著者
鈴木 峰生
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, no.7, pp.19-24, 2002-01-25

人の表情はコミュニケーションの手段として重要な役割を担っている.この表情についての研究は古くは心理学などの分野でなされていたが,最近は医療分野やCGの分野でも工学的な観点から表情を分析したり再現したりする研究がなされつつある.本研究ではこの表情を自動生成することを目的としており,これにより表情の数量化が可能になる.今回は笑い顔の表情の生成に続き,解析手法として有限要素法を用いて怒り顔の表情の生成を試みた.その結果,解析計算結果の変形形状で程度の異なる怒り顔を表現することができた.これにより有限要素法の解析計算結果で様々な表情を表現できることが確認できたと考えている.
著者
中川 匡弘
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.34, pp.95-105, 2010-08-30

本論文では,脳波やNIRS信号で見出されているフラクタル次元のような普遍的な性質の時空間特性を定量化することにより,感性を評価する新規手法を提案する.具体的には,感性フラクタル次元解析手法を用いて、視覚刺激に対する華やかさの感性解析を試みる。その結果,フラクタル次元を用いることで,ヒトの感性が客観的に計測可能であることが見出された.また、感性フラクタル次元解析手法をブレインコンピュータインターフェース(Brain Computer Interface:BCI)ヒューマンインターフェースに適用し、その有用性について検討を行う。ディスプレイに6つの図形を表示させ、1つの図形を黙視し念じた時の脳波信号について、感性フラクタル次元解析手法を用いて識別を試みる.その結果,意図した図形に対する認識率が最低でも50[%]以上得られたことから,頭でイメージしたことが入力可能な脳波キーボードの機能を持つヒューマンインターフェースとして応用できる可能性が示唆される.
著者
坂本 雄児 森島 守人 臼井 章
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.549-554, 2004-04-01
被引用文献数
6 2

To display 3D images on a computer-generated hologram, you need to have a very high resolution hologram-recording system. We developed a CD-R. (Compact Disk-Recordable) drive to record CGH data on CD-R disks, that have a high resolution and a dot size of 1.5μm. By using this drive, it is possible to make holograms inexpensively in a short-time without the need for special environments, such as dark rooms, clean rooms, etc. The drive realizes desktop holograrning that can handle all CGH process including model making, hologram calculations, and hologram recordings on a personal computer. In this paper, we describe the system and discuss the hologram-calculation method adapted for CD-R disks.
著者
稲本 奈穂 柿本 正憲 高谷 優樹 榎本 暁人 斎藤 英雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.42, pp.29-32, 2009-10-21

複数のカメラで撮影される実写画像から,立体視可能なスポーツコンテンツを生成する手法を提案する.従来,立体視用の実写コンテンツを生成するためには,キャリブレーションされた複数のカメラで被写体を撮影し,被写体のデプス情報を取得する必要があった.もしくは,表示ディスプレイと同じ視点数分のカメラを用意し,ディスプレイの視差に合わせて撮影を行う必要があった.それに対し本手法では,カメラ間の相対的な位置関係から,視点補間技術を用いて,立体視に必要な視点数分の画像を生成し,立体視画像の合成を行う.カメラのキャリブレーションを省力化できること,ソフトウェア処理にてディスプレイの個体差を吸収できることから,高効率かつ出力先を選ばない柔軟な立体視コンテンツ生成が可能となる.
著者
澤邉 知子 鈴木 純司 小野 定康
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.48, no.10, pp.1207-1214, 1994-10-20
被引用文献数
2

パイプライン演算器を中心とする従来のDSPは, 画像符号化への応用に対し, 積和演算が主体の変換符号化等の処理効率は高いが, シリアルなビット列に対する論理演算が主体のハフマン符号化等の処理効率は低いという問題があった.本論文では, こうした特性を有するエントロピー符号化の高速処理が可能で, しかも実現アルゴリズムをプログラムで記述することにより, 機能の柔軟性をも兼ね備えた新しいシステム構成法を提案している.最初にJPEG符号化を例に, 符号化処理に含まれるビット列処理の比率を明らかにし, ビット列処理と演算器との不整合性を指摘する.そして, 高位記述論理合成LSI-CADシステムとFPGA(Field Programmable Gate Array)による新しいアプローチを提案し, 実際にハフマン符号化部の設計を行った結果について述べ, DSP/汎用マイクロプロセッサとの処理速度の比較結果から, 高速性と機能の柔軟性の2つの目標が達成可能であることを実証している.
著者
相沢 征二
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.32, no.11, pp.926-933, 1978-11-01

