著者
田村 茂
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.161-177, 1959-06-25

In the traditional theory of consumer's behavior, circulating money is nonexistent. It is the numeraire that plays a role in it. The reason Why the l traditional theory excludes circulating money is that money has no direct utility. This is quite true under static conditions, in the strictest sense, but we can recognize direct utility in holding money, if we develop the problem under the looser static conditions in the point that they contain some assumptions as to 'time'. So, in this paper, we are engaged in modifying the traditional theory so as to be able to describe the consumer's behavior in the case where the consumer demands not only commodities but money. We begin with setting necessary assumptions and explaining what sort of satisfaction the consumer derives from holding money under those assumptions. Then we proceed to introduce money into utility function. Both C.E.V. Leser and P. A. Samuelson introduce money into utility function in the form of purchasing power over each kind of commodity. But we choose the way of introducing money into it in the form of purchasing power over the commoditiy-in-general. Our method enables us to obtain the same results more easily than they did. These results are as follows. (1) Slutsky equation should be modified so as to include two new terms besides two ordinary income and substitution terms. The two terms measure indirect income, and indirect substitution, effect. (2) Between the γth commodity and the sth one, we can not say that the substituion effect on the γth commodity resulting from a change in the sth price is the same as the substitution effect on the sth commodity resulting from a change in the γth price. This fact is due to the existence of the indirect substitution effect. (3) Consumer's income remaining unchanged, an equi-proportionate change in all price has only an income, and not substitution, effect. (4) If consumer's income changes in the same proportion as all prices, the real condition of consumer's demand remains unchanged. Accordingly, in this case, the fundamental proposition of the Quantity Theory of money holds true ; the elasticity of demand for money is unity.
著者
三井 逸友
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.6, pp.19-39, 1996-02-25

日本の中小企業研究は比較的独自の問題意識と方法の発展を遂げたとはいえ,欧米経済社会を物差しとし,これとの距離で「近代化」を論じる傾向が強かった。しかし,日本の経済発展と「国際化」の進展のもとで,「ポストフォーディズム」などの議論にもとづく,欧米側からの日本中小企業とそのシステムヘの「再評価」が高まり,一種の「逆輸入」が生じた。これも,90年代以降の日本経済の不振下に,「再逆転」に向かっているが,このように諸外国の論調に影響されているばかりでなく,グローバルで普遍的な中小企業研究の視座と方法を確立すべき時である。欧米での中小企業への関心と論点を「脱構築]し,中小企業のつくる「システム」を一般化して理解しながら,その存在と「構造」を現実の社会的・政治的過程のうちでとらえ,グローバルスケールのもとで,人間性と「社会」「地域」の視点を回復していくことが,今日の中小企業研究に求められる。
著者
岡本 大輔
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.6, pp.30-51, 1992-02-25
被引用文献数
1

エキスパート・システムにおける知識ベースの推論機構からの独立,知識ベースの宣言的表現法,ヒ-リスティックスの利用,優れたユーザーインターフェースという特徴は,その手法の企業評価論への適用可能性を高めている。本研究で実際に作成された企業評価システムは従来の財務諸表分析の知識をルール化することに成功し,かなり高度な専門的解決能力を示した。
著者
笠井 昭次
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.17-53, 1998-02-25

本論文は,現行会計の説明のための概念用具として今日もっとも優れていると思われる貨幣性資産・費用性資産分類論を取り上げ,その総合的な検討を企図している。本誌の第40巻第3号および第5号では,その意味論(計算対象論)の側面を検討したが,そこでは,計算対象を合理的に説明できなければならないという,勘定分類が充たすべき意味論上の要件をクリアーしていない,という結論が得られたのであった。本論文の企図は,総合的検討にあるので,本号では,その語用論(計算目的論)および狭義構文論(計算機構論)の側面を取り上げる。今日,勘定分類と言えば,一般に,測定規約を定めるために,会計の計算対象とのかかわりだけで論じられがちである。そして,貸借対照表・損益計算書における計算目的の遂行あるいは計算機構における諸勘定間の関係に関しては,別個の勘定分類が採用されるのが常である。筆者の言う勘定分類混在「観」が支配的なのである。しかし,会計理論を論理的に首尾一貫したひとつの全体とみるかぎり,ひとつの勘定分類によって,その領域の全体がカヴァーされなければならない。これが,筆者の依拠する統合的勘定分類観であるが,その場合には,貨幣性資産・費用性資産分類論は,その当初の企図が計算対象の把握にあったとしても,計算目的および計算機構を合理的に説明しているかどうか,ということも問われなければならないのである。まず語用論上の検討であるが,[G-W-G']に基づく貨幣性資産・費用性資産分類論は,貸借対照表の計算目的として損益計算を課しているので,第1にこの損益計算の成否を取り上げなければならない。しかし,[G-W-G']は,言うまでもなく借方項目だけであるから,どうしても貸方概念が必要になり,そうした損益計算という計算目的の視点から貸方概念が導入されることになる。したがって,第2にそうした導入の在り方の是非が問題になる。結論的には,この2点において,貨幣性資産・費用性資産分類論は,勘定分類が充たすべき,計算目的を合理的に説明すべきであるという語用論上の要件を充たしていない。次に狭義構文論上の検討であるが,ここでは,計算機構のうちもっとも重要である貸借対照表と損益計算書との関係を取り上げた。この関係については,両者の構成要素の関係,および両者の差額の関係の2点が問題になるが,貨幣性資産・費用性資産分類によれば,前者は交叉型関係,後者はカンヌキ関係になる。しかし,今日,実践的には,前者は,(例えば貸借対照表借方項目と損益計算書借方項目との同質性を意味する)直列型関係あるいは原価配分関係,そして後者は,損益計算書の利益額を貸借対照表の貸方側に移記する振替関係にある。したがって,貨幣性資産・費用性資産分類論は,勘定分類が充たすべき,計算機構を合理的に説明すべきという狭義構文論上の要件も充たしていない。かくして,貨幣性資産・費用性資産分類論は,総合的にみて,現行会計の説明に関する概念用具として妥当ではない,というのが本論文の結論である。
著者
呉 美淑
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.91-101, 1997-04-25

