著者
本山 達男 尾川 貴洋 田村 裕昭 古江 幸博 永芳 郁文 川嶌 眞之 佐々木 聡明 渡邊 裕介 小杉 健二 川嶌 眞人
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.254-257, 2015-03-25 (Released:2015-05-22)
参考文献数
7

膝外傷後の痛みで,単純X線で異常なくてもMRIで骨挫傷を認めることが散見される.靭帯損傷を伴わない骨挫傷単独例を,受傷機転,骨挫傷部位,疼痛が消失した時期,スポーツ復帰で検討した.対象と方法)対象は2011年11月より2013年12月まで,MRIで膝の骨挫傷単独例と診断し当院で加療を行った13例,13膝で平均年齢は19.6歳(13-36歳),男性10例,女性3例で,後ろ向きに調査を行った.結果)受傷機転はスポーツ中のもの6例,交通事故5例,子供のバットが当たったもの1例,不明1例であった.受傷部位は大腿骨内側顆10膝,大腿骨外側顆2膝,脛骨内側顆4膝,膝蓋骨1膝であった.疼痛の消失時期は受傷後より約3-7週で平均4.2週であった.考察)膝の単独の骨挫傷は診断にはMRIが必須で,予後は良好であるが,骨の外傷であり歩行時痛が消失するのは3週以上かかることが多く,スポーツ復帰は5週以上要した.
著者
岩崎 高介 久本 欽也 鹿子 生和夫 上野 潔
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.84-88, 1954-10-25 (Released:2010-02-25)

We investigated the patients of spinal injuries which occured according to labour accidents in Fukuoka Prefecture from August 1948 to May 1954. Results were as follows;1) In the each year, the number of the spinal injured were about 400 persons. The patients of spinal cord injury occured in about 30-40 persons, Fractures and dislocations of vertebral bodies happened on about 250 persons.2) Causes of accidents were much happened in the pit and 71.5% of cases occured according to the accidents in the coal-mine similarly.3) The injuries of vertebrae were the most frequent in the vertebra thoracica XII and lumbalis I.4) Fractures of processus costarius were most injured in vertebra lumbalis III and in the left side.5) The duration of treatment were 6 monthes in many people who had fracture and dislocation of vertebrae, except the spinal coal injured.
著者
黒木 智文 永井 琢哉 北島 潤弥 李 徳哲 川野 啓介 比嘉 聖 黒木 修司 関本 朝久 濱中 秀昭 帖佐 悦男
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.819-822, 2018-09-25 (Released:2018-11-12)
参考文献数
7

保存加療に抵抗性の硬膜欠損を伴う特発性脳表ヘモジデリン沈着症に対し,硬膜閉鎖術を施行し,良好な経過をたどった1例を経験した.症例は64歳,男性.1995年頃に騒音性難聴と診断されたが,日常生活に支障はなかった.2012年から歩行時のふらつき,2013年から右難聴,耳鳴が出現した.2014年に健康診断の頭部MRIにて,小脳萎縮と脳表へのヘモジデリン沈着を指摘された.2015年に止血剤投与,2016年にブラッドパッチ施行されるも,徐々に症状は増悪し,2017年当科紹介となった.入院時,両側感音難聴と体幹失調を認め,頚椎MRIのCISS法にてTh4/5レベルの硬膜腹側左傍正中部に6 mm×3 mm大の硬膜欠損,C6からTh7の脊柱管腹側硬膜外腔への液体貯留を認めた.後方進入による硬膜閉鎖術を施行し,歩行時のふらつきが改善した.硬膜欠損に伴う脳表ヘモジデリン沈着症に対しては,観血的な硬膜閉鎖術が有効であると考えられた.
著者
高野 純 伊集院 俊郎 佐久間 大輔 前田 昌隆 東郷 泰久 小倉 雅 永野 聡 瀬戸口 啓夫 小宮 節郎
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.447-450, 2016-09-25 (Released:2016-12-06)
参考文献数
8

