著者
手島 陽子 長谷川 智子 小西 史子 外山 紀子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.72, no.6, pp.362-376, 2021 (Released:2021-07-02)
参考文献数
21

自立は青年期の重要な発達課題であり, 主体的自己, 協調的対人関係, 生活管理などの領域から成るといわれている. 子どもの頃に調理に関わることは青年期の自立に影響を及ぼすと仮説を立てた. 大学生178名 (男性53名, 女性125名) を対象に質問紙調査を行い, 学童期の家庭の食環境と調理への関わりをクラスタ分析で分類し, クラスタにより青年後期の自立に差がみられるか分散分析で検討した. 学童期の家庭の食環境と調理への関わりは5クラスタに分類され, 調理への関わりに関する得点が高い2クラスタは, 青年後期の「協調的対人関係」と「生活管理」の得点が高かった. この結果より, 学童期に調理に関わることは, 青年後期の自立の2つの領域へ肯定的な影響を及ぼす可能性が示唆され, 仮説は支持されたと考えられる.
著者
川上 美智子 小西 優子 日水 教子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.60, no.10, pp.877-885, 2009-10-05 (Released:2012-07-19)
参考文献数
16

Cucumber and bitter gourd in the melon family are mostly salt-squeezed before cooking. Sensory tests have shown that a salt-free sample had a green note which was replaced by a mild note in a 1%-salt-squeezed sample. Aroma concentrates of salt-squeezed cucumber and bitter gourd prepared from brewed extracts were analyzed by GC-MS. Fifty-two compounds were identified as contributing to the cucumber aroma, the ratio of (E)-2,(Z)-6-nonadienal, the most important fresh cucumber aroma component, being most influenced by salt-squeezing. The salt-free sample contained higher levels of (Z)-6- nonenol and (E)-2,(Z)-6-nonadienol, while the 3%-salt-squeezed sample contained higher levels of (E)-2, (Z)-6-nonadienal, 8-nonenoic acid, and 8,11-heptadecadienal. Although the ratios of these three components and (E)-2,(Z)-6-nonadienol were lower, the ratios of (Z)-8-heptadecenal, (Z)-8,(Z)-11-heptadecadienal and (Z)-8,(Z)-11,(Z)-14-heptadecatrienal were higher in the strongly squeezed and homogenized samples. Twenty-six components containing (Z)-3-hexenol (50%) and myrtenol (16%) were identified as the characteristic aroma compounds of bitter gourd, their quantities being higher in the 1%- and 2%-saltsqueezed samples.
著者
河村 フジ子 松本 睦子 金 和子 小林 彰夫
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.40, no.12, pp.1051-1056, 1989-12-05 (Released:2010-03-10)
参考文献数
11
被引用文献数
1

辛味大根の味覚特性として, 辛味成分と辛味以外で味覚に関与する成分を他の大根と比覚し, 官能検査を行った結果を要約すると次のようになる.(1) 辛味大根中の辛味成分である (E) -4-メチルチオ-3-ブテニルイソチオシアネートは, 73.7mg%で, 他品種の頭部の3.4~5.2倍, 尾部の2.0~2.6倍である.(2) 辛味大根は, 他品種の各部より, 水分, 還元糖量が少なく, カルシウム, マグネシウム量が多い.(3) 他品種のおろし大根の味を比較した場合, 尾部は頭部より, 辛味, 苦味が強く, うま味, 甘味が弱い。(4) おろし辛味大根の味は, 青首大根の尾部より, 辛味, 苦味が強く, うま味, 甘味が弱い.(5) おろし辛味大根を60分放置すると, 辛味は顕著に弱くなる.(6) おろし辛味大根に食塩, しょうゆ, 食塩+食酢, 天つゆ, 三杯酢を加えると辛味が弱くなる.
著者
久山 純子 藤井 淑子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.195-200, 1989

