著者
都竹 愛一郎 宮本 剛 山中 幸雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.25, no.7, pp.41-46, 2001-01-30
被引用文献数
4

1998年9月に英国、11月に米国で地上波によるディジタル放送が始まり、本格的なディジタル放送の時代に突入した。1999年5月には電気通信技術審議会から地上ディジタル放送の方式が答申され、2003年には日本でも地上ディジタル放送が始まる予定である。ディジタル放送では、雑音によるビット誤り率(BER)が所要の誤り率(誤り訂正前で約10^<-2>、訂正後10^<-ll>)以下になるように回線設計を行なっているが、雑音は振幅分布がガウス分布となる白色ガウス雑音を仮定している。ところが、都市雑音(車のイグニッション雑音や電気製品のスイッチング雑音などの人工雑音)はインパルス性の雑音が多く、振幅分布はガウス分布にはならない。そこで、本研究ではインパルス雑音が地上ディジタル放送に与える影響について、雑音の振幅確率密度関数を求めて検討した。また、都市雑音発生器を用いて室内実験を行ない検討した。さらに、VHF帯の雑音の振幅分布を、振幅確率分布測定器を用いて測定した。また、入力振幅を制限することによるBER特性の改善手法についても検討を行ない、リミッタアンプを用いることにより、インパルス雑音によるBERの劣化を改善できることを示した。
著者
小川 拓也 倉持 元陽 山本 昇志
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.8, pp.139-142, 2011-02-12

本稿では,光学的整合を必要とする複合現実において,既知物体が作る影の情報から光源位置を推定する手法を提案する.正確な光学的整合の実現には,鏡面球に映り込む画像を取得することにより周囲環境の光源位置を推定する手法が多く行われている.しかし,鏡面球には様々な物体が映り込むため,光源位置のみを正確に推定することは難しい.そこで提案手法では,正方形マーカを固定する4隅の押しピンが作る影を利用し,その重心座標と影の形状から光源位置を正確に推定する手法を検討した.再現実験の結果,推定した光源位置情報を元に生成した仮想物体の影が実際の影とほぼ一致することが確認できた.
著者
池川 秀彦
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.95-98, 2009-01-22
被引用文献数
2

フジテレビでは、低遅延と高画質を両立させたワイヤレスカメラの開発を進めています。カメラに着脱可能なコンパクトサイズの超低遅延HDエンコーダ「HD c3000e」を開発し、ゴルフ中継を始めとするスポーツ中継や、音楽番組の制作で実際に導入した事例を中心に紹介致します。また、2chバルク伝送を可能にする小型TSデバイダを開発することにより、圧縮符号化劣化が顕著な音楽番組でも運用可能な高画質伝送システムを検討しており、その概要を報告します。
著者
坂本 雄司 白井 良成 高田 敏弘 片桐 滋 大崎 美穂
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.1-4, 2012
参考文献数
3

探索目標に関する映像中の位置情報を用いて録画データからインタラクティブに目標を探索する手法を提案する.手法の考え方は発掘作業になぞらえることができる.地層を掘り下げるように,利用者はスコップのような道具と目標位置に関する補助情報を用いて過去映像を掘り下げ,目標映像を探す.手法を実装したシステムの詳細とその評価実験の結果を紹介する.
著者
笠田 和宏 鳴海 拓志 谷川 智洋 廣瀬 通孝
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.117-122, 2010
参考文献数
10
被引用文献数
2

本研究では,過去の痕跡の残る場所において,過去の様子を体験することを目的としたシステムの構築を行う.このシステムでは,過去の映像の撮影位置推定を行い,その撮影位置において現在の風景と過去の映像を自然に接続することで,過去の体験を可能にする.撮影位置推定手法として現地での推定を可能とするために,3点の特徴点対応から撮影位置を推定する方法を提案した.シミュレーションと実験を通じて提案した手法で精度よく撮影位置推定を行えることを示した.また,撮影位置推定された場所においてウェブカメラで取り込んだ映像と過去の映像とを自然に接続できることを確認した.さらに,被験者を対象とした評価実験により,本システムが過去の状況を知るために有効であることが示された.
著者
薄田 学 坂田 祐輔 山平 征二 春日 繁孝 森 三佳 廣瀬 裕 加藤 剛久 田中 毅
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 40.12 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.17-20, 2016-03-04 (Released:2017-09-22)

