著者
松本 直也 出村 慎一 松浦 義昌 内田 雄 長澤 吉則
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.68, pp.192_1-192_1, 2017

<p> サッカー選手は、相手選手の巧みな動きに対する反応が遅れると、すぐに攻守が入れ替わるため、優れた敏捷能力が不可欠である。本研究は連続選択反応テスト(Tsubouchi et al. 2016)を利用し、大学サッカー選手の敏捷性のポジション間差を検討する。連続選択反応テストは連続的且つランダムに提示される方向指示に従って8方向の移動を繰り返すテストである。方向指示刺激は5パターン用意されており、被験者は全てのパターンを実施する。最大最小を除いた3パターンの動作時間の平均を評価変数とした。本研究では、関西学生サッカーリーグ1部校のM大学サッカー部員116名を被験者とし、連続選択反応テストを2試行(計10パターン分)実施した。試行間信頼性を検証するために級内相関係数(ICC)を算出した。また、対応のない1要因分散分により動作時間を4ポジション(ゴールキーパー13名、ディフェダー40名、ミッドフィールダー43名、フォワード20名)間で比較した。解析の結果、高いICC(0.815)が認められ、ポジション間の比較ではいずれも有意差は認められなかった。以上より、サッカー選手はポジション違いに関係なく敏捷性に差はない。</p>
著者
山田 理恵
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.329_1-329_1, 2016

<p> 古戦場の舞台や合戦にまつわる伝説に因んで、綱引きが行われる県境の地域がある。また、経済的事情等により中止された県境綱引きもある。発表者は、伝統綱引きによる地域開発との比較において、地域の歴史や伝説を題材にした県境綱引きに着目し、現地調査および資料調査を行ってきた。本研究では、その一環として、鹿島(加賀市)の綱引き伝説が、県境綱引きとして現代に再生された事例について考察する。その伝説では、美しい鹿島の森をめぐり、加賀の女神と越前の男神がそれぞれ綱を作り鹿島に巻き付け引き合っていたが、なかなか勝負がつかなかったところ、男神の綱が切れ尻もちをつき鹿島は加賀の方に少し動き、男神の大きな尻もちの跡は北潟湖になったという。このような伝説に基づき、2015年10月、広域的な交流と活性化を目的として「第1回鹿島の森伝説 越前・加賀県境綱引き」が、北潟湖の湖畔、鹿島の森を望む「越前加賀県境の館」前(福井県と石川県の県境)で開催された。県境一帯を一つの地域としてとらえ、地域の伝説に登場する綱引きを現代に蘇らせたこの県境綱引きは、スポーツによる地域開発を考察するうえでの好事例と位置づけられる。</p>
著者
近藤 亮介 國土 将平
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.68, pp.193_2-193_2, 2017

<p>【背景】立ち五段跳びは様々なトレーニング場面で活用されているが、局面全体に着目した技能の評価基準はない。【目的】立ち五段跳びの局面全体の動作評価基準を検討し、典型的な技能ステージとその跳躍特性を明らかにする。【方法】立ち五段跳び動作の時間的順序性と身体の相対的位置関係を考慮した動作評価基準124項目を使用し、61名(年齢:13-36歳、男:49名、女:12名)の動作を試技映像から評価した。対象局面は両脚跳躍、1・3・5歩目とした。ニューラルテスト理論(段階モデル)を適用し、Kondo et al.(2014)を参考に4ランクを推定した。動作観点毎の各カテゴリ達成確率が50%を超えるランクを基準に各技能ステージを解釈した。跳躍特性は踏切・滞空時間の観点で分析した。【結果】技能ステージと跳躍距離の関連性は、身長、体重、性別、年齢、シューズ、路面条件を統制したSpearmanの偏順位相関係数が0.672(p<.01)であった。技能ステージ毎の跳躍特性を検討した結果、技能ステージが上位になるほど、より短い踏切時間で大きく弾むリバウンド型跳躍に移行していくことが示唆された。</p>
著者
松竹 貴大 夏原 隆之 田部井 祐介 中山 雅雄 浅井 武
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.111_1-111_1, 2016

<p> 本研究では、熟練したサッカー選手の状況判断時における脳内情報処理の特性を明らかにする事を目的に、競技レベルの異なる大学生サッカー選手26名(Expert群:13名、Sub Expert群: 13名)を対象に実際のプレー状況を想定した選択反応課題(3vs1パス回し課題、4vs2パス回し課題)における事象関連電位(event related potential:ERP)、筋電図反応時間(electromyography reaction time:EMGRT)及び反応時間(Reaction Time:RT)の測定を行った。結果、EMGRT、RTではExpert群がSub Expert群より有意に短かった。ERPにおいてはP300潜時、振幅ともに有意差は認められなかった。状況判断におけるExpert群とSub-Expert群の大きな違いは、正確に速く運動を実行できる(出力できる)ことであった。これらのことから、熟練したサッカー選手は状況判断を行い、プレーを実行する際「どのような状況か」という評価よりも、「何をすべきか」という反応・運動の処理が、より先行して賦活していることが示唆された。</p>
著者
関 朋昭
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.68, pp.163_3-163_3, 2017