小麦粉48g, ショ糖28g, ショートニング 14g, 水10gを基本組成とするいわゆるシュガースナップクッキーを調製した.この配合中のショ糖の全量を乳糖や海砂におきかえたモデル組成のドウについて, ドウの性状とそれらの焼成過程における変化との関連性について研究した.乳糖を用いたドウ (B), 海砂を用いたドウ (C) は, それらのハードネスがショ糖を用いたドウ (A) のハードネスとほぼ同一の1,200gになるように水を調節した.<BR>1) B, Cのドウをミキソグラフによって測定すると, 一定の値を示す硬粘度が測定されたが, Aのドウは, ほとんどの値が低い値にとどまった.<BR>2) 焼成中のAのドウは焼成開始3分で最大膨脹したが, ドウ表面に生じたクラックより水蒸気がさかんに抜け出し収縮した.B, Cのドウは焼成開始4.5分間まで膨脹のみを続け, 内部に空洞を作りそのまま固定化した.<BR>3) 真空処理による膨脹率はAのドウでは, 焼成開始すぐに最大値 (250%) に達し, およそ60秒間その値を持続した.B, Cのドウは, 同様に最大値を示したがその値はすぐに低下した.<BR>以上のモデル実験により, クッキードウに用いられているショ糖は高い溶解度により, まずショ糖の溶解が先行し, これによって小麦粉の水和をさまたげ, シュガースナップクッキーの焼成のさいの特徴ある膨脹と収縮に関与し, 表面のクラックを支配することが明らかとなった.これに反し, Bのドウの乳糖は溶解性が低く, Cの海砂はまったく溶解しないために, 小麦粉の水和が先行すると考えられる.
著者
山崎 吉郎
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.93-97, 1987

納豆はその呈味において, 独特の苦味を有している.その苦味は, 納豆菌の作用によって生ずる, 大豆タンパク分解生成物のペプチドであることが明らかにされているが, 納豆中の苦味ペプチドの構造がどのようなものであるかを追究するため, 納豆より<I>n</I>-ブタノール抽出した試料について苦味ペプチドを分析した.<BR>セファデックスG-25カラムによるゲルろ過でFr.1~3の3画分を得たが, そのうちFr.1に強い苦味が認められた.さらにFr.1成分をCM-セファデックスでFr.a, b, cの3画分に分画したところ, Fr.bに最も強い苦味を認めた.Fr.aは弱い苦味, Fr.cはアミノ酸様のうま味を有していた.<BR>Fr.bより高圧ろ紙電気泳動によって純粋なペプチドを得, 塩酸加水分解後のアミノ酸分析の結果, 苦味ペプチドのアミノ酸組成は, アスパラギン酸 : スレオニン : グルタミン酸 : アラニン : プロリン : バリン : イソロイシン : ロイシン=1 : 1 : 1 : 1 : 2 : 3 : 3 : 5であることがわかった.またN末端アミノ酸はDNP法によってロイシンであり, C末端の構造はカルボキシペプチダーゼA法によって-Ala-Val-Ile-Leuであることがわかった.
著者
相川 恵子
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.213-216, 2002-02-15
被引用文献数
1
著者
平尾 和子 武井 婦貴恵 米山 陽子 高橋 節子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.49-54, 2005

サゴ澱粉の物性に及ぼす卵黄粉末添加の影響についてとうもろこし澱粉, 馬鈴薯澱粉と比較し, 澱粉懸濁液の粘度特性, ゲルのテクスチャー, 保型性および離水率を検討しTable2に示した.実際の調理面からレモンパイフィリングを調製して官能評価を行い, サゴ澱粉の調理素材としての適性を検討した.<BR>1) サゴ澱粉懸濁液の粘度変化は卵黄粉末30w/v%添加により最高粘度, 冷却25℃の粘度が無添加より増加した.<BR>2) サゴ澱粉ゲルの硬さ, 凝集性は卵黄粉末30w/v%添加により低下し, 付着性は添加, 無添加にかかわらず認められなかった.<BR>3) サゴ澱粉は卵黄粉末添加により, 他の澱粉に比べて保型性の低下が最も少なく, 形状保持に役立つ.また冷蔵による離水率はわずかに低下を示した.<BR>4) レモンパイフィリングの官能評価の結果から, 「特性評価」ではサゴ澱粉は有意に光沢があると評価された.「嗜好」では味, 硬さ, べたつき, 弾力性, 総合評価の項目では小麦粉が最も好まれたが, サゴ澱粉は硬さ以外の項目で小麦粉に次いで好まれ, とうもろこし澱粉にも近い嗜好性が認められた.
著者
西尾 幸一郎 西村 もえぎ 黒光 貴峰
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.266-273, 2019 (Released:2019-05-23)
参考文献数
19