第4.5手根中手関節(以下CM関節)は,第4.5中手骨長軸方向への外力が加わった時に脱臼骨折を起こしやすい.2010年から2015年までの6年間に当院にて治療を行なった第4.5手根中手関節の脱臼骨折は6例であった.そのうち保存治療1例,フォローアップ出来なかった1例を除外し手術を行った4例を対象とした.脱臼骨折の原因として,右尺側Rolando骨折1例,左尺側Bennett骨折1例,有鈎骨体部骨折1例,有鈎骨体部骨折と有頭骨骨折,第3中手骨基部骨折を合併するもの1例であった.観察期間は平均2年8ヶ月(9ヶ月~5年1ヶ月)であった.結果は,整復位は良好で全例に骨癒合が得られた.尺側Bennett骨折や尺側Rolando骨折は優位に握力低下がおこりやすいと言われているが,当院の症例でも尺側Rolando骨折1例で握力低下を認めた.解剖学的正確な整復と手術による強固な固定が必要である.
著者
赤嶺 卓哉 吉田 剛一郎 高田 大
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.785-787, 2012-09-25
参考文献数
4

体育大学女性スポーツ選手19名(平均年齢19.8±1.0歳)と一般女性10名(平均年齢22.5±2.1歳)の全員に対しDXAによる骨塩量測定を施行した.さらに骨代謝に関連する血液検査を,同意を得た上記選手19名中17名に行い,以下の結論を得た.(1)一般女性群と比較して,陸上長距離選手群では除脂肪体重が高く体脂肪率が低い傾向が,柔道群では体脂肪率が低く腰椎・脛骨骨密度が高い傾向が,それぞれ統計学的に有意に認められた.(2)水泳群では一般女性群に比し,脛骨骨密度が低い所見が有意に観察された.(3)17名の選手群の内65%が血中カルシトニンの低下を,47%がエストラジオール[E<SUB>2</SUB>]低下をそれぞれ示したが,選手E 2低下群に骨塩量が不足している所見は,今回の調査では認められなかった.
著者
石堂 康弘 瀬戸口 啓夫 神囿 純一 栫 博則 田中 源幸 廣津 匡隆 藤元 裕介 前田 真吾 河村 一郎 今村 勝行 小宮 節郎
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.1-4, 2013-03-25 (Released:2013-06-11)
参考文献数
8

セメントレスPCA人工股関節の長期成績について調査した.PCAは近位1/3がビーズによりポーラスコーティングされたアナトミカル型ステムであり,カップも同様にポーラスコーティングされている.1990年から1999年までに手術した最終調査時年齢80未満を対象とした.症例は19例26関節で調査率は83.9%であった.手術時平均年齢は50歳,平均経過観察期間は15年であった.5関節が再置換を受けており,その原因は3関節がカップの弛み,1関節はステムの弛み,1関節は大腿骨骨折であり,感染は無かった.X線学的なインプラント固定性の評価ではカップは8関節がunstable fibrous fixation,ステムは1関節のみunstable implantであった.この機種における15年でのインプラント生存率は75.8%であり,カップのbone ingrowthは不良で,その成績も良好とは言えなかった.
著者
比嘉 勝一郎 山川 慶 島袋 孝尚 金城 英雄 金谷 文則 屋良 哲也 勢理客 久 仲宗根 朝洋 宮里 剛成 野原 博和
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.258-262, 2019

<p>脊椎術後に発生する髄液漏には様々な経過があり,それぞれの状態に応じた治療がなされるが,時として治療に難渋する.今回,脊椎術後に発生した髄液漏の3例を経験したので報告する.【症例1】49歳女性.頚椎神経鞘腫再発に対し手術を施行,術後5週目創部に14 cm大の髄液漏による偽性髄膜瘤を生じた.頭痛はなく頚椎カラーの装用で経過観察行った.著変なく経過したが,腫瘤は術後9ヵ月目に数日で急速に縮小した.【症例2】63歳女性.頚椎後縦靭帯骨化症に対し椎弓形成術を施行,椎弓を持ち上げる際に髄液の漏出があった.術後ドレーン内に髄液を認め髄液漏と診断,腰椎スパイナルドレナージを行い改善した.【症例3】86歳男性.頚椎症性脊髄症の術後感染でデブリドマンを行った際に硬膜を損傷し,術後創部より髄液の漏出が持続した.数回手術を行うも改善しなかったが,ファーラー位を継続したところ徐々に髄液漏は減少し,遊離脂肪移植術を行い改善した.</p>
著者
当真 孝 山口 浩 森山 朝裕 前原 博樹 當銘 保則 金谷 文則
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.56-59, 2019