サービス分野としてのホテル業界は,労働力の流動化,雇用形態の多様化,経営活動のチェーン化などによる雇用管理上の問題を抱えていると指摘されている。本稿の目的は,このような日本のホテル業界において,労働市場の内部化の特徴とその形成要因としての教育訓練や業務経験との関係を,経営形態別に探ってみることである。そのため,4社の大規模都市ホテルを対象として事例研究を行い,労働市場の内部化の程度,教育訓練の活動と労働市場の内部化との関係はローカルホテルとチェーンホテルの間にどのような差があるかを探ってみた。それと共に,このような結果がホテル業界に示す幾つかの示唆点を検討した。
著者
白石 孝
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.12-28, 1972-08-30

発展途上国の中でも,ブラジルは最近とみに注目をひき,その発展の過程に関して,さまざまな角度からの検討がなされてきた。事実,これまでの研究文献も多種多様にのぼり,いわゆる中南米やブラジル専門家とみられる人も決して少なくはない。それにもかかわらず,ブラジルは常に興味深い研究題材をあたえてくれるし,殊に,経済発展のプロセスやそこに生ずる経済制度やメカニズムとのコンフリクションを見極めようと思うものには,たしかに恰好なケース・スタディーの対象を提供してくれるといってよかろう。本稿はKeio Business Forumに筆者が発表した1970年のブラジル視察の覚書に統くものであって,主として,ブラジルの経済発展のパターンとその特徴を明らかにすることからはじめ,工業化,と貿易・為替政策,工業化のブラジルにおける条件と輸入代替の特質更に経済発展のコンフリクションを検討して,輸出多様化への発展プロセスを提示したいと思う。
著者
塚田 朋子
出版者
慶應義塾大学出版会
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.149-161, 2006-10

堀田一善教授退任記念号本稿ではナイストロム(Paul H.Nystrom)の業績を概説し,彼が提出した我々の分野のパズルの原形について考察する。わが国では注目されることが少なかったマーケティング研究のパイオニアであるナイストロムの精力的な執筆活動により,小売思想は制度的及び技術的という2つの方向に発展したとされるのである。本稿で特に注目する『流行商品計画(Fashion Merchandising)』では「かつては富裕な,また貴族階級のごく一部の人々が追求するものでしかなかったが,今や大衆がこれに従うようになった」流行を分析するのであるが,そこで述べられた内容のどれもこれもが今日も流通企業が用いる実践的手法であり,また何よりマーケティング研究者にとっての重要な研究課題がその中で示されている。先立って『消費の経済学』『流行の経済学』を提出したナイストロムが,第二次世界大戦後に活躍する合衆国の多くのマーケティング研究者が学生時代に用いたテキストの著者であったことによるその後の影響を,我々は不注意にも見落としていたのではないだろうか。
著者
十川 廣國 今口 忠政 岡本 大輔 高橋 美樹 馬塲 杉夫 今野 喜文 許 伸江 横尾 陽道
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.125-132, 2000-06-25