本研究の目的は, 学習場所と家族の存在が子どもの学習動機づけに及ぼす効果を明らかにすることである. 主な結果は以下の通りである. (1) 男女ともに8割以上の児童が子ども部屋を保有しているが, 約半数の児童は家庭での学習場所としてリビングやダイニングを選択している. また, いずれの場所においても, 7割以上の児童が保護者やきょうだいなどの家族の存在を感じながら学習している. (2) リビングやダイニングでの学習については, 子どもが学習している時に家族の存在がいつもあることで自律的な学習動機づけは高くなり, 他律的な学習動機づけは低くなる. また, 女子のリビングやダイニングでの自律的な学習動機づけは男子と比べて低く, 子ども部屋での学習と比べても低い傾向がみられる. (3) 子ども部屋での学習については, 子どもが学習している時に家族の存在がいつもあることで自律的な学習動機づけは低くなり, 他律的な学習動機づけは高くなる傾向がみられる.
著者
笹﨑 綾野 藤田 恵子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.69, no.11, pp.739-745, 2018 (Released:2018-12-01)
参考文献数
55

This report aims to clarify how the methods of measurement in the drafting method of The Tailor's Guide by C. Compaing and L. Devere were interpreted and received in men's clothing technique manuals of the early Meiji era, through its translation, “A Teacher's Guide to Western Sewing.” Based on C. Compaing and L. Devere's book and the original book by G. Compaing, improvements in the process and features of the measurement charts, measured items, and the graduated measurement techniques were shown. The sources of The Tailor's Guide were tailors in France, and their techniques were reaching maturity. In particular, the selected measurement items and the graduated measures were the cornerstones for the improvement of clothing designs from individual sizes to a general-purpose design. In men's clothing technique manuals of the early Meiji era, the techniques of The Tailor's Guide were partially used, but were not accompanied by the knowledge and technology required to introduce them fully. The Tailor's Guide was positioned as a textbook aimed at introducing techniques to the general public.
著者
中澤 弥子 三田 コト
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.167-179, 2004-02-15

文献調査および長野県在住の消費者を対象としたアンケート調査を行い以下の結果が得た.(1)生イカの購入割合も最も高かったが,塩イカ,煮イカの購入も維持されており,北・東信に比べ南・中信地方で多く利用されるという地域性も認められた.(2)塩イカ,煮イカは,普段から日常食として用いられており,塩イカは酢の物,粕和えやサラダに,煮イカは刺身や酢の物などの和え物に多く用いられていた.(3)30歳代以上の年齢層に比べ,20歳代以下の塩イカ,煮イカについての購入割合や食経験,現在の摂食状況はやや低い傾向が認められたが,今後も食べ続けたいとする回答は20歳代以下でも8割以上と多かった.(4)郷土料理が伝承される重要な要因として,子どもの頃からの母親の手料理による食経験に加え,手軽に料理できること,今の時代に見合うおいしさであることが示された.
著者
島田 淳子 佐々木 恵子 畑江 敬子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.535-538, 1990

電子レンジで加熱した水, 油, o/w, w/oエマルションおよび泡沫試料の温度上昇について検討した.その結果は以下のとおりである.<BR>(1) 水あるいは油の単独加熱において, 試料の体積が大きい場合にはおのおの比熱に依存した温度上昇を示したが, 試料体積が小さくなると油の温度上昇が極端に小さくなり, 水と同等, あるいはそれ以下となった.<BR>(2) 水と油を同一ビーカーに入れて同時に加熱すると, 水の温度上昇は単独で加熱した場合とほとんど変わらなかったが, 油の温度上昇は極端に小さくなり, これは水および油の誘電特性値の差による影響と考えられた.<BR>(3) o/wおよびw/oエマルションでは, 水相体積分率 (φ) の減少に伴い温度上昇速度は増大し, とくにφ0.4以下においては, 試料の比熱と重量から計算される値よりも大きくなった.<BR>(4) 泡沫試料においても同様に, 温度上昇速度はφの減少とともに増大し, φ0.4以下で計算値より著しく大きくなった.
著者
福田 靖子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.38, no.9, pp.793-798, 1987-09-20 (Released:2010-03-10)
参考文献数
10

