著者
鳥屋 智大 遠藤 愛 野中 由紀 山田 幸雄
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.247_1-247_1, 2016

<p> 現在、男子テニスのダブルスの世界ランキングにおいて、日本人選手は200以内に1名も入っておらず、ダブルスの強化が課題となっている。ダブルスでは、サービス、ネットプレー、コンビネーションなどが重要であると言われているが、これらの要素について具体的なデータは乏しい現状にある。そこで、ダブルスにおいて最初にみられるサービスとネットプレーによるコンビネーションに着目し、世界の現在(World群)と過去(Past群)のトップ選手、現在の日本(Japan群)のトップ選手を対象に、その特徴および日本のダブルスの課題を明らかにすることを目的とした。その結果、① World群の特徴は、Iフォーメーションからペアによるネットプレーのコンビネーションであった。② Japan群の特徴は、雁行陣によるストロークとネットプレーによるコンビネーションであった。③ Past群の特徴は、雁行陣からペアによるネットプレーのコンビネーションであった。④日本のダブルスの課題として、第2サービス時のポイント獲得率を上げ、ネットプレーミスを減らし、状況によって様々なフォーメーションを使い分けることの必要性が示唆された。</p>
著者
田中 喜代次
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.71_1-71_1, 2016

<p> 日本人の平均寿命が90年の間に男女とも約2倍に延伸し、2016年のWHO発表によると女性86.8歳(世界1位)、男性80.5歳(世界6位)となっている。また、2000年から2015年にかけて世界の平均寿命が5年も長くなっているらしい。寿命の延伸やスポーツ人口の増加とともに、高齢者がlife enjoyment目的や健康増進目的で運動・スポーツに勤しむケースが格段に増えてきている。従来では、心不全、腎不全、肝疾患などに対しては運動を控える指示が出ていたが、最近では推奨される例が多い。運動の医療的効果が過剰に発信されるせいか、アメリカスポーツ医学会(ACSM)はEIM (= Exercise Is Medicine) とまでプロパガンダするようになっている。</p><p> 今回のシンポジウムでは、ワールドマスターズゲームズ2021組織委員である東直也氏にスポーツライフの真髄について熱く語ってもらう予定である。司会の田中喜代次(筑波大学)は、27年にわたる中高年者(有疾患者)の運動習慣化生活の実態、体力の推移、老化抑制効果などを紹介し、かつ自身のスポーツライフの実態について語る予定である。また、吉中(京都学園大学)は、介護予防(フレイル予防、寝たきり予防)に向けて導入している京都式総合介護予防プログラムとレクリエーションの実際についてプレゼンしていただくこととなっている。</p>
著者
伊藤 潔 廣瀬 伸良 前川 直也
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.246_2-246_2, 2016

<p> 柔道の投技により有効なスコアを取得するためには、施技者が最高のパフォーマンスを可能にするための組手の確保、すなわち如何に相手を両手でコントロールできるのか、が重要な鍵となる。柔道発祥の地である我が国においては、柔道着の「袖」と「襟」を両手で掴んでの施技が最も合理的であり有効とされ、それゆえスタンダードな組手戦術行動と考えられてきた。しかしながら、現在、柔道は国際化を遂げており、技術・戦術行動が急速に進歩している現状が、近年の国際大会における様々な国の選手のメダル獲得により推測される。そこで本研究ではオリンピックや世界選手権への出場選手と同等な競技レベルの選手が出場するGrand Slam Paris 2016の男子競技を研究データとし、組手戦術行動を1)施技時の組手部位、2)組替戦術の有無、3)クロスグリップ戦術の有無、の3項目を検討項目としてスコア取得に至る有効な組手戦術行動を解明し、我が国の柔道の組手研究およびコーチングの一助としたい。本研究の結果および考察については大会当日の発表とする。</p>