著者
遠藤 保子
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.332_2, 2016

<p> 本研究は、アフリカの舞踊に関するスポーツ人類学的フィールドワーク(2009年~2015年)の研究結果とモーションキャプチャで記録したガーナの舞踊のデータ(2009年)をもとに、2016年小学校高学年に対して国際理解のためのデジタル教材を制作したことを踏まえて、その内容を明らかにするとともにアフリカの舞踊を教材化するための基礎資料を得ることを目的とする。教材の目標は、以下である:第1にガーナの社会・文化・芸術を見る、聞く、感じる。第2に社会・文化・芸術との関わりを知る、行う、味わう。第3に国際理解・交流の在り方を学ぶ、考える、実践しようとする心を養う。教材の内容は、以下の6章からなる。1章は、近代化、都市化、情報化が進んでいるなど社会の紹介、2章は、料理、カカオ、農作業など文化の紹介、3章は、様々な舞踊の紹介と舞踊と農作業やヒップホップとの比較、4章は、モーションキャプチャによる記録法と再生される3D舞踊の紹介、5章 歌い方、太鼓言葉、木琴など音楽の紹介、6章は、ガーナの舞踊を対象にした国際理解活動の事例紹介。将来的には小学校で本教材を利用した実践研究を行いたいと考えている。</p>
著者
高橋 京子
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.328_2, 2016

<p> 南インド、ケーララ州に伝承されるマーシャルアーツのカラリパヤットを対象に、カラリパヤット固有の身体について考えることを目的とする。カラリパヤットはインドの伝統医学アーユルヴェーダが基盤となっている。全身にオイルを塗ってからエクササイズを開始したり、急所、ツボを意味するマルマンの概念に基づいて急所を防衛する姿勢が、カラリパヤットの型となっていたりする。これらはアーユルヴェーダに基づくものであるが、それのみならず、カラリの守護神である女神の祭壇が、時には人類のシンボルとして解釈されるなど固有の身体の捉え方も存在している。このように、カラリパヤットにおける身体の捉え方にまつわる事象を取り上げ検証することで、カラリパヤットの身体とはどのようなものであるかを考える。</p>
著者
瀬戸 邦弘
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.69, pp.278_3, 2018

<p> 近年、高等学校の応援団は地域の他校応援団とともに組織化する傾向が見られる。たとえば埼玉県、群馬県、静岡県、富山県、香川県などにおいては県下に「高校応援(団)連盟」が組織化され「連盟祭」を軸に学校の枠を超えた応援団活動を展開、活発化させている。ところで、彼らは連盟という「枠組み」を構築し「公」的な枠組みと協力関係を築く事により、応援団活動を大きな"シェルター"の中に移動させる事に成功したとも言える。それは、市や県の教育委員会などに協力を得る事により「公」的枠組の中へ自らの位置をシフトさせて「社会的位置づけ」に成功したという事になるのである。本発表ではこれら連盟下の高校応援団活動に注目し「高校応援団の活動の現在」に関して考察を試みるものである。</p>
著者
石井 浩一 波照間 永子
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.68, pp.50_1, 2017

<p> 1988年、日本体育学会にスポーツ人類学専門分科会が設立され、本年(2017年度)に30周年を迎える。その間、1998年には日本スポーツ人類学会が、そして2009年にはアジアスポーツ人類学会が結成され、国際的な協働体制を構築しつつ発展してきた。</p><p> 30周年という節目の年にあたり、今一度「スポーツ人類学研究」の意義と課題を再考するとともに、グローバル化が進展する現代社会において、研究成果を「教育」に還元する方法を討議し、専門領域の今後の方向性を模索する一助としたい。</p><p> 本シンポジウムでは、全体を二部構成とし、前半にて専門分科会立ち上げを担われた寒川恒夫先生にご登壇いただき、スポーツ人類学研究の成果を「文化理解」教育へとつなげる視点と手法についてご講演いただく。後半では、大学の授業等でこの課題に継続して取り組まれている田里千代(民族スポーツ)、ソリドーワル マーヤ(武道)、弓削田綾乃(舞踊)の各氏より話題提起を受け全体討論を行う。</p>
著者
弓削田 綾乃
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.68, pp.51_3, 2017

