著者
篠田 知和基 吉田 敦彦 丸山 顕徳 松村 一男 中根 千絵 鈴木 正崇 不破 有理 服部 等作 山田 仁史 立川 武蔵 後藤 敏文 荻原 真子 木村 武史 後藤 明 廣田 律子 近藤 久美子 竹原 新 坂井 弘紀 諏訪 春雄 小松 和彦 鷹巣 純 栗原 成郎 依田 千百子
出版者
広島市立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009-04-01

世界神話の基本的な二元構造を日本神話、ギリシャ神話、エジプト神話、インド・イラン神話、オセアニア神話、シベリア神話、アメリカ神話などにさぐった。明暗、水中の火、愛の二元性、罪と罰、異界と常世などのテーマでシンポジウムをおこない、それぞれの論文集を刊行した。生死、善悪の問題はそのつど検討された。最後は聖と穢れについて総括討論会をおこなった。その結果、世界神話は聖なるものを水中の火のような矛盾した概念のなかに追及するものであることがあきらかになった。
著者
木村 武司 錦織 宏
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.163-169, 2022-04-25 (Released:2022-09-07)
参考文献数
10

医学教育においてプロフェッショナリズム教育は重要なテーマの一つだが, その教育や評価は困難である. そのため, プロフェッショナリズム教育における特に評価の観点から, 観察可能な「行動behavior」に焦点をあて, アンプロフェッショナルな行動として捉え直す議論が2000年頃から北米を中心に活発化している. 本稿では, 国内の動向も交えつつ, アンプロフェッショナルな行動についての分類, 評価, 対応に関する概念を整理し, 関連した概念について啓蒙するとともに, 本邦の文脈に即した研究の促進を目指す. また, その適切な対応を通して, より社会の要請に耐える医学生・医師の育成に繋がることを期待したい.
著者
武村 俊介 奥脇 亮 久保田 達矢 汐見 勝彦 木村 武志 野田 朱美
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2020
巻号頁・発行日
2020-03-13

Due to complex three-dimensional (3D) heterogeneous structures, conventional one-dimensional (1D) analysis techniques using onshore seismograms can yield incorrect estimation of earthquake source parameters, especially dip angles and centroid depths of offshore earthquakes. Indeed, detail analysis of 2016 southeast off the Kii Peninsula earthquake revealed that observed seismic and tsunami record could be explained by low-angle thrust faulting on the plate boundary (e.g., Kubota et al., 2018; Takemura et al., 2018; Wallace et al., 2016) but regional 1D moment tensor analysis showed high-angle reverse faulting mechanism.Combining long-term onshore seismic observations and numerical simulations of seismic wave propagation in a 3D model, we conducted centroid moment tensor (CMT) inversions of earthquakes along the Nankai Trough. Green’s functions for CMT inversions of moderate earthquakes were evaluated via OpenSWPC (Maeda et al., 2017) using the Japan Integrated Velocity Structure Model (Koketsu et al., 2012). We re-analyzed moderate (Mw 4.3-6.5) earthquakes listed in the F-net catalog (Fukuyama et al., 1998; Kubo et al., 2002) that occurred from April 2004 to August 2019. By introducing the 3D structures of the low-velocity accretionary prism and the Philippine Sea Plate, our CMT inversion method provided better constraints of dip angles and centroid depths for offshore earthquakes. These two parameters are important for evaluating earthquake types in subduction zones.Our 3D CMT catalog of offshore earthquakes and published slow earthquake catalogs (e.g., Kano et al., 2018) along the Nankai Trough depicted spatial distributions of slip behaviors on the plate boundary. The regular and slow interplate earthquakes were separately distributed, with these distributions reflecting the heterogeneous distribution of effective strengths on the plate boundary. By comparing the spatial distribution of seismic slip on the plate boundary with the slip-deficit rate distribution (Noda et al., 2018), regions with strong coupling were identified.Acknowledgments We used F-net waveform data and the F-net MT catalog (https://doi.org/10.17598/NIED.0005). Our CMT catalog and CMT results of assumed source grids for each earthquake are available from https://doi.org/10.5281/zenodo.3661116. The FDM simulations of seismic wave propagation were conducted on the computer system of the Earthquake and Volcano Information Center at the Earthquake Research Institute, the University of Tokyo. This study was supported by the Japan Society for the Promotion of Science (JSPS) KAKENHI Grant Numbers 17K14382 and 19H04626.
著者
武村 俊介 松澤 孝紀 野田 朱美 利根川 貴志 浅野 陽一 木村 武志 汐見 勝彦
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2019年大会
巻号頁・発行日
2019-03-14

