諸国並びにアメリカにおける環境権規定及びこれに関する議論を詳しく分析し、その結果、環境保護について憲法的価値を認めるとしても現実には多くの限界があり、環境意識、環境保護に資する特別な訴訟制度の充実等が必要であることが確認された。