著者
片田 敏孝 児玉 真 及川 康
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
no.786, pp.77-88, 2005-04-20
参考文献数
25
被引用文献数
2 2

水害進展過程においては, 河川情報や気象情報などの多くの災害情報が住民に伝達されるが, これらの災害情報が住民に積極的に取得されているとは必ずしもいえない状況にある. このため, 災害情報伝達においては, 住民に情報を積極的に取得しようとする意図, すなわち情報取得態度を形成させることが重要となる. 本研究では, 平成14年台風6号に関する福島県郡山市民の情報取得行動を事例に, 住民の災害情報の取得構造を考察し, 情報取得態度の形成過程とそれに基づく災害情報取得行動や危機意識の醸成が循環的な構造にあることを実証的に明らかにした. また, 情報取得態度の形成を規定する要因を明らかにすることで, 災害情報が住民に積極的に取得されるための条件を検討した.
著者
江藤 剛治 竹原 幸生 高野 保英 奥野 訓史 藤田 一郎 酒井 信行
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
no.796, pp.39-52, 2005-08-15
参考文献数
21
被引用文献数
1 4

本研究はローカル・リモートセンシングによる河川・湖沼・沿岸等の流れ場の精密な画像計測技術の開発を目的としている. 淀川三川合流部の宇治川で試験計測を行った. 国土交通省のヘリコプター「きんき号」を用いて上空300mからビデオカメラで水面を撮影した. トレーサーとして直径15cmの多数の煎餅を撒いた. それにより表面流速分布を求め, ボートに積んだ超音波流速計による計測結果と比較することにより, 実用上の多くの問題点が明らかになった. 例えば, コンピューターによる自動解析では, さざ波に対する光の反射とトレーサー粒子を分別することができなかった. これらの課題に対する解決法を検討した.
著者
Megawati Kusnowidjaja 東原 紘道
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.584, pp.11-18, 1998-01-21
参考文献数
20

1995年に京都北部―淡路島西部断面に沿って, 一連の爆破実験がおこなわれた. 明石海峡大橋の基礎部での観測記録はS/N比が乏しいものであったが, 波形処理により, 爆破震源からのS波を求めることができた. そして, 到達時刻のフィッティングで地下のP波速度構造を求めた. 明石海峡大橋直下の地下構造はP波速度5.2-6.0km/sの4つの層から構成されていることがわかった. 本研究で明らかになった地下構造は, およそ30年前の爆破実験で求められた地下構造に較べ, 浅部をより詳細に記述するものとなった.
著者
日下部 伸 森尾 敏
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.517, pp.149-158, 1995-06-21
参考文献数
8
被引用文献数
1

粒子表面のぎざの有無が異なる典型的な2種類の砂を使用し, オンライン実験手法により地震応答液状化抵抗について検討した. ぎざの有る砂はぎざの無い砂に比べ, 地震応答液状化抵抗が強い. ぎざの無い砂は有効応力が半減するのが早く, ぎざの有る砂は有効応力が半減後もねばりを発揮する. ぎざの有無によるミクロ・ダイレタンシー特性は, 液状化抵抗を支配する重要な要因の一つであることを示した.
著者
室 達朗 星加 泰央 河原 荘一郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.534, pp.201-212, 1996-03-15
参考文献数
10
被引用文献数
2

本論文は, まさ土地盤上を走行するタンデムローラ等の2軸2輪式転圧ローラについて, その転圧効果を最大限にあげるために前後輪の制駆動走行時における最適制御方法を提案することを目的としている. まず, 乾燥したまさ土地盤に対する転圧ローラの走行システムについてシミュレーション解析を行い, その結果について転圧走行実験によって検証した. 制駆動力, 有効制駆動力はスリップ率の絶対値の増加とともに増大すること, ローラの沈下量はスリップ率0%付近が最小となること, まさ土の乾燥密度を最大ならしめるローラの最適制御条件はスリップ率-5%の両輪制動走行状態であることが判明した.
著者
間瀬 肇 幸正 一伯 高山 知司 重村 良一 中平 順一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.621, pp.129-139, 1999-05-21
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

