著者
吉田 元
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.95, no.10, pp.763-768, 2000-10-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
17

奄美諸島は現在は鹿児島県大島郡に属しているが, 中世は琉球王国に属していたこともあり, 独特の風俗習慣が残っている興味深い地域である。島特産の発酵食品はこのような他の地方にない奄美諸島の歴史と伝統から生まれたものである。
著者
今安 聰
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.7, pp.578-582, 1970-07-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
1

容器革命の時代に入り, 今後はいろいろな型の容器が出まわるものと考えられる。これらの容器に必須に要求される栓, 一見簡単なものであるが, 新しいものを開発するには, いろいろな問題が生じる。本稿は従来のコルク製替栓にかえて新しくプラスチック製替栓を開発された開発の記録である。多くの諸者の参考となるであろう。
著者
武田 守一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.8, pp.536-540, 1975-08-15 (Released:2011-11-04)

これからの醸造工場はその機能と共に外的美観も必要条件となリ, それが商品のイメージアップにつながるケースがよくみられる。ここに紹介する石岡酒造 (株) も丘陵地の自然および高低差をうまく利用して新工場を設立し, 軌道にのっている良い例である。熟読をおすすめしたい。
著者
高島 正一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.86, no.2, pp.115-119, 1991-02-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
5
被引用文献数
1

わが国の経済の進展は, 国民生活の上にもいろいろな形で波及し, 特に食生活では外食の機会の増加, 主婦の調理時間の短縮をはじめ, 世界の珍味を居ながらにして味わえるなど, その様変わりは彩しいものがある。いうまでもなく, それらが醤油の生産にも問題を投げかけている。永年醤油製造の第一線に携わって来られた筆者に忌憚ない見解を吐露していただいた。

1 0 0 0 OA アイヌの酒 (4)

著者
加藤 百一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.7, pp.734-738, 1968-07-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
9

アイヌと神, そして神々を喜ばす行事の中に酒が供えられる。この観点から著者はアイヌと酒とのつながりを論説する。
著者
上野 雄靖 小武山 温之 山田 正一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.128-126, 1960-02-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
5

著者等は発ぽう飲料の研究を始め, その第一段階として速醸ビールとでも称す可き製造方法を確立した。この方法によれば,(1) 従来の醸造法に比べ小規模な設備で, しかも一週間と云う短期日で製造出来る。(2) 製品のアルコール分はその製造工程で自由に調節出来る。
著者
岩下 和裕
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.96, no.10, pp.669-678, 2001-10-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
31

焼酎醸造に用いる白麹菌のβ-グルコシダーゼは, 同じ遺伝子から生産される酵素タンパク質なのだが, 培養条件によって, 酵素の局在性が異なる。すなわち, 個体培養 (麹) では分泌型, 液体培養では細胞壁型酵素として生産される。著者は酵素の安定性と局在性に関する成分が菌体外可溶性多糖 (ESP) であることを明らかにした。ESPの本体は細胞壁多糖画分の一部であると示唆されているが, 現在のところ未知な部分も多い。ESPの研究が進展し, 将来, 各種酵素の安定化などへ広く応用されることが期待される。

1 0 0 0 OA 新精米読本 (1)

著者
諏訪 為治
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.79, no.11, pp.781-784, 1984-11-15 (Released:2011-11-04)

清酒製造のコストダウンには精米の巧拙が大きく影響する。自動化大型精米機の開発や共同精米の普及など白米の入手は容易になって来たが, その基礎となる技術について再認識する必要があろう。優れた技術を持つ著者の論文はその良い案内人である。
著者
富田 実 山本 澄人
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.92, no.12, pp.853-859, 1997-12-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
16
被引用文献数
4 6

前報に引き続き, 耐塩性酵母について解説していただいた。従来, 味噌・醤油醸造に有用な酵母と皮膜を形成する, 所謂白カビの有害酵母が同一酵母名に分類されている。醤油もろみから分離した産膜酵母の皮膜形成時に特有な生理的性質を検討し, 条件により皮膜生成と沈殿状生育の非皮膜形成に変わることを見い出している。また, 後半ではミソナオシと呼ばれる植物から白カビ発生抑止物質を分離同定し, グリセロ糖脂質であることを明かにした。
著者
赤尾 勝一郎 横山 正 米山 忠克
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.89, no.5, pp.341-348, 1994-05-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
40

微生物と植物は互いに言葉 (シグナル) の交換によって対話 (コミニュケーション) しているらしいということが以前から予想されていた。最近, 窒素固定微生物 (根粒菌) とマメ科植物との共生関係の成立過程で行われている対話の内容が解明されつつあり, この対話を通じてイネ, ムギなどの非マメ科植物にも窒素固定能を賦与させることの可能性について議論されるようになったので, これらについて解説していただいた。

1 0 0 0 OA 甘酒の研究

著者
出田 正一 森 孝三 出管 健司
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.69-65, 1943-05-15 (Released:2011-12-12)