経済を活性化させる起爆剤として,新しいベンチャー企業の創出に注目が集まっている。ベンチャー企業の創出には,基幹となるアイデアや技術をもった起業家の存在が必要不可欠であるが,人材を輩出する大学,基礎技術を産業界に移転するTLO,新規事業の立ち上げを支援するベンチャーキャピタル,支援のための制度を整備する行政などが連携して起業を支援する体制を作ることも極めて重要である。地方自治体の中には,そのようなベンチャー企業の育成に積極的に取り組み,徐々に成果を生んでいる地域もみられる。中でも,山口県は「山口チャレンジモデル」という民間・大学・行政の連携を強化することによって,新規の産業創造に積極的に取り組んでいる自治体である。われわれは,山口大学地域共同研究開発センター,山口県庁,山口大学経済学部を訪問して,ベンチャー企業の創出に対する大学の役割,行政の役割をヒアリング調査し,さらに山口県と連携した山口キャピタルの金融支援の現状について調査した。その結果,山口大学工学部を中心としたTLOを通じたリエゾン活動,山口県と山口大学経済学部との連携による人材育成や金融支援が効果的に機能している実態を把握することができた。さらに,このような取り組みのもとに,急成長しているファーストリテイリング社(ユニクロ),LSI設計に特化した創業間もないプライムゲート社を訪問して,経営者の企業経営に対する考え方,経営の現状と課題についてインタビューすることができた。本資料は,2社のインタビュー記録を取りまとめたものである。
著者
斎藤 峻彦
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.39-51, 2000-08-25

今日,世界の先進諸国で進められている鉄道改革の中身は日本の新幹線輸送の成功と国鉄民営化の成果による影響を受けているものの,わが国との主要な相違点は,諸外国の-とくにEU諸国の-鉄道改革が鉄道の上下分離政策を柱に実施されている点である。日本の鉄道に比べてはるかに市場条件に恵まれない先進諸外国の鉄道産業は,他の交通手段との競争において平均費用逓減産業が陥りやすい市場の失敗に当面しがちだからである。とはいえ,鉄道の上下分離政策に寄せる各国の思惑は決して一様でなく,相違点は鉄道インフラ使用料の設定やインフラ使用権への競争的参入をめぐる交通政策などに表れ,日本の上下分離のように鉄道整備の資金調達や投資リスク分散を目的とするような例もある。EU諸国が進める国鉄の上下分離はEU共通鉄道政策(指令)を共通のベースとするが,交通市場条件の相違や鉄道改革の相違-とくに国鉄民営化が関係するか-を反映して,その中身は国によってかなり異なる。北欧諸国のように鉄道インフラ使用料を関連外部費用を含む限界費用原理で設定する場合は,インフラ総費用と使用料収入の差額を補填するための多額の公的負担の投入が不可避である。英国やドイツでは上下分離はむしろ鉄道改革-商業的鉄道への復帰-の推進手段として位置づけられ,鉄道インフラ事業自体の採算性復帰と将来における完全民営化をめざしている。鉄道インフラ事業に対する公的負担の投入は利用者負担原則からの逸脱に伴う分配問題を引き起こすが,その正当化には当該交通インフラの存在がもたらす外部効果,すなわち利用可能性=公共財論を援用することが避けられないであろう。
著者
小野 裕二
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.215-228, 2004-08

清水猛教授退任記念号本稿は,小売構造の一側面としての店舗密度に焦点を当て,店舗密度がある特定の地域間でなぜ相違するのかといった,店舗密度の地域間変動の問題を検討することを目的として,その関連研究をレビューした上で,取り上げられた規定要因や実証分析の諸側面に関して整理を行い,問題点を識別し,今後の研究課題を提示していく。
著者
醍醐 昌英
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.249-264, 2000-08-25

欧米において展開するエッセンシャルファシリティ(EF)理論は,新たな交通施設整備が困難である現在の日本において,モード選択肢を増加させうる手法として注目される。EF概念は(1)必要不可欠な施設の支配,(2)複製の不可能性,(3)使用拒否及び制限の存在,(4)正当な接続拒否理由がないことという4要件で定義される。同概念は価値欲求財の概念に類似するが,主要な供給主体が公的事業者であることを前提としない点でより中立的な規定である。EF概念に関する理論上の課題は複製可能性および接続拒否の妥当性の検証であり,また運用上の課題として費用の把握およびEFの範囲を確定する際の困難性が挙げられる。しかし,現在の経済情勢の下では,需給の変動は限定されるために複製可能性の検証に関して厳密性を要しないなどから概念自体は有用であり,交通市場に同概念を適用する際の重要な問題はEF概念に沿った接続料金設定のあり方となる。そして機会費用概念を伴う賦課原則に基づく接続料金設定がラムゼイ価格形成の発展形となり,競争誘引に寄与する点で有効である。
著者
中条 潮
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.89-109, 2000-08-25