海域をまたぐ中小規模の橋梁では, 橋脚に波が打上がり橋面へ飛沫が降り注ぐという問題が生じることがある. 本研究は, 橋脚への波の打上げ特性を明らかにし, 潜堤による軽減対策を検討したものである. まず, 円柱に対する波の打上げ実験から, 波の打上げが橋脚設置地点の通過波高にほぼ比例して増加することを明らかにした. 次に, 橋脚前方に潜堤を設置して通過波高を減少させることによってある程度打上げ高を低減できることを示した. また, 数値計算によってある特定の現地を対象として, 潜堤設置の効果を検討した.
著者
三木 千寿 平林 泰明 時田 英夫 小西 拓洋 柳沼 安俊
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
no.745, pp.105-119, 2003-10-21
被引用文献数
5 5

首都高速道路の鋼製橋脚隅角部に疲労き裂が発見され, その補修対策の検討が進められている. き裂の発見された橋脚は566脚にのぼり, この調査結果を元に損傷データベースを作成し, これを元にき裂状損傷の分析を実施した. 損傷脚のうち比較的大きなき裂を有する253脚について, 溶接ビードの切削を含むき裂状損傷の詳細な調査を実施し, 板組み毎の疲労き裂パターンの分析を実施した. さらに板組み模型による溶接性の検討, 施工試験による確認等を行い, 板組みに起因する未溶着部である固有内在キズがき裂の発生起点となることが判明した. 以上の知見に基づき鋼製橋脚の板組みとき裂パターンの関係について報告する.
著者
荘司 喜博 高橋 邦夫 浅井 正 角田 隆
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.637, pp.137-148, 1999-12-20
参考文献数
14
被引用文献数
5 1

発電事業などの副産物である石炭灰は, いまだに大量が産業廃棄物として処分されている. 石炭灰は, セメントを添加して固化し, 必要な強度をもたせることにより, 軽量で高強度な地盤材料として利用できる可能性がある. そこで, 石炭灰を固化処理した地盤から岸壁に作用する土圧の算定手法を提示し, 土圧軽減効果を評価した. また, 室内および現地で試験を行い, 配合設計と施工条件を検討した上で. 酒田港の大型岸壁建設工事で, 約5万m<sup>3</sup>の石炭灰を裏込め工事に使用した. この結果, 少量のセメント添加で (<i>c</i>/<i>w</i>=5%). 砕石に相当する土圧低減効果を発揮する裏込め (地盤強度; <i>qu</i>≧2.0kgf/cm<sup>2</sup>≒0.196N/mm<sup></sup>) が施工できること, また, 建設コスト縮減の面でも効果があることが確認された.
著者
米田 昌弘 西澤 毅
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.658, pp.193-205, 2000-09-20

本研究では, 橋軸方向にオールフリーまたは弾性拘束された長大鋼斜張橋を対象として, 遊動円木振動数の簡易推定法を提示するとともに, 橋軸方向地震時における桁端部の水平移動量と主塔基部曲げモーメントを推定できる実用算定法を提案した. 数値計算例より, 提案した手法は, 長大鋼斜張橋の耐震性についての比較検討や基本構造の選定, さらには構造諸元がほぼ確定した段階における地震応答解析結果を概略照査する際に, ほぼ十分な精度で適用できることを示した.
著者
岸 利治 前川 宏一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.526, pp.97-109, 1995-11-20
被引用文献数
19 28

コンクリート構造の耐久性照査において, 使用材料の特性値を一般化した形式で与えることは, 効率的な材料設計に不可欠である. 特に温度応力解析では, 任意の条件に対応可能なセメントの発熱モデルを与えることが求められる. 本研究は, セメント水和反応を構成鉱物ごとに記述し, ポルトランドセメントの種類による差を, 鉱物組成の違いとして表現した水和発熱モデルを提案するものである. 各鉱物反応の発熱速度は, 温度一定条件下の基準発熱速度と温度活性の2つの材料関数により表現され, 鉱物反応ごとに異なる温度依存性を反映して, 任意の温度履歴に対応したセメント総体としての発熱過程が定量化された. 構築した水和発熱モデルは, 断熱温度上昇値及び擬似断熱試験K体の温度計測結果によって検証した.
著者
関 雅樹 田中 宏昌 堤 要二 山下 和敏 中野 聡 西村 昭彦
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.686, pp.79-89, 2001-09-20
参考文献数
12
被引用文献数
1