<p>三角筋断裂を伴う広範囲肩腱板断裂の治療にはしばしば難渋する.我々は三角筋断裂を伴う広範囲腱板断裂の2例を経験したので報告する.症例1 69歳女性.5年前から右肩痛を自覚.1年前より近医受診で内服,ステロイド注射を行っていた.3カ月前に突然右肩挙上困難出現,MRIで三角筋断裂を合併した広範囲肩腱板断裂を指摘され当科を紹介.初診時身体所見は右肩痛を認め自動肩関節可動域屈曲20度,外旋30度,内旋Th8でJOAスコアは45点であった.腱板一次修復術と三角筋修復術を施行し,術後64カ月で自動肩関節可動域屈曲105度,外旋65度,内旋Th8,JOAスコア86.5点へ改善を認めた.症例2 82歳女性.3年前より右肩痛,可動域制限を自覚.1週間前より誘因なく右肩関節腫脹,皮下出血を認め近医受診.三角筋断裂を伴う広範囲腱板断裂を認め,手術目的に当院紹介.初診時身体所見は肩痛を認め自動肩関節可動域屈曲0度,外旋10度,内旋Hip,JOAスコアは25点であった.腱板修復術に大胸筋移行術を併用し,三角筋修復術を施行し,術後12カ月で自動肩関節可動域屈曲65度,外旋45度,内旋L1,JOAスコア58点へ改善傾向を認めた</p>
著者
與那嶺 隆則 大久保 宏貴 金城 政樹 普天間 朝上 金谷 文則
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.92-95, 2019

<p>39歳,男性,医学生.1年前から右示指の腫脹を,2か月前から同部位の疼痛を自覚し当院を受診した.中節レベルに腫脹・圧痛を認め,単純X線像上,中節に菲薄膨隆化を伴う骨透亮像を認めた.MRIではT1強調像で低輝度,T2強調像で内部の液面形成を伴う高輝度の腫瘍性病変を認めた.その後,腫脹と圧痛は急速に増悪し,手術直前(初診後6週)の単純X線像では中節皮質骨の菲薄化は著明に進行,一部途絶していた.創外固定器装着,腫瘍搔爬,人工骨・自家骨(β-TCP)移植術を施行した.病理診断は骨巨細胞腫による二次性動脈瘤様骨嚢腫であった.移植骨の良好なリモデリングを認めたが,術後12か月で中節基部掌側に腫瘍が再発した.再手術で腫瘍搔爬,フェノール処理,人工骨(α-TCP)充填を行い,術後はデノスマブ皮下注を行った.再手術後7か月,腫瘍の再々発はなく,可動域制限は軽度残存するが趣味のチェロ演奏も可能で,日常生活に支障はない.</p>
著者
坂梨 謙一 中村 雅史 別府 五郎 東 威志 脇坂 匠
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.1684-1689, 1993-09-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
12

Four cases of chronic complete acromioclavicular dislocation were treated by the contrived coracoid process transfer method. We report the operative procedure and clinical results.The coracoid process, with its attached coracoacromial ligament and the conjoined tendons, is partially osteotomized and transferred to the clavicle. The scarred acromioclavicular ligament is repaired by the coracoacromial ligament and the conjoined tendons are substituted for the coracoclavicular ligament. The acromioclavicular joint is fixed by a Kirschner wire for eight weeks.This surgical procedure was applied to four patients who had been classified as type III by Tossy's classification. The follow-up period ranged from 11 months to 3 years and 2 months.One case required re-operation because of breakage of the transferred coracoid process. But now, all patients have returned to previous activities and there have been no problem with ADL.The clinical results of all patients were judged to be satisfactory.
著者
畠山 昌久 西田 茂喜 石原 善三郎 西田 智
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.116-118, 2009-03-25 (Released:2009-06-02)
参考文献数
3

腕立て伏せにより上腕三頭筋に限局して生じた横紋筋融解症の1例を報告する.症例は16歳男性で部活動で腕立て伏せをした翌日に両上腕の疼痛,腫脹,両肘関節の屈曲制限が出現した.血清CKは28000 IU/lと上昇していた.MRIで上腕三頭筋の内側頭にT1強調像で等信号,T2強調像で高信号を呈し,臨床所見などと合わせ,横紋筋融解症と診断した.安静,補液により症状及びCK値は徐々に改善し,12日目には正常化した.本症例は腕立て伏せが横紋筋融解症を来たした誘因と思われた.しかし腕立て伏せの回数は部活動での通常通りのものであった.通常行っている運動でも横紋筋融解症を来す可能性があり注意が必要であると思われた.
著者
古庄 寛子 畑中 均 高﨑 実 平本 貴義 松延 知哉 泉 貞有 河野 勤 鬼塚 俊宏 今村 寿宏 平塚 徳彦 加治 浩三 神宮司 誠也
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.125-127, 2017-03-25 (Released:2017-05-01)
参考文献数
6

