著者
田上 恵子 内田 滋夫
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.87-92, 2014 (Released:2014-02-28)
参考文献数
11
被引用文献数
1 5

カキ(Diospyros kaki)の果実を干し柿等へ加工すると水分含量が減少して放射性セシウムが濃縮するため,食品中に含まれる放射性物質の基準値を上回る可能性がある。そこで果実の加工後の濃度を収穫・加工前に予測するために,葉中の濃度を目安にする方法を検討した。生果実の濃度は葉の濃度に対し0.4以下であり収穫期が近づくにつれてその比が減少した。葉を測定することで加工製品中の濃度をほぼ推定できる。
著者
杉山 英男 岩島 清 柴田 尚
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.39, no.11, pp.499-502, 1990-11-15 (Released:2010-09-07)
参考文献数
6
被引用文献数
4 7

Concentration of 137Cs, 134Cs and potassium were measured in several higher fungi and in substrates, soils, woods and litters in some Kanto and the Koshin districts, Japan, following the Chernobyl accident during October to November 1989. 137Cs concentrations in fungi were in the range of 0.7-101 Bq kg-1⋅fresh. Maximum 137Cs level in them was observed in Boletopsis leucomelas (Pers.: Fr.) Fayod. Significantly higher levels of concentration ratios of 137Cs in fungi to substrates (e.g.; 137Cs concentration · fresh in fungus/137Cs concentration · dry in soil), 10-1 to 10×10-1, were found nearly 10 to 1000 times as much as leaf vegetables, root crops and potatoes to substrates. It was confirmed that levels of concentration ratios of potassium were similar to those of 137Cs. In all fungi, 134Cs which released from the Chernobyl accident and is not present in nuclear weapons fallout was not detected.
著者
山本 誠一
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.47, no.9, pp.673-677, 1998-09-15 (Released:2010-09-07)
参考文献数
11
被引用文献数
4 7

新しく開発されたLGSOシンチレータのパルス波高, エネルギー分解能, 減衰時間およびバックグウランド計数を測定しLSOのそれと比較した。LGSOの511keVγ線に対する発光量はLSOより18%多いが, エネルギー分解能はわずかに悪いという結果が得られた。単一光子計数法によって測定したLGSOの511keVγ線に対する減衰時間は34nsでLSOとほぼ同じであった。LGSO, LSO両シンチレータにともに含まれる天然放射能によるバックグラウンド計数はLGSOの方が10%少なかった。これらの結果よりLGSOはLSOと同様に新しいPET用シンチレータとして期待できることがわかった。
著者
佐々木 常雄 大野 晶子 田中 良明 大島 統男 松原 一仁 牧野 宣一 三島 厚 山口 宏
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.94-97, 1976-02-15 (Released:2010-09-07)
参考文献数
4

131I-adosterol 1mCiを静注し, 投与後7日目, 8日目, 9日目の3日間, 両副腎部を背部からNC (Pho/Gamma III) あるいはON 100シンチカメラによりシンチフォトを撮影する。対象とした副腎疾患はPA 10例, その疑い10例, CS 4例, その疑い3例, Pheo.2例, その疑い11例の40例である。手術によりPA 10例, CS 5例, Pheo. 2例が確認され, いずれもシンチフォト像では高い摂取が病巣に一致して認められた。シンチフォト像で描出された病巣の大きさはPAでは13~27mm, CSでは20~38mm, Pheo.では40mmであった。本検査すなわち副腎シンチグラフィは副腎疾患の診断において血管撮影とともに有効な診断法である。
著者
岩岡 和輝 米原 英典
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
Radioisotopes (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.59, no.12, pp.733-739, 2010-12-15
参考文献数
41
被引用文献数
1

タバコに含まれる<SUP>210</SUP>Poや<SUP>210</SUP>Pbは喫煙の燃焼によって揮発して人体に取り込まれるため,喫煙者はこれら核種によって被ばくする。本稿では,喫煙者の線量評価に関する様々なパラメータのレビューを行い,それらのデータから喫煙者の年間実効線量を評価した。喫煙者の年間実効線量はおよそ0.2mSv y<SUP>-1</SUP>であり,商品の輸出入の際に用いられるICRP Publ.82の介入免除レベル(1mSv y<SUP>-1</SUP>)よりも低かった。
著者
高橋 友継 榎本 百利子 遠藤 麻衣子 小野山 一郎 冨松 理 池田 正則 李 俊佑 田野井 慶太朗 中西 友子 眞鍋 昇
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.61, no.11, pp.551-554, 2012 (Released:2012-11-29)
参考文献数
2
被引用文献数
1 5

福島第一原子力発電所事故の2か月半後の2011年5月30日から直線距離で約130km南方に位置する東京大学大学院農学生命科学研究科附属牧場で栽培されていた牧草から調製したヘイレージを飼料として同場で飼養中の乳牛に2週間給与した後2週間福島第一原子力発電所事故に起因する放射性核種を含まない輸入飼料を給与し,牛乳中の131I,134Cs及び137Csの放射能濃度の推移を調べた。飼料と牛乳中の131Iは検出下限以下であった。飼料中の放射性核種(134Csと137Cs)は牛乳中に移行したが,ヘイレージ給与を停止すると1週間は3.61Bq/kg/day,1から2週間は0.69Bq/kg/day,平均すると2.05Bq/kg/dayの割合で速やかに減少した。なお試験期間中を通じて牛乳中の134Csと137Csの放射能濃度は国の暫定規制値及び新基準値(放射性セシウム:200及び50Bq/kg)以下であった。
著者
田中 忠夫 山本 忠利
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.43, no.7, pp.389-396, 1994-07-15 (Released:2010-09-07)
参考文献数
19

自然環境の通気層中に生じる不連続な水の流れの条件下における85Srの移行挙動を明らかにするため, 85Srで汚染させた砂質土壌層へ脱イオン水を断続的に流下するカラム移行実験を行った。流れの停止回数が増すに従って, 陽イオン性85Srの土壌層中移行速度は増大する傾向を示した。この原因は, 土壌から間隙水中へ溶出するCa2+の濃度が流れの停止期間に増加することにより, 85Srの分配係数が減少するためであるとみなされた。土壌層流出液のCa2+濃度から推定した85Srの分配係数と土壌層における85Srの移行速度から得た分配係数とは, 流れの停止回数に伴う減少傾向がよく一致した。