焙煎ゴマ油およびゴマサラダ油の抗酸化性物質のフライ時の変化について研究を行い, 次の結果を得た.1) ゴマ油をホットブロックバスで180℃8時間加熱したときの抗酸化性物質の変化を調べた.ゴマサラダ油のセサミノールは, 未加熱油の約80%, γ-トコフェロールは約42%残存していた.焙煎油のγ-トコフェロールは約67%残存していた.2) 焙煎ゴマ油で1家族分 (4人分) の天ぷら, 冷凍コロッケ, 小魚を揚げた場合, 油のみを加熱したときと同様, 抗酸化を示すに十分量のセサモール (0.04%) が前駆体であるセサモリンから生じていた.3) 焙煎ゴマ油でポテトスティックを素揚げにしたときは, セサモリンの加水分解が起こり, セサモールとサミンを生じた.4) ゴマサラダ油で, 天ぷら, 冷凍コロッケを揚げた場合にも, セサミノールは, 約85%残存していた.
著者
野村 希代子 戸松 美紀子 杉山 寿美
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.213-220, 2020 (Released:2020-04-23)
参考文献数
29

我が国の食事は, 白飯, みそ汁, おかずを交互に食べる食事様式である. 本研究では, みそ汁に, 白飯, あるいは白飯と塩分濃度の異なるおかずを組み合わせ, みそ汁の食べ始めと食べ終わりの塩味の強さ, 好ましさについて検討した. その結果, 食べ終わりは食べ始めよりも, みそ汁の塩味を弱いと感じる組み合わせがあり, 同じ塩分濃度のおかずでも, 種類により影響が異なることが示された. 一方, みそ汁の塩味の好ましさは, 白飯とおかずを組み合わせた場合の食べ終わりと, 食べ始めとの間に有意な差は認められず, 弱く感じさせたみそ汁の塩味をおかずの塩味が補い, みそ汁の好ましさが維持されていた. また, 組み合わせるおかずが同じ場合では, みそ汁の塩味の好ましさに, 0.6%と0.8%のみそ汁の間に有意な差は認められず, 「塩味が薄くてもおいしい食事」は, みそ汁では0.6%で可能であることが示唆された.
著者
時友 裕紀子 山西 貞
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.347-353, 1993

タマネギ中の遊離糖含量と香気成分の加熱による変化を明らかにすることにより, 加熱タマネギの甘いフレーバーに寄与する因子について検討を行った.<BR>以前より加熱タマネギの甘味成分とされていたプロパンチオール (プロピルメルカプタン) は, その標準物質の水溶液の官能評価により甘味を呈さないこと, タマネギの加熱により減少すること, が明らかとなり, 加熱タマネギの甘味成分ではないことが明確となった.<BR>生タマネギ中に6%程度存在する遊離糖 (グルコース, フラクトース, シュークロース) の含量は加熱により変化しないか, あるいは, 減少する傾向にあり, 新たな遊離糖の生成はないことがわかった.そして, 水分の蒸発による糖濃度の上昇, 加熱による組織の破壊や軟化により甘味を強く感じるものと考えられた.<BR>焼きタマネギの香気成分の分析により, 35成分を同定, 推定した.加熱により, 生タマネギ香気の主成分である含硫化合物量は減少し, 糖の加熱分解により甘い香気成分が生成, 存在しており, 加熱タマネギの甘いフレーバーの一因と考えられた.
著者
柴田 圭子 西念 幸江 安原 安代
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.53, no.9, pp.901-916, 2002-09-15
被引用文献数
5

The results of studies on the extraction of chicken stock and the preparation of chicken consomme are reported. The effect on the stock of different body parts of the chicken (bony parts, wing parts, and tissue components of bone, skin and meat) on the taste was investigated. The effect of additional meat (added skinless chicken breast meat representing 0%, 15%, 30%, 45% or 60% of the final consomme volume) on the taste of consomme was also investigated. Stock extracted from each type of tissue demonstrated unique characteristics (e.g., meat stock exhibited a stronger umami intensity as it contained large amounts of 5'-IMP and Glu, whereas bone and skin stock each displayed weak umami intensity but contained a large amount of peptides) However, the difference between stock made from the bony parts and wing parts blended with equal amounts of the three kinds of stock from the tissues (as these were included in the original bony or wing part) was minimal. Additional meat demonstrated a greater effect on the taste of consomme than the kind of stock used. A sensory evaluation determined the most preferable level of additional meat to be 15%, there being no improvement by increasing the level to 45% or 60%.
著者
布施谷 節子 柴田 優子 岸田 宏司
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.589-598, 2009 (Released:2012-01-05)
参考文献数
14
被引用文献数
1

