著者
北本 拓磨 長谷川 晃平 添田 泰弘 長谷川 光司
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.1-3, 2013

本研究では,おしぼりの色が使用時の手の温度感覚に与える影響を明らかにすることを目的としている.実験では,被験者に対し一定温度の白色おしぼりと,温度差を付加した色おしぼりを提示し,どちらが温かく感じるかを一対比較法にて評価させた.色おしぼりは,赤,榿,黄,緑,青および紫の6色相,ペールおよびビビッドの2トーンを組み合わせた全12色を用いた.得られたデータに対して,曲線近似を行い,回答率が50%となる温度差を算出した.その結果,最も温かく感じているのはペールの赤色で,実際のおしぼりの温度と手の温度感覚との差は0.77℃であった.一方,最も冷たく感じているのはビビッドの青色で,実際のおしぼりの温度と手の温度感覚との差は0.95℃であった.
著者
藤沢 寛 上原 道宏 森山 繁樹 佐々木 誠
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.47-54, 2000
参考文献数
2
被引用文献数
1

我が国の地上デジタル放送方式(ISDB-T方式)では, 畳み込み符号の符号化率, 時間インターリーブ長, キャリア変調方式(これらを階層パラメータと呼ぶ)をOFDMセグメントごとに設定可能である.しかし, 階層パラメータを切り替えて運用する手法は十分に検討されておらず, 切り替え時にデータが大きく破損することが考えられる.今回, 1セグメント構造のISDB-T方式において, 階層パラメータ切り替え時に生じる問題を明確にし, その対策手法について検討を行った.さらに本手法でのデータ破損量を求めたので報告する.
著者
照井 洋平 中村 陽介 三上 浩司 近藤 邦雄
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 37.17 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.157-158, 2013-03-08 (Released:2017-09-21)
参考文献数
7

本研究では、協力型マルチプレイアクションゲームにおける、ユーザー体験の共通性について明らかにする。遠隔環境でマルチプレイする場合と同一の実在空間でマルチプレイする場合のそれぞれのプレイ中の脳波を計測し、スペクトル分析を行った。分析の結果,マルチプレイしているプレイヤー間の脳波には共通性が確認できた。このことからマルチプレイをしているプレイヤー同士は同等のゲーム体験をしていることが確認できた。
著者
永野 諭 山口 健 吉川 浩
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 34.6 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.245-249, 2010-02-15 (Released:2017-09-21)
参考文献数
3

ホログラムを撮影する際は,暗室内にて撮影光学系を組み立てる必要がある.その際,光学素子は丁寧な扱いを要し,また暗室内で行うため,初学者へ撮影や光学系構築の手順を教えることが難しい.したがって,場所を選ばず,手軽で簡単に撮影方法を勉強・練習できる環境が求められる.そこで我々は,拡張現実感技術により,卓上で仮想的に光学系を構築させることで,ホログラム撮影の基礎を体感学習できるツールを提案している.以前は,デニシュークホログラムの撮影に必要な光学素子や,その配置を考慮して光学系を構築できるようにした.今回の報告では,以前の報告内容の簡易評価に加え,フレネルホログラムの記録と再生を行えるようにすることで,初学者への学習効果の向上を図る.
著者
小久保 温 角田 均 和島 茂
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 36.16 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.125-128, 2012-03-09 (Released:2017-09-21)
参考文献数
8

障害者と健常者がともに楽しむことができるような,美術館や博物館のユニバーサル化が模索されている。美術館や博物館にはさまざまな展示物があるが,絵画は視覚障害者にとって鑑賞することが難しい対象である.本研究では,青森県立美術館と連携し,視覚障害者が絵画を楽しむことができるようにするため,画像処理技術,CAD,3Dプリンタ,切削機などを活用して,絵画を複数の方法により立体化して出力した.立体化の方法は,具体的には,1)油彩画の明度を高さに変換,2)木版画を版木のような表現に変換,3)舞台背景画をレリーフに翻案の3種類である.制作の過程では,視覚障害者の方に鑑賞していただき,改善をはかった.また,青森県立美術館で2011年秋に開催された特別展Touch the Art!展に作品を出展した.
著者
林原 理恵 尾田 政臣
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 33.17 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.5-8, 2009-03-18 (Released:2017-09-20)
参考文献数
5

