著者
中丸 智貴 合原 一幸 奥 牧人
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.261-264, 2016-05-01 (Released:2016-05-30)
参考文献数
10

近年ディープニューラルネットワークが多くの成果とともに再注目され, ディープラーニングに関する研究が改めて活発になっている. 特に多層ニューラルネットワークでは 学習に誤差逆伝播法が用いられるが, この手法は初期パラメータに非常に影響を受けやすいことも知られている. 本研究ではまずReLU (Rectified Linear Unit) を用いた 多層ニューラルネットワークにおいてXavier Initialization の改善を行った. さらに高次元数のニューラルネットワークについてもXavier Initialization の修正を行った.
著者
デビ マリア ベルナデット カリナ 加藤 孝明
出版者
Institute of Industrial Science The University of Tokyo
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.247-250, 2018-07-01 (Released:2018-08-01)
参考文献数
19

本論文では,既存の災害復興理論および復興評価と,コミュニティレベルにおける実際の復興事例との比較について述べる.災害復興評価に関する既往研究は,住宅やインフラなどの定量的な指標に焦点を当てている.しかし,実際の復興事例を通じた観察と包括的な観点を含めた復興評価が必要である.コミュニティの見解と既往研究との違いに基づいて,理想的な復興評価は利害関係者を含めた復興の過程と物理・社会・環境などのすべての側面における復興結果に関して,より質的な視点を考慮すべきである.
著者
沼田 宗純 佐藤 唯行 目黒 公郎
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.64, no.6, pp.897-905, 2012-11-01 (Released:2013-04-17)
参考文献数
1

本研究の目的は,大学と産業界の知恵と資源を有効活用し,わが国を襲う様々な災害から市民の生命と財産を守り,発生する被害の最小化に貢献する新しい魅力ある防災ビジネスの創造と育成である.著者らは,この目的の下,(財)生産技術研究奨励会の特別研究会として,「防災ビジネスの創造と育成のための研究委員会」を設立し,大学研究者と防災ビジネスに興味を持つ企業が相互に防災技術に関する情報を交換し合うとともに,新しい防災ビジネスを展開する上での技術的・制度的課題の抽出と分析を行った.そしてその結果に基づいて解決策を検討・提案し,さらにその解決策を産学協働の新しい防災ビジネスモデルにつなげ,育成するための戦略についても検討した. 本稿では,これらの成果の中から,マーケット全体を俯瞰し,企業の商品戦略や成長戦略を立案できる環境を構築するために,WBSによる「災害俯瞰モデル」を用いた災害情報のプロファイリング結果を紹介する.[本要旨はPDFには含まれない]
著者
牧野 貴樹
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.305-308, 2014-05-01 (Released:2014-07-31)
参考文献数
20

機械学習技術の中でも、強化学習は、試行錯誤を通して最適化する研究領域として知られているが、ロボットのような自律システムのための手法であると狭く捉えられることが少なくなかった。しかし、近年、データの集め方を含めた未知の環境に対する最適化の技術として、多くの興味深い分野で応用され始めている。本解説では、強化学習の研究がどのような問題に応用できるかを概観するために、システムへの働きかけ・ヒトへの働きかけ・探索問題の効率化・分散最適化・ヒトのモデル化に関する応用例について紹介する。
著者
牧野 浩志
出版者
Institute of Industrial Science The University of Tokyo
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.133-139, 2011

世界の最先端を走っている日本の路車協調システムであるが, ETCに使われている狭域通信(DSRC)方式でマルチアプリケーションを動かすことのできる機能を持ったITS車載器とITSスポットが登場し,新しいステージを迎えた.このITS車載器は,これまでのカーナビやVICS,ETCという基本機能に加え,広域のダイナミックルートガイダンスが可能となったり,世界で初めての安全運転情報提供機能が搭載されたり,インターネット接続の実現による地図更新やローカル観光ナビとしての活用,プローブ機能による情報収集機能,クレジットカード決済機能の追加など,これまでの公共サービスだけでなくロードサイドのガソリンスタンドやファーストフードなどの民間サービスにも活用できる様々な可能性を秘めている.新しいツールの誕生で日本のITSが社会の課題をどのように解決していくのか,民間サービスでの展開,電気自動車との関係,都市のスマートな発展など,路車協調システムのロードマップについて論じる.
著者
ララメンディ フロリアン 吉田 昭太郎 ジャラベール ロラン 藤田 博之 竹内 昌治 ポール オリバー
出版者
Institute of Industrial Science The University of Tokyo
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.521-524, 2015

This paper introduces a new technique for patterning functionalization layers on substrates with hightopogra phy. The method is based on a parylene-C template shaped by a structured, sacrificial photoresist layer and attached to the substrate where functionalization is not intended. After photoresist removal and surface function ali za tion, the parylene layer is peeled off, leaving all areas initially covered by the sacrificial polymer functionalized. The technique has several advantages: (i) In contrast to microcontact printing, it allows surfaces with complex topographies to be functionalized; (ii) complex function al ization patterns are possible; (iii) the parylene structure can be reutilized. We successfully demonstrate the technique with the guided growth of neuron-like PC12 cells on honeycomb-shaped protein patterns on micro pillars and microwells. The range and limits of the technique are analyzed and discussed in detail.
著者
野崎 弘
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.194-201, 1972-05-01