<p> 日本の夏の風物詩である盆踊りは、平安時代に起源をもつともいわれ、元来、民衆の信仰を体現したものだった。現代では、伝統様式が保たれているもの以外にも、町内のイベントや生涯教育・健康推進活動、海外でのフェスティバル等、様々な形で行われている。このような多様性を有する日本の身体文化を、グローバル教育に活用した事例を報告したい。</p><p> 大学の全学生が履修可能な保健体育科目として、盆踊りを主題にした実技「Bon Dance」を実施している。主たる使用言語は英語とし、浴衣を着用して行う。留学生と日本人学生(帰国子女を含む)が混在する状況であり、個々の感じ方・考え方に齟齬が生まれやすい。しかしそのことが、かえって相互に新たな気づきをもたらしていると感じる。本報告を通して、異なる背景をもつ学生たちが、それぞれの視点を持ちつつ、固有の身体文化を共有し理解することの意義を考えてみたい。</p>
著者
除補 千可保 壺阪 圭祐 島本 好平
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.141_1, 2016

<p> 本研究は、高校生年代のアスリートを対象とし、運動部活動におけるどのような経験が、高校生アスリートのレジリエンス(Resilience:以下、R )に影響を与えるのかについて検討することを目的とした。対象は兵庫県内の高校生アスリート236名(男子147名、女子89名)(有効回答率86.8% )であった。調査内容はRを測る尺度として、小塩ら(2002)が作成した精神的復力尺度、運動部活動の経験を測る尺度として、島本・石井(2008)が作成した運動部活動経験評価尺度を用いて、2015年11月に実施した。重回帰分析にて検討を行った結果、男子学生のみにおいて、運動部活動経験の「周囲からのサポート」が、Rの「新奇性追求」に正の影響を与えていることが示された(β= .21、p< .05)。男性の脳にある脳梁は女性に比べ細いため、男性はより論理的に物事を考える傾向にある(林、2010)。そのため男性は周囲からのサポートを受けることにより、論理的に理解し、様々なことにチャレンジするという「新奇性追求」に結びついたと考えられる。女性に関しては特質した正の影響関係は見られなかった。</p>
著者
石郷岡 旭 山本 利春
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.280_3-280_3, 2016

<p> 高等学校における運動部活動の指導は、教育課程外に位置づけられており、指導方法を十分に学んでいない学校教員が指導していることも多いことから、頻発するスポーツ傷害に対する指導や対応も十分でないと考えられる。本研究では、これらの現状を調査し、運動部活動におけるスポーツ傷害を軽減するための課題について検討することを目的とした。対象は、負傷件数、部活動数、部員数が多い上位3競技(野球、サッカー、バスケットボール)のいずれかを指導している高等学校の教員814名を対象とし、278名からの回答を得た。調査方法は郵送調査法を用いた。その結果、スポーツ傷害の対応について「困っている」という回答が非常に多く、特に怪我人のリハビリ等、専門的な知識が必要な項目において「困っている」という教員が多かった。このことから、教員のスポーツ傷害等に関する知識、技術の習得のみではなく、スポーツトレーナーのようなスポーツ医・科学の専門家を運動部活動下に配置することも必要であると考える。本研究で明らかになった実態を国や行政、スポーツトレーナー等、多くの方々に認知していただき、運動部活動におけるスポーツ傷害予防の環境づくりにつなげたい。</p>
著者
木村 瑞生 山本 正彦
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.69, pp.141_3, 2018