A questionnaire concerning the putting on and taking off of clothes, socks and shoes of children with intellectual disabilities was given to their parents or guardians, mainly their mothers. The authors aimed to find ways of providing effective support through continual observation and case studies. The results of this study are as follows: (1) With regards to support, the surveyed children were classified into 5 groups according to the time they entered the school and the type of disability they had; (2) The parents or guardians have been able to teach their children to correctly identify the front or back of shirts, the top or bottom of socks and the difference between a left shoe and a right shoe; (3) Some visual effects were recognized in the case studies, namely the colored buttons on the bottom of a shirt, the colored heel or toe of socks and the colored elastic strings attached on the same side of shoes and the wrist; (4) The authors considered the necessity of developing effective support programs to help children with intellectual disabilities put on and take off clothes through joint studies and exchanges between specialists, teachers in charge of special classes for children with intellectual disabilities and clothing science scholars.
著者
山本 誠子 栗山 尚子 小宮山 冨美江
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.17-22, 2001-01-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
11

ゆでたじゃがいもにデンプンを加えたための物性の変化がいももちの特徴であるので, じゃがいもデンプン添加量の異なるいももちについて, テクスチャー特性の測定, 破断特性の測定 (レオナーによる) と官能検査 (評点法による) を行い, 比較・検討した結果を要約すると以下の通りである.(1) いももちはデンプン添加量が多いほど硬く, 凝集性が大きく, 破断応力, 破断エネルギーも大きく, 強靭になった.また, 伸長破断による伸びは大きくなるが, 伸ばすのには大きな力が必要となった.出来たてはやわらかく伸びは大きい.しかし経時変化に伴い, 硬く, 凝集性は小さくなり, 破断応力, 破断エネルギーは大きいが, 伸長破断による伸びは小さく, 伸びなくなった.(2) 官能検査では30%が一番, 次に20%が好まれた.30%は適度な弾力とかたさ, 伸びがあり, もち感が感じられ, いももちとしてのイメ門ジに非常に近かった.(3) 官能検査と機器による客観測定値について相関係数を求めたところ, かたさと原硬さ, 弾力と凝集性, 弾力と破断ひずみとに高い相関がみられた.
著者
平尾 和子 西岡 育 高橋 節子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.363-371, 1989-05-05 (Released:2010-03-10)
参考文献数
14

タピオカパールは, 調理に際して煮くずれしやすく, 芯が残りやすいなどの問題点があり, その加熱方法はむずかしい.透明感や歯ごたえがあり, 煮くずれが少なく, 芯のないタピオカパールを得るためのより簡便な加熱方法を知る目的で本実験を行った.加熱方法は, 湯煎による加熱の湯煎法と魔法瓶を用いるポット法について比較し, 顕微鏡観察, 物性測定および官能評価の結果から浸水効果や加熱方法を検討した.結果は次のとおりである.1) タピオカパールは, 加熱に際しての浸水効果は認められず, 浸水することなく, 直接ふりこんで加熱するほうが煮くずれしにくい結果となった.2) 加熱方法では, ポット法が湯煎法に比べて煮くずれせず, 弾力があり, 芯のない煮上がりとなるなど, 物性値においても, 官能評価においても最も好まれた. 魔法瓶を用いるポット法は, 加熱途中の攪拌や湯を補うなどの手間もかからず, しかも形状やテクスチャーのよいタピオカパールを得ることができるなど, 簡便かつ効果的な加熱方法と考えられる.3) 湯煎法のうち, 水にふり込んで加熱する水湯煎法は, 熱湯にふり込む熱湯湯煎法に比べて加熱時間が短縮され, とくに2時間加熱することにより, 透明で歯ごたえのある試料が得られた.