- 著者
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野村 亮太
- 出版者
- 公益社団法人 日本心理学会
- 雑誌
- 日本心理学会大会発表論文集 日本心理学会第84回大会 (ISSN:24337609)
- 巻号頁・発行日
- pp.PI-011, 2020-09-08 (Released:2021-12-08)
2020年には,ソーシャルディスタンシングという用語が一般化し,多くの人が集まる会議は制限されている。それらの代替手段として,企業や大学ではweb会議がこれまでにないほど高い頻度で行われるようになった。web会議では,画面中の相手に注意を向けなければならないことに加え,時に通信状況に起因した遅延が生じるなど,通常の会議では経験しない出来事も生じやすい。あるタイミングで会話中にふと静まり返り,誰も言葉を発しない時,フランスのことわざで「天使が通る Un ange passe.」と表現される。こうした少々の気まずい瞬間の生起頻度について,著者の知る限り正確な統計はないが,体験的にはweb会議での方が多いようだ。本研究では,会議で円滑にターンテイキング状況とぎこちない場合で何が異なるかを比較できるように,行動指標の定量化を目指した。具体的には,多人数が参加するweb会議を想定して,画面から人の顔を検出し,瞬目タイミングを同定するプログラムを作成した。また,瞬目生起タイミングの一致度について比較できる統計量を定義した。今後は,通信による遅延が生じない360度カメラでの映像とweb会議で統計量を比較する予定である。