本論文では, 東海道新幹線のような基幹鉄道橋りょうの洪水時における安全性確保にあたり運転を規制する方法と規制値等を定めるための新しい手法を提案する. 一般的に, 洪水時の運転規制は, 水位と橋脚幅から推定される洗掘深さから算出される危険水位等を観測して実施されている. しかし, 橋脚の安定には基礎耐力が重要である. 洗掘により基礎耐力が低下すると橋脚の固有振動数が低下することに着目し, 橋脚の洗掘深さと固有振動数の関係を数値解析により把握し, 衝撃振動試験による実測固有振動数から橋脚の安定性を評価する手法を提案した. 評価手法も含めた洪水時の安全管理システムは, 新幹線富士川橋りょうにおいて実効性と信頼性を確認したが, 道路橋においても適用可能である.
著者
酒井 利忠
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.616, pp.13-20, 1999-03-20
参考文献数
10
被引用文献数
2

本論文では, モンテカルロシミュレーションによる騒音簡易計算法により, 一般部が平面, 盛土構造となっている2層道路構造の騒音レベルを計算し, その騒音特性について, 一般部遮音壁位置, 高さ等をパラメータとして体系的に明らかにした, また, 反射音対策として, 中央分離帯遮音壁, 裏面吸音板について解析をおこない, その減音特性を考察した. さらに, この結果をもとに反射音を考慮した2層道路構造における合理的な騒音対策の最適化設定方法の例を示し, 2層道路構造計画の騒音対策の方向性及び各種道路構造における効率的 (経済的) 騒音対策工法の明確化を行った.
著者
中村 晋
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.605, pp.217-230, 1998-10-21
参考文献数
20
被引用文献数
4 4

本論では, 地中構造物の各部材の損傷及び構造物の終局状態等の耐震性能の照査を, 保有変形能と呼ぶ構造物の各部材の損傷と関連づけられた層間変形と構造物の地震応答層間変形の比較に基づいて行う耐震設計手法の提案を行った. この手法の大きな特徴は, 構造物の応答変形である層間変形が各部材の損傷モードを関連づけられていることから, その比較が耐力照査も満足するという点である. ここで提案する手法における各評価項目のモデル化は兵庫県南部地震により被災した神戸高速鉄道・大開駅, 高速長田駅の一般駅部および大開駅と新開地駅間の駅間トンネル部の3つの構造物モデルを用いて行った. さらに, それら構造物へ本手法を適用し, 本手法の有用性を明らかにした.
著者
豊福 俊泰 三嶋 信雄 田中 久士
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.658, pp.141-152, 2000-09-20
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

近年, 気泡混合軽量土を用いた軽量盛土工法を採用する施工事例が, 急激に増加している. 気泡混合軽量土の配合設計法としては, 暫定配合表から使用する原料土 (砂質土) ごとに補正計算によって配合を決定する方法が, 日常管理試験法としては, 早期品質判定のため材齢7日の供試体による方法がとられているのが現状である. 使用される原料土は多岐に渡ることからも, 合理的な品質管理法の確立が急務となっている. そこで, 本研究は, 気泡混合軽量土の主要な要求性能であるフロー値, 湿潤密度および一軸圧縮強さに対して, 影響する要因を, 多数の試験結果の回帰分析によって解明するとともに, 実際の工事の管理データで実用性を検証することにより, 気泡混合軽量土の品質管理法を提案したものである.
著者
土屋 智史 古家 義信 金益 賢 岡村 甫
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.662, pp.1-15, 2000-11-20
参考文献数
22
被引用文献数
1 2

多方向入力の影響と材料強度のばらつきが耐震性能に及ぼす影響に着目して, 3次元非線形動的解析手法を用いて, 中層梁を有しないRC鉄道ラーメン高架橋の耐震性能の評価を行った. その際, 柱部材には Fiber モデルを適用し簡略化を行っている. その結果, 構造物の地震時挙動を推定するには多方向入力の影響を直接取り入れることのできる3次元解析が必要不可欠であることを明らかにし, 材料強度として特に鉄筋の降伏強度について注意する必要があることを再確認した. 本解析手法は, 現在の技術力を有効に活用したものであり, 工学的判断を付加することで, 地震被害分析を妥当に行うことができる.
著者
永井 泉治 吉武 勇 中村 秀明 浜田 純夫
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.665, pp.183-188, 2000-12-20
参考文献数
2
被引用文献数
3