競争が有効に機能するためには,単純に規制撤廃だけを行えばよいわけではなく,競争を阻害する要因を除去するように競争政策を運用していかなければならない。本稿では,そのうちの重要な2つの要因であるエッセンシャル・ファシリティの配分方法と,補助金の配分方法について議論し,前者については混雑空港における発着枠の配分方法のありかたを,後者については不採算路線の補助制度のありかたを例にあげて検討した。まず,スロット配分ルールについては,均等配分ないし抽選制,点数評価制,運賃による競争入札,付け値競争入札に分けて,これら配分方式の優劣を議論した結果,透明性の確保と合理性の点で競争入札方式が望ましいとの結論を得た。また,補助制度についても,補助金に関して競争入札制をとることが,補助の目的を満たしながら,経営効率を維持する方法として望ましいとの結論を得た。
著者
清水 竜瑩
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.p67-96, 1993-10

ヨーロッパの国々は,現在,景気後退と失業率の上昇に悩んでいる。通貨調整の失敗,消費の低迷,東欧などからの移民の増大がその原因と考えられている。ヨーロッパの経営者は,日本の現在の不況について熟知しているが,それでも貿易黒字1500億ドル,失業率2.5%,勤労意欲の高い労働者の存在に深い関心をもっている。日本の市場は,巷間言われているように閉鎖されていず,経済的,制度的には完全に開放されている,と考えている。ただ文化的,心理的に開放されていないという。ヨーロッパの経営者は,市場・技術動向について長期的に予測して,その経営戦略をたて成功しているようである。ただ日本の市場開放については,それに対する長期的視野が欠け,日本市場への参入に戸迷っている。建設会社の指名入札制度は工事の公平な配分と工事の品質という二つを保証する制度である。現物の所長,職人などの人心の機微についてのノウハウが利益の源泉である。外国人単純労働者でもまじめに働く人間は雇用してもいいのではないか。海外施工について設計から施工まで一貫した体制をもっている(東急建設)。企業の目的は,株主,顧客,従業員の3者を満足させることだが出発点はやはり株主である。日本市場は経済的には完全に開放されている。ただ文化的バリアーがある。これらは,日本人が日本国内の供給者から買いたがる傾向に現れる(ユニリーバ)。これからの通信革命は強力なPCを結びつけたネットワークの構築が中心になる。そのためのソフト開発では日独は米に大きく引きはなされている。日本市場に進出するには長期的な日本語教育が必要。日本の参入障壁にはメンタルなものが大きい。欧州の自動車部品メーカーが日本の部品メーカーと同品質,低価格のものを提供しても,日本の自動車メーカーは買わない(ドイツ銀行)。ロシアのアルミニウムの無秩序な輸出,欧州通貨の混乱,家計消費のマイナス成長などのマクロ経済的問題が経営上の最大の問題となる。日本はヨーロッパに余り関心がない。欧州の対外赤字は米国のそれよりも大きいし,失業率も高い。日米2国間交渉でもなく,GATTの成功に力を入れるべきである(ペシネ)。ぜいたく品を買う富豪が少なくなり中産階級の所得がふえた。彼等に買わせるために,大衆消費財まで,ぜいたく品と同じデザインにした。ぜいたく品と大衆品のデザインの差がなくなり,売れなくなった。対処策としてぜいたく品の品質アップとラコスタと組んだ大量生産品の製造・販売に力を入れる。自分の家が建てられなくても一生けんめい働く,日本人が羨しい。フランスでは社会保障がよすぎるから失業率が高くなる(ジャン・パトゥ)。出版を輸送関係,社会関係の雑誌から年金,税金,会社法などの分野に多角し,さらにそれらをCD-Romに変える。市場拡大と技術革新とを同時に行っている。これらを弁護士,中小企業オーナーなど,個人向けにし,彼等に利用しやすいようにデータバンクをつくっている(ラミー)。人間的側面が重要。経営者能力で最も重要なものは,相手の立場にたってものを考える能力。独学の人にはこれが欠けるので,アメリカでは成功するかもしれないがフランスでは成功しない。グラン・デコールなど正規の教育機関出身者が非常に少ないので,ヘッドハンティング重要な仕事になる。59歳で経営者を採用するのは遅くない。彼等は,先がないから大胆な仕事ができる(ジュウヴ・エ・アソシエ)。
著者
清水 竜瑩
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.p98-141, 1992-06