<p> 本研究では、野球の打撃動作遂行における2つ要素(タイミング、コース:内角・外角)を変化させたときの反応時間を調べた。被験者は、神奈川大学野球連盟(2部)に所属する硬式野球部員10人(18~22歳)であった。本実験での打撃動作の反応時間(BS-RT)は、警告信号から光刺激までの時間(タイミング)とコース(赤色:内角、緑色:外角)を調節できる光刺激装置を用いて測定した。打者は構え姿勢をとり、前方15mの光刺激装置からの光刺激提示後できる限り素早く打撃動作を開始しT-スタンドのボールをヒットした。この際の光刺激提示からT-スタンドのボールをヒットするまでの時間をBS-RTとした。本実験では、光刺激のタイミングが一定(Tc)とランダム(Tr)、光刺激のコース(光の色)が一定(Sc)とランダム(Sr)の条件を組み合わせ、Tc-Sc、Tc-Sr、Tr-Sc、Tr-Srの4条件で内角と外角のBS-RTを比較した。その結果、Tc-Sc以外の3条件において内角のBS-RTの値の方が外角のそれより有意に小さかった。つまり、打者が投手から投球されたボールを打つ際、選択要素が1つでもある場合は内角の打撃動作の方が短時間に遂行されることが示唆された。</p>
著者
橘 由里香 栗原 俊之 伊坂 忠夫
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.68, pp.218_1, 2017

<p> フィギュアスケートシングル競技はSP(ショート)・FS(フリー)計2回の演技をし、各々の演技で技術点、演技構成点、減点を加算して評価される。技術点は、選手が実行した各規程要素に対する基礎点とGOE(出来栄えに対する評価)から算出される。一方、演技構成点は、①スケーティングスキル②トランジション③パフォーマンス④コンポジション⑤音楽の解釈の5要素に一定係数を掛けて評価される。近年、シングル競技、特に男子シングルでは、本来、技術点で評価されるべきジャンプの成否が演技構成点にも強く影響を及ぼし、「二重の加点/減点要素」になっているという指摘がある。本研究では、2016–17年シーズンで国際大会にて競技を行った男子シングル選手について、各々が出場した国際A級試合とチャンピオンシップ試合にて公開されたジャッジスコアを元に、ジャンプ(SP:3本、FS:8本)の成否・GOEと演技構成点の5要素のそれぞれの相関を検証した。成績上位の選手と下位の選手では相関が異なり、上位の選手でも演技構成点がジャンプの成否に影響されやすい選手と影響されにくい選手が存在した。</p>
著者
濵﨑 敦仁 吉永 武史
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.292_3, 2016

<p> 小学校中学年のゲーム領域には「易しいゲーム」が位置付けられている。しかし、実際のゴール型ゲームでは、コート中盤でのボールの奪い合いが多くなり、ゴール前での攻防に持ち込むことができないことが指摘されている(中村、2003)。この解決策として、中学年ではハーフコートのゲームを設定することにより、ゴール前での攻防に焦点を当てた学習機会を保障できると考えた。また高学年では、攻撃側が数的優位になるようにゲームを簡易化することも明示されている。そこで本研究では、ハンドボールを基にした易しいゲームを対象に、ハーフコートによるアウトナンバーのゲームを導入した指導プログラムを作成し、その効果について検証を試みた。2015年11月に、関東圏内のW小学校4年生1クラス24名を対象に検証授業を実施した。単元始めと最後のゲームパフォーマンスを比較した結果、クラス全体の合計得点が19点から35点へと増加し、攻撃完了率についても61.8%から71.7%へと向上がみられた。このことから、ハーフコートによるアウトナンバーのゲームの導入によって、児童のシュートや得点の機会を十分保障できることが明らかになった。</p>
著者
弓削田 綾乃
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.328_3, 2016

<p> 日本では、盆の時期に地域性の強い舞踊、いわゆる盆踊りが踊られてきた。それは現代社会で夏の風物詩ともなり、祖霊信仰にかかわる儀礼的意味合いを受け継ぐものもあれば、コミュニティの交流や娯楽の一環、心身の健康に寄与する身体活動として注目される事例等も見受けられる。また日本以外の国で、日系人を中心に愛好されたり、現地で独自の発展をとげたりした事例も存在する。このように多様性を有するようになった盆踊りは、江戸期においてはどのような様相をみせていたのだろうか。江戸の地では、大きな祭礼が催される一方で、盆踊りの開催記録が少ない。本研究では、文書や資料等の諸記録をもとに、江戸でおこなわれていた盆踊りの実態を探る。そして、江戸の盆踊りが現代に受け継がれてきた事例をとりあげ、現代社会における盆踊りの伝承意義を考察したい。</p>