- 著者
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小泉 昌子
徳田 愛華
佐藤 吉朗
峯木 眞知子
- 出版者
- 一般社団法人 日本家政学会
- 雑誌
- 日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
- 巻号頁・発行日
- vol.70, no.7, pp.416-424, 2019 (Released:2019-07-27)
- 参考文献数
- 16
本研究では, 牛乳添加時のコーヒーの温度の違いが, ミルク入りコーヒーのおいしさに与える影響を明らかにすることを目的とした. ミルク入りコーヒーの分析項目として, 物理的特性, 温度, 香り, 時系列官能評価 (TDS法), 嗜好型・分析型官能評価を行った. 1 . TDS法では, 90℃試料で口中と飲み込み後の20秒から50秒まで苦味が有意であり, 80℃試料は口中10秒間で特徴的な味はなく, 飲み込み後に苦味, 甘味, 再び苦味が有意であり, 70℃試料は口中では苦味,飲み込み後は牛乳味が有意に気になる感覚であった. 2 . 評点法による官能評価では, 90℃試料・80℃試料は同様のプロファイルを示し, 70℃試料は他の2試料に比べ, 甘味が強く, 苦味・後味が有意に弱かった. ミルクの好み, 総合評価で70℃試料は90℃試料よりも好まれた. 重回帰分析では, 総合評価に牛乳感の強さが影響を与えることがわかった. 3 . ブラックコーヒーが90℃の時点で牛乳を添加すると約15℃, 80℃・70℃の時点で添加すると約10℃温度が低下した. 室温では, 3試料間の粘度に有意差はなかった. 4 . GC-MSでは5種の香気成分が検出され, ブラックコーヒーと比べると, 2-methylfranは80℃・70℃試料で少なく, pyridineは90℃・80℃試料で多かった. 以上, 70℃で牛乳を添加した試料は検出された香気成分が他の2試料に比べ少ない傾向にあり, 甘味が強く, 苦味・後味が弱く, 飲み込み後に牛乳味が気になる感覚と評価された.