大企業経営者に,その企業のもつ問題点,それに対する対処策ないし戦略,それを支える人間の組織,人間の評価についてインタビュー・サーベイを行った。問題点としては組織の硬直化が最も多い。創業時代のイメージを持ち続けたままの大規模化(セゾン),過度の堅実経営による大企業病(八十二銀行),図面通りつくるまじめ体質からの硬直化(日本エアブレーキ),旧い枠をたえず崩す必要のある体質(三菱油化),生産続行しながらの工場移転(三菱製鋼),モノカルチュアによる利益の不安定性(三井製糖),リストラのための就職斡旋(三菱マテリアル)など。対処策ないし戦略としては,トップの果敢な意思決定,研究開発の強化,多角化などがある。みんなが反対のときゴー(三菱油化),60%賛成があれぼゴー(三井製糖),経営者の体臭を企業文化に浸透(セゾン),社長の研究現場まわり(日本新薬),制御技術を応用した多角化(日本エアブレーキ),地域密着型の販売系列会社を使った多角化(井関農機),自社の力の限界を前提とした多店舗展開(ユニー),東京の一極集中を県の活性化に積極的活用(埼玉県),現場職長クラスのノウハウの活用(三菱製鋼),孫下請会社の積極的協力(島津製作所)など。人間の組織,人間の評価については業績主義・能力主義を主張するものが多い。人事評価の基準は環境と企業の関数であって変化する(セゾン),人事評価基準は業績プラス能力(三菱マデリアル),人事評価基準は業績プラスプロセス(八十二銀行),不適材不適所の配置による人材育成(八十二銀行),東南アジア出身のドクター採用による活性化(太陽化学),従業員持株制度の強化による不満解消(東洋水産)など。
著者
平野 隆
出版者
慶應義塾大学出版会
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.173-189, 2008-02

本稿は,戦前期の日本におけるチェーンストアの出現と初期の発展過程を概観し,同時期の米欧との差異を生んだ要因について考察する。 1910年代から,民間の商店経営コンサルタントによって,当時の米欧で発達していたチェーンストアの実態が紹介され,1930年前後ころからは,アカデミックな商業学の研究者がチェーンストアの原理などを論じる文献を発表するようになった。これらに加えて,企業の経営幹部らの海外留学や商業視察旅行などによってチェーンストアの知識が直接取り入れられたケースもあった。 以上のような情報移入を受けて,1910年代から30年代にかけて日本にチェーンストアが相次いで出現した。1910~20年代には,主に製造業企業(メーカー)の前方統合としての直営支店の展開やフランチャイズ・チェーンの創設が見られた。1930年ころからは,独立の中小小売店による不況対策としてボランタリー・チェーンが登場した。一方,高島屋均一店チェーンが1931年から急速な展開を見せ,戦前期における日本最大のチェーン組織に成長した。 しかし,戦前期日本のチェーンストアは,米欧と比較して,未成熟な発展段階にとどまっていた。それは,以下の諸点から明らかである。①全小売業売上に占めるシェアが小さい,②大規模小売企業によるコーポレート・チェーンが未発達,③第2 次世界大戦後に連続する企業がほとんどない,④アメリカで見られた独立小売店による激しい反チェーンストア運動もなかった。 本稿は,戦前期日本におけるチェーンストア未発達の要因として,①チェーンストアのコアな顧客層となる大衆(労働者階層と新中間層)が未成熟であった,②戦間期における百貨店の「大衆化」戦略によって萌芽的な大衆市場をめぐってチェーンストアと百貨店が競合した,という2点を指摘する。商学部創立50周年記念 = Commemorating the fiftieth anniversary of the faculty50周年記念論文
著者
清水 龍瑩
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.141-180, 1996-04-25