本研究では和音進行の複雑さが快感情,好悪,情動に与える影響を調べた.長調・短調について複雑さの異なる3種の和音進行を12回繰り返し聞かせ,11種の評定項目について評価させた.1回目の聴取後の評定では複雑さが低いものがもっとも快感情が高かった.しかし,これを繰り返し聴取すると複雑さが高い条件でも評定値が上昇し,その差がなくなった.「悲しい」「楽しい」などの他の情動については複雑さの高低には影響されないもの,複雑さが高くなるにつれて長調においてのみ評定値が減少するものなど,情動の種別によって異なる結果を示すことが明らかになった.
著者
高原 和哉
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.14, pp.99-100, 2011-03-04

2010年の新宿で起こった戦争に介入する2100年の潜入捜査官たちの戦い.
著者
斉藤 清一 大吉 なぎさ 藤井 全 梶原 巧 斉藤 利夫
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.23-28, 1999

Helicopter MD-902 that TBS introduced this time is the excellent body of high safety, lownoise. We greatly equipped the finction that is able to correspond to news coverage, sports relays, various kinds program production etc.to this helicopter. This paper describes the outline of the bosy selection reason, high magnification camera, ADS system and ICS system etc.
著者
岡田 直也 高木 康博
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.17-20, 2008
参考文献数
10

われわれは,以前に,画像サイズと視域角の両法を拡大するためのホログラム表示技術を提案している.これは,高フレームレートSLMをアナモルフィック光学系により縦長画像として結像し,これをガルバノスキャナで水平方向に走査する.今回は,不要光である共役像,ゼロ次回折光,および高次回折像の除去を行った.不要光の除去にはシングルサイドバンド法を用いた.垂直スリットと水平スリットを,再生光学系の垂直方向と水平方向のフーリエ面にそれぞれ配置した.実験により,不要光のないホログラム表示を実現した.
著者
笹岡 貴史 乾 敏郎
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.7-12, 1999
参考文献数
8

景観の集合による物体の脳内表現を仮定した場合, 様々な要因による物体の景観の変化をどのように取り扱うかという問題を克服しなければならない.本研究では, この問題に対する手がかりとして「典型的景観」に注目し, 新奇物体を用いた2つの心理物理実験を行った.実験1では, 認識が容易で, かつ多くの被験者が典型的であると評定するような典型的景観が新奇物体において存在することが確認された.実験2では, 景観の典型性が, 汎化の大きさに与える影響を調べた.その結果, 典型的景観を記憶することにより, 物体の多くの景観を汎化できることが示された.この結果は, 典型的景観による物体の脳内表現を支持するものといえる.
著者
峯松 史明 渋谷 一彦 小原 良之 岩崎 徹
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.61-64, 2012
参考文献数
4
被引用文献数
1

特異な気象条件によって引き起こされるダクト伝搬等の異常伝搬が発生すると,当該放送エリアに関係の無い遠方の地上デジタル放送波が到来し,地上デジタル中継局や,家庭での受信において混信を引き起こすことがある.一般に混信波は伝搬状態が不安定であることや希望波にマスクされてしまうことから,混信局の探索は,極めて困難であることが多かった.筆者らは今回,迅速な混信局探索を実現する装置として,ネットワークID推定機能付きISDB-T受信機,ISDB-T混信波抽出装置の開発を行ったので,これら装置の概要と,性能確認実験の結果について報告する.
著者
小笹 宣人 三位 信夫
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.23, no.22, pp.43-44, 1999-03-09

エンターティメント性を重視したホラー映画である。1本の間違い電話から生じた恐怖と殺意。主人公と謎の男は電話を通じて心理戦を展開する。
著者
青木 耀平 丸山 啓介 橋本 直己
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.89-92, 2016

近年,立体物に対し映像を投影することでその見た目を変化させるプロジェクションマッピング技術が注目されている.プロジェクションマッピングは,対象形状に応じた投影位置の調整作業が必要となるが,安価な深度センサを導入することで,投影対象の位置姿勢検出を自動的に行い,適切な映像の生成が可能となるため,コストを抑えつつ手軽にプロジェクションマッピングが実現できる.しかし,深度センサは計測精度が低いという課題が存在し,高精度な映像投影への応用は困難である.そこで本研究は,ロバスト推定を用いた深度センサの計測精度向上手法の導入とデバイスの高精度な校正を行うことで,誰もが気軽に利用できる高精度なプロジェクションマッピングシステムの実現を目指す.
著者
新谷 葉 渋谷 浩太 檜山 茂雄
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.189-190, 2012
参考文献数
6