陳旧性volar instabilityは稀な病態であり,外傷性には掌側板損傷やMP関節脱臼後に十分な治療がされなかった結果生じるとされている.今回我々は,外傷により生じた陳旧性Volar instability症例に対して手術的に加療し,良好な成績を得たので報告する.症例:16歳女性.サッカー中に左母指を蹴られMP関節過伸展位となった.近医にて整復行い,副子固定された.2日後,再度左母指をぶつけて同様の処置をうけ,1週間後に当院紹介となった.初診時,MP関節腫脹はなく,掌側の圧痛をわずかに認める程度であった.伸展ストレスX線にて左右差なく,副子固定を継続した.経過中,自動伸展により一旦過伸展位になると,屈曲位に復する事が不能となったため手術加療を要すると判断した.術前可動域は,屈曲50°,伸展45°,Key pinch力2.5kg(健側7.0kg),DASH9.5点であった.受傷より3か月後に手術を施行した.Kessler(1979)は短母指伸筋腱を用いた手術を報告したが,今回我々は長掌筋腱(以後PL腱)を用いて手術を行った.術後経過は良好であり,術後1年時点で無症状であり,可動域は屈曲52°,伸展-22°,Key pinch力5.5kg(健側7.0kg),DASH1.7点であった.陳旧性volar instabilityに対する,PL腱を使用した手術は有効であったと考えられる.
著者
飯干 明 濱中 秀昭 伊勢 紘平
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.100-103, 2002-03-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
11

We report a case of post-traumatic osteolysis of the distal end of the clavicle. The case was a 48-year-old man who sustained an injury to his shoulder in a bicycle accident six months before. He had felt inveterate pain and swelling in his left acromio-clavicular joint after the accident, though the shoulder radiograph taken soon after the accident showed no abnormality. After five months, osteolysis of the distal end of the left clavicle was found on radiograph. According to laboratory data, there were no findings of infection. Comparison of radiograph taken just after injury with that taken two and five months later revealed that the patient sustained fracture of the distal end of his left clavicle (Neer's classification type III) first, and later developed osteolysis of his left claviclar distal end occurred because he did not rest his shoulder. By conservative trearment, pain is decreasing and no progress of osteolysis has been seen in follow-up radiograph.
著者
堀部 秀二 有吉 護 阿部 隆伸 平岡 弘二 史野 根生
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.1-3, 1991-11-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
4

Healing process of torn human anterior cruciate ligament (ACL) was studied histologically. Torn anterior cruciate ligaments were obtained from 21 patients at primary ACL reconstruction and stained with hematoxylin and eosin. Patients age was from 16 to 40 years. The interval between initial injury and operation ranged from 2 to 30 days. At 2 days after ACL injury, fibroblasts were not seen in the torn ligament and lymphocytes appeared in the injured ligament. Although vascular endothelial capillary buds and fibroblasts appeared around the torn ligament at 11 days, few fibroblasts were seen in it. At 30 days, torn ligament shrank macroscopically and resembled scar tissue with irregular alignment of fibroblast and collagen fiber. In conclusion, torn ligament is not healed probably due to few fibroblasts proliferation.
著者
吉田 紘二 安部 幸雄 山岡 康浩 屋良 貴宏 明石 浩介
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.248-250, 2013-03-25
参考文献数
5

母指MP関節尺側側副靭帯(以下UCL)損傷の多くは保存的治療で治癒するが,損傷靱帯が反転しているStenar lesionには手術療法が必要になる.今回,MRI検査でStener lesionが診断可能かどうかを検討したので報告する.UCL損傷に対して手術を行った25例中,術前にMRI検査を行った8例を対象とした.平均年齢37.3歳(17~54),男性2例,女性6例であった.MRIではT2強調像STIRの冠状断が有効であり,Stener lesionでは中手骨頭部に不規則な盛り上がり像を呈していた.axial像は靭帯損傷の範囲を決めるにはあまり有用ではなかった.今回の検討でMRI検査でもStenar lesionの診断は可能であるが,超音波検査を併用する事でより診断精度を向上させることが期待され,現在両検査を併用し検討中である.
著者
吉田 紘二 安部 幸雄 山岡 康浩 屋良 貴宏 明石 浩介
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.248-250, 2013-03-25 (Released:2013-06-11)
参考文献数
5