沈み込みプレート境界浅部で発生するスロー地震は、プレート境界の摩擦状態などの構造的特徴を知る鍵となる(例えば、Saffer and Wallace, 2015 Nature Geo.)。本研究では、室戸岬沖から紀伊半島南東沖にかけての領域で発生した浅部超低周波地震に着目し、浅部超低周波地震の活動の空間変化から発生域の構造的特徴を明らかにすることを目的とする。Asano et al. (2008 EPS)の手法で得られた浅部超低周波地震の検知時刻周辺を解析時間窓として、周期20-50秒の帯域のF-net速度波形に対してTakemura et al. (2018 GRL)のCMT解析を行い、浅部超低周波地震の発震時刻、震央位置、地震モーメントおよび震源時間関数のパルス幅を推定した。CMT解析のためのGreen関数は、Takemura et al. (2019 PAGEOPH)の3次元不均質構造モデルを仮定した地震動シミュレーションにより評価した。2003年6月から2018年5月の期間に検知された浅部超低周波地震に対してCMT解析を行ったところ、室戸岬沖、紀伊水道沖および紀伊半島南東沖のトラフ軸付近に低角逆断層の解が多く推定された。得られたCMTカタログから、それぞれの領域における積算モーメントを評価し、その空間変化を調べた。室戸岬沖、紀伊水道沖および紀伊半島南東沖の領域で積算モーメントが高く、紀伊半島南方沖では小さいことがわかった。浅部超低周波地震の活動域の構造的特徴を明らかにするため、得られた積算モーメントの空間変化と、すべり欠損速度(Noda et al. 2018 JGR)およびS波速度構造(Tonegawa et al. 2017 Nature Comm.)を比較した。浅部超低周波地震の積算モーメントが高い領域は、すべり欠損速度が大きい領域の周囲に位置し、プレート境界直上に顕著な低速度領域が存在することがわかった。低速度領域から流体の存在が示唆され、浅部超低周波地震の発生は流体とすべり欠損速度の両方が鍵をにぎると考えられる。謝辞F-netの広帯域速度波形記録を使用しました.スロー地震学のスロー地震データベースよりカタログをダウンロードしました(Kano et al., 2018 SRL).地震動計算には地球シミュレータを利用しました.
著者
木村 武実 吉田 浩之 和田 吉晴 上田 啓司 弟子丸 元紀
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.459-462, 1994-06-20 (Released:2011-10-19)
参考文献数
12

Trimebutine maleateの投与により構音障害をきたした老年期うつ状態の1症例を経験した. 症例は67歳, 女性. 65歳時, 誘因なくうつ状態となり, 抗うつ薬により中枢神経系の副作用をきたし難治であった. 66歳時, 過敏性腸症候群に対するtrimebutine maleateの投与1時間後から強度の眠気とふらつきを前駆症状として構音障害, 手指振戦を呈し, trimebutine maleate中止により数日で消失した. 頭部CTでは透明中隔腔・ヴェルガ腔や大脳基底核の石灰化, 大脳皮質の軽度萎縮などが観察された. tributineme maleate投与と構音障害出現との時間的関連, 脳血管障害や他の薬物関与の否定などから, 構音障害はtrimebutine maleateの副作用として発現したと考えられた. その機序としては, trimebutine maleateによる中枢神経系のドーパミン系とコリン系の不均衡が推測され, 背景には中枢神経系における先天的および後天的脆弱性が存在するものと推察された.
著者
木村 武司 種村 文孝 近藤 猛 錦織 宏
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.591-595, 2020-10-25 (Released:2020-12-09)
参考文献数
9
被引用文献数
1

臨床研修指導医講習会において, 個別の教育実践ケースの発表から実際の教育現場で抱えている諸問題を議論する医学教育ケースカンファレンスを行った. 開催2カ月前から準備をし, 当日は4つのケースを扱った. 筆者らは, 教育現場の実践に医学教育学の言葉を付与し, 理論や概念的枠組みを結びつけ, 受講者に臨床研修の現場で起こっている事象の理解を深めるよう努めた. 本試みは教育実践を通じて医学教育学の知見を学ぶだけでなく, 診療科横断的な教育に関連する実践共同体の構築に寄与する可能性を示した. そこでは, 実践の背景や文脈を考慮しながら理論と適切につなぐ「通訳者」の存在が鍵となり, 今後はその人材育成も課題である.
著者
辻 裕美子 木村 武彦 桑野 譲 赤松 達也 斎藤 裕 吾郷 晋浩 矢内原 巧 国谷 誠朗
出版者
一般社団法人 日本女性心身医学会
雑誌
女性心身医学
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.57-61, 1999
被引用文献数
1

女性にとって更年期は心身ともに不安定になりやすい時期である.ストレスとなるライフイベントが重なると,うつ状態を呈することがあり,ときに自殺念慮を生じる場合もある.患者に自殺の可能性が考えられる場合,交流分析の再決断療法では,まず「自殺しない契約」をとることが重要なプロセスであると考えられている.これは,患者自身の決断として,自殺しないことをはっきりと表明するものである.この介入方法について,本法が有効であった更年期外来症例,二例を通して報告した.
著者
木村 武史 KIMURA Takeshi
出版者
筑波大学人文社会科学研究科 国際地域研究専攻
雑誌
筑波大学地域研究 (ISSN:09121412)
巻号頁・発行日
no.39, pp.39-56, 2018