画コンテをもとに、役者の表情、仕草などを「身体素材」として撮影。のちに加工。それにより、2次元の表裏面で様々な身体表現の要素をみせる。私なりに考える、「紙人形」というアイテムに則って制作した。「静止画」であるキャラクターを、「動く」映像媒体で表現した。「時間」と「アニマ(魂)」についての観察作品。
著者
松尾 賢司 高木 幸一 小池 淳 松本 修一
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.13-18, 2002
参考文献数
6
被引用文献数
4

MPEG-4のFGSは,可変ビットスケーラビリティを実現し,ネットワーク上での帯域変動に対して高い適応力を持った動画像伝送を可能とする.しかし,FGSで用いられるビットプレーン符号化方法は,下位プレーンにおいて符号化効率が低下するという問題があった.そこで本稿では,ビットプレーン符号化の効率を改善する方法を提案する.まず,有意係数の分布に基づいてDCT係数の各ビットを有意ビット群と既有意ビット群に分類する.次に,それぞれのビット群に対して最適な効率を実現する符号化方法を適用する.この際,符号化の順序は,復号画像の品質を向上させる度合いの高い情報から順番に行う.本提案方式により符号化効率は改善され,復号画像品質はFGSと比較して0.2dB程度向上する.
著者
安東 孝久 増谷 健 竹本 賢史 東野 政弘 濱岸 五郎 小林 哲郎
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.33-36, 2002
参考文献数
2

高解像度LCDパネルを用いてメガネなし3Dディスプレイを開発した.左右の視差画像を発生させるパララックスバリアに,これまで我々が開発してきたイメージスプリッタ方式の代わりにピンホールアレイを使用した.ピンホールアレイが片眼に対してVGA解像度の視差画像を垂直方向と水平方向に発生させるので,多人数が同時に広い範囲で立体映像を観察できる.本3Dディスプレイは,構造が簡単で低コスト化が可能であり,将来の3Dテレビに適用できると考えられる.本研究は,NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の平成11年度委託研究を受け,その後発展させた研究である.
著者
高野 邦彦 尾花 一樹 田中 武 和田 加寿代 佐藤 甲癸 大木 真琴
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.29-32, 2002
参考文献数
11
被引用文献数
1

ホログラフィとは,三次元物体を空間に投影させることを可能とする技術である.これまでに,ホログラフィの画像再生では,結晶書込み手法やレンズ系を用いた再生法が検討されてきた.しかし,これらの方法では,表示できる像のサイズが小さいことや,レンズの特性によって視域が制限されるという点が問題となっていた.それに対して,提案手法では散乱物質(霧化した水粒子)そのものをスクリーンとして用いることにより,従来手法(1.5[cm]×1.5[cm]程度)に比べ容易に比較的大きな立体像(10[cm]×10[cm]程度)を観察することが可能となった。
著者
吉岡 貴行 矢野 博明 岩田 洋夫
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.21-24, 2002
参考文献数
4

球面没入型ディスプレイで実画像を呈示するには従来のNTSCベースでは解像度の低さが問題であった。本研究ではHDTVを用いることで有効垂直走査線の数を243本から756本に増加させ解像度の向上を図った。またHDTVの画像アスペクト比16:9も原画上の画素利用率に有利に働くことを確認した。これらにより、水平、垂直ともに約3倍の解像度を得られることになる。シミュレーションに基づきプロトタイプを製作し評価を行った結果,従来よりも高い解像度を得た。
著者
宋 玄鎬 桃井 芳晴 渋谷 岳人 本田 捷夫
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.25-28, 2002
参考文献数
3

ホログラム・スクリーンとフレネルレンズを組み合わせたハイブリッドホログラム・スクリーンに視差映像を投影することによりオートステレオスコピック・ディスプレイとして立体像が見ることができる大型表示システムを開発している。スクリーンサイズを大型化することにより高臨場感表示ができ、投影光学系およびスクリーンを工夫することにより、観察者の視域を広げることができる。視域を広げることにより観察者はある程度視域面で動いても立体像を観察することができる。この論文では分光放射輝度計を用いて視域の評価を行ったので報告する。