母指MP関節尺側側副靭帯(以下UCL)損傷の多くは保存的治療で治癒するが,損傷靱帯が反転しているStenar lesionには手術療法が必要になる.今回,MRI検査でStener lesionが診断可能かどうかを検討したので報告する.UCL損傷に対して手術を行った25例中,術前にMRI検査を行った8例を対象とした.平均年齢37.3歳(17~54),男性2例,女性6例であった.MRIではT2強調像STIRの冠状断が有効であり,Stener lesionでは中手骨頭部に不規則な盛り上がり像を呈していた.axial像は靭帯損傷の範囲を決めるにはあまり有用ではなかった.今回の検討でMRI検査でもStenar lesionの診断は可能であるが,超音波検査を併用する事でより診断精度を向上させることが期待され,現在両検査を併用し検討中である.
著者
平野 真子 野村 一俊 橋本 伸朗 福元 哲也 寺本 弘
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.30-33, 1997-03-25
参考文献数
6

We have used a continuous passive motion device (CPM Armciser&trade;) for treating 26 shoulder joint diseases in our clinic.<br>Nine patients with rotator cuff tear had CPM applied prior to surgery and re-applied after removal of the abduction brace at about 6 weeks post-operatively. Seven with frozen shoulder had CPM used before and immediately after surgery.<br>We found several difficulties associated with the use of CPM. Fitting of the patient's arm to the CPM is poor and a lot of time is required to fix the patient's upper extremity to the CPM properly.<br>Improvements in the CPM which we used are required to make it easy and safe to use.
著者
喜多村 泰輔 石西 貴 緒方 公介 井上 敏生 副島 修 佐伯 和彦 花村 達夫
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.809-813, 1997-09-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
4
被引用文献数
1

We investigated the relationship between Pinch strength and factors associated with activity of Rheumatoid Arthritis (RA). Subjects included 183 out-patients (366 hands) with RA who were hospitalized from April to June 1996 for at least one year. Pinch gauge (Baseline) which measures 0-5kg strength, and also grip strength were measured with an air bag connected to a mercurial column. 366 hands were assessed according to the classifications of Steinbrocker, Larsen, and Naelbuff. Results revealed that pinch strength correlated with grip strength. (Rt.: p<0.0001, Lt.: p<0.0001) However pinch strength did not correlate with patient's age, disease duration, morning stiffness, and ESR. Pinch strength measurement with a pinch gauge was useful for evaluating RA activity. It was difficult to measure grip strength in patients with advanced RA. It was useful to measure the pinch strength in patients with severe joint mutilation or immediately postoperatively.
著者
桜木 孝二 碓井 良弘 内田 芳夫 尾崎 正美
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.1072-1076, 1985-03-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
6

Eight patients with adherent flexor tendons of the hand were operated by tenolysis 4 to 6 months after primary operation. Six showed considerable improvement, but two had tendon ruptures following tenolysis.The optimal interval between primary surgery and tenolysis is discussed in this paper.The optimal timing is regarded about 3 months conventionally, but we consider it between 4 and 6 months in which scar formation subside sufficiently.
著者
岸川 陽一
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.477-479, 2011-09-25 (Released:2011-12-09)
参考文献数
5
被引用文献数
1

OCはビタミンK依存性にγ-カルボキシラーゼによってグラ化されてハイドロキシアパタイト中のカルシウムと結合可能なcOC(カルボキシル化オステオカルシン)となる.グラ化されなかったOCであるucOC(低カルボキシル化オステオカルシン以下ucOC)は,ビタミンK不足と骨代謝回転の両方を表す骨代謝マーカーであるため,骨代謝回転によって骨折のカットオフ値が異なる.一般的にはucOC4.5とされ,BPにより低骨代謝回転となっている場合には,ucOC2.6とされている.ucOCは,NTXなど骨吸収マーカーを測定した上での判断が望ましい.薬剤別ucOCの値は他の薬剤に比べてBP群では統計的に有意に低い値を示した.ucOC値はNTX値と相関を示した.VK2併用例ではucOC減少率は高くなる.また,ucOC減少率は,BP群の方がRLX群より高い.