今回のサーベイは,世界が急速に単一市場化し,しかも日本人の賃金は,欧米の2〜3倍,アジアの10倍という状況のもとで,どうしたら日本企業がブレークスルーを見出し,日本経済全体が世界の中で生き残っていくかという,危機的な問題意識から行われた。まずいま世界中が注目している中国の経済成長についてその実態をみるべく8月下旬から9月上旬にかけて上海の企業経営者のインタビューを行った。社会主義市場経済の実態を知るべく,合弁企業3社,郷鎮企業2社,国有企業1社をみた。またその中国を中心にして急変するアジア市場に,いままでとは全く違った新しい,柔軟な発想で進出する野村グループに焦点を合わせて,3社のインタビューを行った。さらにこの激変する市場に対応する日本企業のオピニオンリーダーたる同友会幹事や現実にむずかしい経営を迫られている典型産業たる機械製造業社長や,企業と異なった経営理念をもつ農協理事長にインタビューした。これらいろいろ方面の異なったリーダーにインタビューすることによって,日本経済の生き残りの道が少し見えてきた。アジアの国々の企業と比べて平均して,技術力が1.2倍,組織力が1.2倍,賃金調達力が1.2倍,勤勉さが1.2倍……にすれば(1.2)^n = 10以上という力を発揮することができ,世界の単一市場の中でも競争できるのではないかということである。巷間言われているように,単に日本企業のハイテク化では生き残れないということがよく分かった。上海市は, 1993年現在,人口約1289万,GNP1510億元,外国からの投資額7千万米ドル,経済成長率14.9%と急成長している中国最大の経済都市である。その地区は,13の市街地区,6つの準市街地区と,新たな工場誘致をすすめる浦東地区の3つに分かれており,10年後は香港をしのぐ,中国一の貿易,金融,情報センターになることを目ざしている。中国政府の改革開放政策の中心原則たる社会主義市場経済の成果が,現在最も顕著に現われている地域である。3年前筆者が天津に経営者インタビュー・サーベイに行ったときは,社会主義市場経済は単なるスローガンだった。今回は,それが実践・実行され,社会主義という統制の下で,経済取引は自由に行われ,経済効率の向上という面からは非常に成功しているのに驚いた。たとえば上海市の高速環状道路は5年計画で建設がはじまったが,実際は2年で完成したという。日本のように土地買収,日照権,騒音公害などの問題がないからである。土地が国有だから住民を国家権力でどこへでも移住させられる。建設工事も24時間作業の突貫工事で行われている。労働者も四川省などの内陸部の農民籍の出稼者であり,4年たてばまた故郷へ帰らされる。上海で働いている間は,比較的高い賃金をもらい,技術もある程度習得できるので勤労意欲も高い。これらは社会主義の計画経済の原則から定められた規制である。しかしこの工事を請負う建設会社は外資合弁企業でもよく,賃金,資材の調達は全く自由であり,また多くの免税特典が与えられ,経済効率は高い。しかしこの経済自由の原則は,ときどき,社会主義の原則を破ることもある。外資合弁の私企業が工場を拡大するために,予定敷地内にある公立の中学校を別の土地に移すこともある。日本では全く考えられないことである。環状道路内側の国有企業は,その土地の利用権を高く売って,郊外の安い土地に移り,その差額を賃金源にすることもできる。一方,逆に社会主義の原則が経済自由の原則を破ることがある。国有企業は経営が苦しくなると借入金返済免除という「徳政令」をうけることができる。こんなことは日本では考えられない。また若い技術者は地方へ移籍してもまた上海へ戻ることができるが,50歳以上の人は外部へ移籍すると戻ってこられない。社会主義の原則が自由経済の底にある居住の自由という基本的原則までおかしている。このように社会主義の原則も市場経済の原則も,経済効率の向上という大目的の前には,その都度都合よく変形され運用されている。このことによって上海は,われわれ日本人の考えられないような速さで成長している。ついこの間まで,日本人はせっかちで,中国人はのんびりだというのは,上海に関する限り当てはまらないようである。このままの政治体制が10年つづけば,上海は香港を技いて中国最大の貿易,金融,情報都市になることは間違いないようである。〈中国関係〉[上海新晃空調設備];合弁企業の日本人の責任者の賃金は,中国人の責任者のそれの50倍にもなる。日本人は二重生活で住居費も高いから理くつでは理解できるが,中国人には不満である。[上海尼賽拉傅感器];償却費を計算しても,自動機械のほうが手作業より3倍効率がよい。[上海三菱電梯];日中の経営者の賃金格差は頭では理解できても気持の上では納得できない。中国の従業員の賃金決定要因は年齢,貢献度,職場,学歴で,そのウェイトは1:3:2:4。日本からの鋼材,図面は米国型で,欧州型の中国人にはなじめない。[上海無綫電一廠];資金不足が深刻である。環状線の外側の安い土地に出ていって差額を得る。従来100%だった退職金,年金の負担を25%に減らしてもらった。あとは政府がもつ。国営銀行からの借入金の返済を免除してもらう「徳政令」を求める。その代り国営銀行に相当額の株式をわたす。[昆山市周庄鎮農工商總公司];賃金は都市労働者の半分くらい。しかし仕事のあるときは働き,ないときは農業をやる。それでパートではない。賃金,技術,人材が少ないので大企業,外資企業と提携したい。[〓昆光電技術];幹部技術者が不足する。しかし上海から50歳以上の人に来てもらって戸籍を移すと,再び上海へ帰れないという規則がある。投下資本利益率30%,株式の80%は農民所有。利益の60%を配当にまわしているが,農民は配当より,その再投資による経営のさらなる発展を望んでいる。〈野村関係〉[野村證券];日本の豊かになった金融資産をベースにして,インベストメントバンク,銀行,証券の業務を統合した新証券業を考える。ベンチャー企業への投資,ベトナムの電力スキームの建設援助,工場団地の建設に参加する。株式売買手数料にだけ依存していてはジリ貧になる。[日本合同ファイナンス];ベンチャーキャピタルを経営していくには,いままで日本人にはなかった不平等主義,金儲け賛成の新しい考え方がまず必要。次に将来有望な投資先をたえず見つけ続けるには,技術を通じて人脈をつくれる人を集めることが最も重要。[野村不動産];不動産業も使い手が国際化すると新しい国際基準で動く。不動産業者は土地やビルを所有せず,開発・建設だけを行う。投資家が金を出す。不動産業者がショッピングモールを建設し,同時に不動産投資信託会社をつくり,これがその不動産を小口証券化し,それを年金基金など金融機関に売る。[篠山町農協]:農家はすべて兼業農家であり,農民は農産物ばかりでなく,工業製品やサービスを生産して生活している。[ウシオ電機];中国の経済発展に刺激されたアセアンの急速な自由化に日本は戸惑っている。日本の硬直化した企業内ピラミッド組織,業界型・ミニマムルーザー型の産業構造では対応できない。[JUKI];コスト削減のためにはベトナム進出が最も期待できる。ベトナム人は器用で,勤労意欲が高く,日本人と波長が合う。ミシン以外に表面実装装置などのエレクトロニクス応用新製品開発に力を入れている。
著者
伊藤 眞
出版者
慶應義塾大学出版会
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.53-84, 2018-08