This paper attempts to examine the symbolic representation of Windigo, the cannibal monster, feared by the Algonquian people such as the Anishinabe and the Cree in the Northeastern North America. The first section introduces the topic. The second section, mainly based upon recent scholarly work by S. Smallman, reviews a history of the scholarly works on Windigo and presents the perspective to be taken for this paper. In the third section, it examines the historical changes of the Windigo images. As the historical phenomenon, the so-called Windigo Psychosis ceased to be reported by the end of the 19th century. The image of Windigo continues to be referred to by both the native people and the American-Canadian people. While this paper recognizes the contemporary native representation of Windigo as a proof of cultural creativity, it also sees historical changes in the religious perception of the image of Windigo with the recognition of etymological resemblance between the indigenous terms of owl and Windigo. In the fourth section, while admitting the importance of the moral interpretation of Windigo narrative, this paper tries to read the bodily experiential dimension as the location of religious fear of Windigo. Paying a special attention to the shamanistic narrative of Windigo, this paper attempts to read the religious meaning of personal transformation induced by the spiritual possession by Windigo.
著者
鈴木 陽一 橋本 明記 松崎 敬文 田中 祥次 木村 武史 土田 健一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.193, pp.7-12, 2013-08-29

スーパーハイビジョンなどの大容量伝送の実現に向けて,周波数利用効率,所要C/N改善を目指した伝送方式の検討を進めている,強力な訂正能力を有するLDPC符号と,集合分割法を用いた符号化変調を組み合わせた性能評価は,特に衛星伝送路の特性を考慮した環境化では十分な検討がなされていない.本稿では,集合分割法と,LDPC符号とBCH符号による連接符号を, 8PSKに適用して符号化変調を構成し,同方式に適した伝送フレーム構成を提案する.提案方式では,最もユークリッド距離が広がる最下位ビットには, BCHパリティのみを付加し,上位2ビットについては,それぞれBCH符号と白色雑音下において最も伝送性能が良くなる符号化率のLDPC符号の連接符号を付加する.本稿では,上位2ビットに適用するLDPC符号の符号化率をパラメータとし,白色雑音下における伝送性能を計算機シミュレーションにより評価し,伝送性能が最も良くなる符号率の組み合わせを導出するとともに、12GHz帯衛星伝送路を模擬した伝送路モデルにおける伝送性能について計算機シミュレーションを行い,従来方式(ARIB STD-B44)に対する本方式の性能改善効果を報告する.
著者
小柳 達男 千葉 茂 鷹觜 テル 及川 桂子 赤沢 典子 常松 澪子 木村 武 小山 寛
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.65-70, 1984-02-10 (Released:2009-11-16)
参考文献数
16

サイアミン, リボフラビン, ビタミンB6, ナイアシン, PA, トコフェロール, カルシウム, 鉄を玄米に含まれる量に似せて強化した新強化米を岩手県農村の高齢者に与え, 血圧, 血色素, 副腎皮質ホルモン代謝物の排泄量, 暗順応能力などに及ぼす影響について調べた。それまでサイアミンだけを強化した米を食べていた人々がこの新強化米を1年間摂取した結果, 1) 最低血圧が81±3から76±3mmHgに低下し, 2) 血色素が13.2±0.2から14.8±0.3g/100mlに増加し, 3) 尿中17-OHコルチコイドが2.4±0.1から1.1±0.1mg/8hrに減少し, 4) 尿中パントテン酸は0.31±0.08が1.11±0.34mg/8hrに増した。これらの変化は従来の強化米に比べ新強化米にとくに多いパントテン酸による効果ではないかと考えられる。とくに血圧を降下させた効果について著者らは, パントテン酸の不足によって低下していた神経組織のアセチルコリン濃度がパントテン酸の供給増加によって改善され, 血圧上昇作用をもつアドレナリン系ホルモンの作用に拮抗したものと考えている。暗順応は新強化米だけでは9か月間の摂取でも暗順応の閾 (いき) 値は8.6±0.8が7.7±1.1mmへとわずかに改善されただけであるが, ビタミンAを補うと著しく改善されて4.5±0,6mm (やや不良) にまで改善された。これは被験者たちは栄養調査ではビタミンAを十分に摂取していることになっているがビタミンAの補給前はその不足があったものと考えられる。
著者
木村 武二
出版者
THE SOCIETY FOR REPRODUCTION AND DEVELOPMENT
雑誌
Journal of Reproduction and Development (ISSN:09168818)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.j121-j125, 1995 (Released:2010-10-20)

世界的にみた行動学の発展の歴史と対照してみると,わが国における行動学の発展はかなり特殊な経緯をたどって来たし,研究対照やアプローチに関しても未だに偏りが見られる.これらについて概観するとともに,特に脊椎動物を対象とした行動研究の現状と将来の展望について私見を述べた.
著者
木村 武雄
出版者
筑波学院大学
雑誌
筑波学院大学紀要 (ISSN:18808859)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.93-105, 2009