<p> これまでわが国では、学校はスポーツを利用し、スポーツは学校を利用してきた。その結果両者の絆は、学校教育そしてスポーツ振興へ多大な貢献をもたらした。しかし、スポーツを利用してきた学校において、教員の労働時間が諸外国の中でも顕著に長くなり、特に部活動に多くの時間が割かれていることが明らかになってきた。そのため部活動はブラック部活と揶揄され、教員負担が加重となっている。つまり部活動は、教員の労働意欲を削ぐ教育活動として問題視されている。しかしながら一方で、放課後や休日の拘束時間が長くなるにも関わらず、部活動へ積極的に参画し、自己の動機を満足させている教員がいることも事実である。この大きな違いを明らかにしたい。部活動は学校内で組織される以上、程度の差こそあれ教員負担を必ず強いる。教員負担は組織が補填しなければならない。一般的に組織は、個人の動機を満足させうるときのみ、個人は組織へ貢献や努力を提供する。経営学という学問は人間から出発して初めて真の問題に出合うことができる。教員負担を考えるとき、教員という人間への眼差しから問題を追究していくことは決して些末なことではなく、むしろ重要なことである。</p>
著者
武田 守弘
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.125_2-125_2, 2016

<p> テニスの練習場面では、技術向上のために数多くボールを実打し、そして拾う。ボール拾いを素早く行えば、その時間を有効に活用できる。しかし実際の練習風景を見ていると、選手は複数でボールを拾う際には、それだけの人数がいるにもかかわらず余計に時間を費やしているように感じる。つまり集団での作業時が1人での作業時と比べて個人の努力量を低下させてしまう傾向とされる社会的手抜き行為が生じているように感じる。そこで、テニスの練習中のボール拾い行為に、社会的手抜き行為が生起しているか確認すること、合わせて手抜き行為を率先して行う者を加えた場合の影響を、被験者個別の努力量と個性をもとに検討することを本研究の目的とした。大学テニス部員6名を被験者とし、実打終了後ボールを拾ってカゴに入れるという課題を行わせた。1人、2人、3人、6人と順に人数を増やし、その際の個人が拾った数と所要時間を計測した。結果から、人数の増加に伴いボール拾いの所要時間は徐々に増加し、社会的手抜きが確認された。また、手抜き行為を率先して行う者を加えた場合では、所要時間はさらに増加し、社会的手抜きがより生起されることが確認された。</p>
著者
増澤 拓也
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.68, pp.97_2-97_2, 2017

<p> スラックラインと呼ばれる2点間に張った平らなロープ上でバランスをとる綱渡りのようなスポーツが、バランス能力を向上させるトレーニングとして注目されている。また、上部から吊したロープを用い、不安定な環境にて自重を利用して負荷をかけるサスペンショントレーニングが、姿勢安定時に重要である体幹部の堅牢性を高める手法として、関心を集めている。この両者のトレーニングはいずれもバランス向上を目的としているが姿勢制御様式は真逆であると考えられる。本研究の目的は、スラックラインおよびサスペンショントレーニングが姿勢安定性向上に及ぼす効果を明らかにすることである。実験参加者をスラックライントレーニング(SL)群とサスペンショントレーニング(SP)群に配置し、30分間のトレーニングを週3回のペースで合計10回実施した。その訓練前後において重心動揺計とビデオカメラを用い、姿勢安定性の評価・分析をおこなった。分析の結果、両群ともに重心動揺が安定した。また、SL群では体幹部を積極的に動かすことで姿勢制御し、SP群では体幹部を動かないように保持することでバランスを安定させる方略を選ぶことが示唆された。</p>
著者
加藤 恵子 星野 秀樹 野中 章臣 藤田 公和 加藤 渡 大島 博人 黒柳 淳 脇坂 康彦
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.288_3-288_3, 2016

<p> 愛知県私立短大体育研究協議会では私立短大女子学生の実態を把握するため、1985年を初回として、10年毎に健康・体力に関する調査を同様の内容で実施した。ここではこの30年間の動向を追った。対象者は、1期(1985年1817名)、2期(1995年4046名)、3期(2006年800名)、4期(2015年813名)である。健康・体力の自己評価では、4期において、健康では「非常に健康」が、体力では「ない方」、「非常にない」が1期に比べて多かった。運動・スポーツ実施者では、効果的な運動実施頻度(週2回以上)実施者は1、2期が約8%だったが、3期約17%、4期約19%と増加していた。実施理由では1期は「気晴らし(楽しみ)のため」が、4期では「運動が好きだから」が最も多かった。実施種目は1期でみられた、「ボウリング」「ゴルフ」「スケート」「スキー」は4期ではみられず、少数だが「よさこい」「フットサル」「インディアカ」等の新種目が挙がっていた。以上、30年間の調査で意識の変化は見られたが、体力の維持・増進のための効果的な運動・スポーツ実施者が少数であることに変わりはなく、健康的な運動習慣を獲得させる必要が示された。</p>
著者
河野 由 水村 真由美
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.175_1-175_1, 2016

