著者
梅本 益雄 沢村 秀彦 江藤 良純 片山 仁 大和田 信義
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.44, no.8, pp.1067-1073, 1990
被引用文献数
2

HDTV (ハイビジョン) のスタジオ用VTRは, 画質, ダビング (複製) 性能の点からディジタル記録方式のものが期待されており, BTA規格によるハイビジョン信号を記録するディジタルVTRの仕様がNHKからガイドラインとして提案されている.今回, これに従って, 1.2Gb/sディジタルVTRを試作した.現在, 実用化されているディジタルVTRに比べ, 高速, 高密度記録のため, テープヘッド系における誤り率の確保が重要課題となる.このため, 次の検討を行った. (1) 代表的な信号検出方式の中から, 新たに開発したメタルテープ, 多層化SAFヘッドの周波数特性, 雑音周波数特性に適した方式を求め, 積分検出を採用した. (2) 積分検出の高域補償として5タップトランスバーサルフィルタを用い, 0.345μm/bitの短波長記録で発生する大きな符号間干渉を除去した. (3) シャトルモニタやスロー再生などの可変速再生に対処するため, タイミングクロック抽出用PLLのループ内にテープ走行速度情報を取込む構成とした.
著者
阿知葉 征彦 石倉 和夫 工藤 功二 杉山 雅人 勝又 賢治
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.60-66, 1989
被引用文献数
2 1

現行カラーテレビ信号から高画質な画像を得るIDTVの動き適応形信号処理に適用するため, 複合カラーテレビ信号から動き情報を抽出する動き検出方式について検討を加えた.まず, 動き検出誤りおよび動き制御信号の量子化精度について考察した後, NTSCとPAL方式の動き検出について検討した.NTSC信号では, フレーム間の差信号の低周波成分と2フレーム間の差信号とから誤検出のない動き情報が抽出できること, また, PAL信号では標本化位相を適当に選ぶことにより, フレーム間の差信号から誤検出のない動き情報が得られることを示した.しかしインタレース走査信号では, フィールド単位の時間標本化を行っており, フレーム単位の動き検出では検出漏れが生じる.この検出漏れの救済にはフィールドメモリーを利用するフィールド間の演算に, エッジ部分の誤検出を防ぐエッジ適応処理を組合せる方法が有効なことを示した.
著者
坂田 晴夫
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.147-152, 1980

B錐体のMTFがR, G錐体にくらべて狭帯域になることを明らかにした.しかし, カラー受像管の青光はG, Rの錐体も刺激し, 各色に対するMTFはほぼ等しくなり, B錐体の狭帯域性が生かされない.このため青でもNTSC高彩度像の解像力の低下が検出される.色差信号の高周波分を輝度信号に付加する方法を提案し, 水平解像力の向上を見た.
著者
藤尾 孝
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:03743470)
巻号頁・発行日
vol.21, no.12, pp.879-889, 1967
被引用文献数
1

カラーテレビジョンでは視覚のフレーム周期に対する時間積分効果や走査線間の面積積分効果が充分でないため, 画面上にあらわれる点状の輝度妨害や, 輝度信号の高域成分によるクロスカラー妨害が目立ち, これがカラー再生画像に妨害を与える.本文では, カラーテレビ信号の復調プロセスでカラー信号のライン相関を利用して輝度信号, 色信号を分離し, 相互干渉のない高画質のカラー画像を再生する方式とその検討, 試験結果について報告する.なお, 新しく開発したNTSC搬送色信号用の遅延線を用いて試験し, クロスカラー妨害を約20dB, そして搬送色信号による点状輝度妨害を除去した状態で水平解像度400本相当の高画質のカラー画像を再生した.
著者
大島 信太郎 榎本 肇 天野 橘太郎 荒木 庸夫 田尻 昶夫 岡田 稔
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:03743470)
巻号頁・発行日
vol.17, no.9, pp.535-543,549, 1963

トンネルダイオードを多数個使用した高速度高精度A-D変換器を製作し, テレビジョン信号のPCMの実験を行なった.トンネルダイオード対回路の動作原理, およびA-D変換器の概要を解説し, 白黒およびNTSC方式カラー信号のPCM化について得られた結果をのべてある.
著者
菅並 秀樹 竹ヶ原 俊幸 田辺 逸雄 星野 良春 渡辺 馨 佐々木 文善 河合 直樹 氏原 淳一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.43, no.12, pp.1388-1397, 1989-12-20
被引用文献数
1

ハイビジョンの音声信号を, MUSE信号の垂直帰線期間にベースバンド多重して伝送する方式を開発した.この方式においては, 音声信号の伝送容量が現行テレビ衛星放送の65%程度に制約されるため, 音声信号の符号化方式として準瞬時圧伸差分PCMを採用し信号の圧縮を行った.本符号化法による一般の番組音の音質評価実験を行った結果, 現行テレビ衛星放送のAモード, Bモードに比べほとんど遜色のない音質が得られることが確認された.また, 差分PCMの符号化, 復号化時に不完全積分を行うことで, 伝送中に生じた符号誤りによる音質劣化の改善を行った.この圧縮音声信号に, 音声以外のデータや訂正符号を付加し, 伝送レートが1.35Mb/sの多重化信号を構成する.これまでに, 本方式を用いたハイビジョンの衛星伝送実験を繰り返し実施し, いずれも良好な結果を得ている.
著者
臼井 和也 加井 謙二郎 妹尾 宏 大谷 明
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.19, no.38, pp.61-66, 1995-08-24
被引用文献数
4

HDTV test broadcasting using the MUSE system was started in 1991. At present HDTV is broadcasting everyday for 11 hours. The MUSE system transmits sound signals in a digital scheme. The digital signal has a region which enables transmission of data other than sound called a data channel. Using the data channel, new broadcasting multimedia services can be provided. In this paper, service functions for the multimedia service are discussed. An experimental system to evaluate the functions for the service is developed using the MUSE data channel and the HDTV display. Experimental programs are also developed for evaluation tests.
著者
渡辺 馨 竹ケ原 俊幸 菅並 秀樹 小泉 悟 渋谷 一彦 星野 良春
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.44, no.12, pp.1740-1749, 1990-12-20

NHKがHDTV地上放送用に開発したADTVシステムは, (1)NTSC Compatible MUSE-6(NCM6), (2)NTSC Compatible MUSE-9(NCM9), (3)Narrow MUSEの3種類がある.このうちNCM6とNCM9はNTSC信号と両立性のあるシステムである.NCM6システムは, 2チャネルのディジタル音声伝送が行え, 音声符号化はDANCE符号化を用いる, NCM9システムは, 4チャネルのディジタル音声伝送または2チャネルの高品質ディジタル音声伝送が行える.高品質音声はDANCE符号化信号に量子化精度の改善信号と帯域の拡張信号を加えて実現する.これらの音声データを時間軸圧縮して, 映像信号の水平ブランキングへ時分割多重して伝送する.
著者
合志 清一 苗村 昌秀 山口 孝一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.16, no.7, pp.7-12, 1992-01-24

This paper describes a new signal processing method for motion area of MUSE system. It enbles us to realize better picture quality. The point of this method is to apply an inter-field singnal processing to motion area. Using motion pictures, we have done a computer simulation about it and have got a good resulut. It is easy to adopt it for the MUSE encoder and decoder.