本研究は, 山岳トンネル坑口部の橋梁における車輌の積雪スリップ事故防止策として, 山岳トンネル特有の湧水を利用した温水パイプ式ロードヒーティング実験を実施し, 検討を試みたものである. またその基礎実験として, 熱伝導特性の異なるコンクリートについて熱伝導試験を行うとともに, その融雪効果を調べた. トンネル湧水を用いた現場実験より29cm/dayの降雪量に対しても, 無雪状態にすることができたため, 温水パイプ式ロードヒーティングへのトンネル湧水適用の有効性が確認できた.
著者
鈴木 猛康 田村 重四郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.525, pp.275-285, 1995-10-21
参考文献数
9
被引用文献数
3 4

1985年ミチョアカン地震の際, メキシコ市でシールドトンネル軸方向の引張およびねじり変形に起因する被害が発生した. このような軸方向変形に対しては, シールドトンネルの覆工体とその外周の地盤の間に免震層を形成し免震構造とした場合, 地震時に覆工体に生じるひずみを大きく軽減させることができる. 本論文では, シールドトンネルの免震構造の免震効果を評価する方法として, 軸対称有限要素を用いた簡易モデルによる数値解析法を提案するとともに, パラメトリック・スタディーによりひずみの低下率によって免震効果を定量的に示している. また静的安定解析により, 0.5に近いボアソン比を有する免震層とすることが, 地表面沈下を抑制する意味から重要であることを示している.
著者
島岡 明生 谷口 守 松中 亮治
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
no.786, pp.135-144, 2005-04-20
被引用文献数
6 2

今後わが国は今までに経験のない人口減少状況の中で交通環境の改善, 都心部の活性化などの課題に対応することが求められる. そのための都市づくりのコンセプトとしてコンパクトシティが着目されているが, 実証的な観点にたつ都市の具体的な撤退戦略については展望がない. 本研究では, 地方中心都市を対象に, 人口減少をどのような分布と構成で受け入れる必要があるかを実データに基づき, 詳細な地区レベルで検討した. ガソリン消費量などのサステイナビリティに関連する多様な指標で評価を行った結果, ただ単に都市構造をインフラ面からコンパクトにするだけでは改善は望めず, 抜本的な行動変容の促進とあわせた政策パッケージの導入必要性が示された.
著者
丸山 喜久 山崎 文雄
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
no.787, pp.177-186, 2005-04-21
被引用文献数
9 1

著者らは地震時の車両走行安定性に関して, 数値解析とドライビングシミュレータを用いた走行実験を行い定量的な検討を行ってきている. その結果, 地表面地震動の計測震度が6.0程度に達した場合, 震動の影響で走行車線をはみ出す被験者が多く見られ, 周囲の交通状況によっては他車との接触事故を起こす可能性があることが示された. そこで, 本研究では, 気象庁などが導入を検討している地震動早期警報である緊急地震速報の高速道路ネットワークへの応用を目指し, 運転者に地震動早期警報が与える影響をドライビングシミュレータを用いた走行実験で検討した.
著者
亀山 修一 川端 伸一郎 豊田 邦男 川村 彰 笠原 篤
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
no.742, pp.51-60, 2003-09-20
被引用文献数
1 1

1999年8月~2000年4月にかけて道東自動車道 (芽室I.C~池田I.C.) の縦断プロファイルを測定した. 特に, 2000年2~4月の期間中は測定を毎週実施し, 冬期間における国際ラフネス指数 (IRI) の変動について解析した. 切土の占める割合が大きいセグメントでは, IRIが冬季になると増加し, 春季になると減少する傾向が見られた. 推定された凍結深さが調査期間中に凍上性材料の路床に達したことに加え, 凍結指数の増加とともにIRIが増加し, 春になるとIRIが冬季前のレベルに回復する傾向が見られたことから, 凍上によって冬季の平坦性が悪化することが分かった. また, 冬季のIRIは, 盛土部や橋梁部よりも切土部において大きく増加し, 局所的に秋季の約5倍に達した.