<p> バレエダンサーは上肢の動きで作品に登場する人物の役柄や感情を表現するが、表現を伴う動作には、経験者であっても大きな個人差が存在する可能性が高い。そこで本研究の目的は、表現を伴う上肢動作の運動学的指標の個人差を上級者と中級者で比較することにより、身体表現の個人差と技術水準の関係を明らかにすることとした。対象は、海外のバレエ団に所属するプロ3名、アマチュア上級者6名、アマチュア中級者14名であった。対象者にバレエ作品『白鳥の湖』でみられる白鳥の羽ばたきを模した上肢動作を実施させ、その様子を光学式カメラで撮影した。その後、肩、肘、前腕、手、MP関節角度を算出した。各対象者の上肢挙上および下降局面の時間を100%として規格化し、規格時間1%ごとに各関節角度を平均した後、変動係数(CV)を算出した。その結果、算出した関節角度の中で手関節屈曲/伸展動作のCVが最も大きく、特にプロでは上肢下降局面の最大下降付近でCVが大きかった。これらの結果から、表現を伴う上肢動作において、技術水準が高くなると手関節屈曲/伸展動作の個人差が大きかったことから、手関節屈曲/伸展動作にダンサー個人の表現特性が内在している可能性が示唆された。</p>
著者
小野 誠司 岩間 圭祐 木塚 朝博
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.150_2-150_2, 2016

<p> 実際の競技スポーツ場面において、ボールや相手の動きなど、対象物の動きを捉える能力は運動パフォーマンスに大きな影響を及ぼす。視標の動きから正確な視覚情報を得るためには視覚像を中心視野(網膜中心窩)で継続的に捉える必要があるため、滑動性の追跡眼球運動(パーシュート)が誘発される。そこで本研究は、球技系選手を対象として、パーシュートの制御特性を明らかにすることを目的とした。実験課題には、視標が静止した状態から一定速度で動くランプ課題を用いた。この追跡課題は、眼球の動き始めの加速度局面と、速度を一定に維持する2つの局面から成っており、それぞれが異なる制御特性を反映している。これらの2局面における運動速度および水平方向パーシュートの左右対称性において、被験者間で異なる眼球運動の特性が認められた。眼球運動は、視標の動きを知覚するための一要因であることから、本研究結果における眼球運動特性の違いは、運動経験に基づく個々の視覚情報処理能力の違いに関連していることを示唆する。</p>
著者
吉岡 尚美 重藤 誠市郎 内田 匡輔
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.344_3-344_3, 2016

<p> 発達障害児者が地域でスポーツ活動に参加する機会は依然として十分でないことが指摘されている(Yoshioka、Uchida、Shigeto & Yamato、2016)。特に、中学生以降になると、学校のクラブ活動や地域のスポーツクラブに参加することが困難であるケースも多く、運動する機会がより一層少なくなるという保護者の声がある。本研究は、このような声を受けてボランティアで始められたスポーツプログラムへの継続的な参加が対象者の生活機能にもたらす影響と課題について、ICF(国際生活機能分類)モデルに当てはめて考察することを目的とした。結果、8年間に亘る活動は、対象者にスポーツという「活動」を提供し、「できる活動」を見つける機会になっているとともに、スポーツに「参加」するという生活機能に寄与していると考えられ、一部の身体機能・能力の改善、スポーツ参加への意欲(個人因子)にもつながっていることが示唆された。一方で、肥満(健康状態)や就労の継続(社会参加)、異性とのコミュニケーションに寄与できていないケースも明らかになり、プログラムにおける課題や対象者ごとの目標を再検討する必要性が示された。</p>
著者
小山 孟志 藤井 慶輔 陸川 章 有賀 誠司
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.276_3-276_3, 2016

<p> 本研究はバスケットボール選手の試合中における高強度運動について、心拍数を指標に定量化することを目的とした。大学男子バスケットボール選手(延べ27名)を対象に、選手の胸部に心拍センサーを装着し、試合開始から試合終了までの心拍数を計測した。最大心拍数の測定には漸増負荷測定時の最大値を採用した。試合に10分間以上出場した選手のデータを用いて、出場時間に対する最大心拍数の90%以上を記録した時間の割合について検討した。その結果、最大心拍数の90%以上を記録した時間の割合は49.1 ± 26.0%であり、その時間は540.5 ± 341.0秒であることがわかった。ポジション別に比較すると、ビッグマンはペリメーターに比べて最大心拍数の90%以上を記録した時間の割合が低いことがわかった。出場時間の約半分が高強度であるこの割合を、試合を想定した練習・トレーニングでも考慮するべき可能性がある。</p>