著者
長倉 保
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.10, pp.723-725, 1973-10-15 (Released:2011-11-04)

70万都市の江戸, この巨大消費市場にたいして展開される近畿, 東海の1200有余の醸酒家の競争0酒造業を体制維持のために掌握しようとする幕府。僧坊の酒から商品である都市の酒へ発展した近世の酒造業の姿である。
著者
内藤 欽一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.9, pp.757-761, 1972-09-15 (Released:2011-11-04)

ブドウ酒の酒質は, 原料ブドウによってほとんど決定されるが, 国内の供給バランスは, 生食用が大部分である。最近諸外国から優良品種のブドウや濃縮果汁が輸入され, この結果国内, 外国産の価格品質におよぼす問題をのべている。
著者
池見 元宏 斎藤 久一 小泉 武夫 野白 喜久雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.76, no.12, pp.831-834, 1981-12-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
21
被引用文献数
1

1. 秋田県産市販清酒特級酒5点 (本醸造酒3点, 純米酒1点, 吟醸酒1点), 1級酒7点 (本醸造酒3点, 純米酒1点, 純米吟醸酒1点, 普通1級2点), 2級酒6点 (いずれも普通酒) の合計18点を試料として各種タイプ別清酒の成分比較を行った。2. 一般成分の分析から純米酒, 本醸造酒は味の濃醇な清酒, 2級酒はアミノ酸度が少く, 糖分, 日本酒度が高い淡れい甘口型であることなどを知った。3. 微量成分としては3ーデオキシグルコソン値, アルデヒド量, フーゼル油, エステル, ケト酸, フェリシアナイド還元値を比較したところ, その含有量には清酒のタイプ別により特徴的差が見られた。4. 有機酸の組成では純米酒にコハク酸, リンゴ酸が多いこと, アミノ酸組成でも清酒のタイプ別でその構成比が異なることを知った。5. 香気成分では吟醸酒が高級アルコール類およびエステル類ともに多量で, 級別では特級<1級<2級酒の順位であり, 高級酒に香気成分が高い傾向にあることを知った。
著者
木村 武
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.81, no.11, pp.775-780, 1986-11-15 (Released:2011-11-04)

飲酒と健康問題は古くから繰リ返し議論されている。本論文はカナダにおいて実施された健康意識と飲酒形態との調査結果を要約したものである。日本における実情と一致するか否かは別として, ここに紹介する。
著者
東京・関東信越・仙台・名古屋・金沢・福岡各国税局 国税庁醸造試験所 国税庁鑑定企画官室
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.77, no.6, pp.407-412, 1982

1.前報で述べた価格の異なる種々の原料米を用いて清酒を製造することにより, 原料米の諸特性が清酒の品質にどのように影響するかを調べた。<BR>2.清酒の品質 (総合品質及び熟度) に強く関係する原料米特性として, 使用時精米歩合, 粗たん白分, カリウム分, 死米指摘得点, ジメチルスルフイド分を見いだした。<BR>3.原料米及び清酒の諸特性を主成分分析して, 米質と清酒の品質との関係を調べたところ, 米質の良いものは概ね清酒の品質も良い傾向にあることが分った。<BR>4.玄米換算価格との関連で米質と酒の酒質の関係をみたところ, 玄米換算価格の安いものは米質及び品質が不良で, 玄米換算価格の高いものは米質及び酒質が良くなる傾向があることが分った。
著者
村上 英也
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.13-14, 1979

オンザロックのすすめは, 日本酒の将来を考える著者の体験を通して語られたものである。単に消費の拡大からだけでなく, 消費者により美味しく飲んでいただくためにも, 我々はこの問題ともっと積極的に取組む必要があろう。
著者
安田 正昭
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.78, no.12, pp.912-915, 1983-12-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
88
被引用文献数
1 2
著者
東 和男 山本 泰 好井 久雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.82, no.2, pp.121-124, 1987-02-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
4
被引用文献数
1 1

電子顕微鏡により耐塩性酵母Zygosacch. rouxiiの微細構造を観察し, 次の結果を得た。1) 2%過マンガン酸カリウムで24時間固定した無塩及び含塩下培養の対照酵母Sacch. sakeは完全に過固定になったが, 同固定条件では耐塩性酵母はやや過固定にとどまった。一方, 両酵母のプロトプラストは過マンガン酸カリウムより固定能の弱い2%四酸化オスミウムによって適切に固定された。上記のことは, 耐塩性酵母の細胞壁が細胞内への固定液の透過を抑制していることを示しており, 細胞壁は食塩の細胞内への透過に対する防壁となることが推定される。2)細胞壁の厚さは,対照酵母では含塩下培養で薄くなる傾向が認められたが, 耐塩性酵母では無塩と含塩下培養の間に差異が認められなかった。3)耐塩性酵母において無塩培養でミトコンドリアが良好に発達したほかは, 耐塩性酵母対照酵母のいずれにおいても食塩は細胞質構造に影響を及ぼさないことが観察された。
著者
吉田 清 稲橋 正明 野呂 二三 村上 英也
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.80, no.7, pp.471-475, 1985-07-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
10

1. 柿渋の原料である天王柿より, それぞれ性質の異る酵母を8株分離し, その特性を調らべた結果レモン型の両極性出芽酵母でCellobioseを良く発酵するKloeckera javanicaと思われる4株と, 胞子を良く形成し柿果汁, 合成培地においても比較的芳香を出す酵母4株を分離し, これらをSaccharomyces bayanusであると同定した。2. 分離した酵母の多くはアルコール耐性があり, またpH2.0の酸性下でも良く生育するタンニン酸耐性の強い酵母であった。3. 原料渋柿搾汁液を熱処理し, 分離酵母F菌を添加して発酵させた柿渋液はアルコールやエステル様の芳香が幾分あり, 柿渋特有の腐敗臭などの異臭が少なく清澄効果も従来の柿渋と変らず, 所期の目的にそった柿渋液を製造することができた。

1 0 0 0 京の貴船

著者
山上 英夫
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.81, no.1, pp.40-41, 1986

酒造をはじめ, 広く食品産業全般にとっても用水の重要性は古今変ることはない。奈良朝以前より人々に水を司る神として信仰されてきた京都鴨川の川上, 鞍馬の漢谷にある貴般神社の伝承等について, 山上宮司に解説していただいた。
著者
柳田 藤治
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.8, pp.608-610, 1976

昔からもっともなじみの深いすし酢に代表される食酢は, 食生活の変革につれて高度に多様化され, ポン酢, ドレッシング, マヨネーズ, ソース, ケチャップ等の調味料に多く使用されるまでになった。食酢の研究者である著者に, 食酢の利用, 効能, 製造技術について解説していただいた。
著者
荒川 龍雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.78, no.5, pp.323-327, 1983

タバコは銘柄によって味.香リが異なリ特徴がある。タバコは一種類の葉ではなく.品種.収穫年度.産地などによって区分けされた2,000余の原料葉たばこの品質特性を官能的に熟知し.調合することによりでき上るという。この調合を行う人がブレンダーであり.ブレンダーはタバコの味について全責任を負う。ブレンダーの養成課程を解説して戴いたが.嗜好品ということでは立場を同じくする醸造業界にとっても大いに参考になることと思う。