微弱な光により発生する光電子をアバランシェ増倍して出力する,電荷増倍型のCMOSイメージセンサを開発した.本イメージセンサは,低欠陥のシリコン基板内部に光電変換部と電荷蓄積部を分離して配置し,その間にp-n接合からなるアバランシェ増倍部を設けることで,光電子のみを10^5倍に増倍して読出し回路へ出力する構造を実現している.これにより,照度0.01luxの薄暗い環境下で自然なカラー撮像を実現した.また,印加電圧を制御して増倍率を調整することで,明るい環境でも暗い環境でも撮像を可能にし,ダイナミックレンジ100dBを達成した.本センサは,アバランシェフォトダイオード(APD)とトランジスタとを同一基板内に積層しており,APD搭載で世界最小3.8μm画素サイズのメガピクセルCMOSイメージセンサを実現している.
著者
鈴木 学 鈴木 将 邵 繁 黒田 理人 徳岡 信行 川口 泰範 冨永 秀樹 須川 成利
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 40.12 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.25-28, 2016-03-04 (Released:2017-09-22)

光感度の向上と低消費電力化を達成した,画素領域周辺部にオンチップ記憶メモリを有する高速度CMOSイメージセンサとそれを搭載した最高撮影速度1000万コマ/秒の高速度ビデオカメラについて報告する.また,それを用いた高速現象の撮影について述べ,撮影例を報告する.
著者
阿部 三樹 森永 英一郎 荒瀧 裕司
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.27-32, 2000

650Mバイトと大容量化を図った4倍密度MDを、高機能グラフィックスシステムおよびカムコーダに適したMPEG2コーデックと組み合わせて、世界初の民生用光ディスクカメラ一体型ビデオ『MD DISCAM DCM-M1』を商品化した。
著者
平賀 高市 若林 佳織 松浦 宣彦
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.57-62, 2010
参考文献数
4

あたかもノートPCのタッチパッドで操作しているかのようなジェスチャにより,マウスの基本操作である,カーソル移動,クリック,ドラッグ,クラッチの各操作を行える仮想タッチパッドシステムを構築した.各操作は,2台のカメラで操作者のジェスチャを撮像した動画を画像処理することで得られる,操作者の指先の三次元軌道を解析することにより検出される.また,熟練者と初心者による性能評価のための予備実験を行った.
著者
小郷 直人 鈴木 慎一 濱住 啓之
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, no.9, pp.41-44, 2013-02-13

NHK紅白歌合戦やゴルフ中継などに使用している42GHz帯ミリ波モバイルカメラの伝搬をより安定化,高信頼化させるため,送信,および受信アンテナの検討を行っている.今回,NHKホールにおける運用を考慮して,送信アンテナと受信アンテナについて,ビーム幅が異なるものを設計,試作し,伝搬実験を行うことで比較,評価した.その結果,NHKホールの環境においては,送信アンテナはビーム幅を広くし,受信アンテナはビーム幅を絞ることで伝搬特性が安定することを確認したので報告する.
著者
鈴木 慎一 小郷 直人 濱住 啓之
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.37-40, 2013
参考文献数
3
被引用文献数
1

ハイビジョン映像を低圧縮・低遅延で無線伝送する高性能なワイヤレスハイビジョンカメラ「ミリ波モバイルカメラ」は,ゴルフ中継や紅白歌合戦などの様々な番組撮影で使用されている.今回,ミリ波モバイルカメラの安定運用を目的として,復調装置から出力されるFFT演算結果とビタビ復号で訂正したビット数の情報を用いて,伝搬特性および伝送特性を解析するリアルタイム解析システムの開発を行った.本システムは,複数系統の受信信号に応じた受信CNRや遅延プロファイル特性に加え,MIMO多重伝送の伝送特性の把握に必要な送信相関・受信相関などの伝搬特性をリアルタイムで解析し,その解析結果をPCの一画面上で表示することができる.本稿では,本システムの詳細について説明するとともに,本システムを用いて測定したNHKホールの伝搬特性の測定結果について報告する.
著者
中嶋 正之
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.7-14, 1999
被引用文献数
1