トリンプ・インターナショナル・ジャパンの吉越浩一郎は, 1992年社長に就任後, 「残業ゼロ」を柱とする生産性向上により19期連続増収増益を達成。「残業ゼロ」導入時の抵抗は徹底的に除去した。伊藤忠商事は, 2013年から夜8時以降の残業を禁止, 午前5時から始業時間の9時までは深夜と同じ割増賃金を払い, 朝食も用意, 朝会議等朝方勤務へ移行させた。第二次世界大戦の負け戦に表出した日本軍の失敗の要因は, 目的が不明確, 戦争に勝つ見通しが持てなかった故に短期決戦を目指し, 戦略策定にグランド・デザインが欠如していたため, 帰納的, 即ち, 行き当たりばったり, 戦略オプションが狭く硬直的, 統合戦略の欠如が致命的であったことにあった。技術体系も一点豪華主義で, 装備も古く, 組織的にも集団主義による人的ネットワーク偏重であり, 人間関係で統合されていた。学習はシングル・ループであった。作戦実行の結果で評価せず, 動機・プロセスがよければ評価されたため, 失敗に失敗を重ねて壊滅的打撃を受けた。日本軍の失敗の過程は, 主観と独善から希望的観測に依存する戦略目的が, 戦争の現実と合理的論理によって漸次破壊されたプロセスであった。日本の軍隊において兵士は「消耗品」であった。日本軍では, 捕虜は本来ありえないもの, あってはならないものであった。だから, 捕虜になった場合の心構えなど, いっさい教育しなかった。それにしても, 日本の軍隊は人間の命を軽視し過ぎた。日本の軍隊には, 重大な決定をなすにあたって, 確たる根拠も責任の所在を明らかにするルールもなく, ただその場の空気に流され, 強い勢いに引きずられて事が運ばれてゆく通弊があった。すでに開戦を決定するときに, そうであった。その傾向は戦後も引き継がれている。社会的弱者とその家族が気楽に相談したり, 寛ぐカフェとして「認知症カフェ」があり, 健康の思わしくない近親者を抱える人や死について関心のある老若男女が語り合う場として「デスカフェ」がある。これらは常設ではないが, 社会的に機能している。2013年の調査結果によれば, フランスにレストラン(総菜屋を含む)は13万5千店あるが, その85%が冷凍食品やレトルトを使っていた。お店が素材から料理していることを表すマークとして"Fait Maison"(自家製)が2014年7月より導入され, 半年の試験期間を経て2015年から義務化された。新しい法律では「自家製」料理は, その場所で, 事前に「重要な変更」が行われていない「原材料」から作られなければならないと規定。しかし, 凍結食品業界のロビー活動は強力で多くの食品が認められた。2015年5月に一部改正, 「『自家製』とは, 生の製品を現場で処理したもの, すなわち, 事前に, どのプロセスでも調理されていないか, または未変性のものを指す」とされた。このような状況で, 調理時間を削減し, 効率的なレストラン経営を行う手段として, シェフの開発したブイヨンを分析し, まったく同じブイヨンを作って供給するARIAKE JAPANおよびレストラン内で作られた場合には自家製と表記できる真空調理法による料理と保存について概観する。さらに, 東京における料理の一端をかい間見る。日本の国際観光客到着数の増加率は, 2012年から2017年に3倍以上になった。これはアジアが経済成長したのに加え, 観光客にとって, 日本は「安くておいしい国」になったためである。海外の軽食・ランチ千円に対し東京では, その3分の1で牛丼が食べられる。「安くておいしい店」は, 千客万来で忙しいが, 利益や賃金は上がらない。日本には, 20代, 30代で高度な知識・能力を有する若者が, 高賃金で働く職場が少ない。稼げないから, 食べ物も安くなる。一方で, 留学生も増えた。日本では就労ビザのない留学生でも週に28時間まで働けるため, 彼らが, コンビニや配送, 建設, 農業など, 低賃金で日本人が働きたがらない業種を支えている。 小熊英二は, もう「安くておいしい日本」はやめるべきだと言う。サービスには適正価格をつけた方が, 観光業はもっと成長できる。牛丼も千円, 最低賃金は時給1500円以上に。さもないと, 低賃金の長時間労働で「安くて良質な」サービスを提供させるブラック企業の問題も, 外国人の人権侵害も解決しない。デフレからの脱却もできないし, 出生率も上がらない。したがって, 経済成長はもちろん維持さえできない。President Koichiro Yoshikoshi of Triumph International Japan achieved the 19 fiscal years consecutive increase in revenue and earnings due to productivity improvement based on "zero overtime" after he became the president in 1992. Resistance to the introduction of "overtime zero" policy was thoroughly eliminated by him. Since 2013, C. Ito prohibits overtime from 8 o'clock in the evening, pays the same extra wage as midnight from 5 am to 9 o'clock, also prepares breakfast for staffs and shifted to morning work including morning meeting. Factors of the Japanese military's failure to appear in a losing battle during the Second World War are as follows. Because the purpose was unclear, and it could not have the prospect of winning the war, it aimed for a short-term decisive battle. Because of the lack of ground design, strategy formulation was inductive, in other words, doing a thing without system, strategy options were narrow and rigid, the lack of integration strategy was fatal. The technical system was one point luxury, military equipment was old. It was a human network process by collectivism, it was integrated by special human relations. Learning was a single loop. Because officers were evaluated if the motivation and process was good, without evaluating them as a result of the execution of the strategy, the army failed and failed to catastrophically. The process of the failure of the Japanese army was the process of gradual destruction of the strategic purpose dependent on subjective observation and wishful observation from subjective self-righteousness, caused by the reality of war and rational logic. In Japanese army soldiers were "consumables". In the Japanese army, prisoners of war were things that were impossible, and should not exist. Therefore, soldiers were not educated at all, such as attitude when they became prisoners. Even so, the Japanese army disregarded human life too much. In making a material decision at Japanese army, there is no definite grounds and no rules to clarify the location of responsibility, just being carried by the air of the place, things will be carried by being dragged by strong momentum there. It was so already when the army decided to open the war. Such trend has been passed to even after the war. There is a "dementia cafe" as a cafe where socially vulnerable people and their families can consult comfortably, interact and relax. Also there is a "death cafe" as a place where young and old men and women who think about death and people who have unhealthy close relatives talk. These are not permanent but they are functioning socially. According to the findings of 2013, there are 13,500 restaurants in France, 85% of which used frozen foods and retort. "Fait Maison" (homemade) was introduced from July 2014 as a mark indicating that the restaurants and shops are cooking from the raw materials, it was compulsory from 2015 after a half-year examination period. The new law stipulates that "homemade" cuisine must be made from "raw materials" beforehand in which "important changes" have not been made. However, lobbying activities in the frozen food industry were powerful and many foods were accepted. Partially revised in May 2015, "Homemade" means that raw products is processed at the site, that is, it is not cooked in any process in advance, or it is undenatured. Under such circumstances, as a means to reduce cooking time and efficient restaurant management, ARIAKE JAPAN analyzes bouillon developed by chef's, make exactly the same bouillon and supply it to the chefs, and when cuisine is made at the restaurant and preserved by vacuum cooking method which can be written as homemade, are reviewed. Furthermore, review a part of cooking in Tokyo. The increase rate in the number of arrivals of international tourists in Japan has more than tripled from 2012 to 2017, which comes from, in addition to the economic growth of Asia, especially China, Japan became "cheap and delicious country" for such tourists. Snacks and lunch overseas cost 1,000 yen is normal. But in Tokyo, tourists can eat a beef bowl one third of them. Delicious, the shop is clean and the service is good. "Cheap and delicious store" is busy with a lot of customers, but profits and wages do not rise. In Japan, young people with advanced knowledge and ability in their twenties and thirties have fewer workplaces that work at high wages. Because they cannot earn money, food is also cheap. On the other hand, foreign students also increased. In Japan, international students who do not have a work visa can work up to 28 hours a week, so they support industries that Japanese do not want to work with low wages such as convenience stores, delivery, construction and agriculture. Mr. Eiji Oguma says that it should stop now "cheap and delicious Japan". Putting a reasonable price on the service, the tourism industry can grow more. Beef bowl shall be 1,000yen, minimum wage to over ¥ 1500 / hour. Otherwise, the problems of black companies that will provide "cheap and good quality" services with long hours of low wages, and even human rights violations of foreigners will not be resolved. We cannot even escape from deflation and claim that the birthrate will not rise.論文