1カメラ, 1VTRを使用して, ロケーションを主体とした2時間ドラマを制作した.カメラはレンズ交換型のハンディーカメラ, VTRはポータブル型1インチヘリカルVTRを使用した.録画テープは総量約30時間分で, これを編集し, カット数778の1時間40分の放送用テープとした.1カメラ, 1VTRのドラマ制作は初めての試みであり, 数々の有益なデータを得ることができた.
著者
遠藤 守 安田 孝美 横井 茂樹 林 良嗣
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, no.12, pp.37-42, 2002-02-07

コンピュータ上に構築した3次元の仮想都市空間内に仮想人間を導入するための仕組みを提案し,都市空間を構成する物体を効果的に管理する手法を開発した.本稿では仮想人間の動作を付与する仕組みを提案し,インデックスに基づくデータベースを用いてすべての情報を管理する具体的な仕組みについて述べる.提案手法を実現するにあたりインターネットを通して操作可能なインターフェースからなるシステムを構築した.これによりコンテンツ作成者や利用者は容易に都市空間を構築・体験することが可能となる.また構築したシステムの応用として空間内のキャラクタを主人公としたドラマ化手法を開発し,コンテンツを製作したのでここに報告する.
著者
小林 広美
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.23, no.70, pp.25-30, 1999-11-17
被引用文献数
1

The environment around human being is true 3D, so naturally we recognize in 3D. True 3D auto-stereoscopic display has been required in many fields in which it has been unavoidable to use 2D display from various reasons. Though 3D techniques and technologies have been rapidly developed and recently they can be seen close to us, existing 3D displays require wearing special glasses of devices, or are for one person, or don't permit any moving for viewers. it is hard to say that they can be a substitute of 2D displays. it is natural demand for human to be free from such restrictions as above. Sea Phone 3D display is an advanced auto-stereoscopic display, which meets the demand. In year of 2000, we are going to provide this amazing technology as commercial product, and here introduce some of these new information.
著者
菊川 哲也 北村 喜文 三枝 知史 大野 翼 櫻井 智史 山口 徳郎 岸野 文郎 國田 豊 磯貝 愛 木全 英明 大谷 佳光
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.21, pp.25-30, 2009-06-08

我々は,単一の固定されたディスプレイで,利用者のインタラクティブな視点移動による運動視差を与えることができ,3人以上の利用者全てに対して,フリッカとひずみがない適切な立体画像を表示できる多人数共有型立体表示装置IllusionHoleを提案し,検討を進めている.この考えに基づいて,2台の短焦点プロジェクタと円偏光板を用いたパッシブな立体視により,4側面にプロジェクタボックスなどの邪魔な張出しがないIllusiohHoleを試作した.これにより,利用者はディスプレイの全ての辺を等価に利用して立体画像を観察することができる.本稿では,この装置の設計について検討した結果について報告する.
著者
臼田 裕 出澤 正徳
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.27, no.23, pp.21-24, 2003-03-20

人間が,情報システムを使用する場合,何を行いたいのかその目的と意図を情報システムに的確に入力・指示する必要がある.一方,情報システムは入力・指示された情報から人間の目的と意図を誤りなく推測し,それに応じた操作,処理を行い,その結果を人間に理解しやすい形態で提示する必要がある.この人間と情報システム間の柔軟かつ円滑なコミュニケーション方法として,今回,情報システムにおける図形コードを用いた紙インターフェイスを提案する.
著者
中山 良三
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.662-666, 1999-05-20

青少年による犯罪とテレビメディアの影響力についての論議が高まっている中, アメリカではまもなくVチップ搭載のテレビ受像機が発売されようとしている.アメリカにおけるVチップとはどのようなシステムであるのか, また, どのような経緯を経て導入に至ったのか, 日本国内の現状と合わせて, その概要と今後の問題点について論述する.
著者
根本 英明 三浦 健司 村岡 裕明 中村 慶久
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, no.15, pp.29-34, 2002-02-15

垂直二層膜媒体をMRヘッドで読み出した際に得られるステップ状の再生波形のヒルベルトイコライザによる等化について、微分器との比較を通して調べた。その結果孤立再生波形についてシミュレーション、実測ともにほぼ完全な単峰化が実現可能なことが分かった。また、孤立再生波形の等化波で、パルス幅が最小になるようにパラメータを最適化して測定を行った結果、低記録密度では微分等化器に比べて良好なSN比が得られた。高記録密度では微分器に比べてSN比が低下したが、BERは同程度の特性を得た。
著者
遠藤 幸男
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.34, no.12, pp.1046-1053, 1980

テレビ放送におけるゴースト対策の研究開発の動向について, ゴーストの測定および評価法の開発, 電波吸収壁やSHF放送の実用化など, 最近の動向を主に解説する.