100気圧程度の流体(液体またはガス体)を含む容器や管の接合部からの漏れ止めに固形ガスケットにかわって液状ガスケットが使われる.この程度の内圧になると固形ガスケットでは必ずもれるという宿命を克服し,一般車輌の油送管から航空機,ロケットに至るまでそのもれどめの役をつとめる.その液状ガスケットの耐圧機構は何か.それをほり下げることによって液状ガスケットの構造と特性はいかにあるべきかを解説した.
著者
中村 円生 吉山 巖
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.10, pp.383-385, 1961-10-01
著者
富永 五郎 岡田 繁
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.10, pp.375-377, 1956-10-01
著者
アスタティアニ アマリア 川崎 昭如 目黒 公郎
出版者
Institute of Industrial Science The University of Tokyo
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.337-341, 2015

2011 年3 月11 日にマグニチュード9.0 の東北地方太平洋沖地震が引き起こした災害を東日本大震災というが,この災害では日本人だけはなく日本に居住する外国人も大きな影響を受けた.東日本から国内外へ退避する外国人が多く発生した.外国人のこの行動は日本の社会経済活動に大きな影響を及ぼした.ところで,中央防災会議では,首都直下型地震(南関東で発生するM7 程の地震)が30 年以内に70%の確率で発生すると予想している.一方,安倍総理の政策により,外国人の労働者の受入を増やす方針と2020 年に東京で開催するオリンピック・パラリンピックにより,日本国内に在住する外国人や観光客が増加する.東日本大震災の被害が繰り替えされないための対策を練っておく必要性がある.本研究ではまず,東京湾北部地震発生時の首都圏,1 都3 県(東京都,埼玉県,千葉県,神奈川県)で外国人の暴露人口を算出する.そして,1 都3 県と茨城県のウェブサイトを確認し,各都道府県が実施している外国人向けの防災の支援を把握したうえで,在日インドネシア人大使館の聞き取り調査と(留学生除く)在日インドネシア人のアンケート調査を実施し,その分析に基づいて,今後の首都直下地震に向けた外国人の防災対策を提案する.
著者
沼田 宗純 目黒 公郎
出版者
Institute of Industrial Science The University of Tokyo
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.373-377, 2013

本研究は,東日本大震災直後のゴールデンタイムの報道時間に着目し,分析を行った.その結果,2011年3月13日から通常の娯楽等の番組編成に変わったことが確認された.また,その後の特集番組では,全て池上彰氏による震災関連の解説であることが分かった.<br>今後の大規模災害時において,ゴールデンタイムには視聴者のニーズ,経営上の観点等,番組編成上の検討要素を考慮し,必要があれば娯楽等に迅速に切り替え,多様なステークホルダーのニーズに応えることが重要である.
著者
高野 照久 松下 侑輝 小野 晋太郎 川崎 洋 池内 克史
出版者
Institute of Industrial Science The University of Tokyo
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.99-104, 2015

自動車のバックカメラや監視カメラで,魚眼カメラの搭載が広がっている.このような魚眼カメラは一般のデジタルカメラに比べて解像度が低く,レンズの収差等による画質の劣化が起こりやすい.本稿では,魚眼カメラの画像を複数枚使った超解像処理により,魚眼カメラで欠損しやすい高周波成分を復元する手法を提案する.そのために,魚眼カメラの歪みを補正して位置合せし,歪補正後の画像で超解像を行う.超解像に用いる劣化行列には,レンズのブラーと歪補正による拡大・縮小を合わせたブラー行列を用いる.実際に魚眼レンズを取り付けたデジタルカメラで撮影した画像を用いて実験を行い,本手法の有効性を確認したので,その結果を報告する.
著者
川崎 昭如 ヘンリー マイケル 目黒 公郎
出版者
Institute of Industrial Science The University of Tokyo
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.491-495, 2012

東日本大震災後,短期間に大量の外国人が国内外へ退避したことで,日本国内の社会経済活動に広範な影響がでた.本研究では,外国人の退避行動と災害情報収集過程との関係を明らかにすべく,東日本大震災時に関東地域に居住していた外国人を対象としたオンライン・アンケート調査を実施した.75ヶ国860人の災害情報収集過程と退避行動との関係性を分析し,震災後の情報収集過程の違いがその後の退避行動に与えた影響を定量的に示した.[本要旨はPDFには含まれない]
著者
戸田 康明
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.82-86, 1957-03-01
著者
須田 義大 大口 敬 中野 公彦 大石 岳史 小野 晋太郎 吉田 秀範 杉町 敏之
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.95-98, 2016

新たなモビリティ社会の実現のためには,車両制御以外の様々な課題に対する取り組みが必要である.まず,全ての自動化のレベルでHMI が重要課題となる.次に,自動運転により人間にはできない高度な運転が実現できる一方で,一般交通への受容性評価もまた重要課題である.さらに,自動運転の実用化に向けては,自動運転に関する総合的なエコシステムを整え,社会制度との適合性を含む社会受容性を確保する必要がある.本稿では,このような自動運転により新たなモビリティ社会を築くための様々な重要課題と展望について述べる.
著者
淺岡 勝彦
出版者
誠文堂新光社
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.4, no.8, pp.312-314, 1952-08-01

わが國のダム用セメントは1934年(昭和9年)に初めて造られ,今日までに3ケ所のダムで實際に使用された。その量は合計して11萬トンに達している。この量は全體のセメント生産量から考えると,ほんの九牛の一毛にしか當らないが,しかし今後この使用量は朴當增加するであろう。ダム用セメントに要求される最も大切な性質は,凝結,硬化のときに發生する熱すなわち水和熱がなるべく小さいということである。この意味で現在ダム用セメントといわれているものには,主として低發熱型のポルトランドセメントがあり,その水和熱は廣い意味では大體普通セメントの65~90%位いに相當する。普通セメントの最終水和熱量は,大體,MgSO4・H2O(硫酸マグネシウムー水鹽)が水に溶解するときの總熱量に等しい。