今年で26回目となるSIGGRAPH'99は, 8月8日(日)から13日(金)まで, アメリカ合衆国Los Angelsのダウンタウンに程近いコンベンションセンタで行われた。SIGGRAPHはACMに属する一つの研究会であり、CG(Computer Graphics)やInteractive技術に関する国際会議であり、最新のVirtual RealityやMultimediaに関する最新の試みなどが発表される。本研究会ではチュートリアルとしてSIGGRAPH'99の報告を行う。
著者
大久保 隆 伊丹 誠
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 32.33 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.5-8, 2008-07-31 (Released:2017-09-20)
参考文献数
2

Bluetoothは携帯電話などに搭載されていることが多いため,協調受信には他端末との協調手段としてBluetoothを用いる事が有用である。協調受信ではBluetoothを使いキャリア情報を共有することでダイバーシティを実行する。しかし,Bluetoothを用いて協調受信を行うと,伝送速度の制約からすべてのキャリアでデータを共有することが出来ない。特に伝送路情報は膨大なデータ量になる。そこで,本論文では伝送路情報を遅延時間と振幅のパラメータを渡すことで受け渡し,データ量の削減を検討する。また,伝送路情報を渡すことで,自端末のシンボル判定前の信号と他端末のシンボル判定後の信号を合成する方式も検討してみる。
著者
崎川 洋司 吉本 修司
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.15-20, 1999

Since the transmitting tower used from the start of our station become obsolete, a new tower is built. Shape of the tower, construction method, various devices and so on are in detail studied considering the condition of the construction site, weather and so on. The new tower is the first one in Japan for terrestrial digital broadcasting in the twenty-first century. This report introduces an outline of the new transmitting tower.
著者
須田 智之 茂木 龍太 兼松 祥央 三上 浩司 近藤 邦雄
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.89-90, 2013
参考文献数
2

本研究では、キャラクターの中で特に重要とされる頭部に着目する。3Dキャラクターの頭部を変形させ、プロデューサーの意図したキャラクターの顔を効率的に作成し、任意の角度からも顔を見ることができるシステムを開発する。絵の描けないプロデューサーとデザイナーのコミュニケーションギャップを解消することを目的としている。
著者
林 謙一 日下 博也 橋 秀幸
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 34.1 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.39-41, 2010-01-21 (Released:2017-09-21)
参考文献数
3

ジャイロセンサと画像処理を組み合わせることにより、回転手ブレと並進手ブレを分離し、両者を精度よく測定する方法とその測定結果について報告する.これにより、従来は正確な測定が困難であった並進手ブレによる撮影画像への影響の定量的な分析を可能とした.
著者
小路 顕亮 伊藤 弘樹 菊池 司
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.123-124, 2013
参考文献数
3

本研究では,ダイヤモンドダストのビジュアルシミュレーション法を提案する.本研究では,ダイヤモンドダストをパーティクルシミュレーションにより再現し,気温によって生成されるダイヤモンドダストの結晶の違いを各パーティクルに割り当て,近景と遠景で結晶の詳細度を使い分けるLOD法を提案する.さらに,成果映像により本手法の有用性を示す.
著者
安部 浩史 西尾 公裕 高崎 哲 Amal Bandula KARIYAWASAM 澤 伸也 古川 雄三 米津 宏雄
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 26.63 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.7-12, 2002-09-27 (Released:2017-06-23)
参考文献数
5

生体の網膜は優れた視覚情報処理機構を有しており、外網膜ではエッジ情報を内網膜では動き情報を生成する。そして、網膜の最終層である神経節細胞は、これらの信号をパルス密度変調(PDM)し、脳へと伝える。本報告では、内網膜をモデルとした動き検出回路の最終段に、アナログ電流値をパルス密度に変換するPDM回路を導入し、神経節細胞を含む網膜での情報処理機構を実現するアナログネットワークの構築を試みた。SPICEを用いたシミュレーションにより、構築したネットワークでは、神経節細胞層の出力に相当する信号を得られることが明らかとなった。
著者
進士 哲雄 高倉 知之 宮田 一乘 木船 園子 加藤 智彦 村山 登
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, no.27, pp.71-74, 2002-03-18

この映像作品に登場するキャラクタには"人間"はいない。しかし、この作品で描きたいものは人間ドラマである。それを、擬人化されたキャラクタとCGによって一から作り出していくことで描ける世界により、浮き立たせていくことを目指した。