1.市販の壜詰並に店先賣甘酒を試驗した。單に米, 米麹丈を原料とせず, 蔗糖や水飴を混入したもの, 食鹽添加量過多のもの等のある事を認めた。2.甘酒製造に於て納豆菌等の侵害を受ける條件を探索した。其の結果はなるべく蒸米, 飯米を混入せず, 麹丈で製造する事。糖化時間も55°8時間越えぬ方が安全である事を知つた。3.内地米使用のものは外米に比し常にボーメ及び糖分の出が良い。4.外米は二度蒸し (蒸米麹共) して使用するが良い。5.普通品 (固煉に非ず) の汲水は15~20水程度が便利である。6.汲水に食鹽や鹽化石灰を添加しても特に製品の濃度を増し甘味が加はるとは考へられないが, 味は單調な甘味から旨味に移る事を認め得られた。但し食鹽添加量は15水の仕込で汲水に對し0.1~02%の間に止めて置きたく之以上は下品且不調和の鹹味を加へる。鹽化石灰の添加は石灰分附與の目的には叶ふが, 多少藥品臭味を與へる嫌がある。
著者
福田 央 韓 錦順
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.110, no.10, pp.715-727, 2015

テキーラの低沸点香気成分及び中高沸点香気成分85成分を分析・比較しブランコとレポサドでは11成分(イソ吉草酸エチル,イソ酪酸エチル,バニリン,コハク酸ジエチル,ウイスキーラクトン,酢酸エチル,安息香酸エチル,カプリル酸エチル,4-ビニルグアイヤコール,2-メチル酪酸エチル及びDMS)に有意差が認められた。ブランコ及びレポサドを10成分(ウイスキーラクトン,カプロン酸イソブチル,カプリン酸プロピル,シトロネロール,イソ吉草酸エチル,バニリン,ウンデカン酸エチル,オレイン酸エチル,イソ酪酸エチル及びコハク酸ジエチル)により判別分析を検討したところ,42点の内40点が正しく判別され,判別精度は95%であった。レポサドとアネホでは9成分(フェニルアセトアルデヒド,2-ペンチルフラン,フルフラール,安息香酸エチル,ノナナール,クロトン酸エチル,バニリン,ジアセチル及びウイスキーラクトン)に有意差が認められた。レポサドとアネホを8成分(カプリン酸イソブチル,フェニルアセトアルデヒド,2-ペンチルフラン,セドロール,アセトアルデヒド,フルフラール,2-エチル-5(6)-メチルピラジン及びβ-フェネチルアルコール)により判別分析したところ36点の内32点が正しく判別され,判別精度は89%であった。ブランコとアネホでは17成分(ウイスキーラクトン,安息香酸エチル,カプリル酸エチル,及びフェニルアセトアルデヒドの他13成分)に有意差が認められた。また,4成分(ウイスキーラクトン,安息香酸エチル,カプリル酸エチル,及びフェニルアセトアルデヒド)による判別分析では42点の内40点が正しく判別され,精度は88%であった。ラム酒とテキーラでは38成分(α-テルピネオール,5-メチル-2-フルアルデヒド,ドデカノール,カプリン酸イソアミル,安息香酸エチル及びその他29成分)に有意差が認められ,5成分(α-テルピネオール,5-メチル-2-フルアルデヒド,ドデカノール,安息香酸エチル及びカプリン酸イソアミル)による判別分析では114点中111点が適切に判別され,精度は97%であった。なお,テキーラの揮発性成分の特徴であるリナロール及びα-テルピネオールは,原料処理後の発酵工程で生成すると推定された。
著者
大内 弘造 佐藤 和幸 宮島 紀芳 荒木 敏明 秋山 裕一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.76, no.12, pp.843-847, 1981

<I>i</I>BuOH及びiAmOHの高生産株を得る目的で, 清酒酵母協会701号に紫外線照射を行って突然変異を誘発し, NV及びNL含有培地で集殖することによって, NV, NL耐性株を分離した。<BR>代表的耐性株NLV90-6は親-株と同じ発酵力を持ち, NV, NL各20mM含有培地でも非含有培地における親株の増殖速度と同じ増殖能を示した。<BR>親株の<I>i</I>BuOH及び<I>i</I>AmOH生合成能はNV, NLの添加によって減少したが, 耐性株には減少しないものがあった。ただし, それらも<I>i</I>BuOH, <I>i</I>ArnOHの高生産株ではなかった。<BR>清酒もろみの発酵では親株より<I>i</I>BuOHは幾分多く, また<I>i</I>AmOHは幾分少なく生成し, A/B比には明らかな差が生じた。<BR>製成酒の官能評価では親株と同等であったが, 親株にくらべてアミノ酸度が多いことが特徴であった。<BR>清酒もろみ, 麦芽汁及びブドウ果汁の発酵中のアミノ酸消長からみて, アルギニン等の例外を除きアミノ酸の取り込みが親株よりも遅いことが推察された。<BR>NV及びNLの消費量を調べた結果, 親株の半分以下であった。また, <SUP>14</SUP>C-ラベルを使用し, バリン, ロイシン及びリジンの取り込み速度を調べた結果, 親株の1/2以下であった。<BR>以上の結果, 得られた耐性株は窒素源の膜透過性異常変異株と結論された。<BR>最後に麦芽の提供と麦芽汁の調製に御協力いただいたニッカウヰスキー株式会社辻謙二氏に感謝する。
著者
吉沢 淑 百瀬 洋夫 蓮尾 徹夫
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.76, no.8, pp.557-560, 1981-08-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

昭和54年産および55年産米8品種16点の澱粉のアミロース含量は15.1~22.4%であった。品種別にみるとマツマエのアミロース含量が最も高く, ホウネンワセ, トドロキワセのアミロース含量が低かった。たかね錦, 山田錦など醸造用品種のアミロース含量は, マツマエを除く一般米より高い傾向がみられた。これ等の澱粉の消化性は, 酵素作用初期にはアミロース含量の低い澱粉で高くなる傾向がみられた。
著者
丸山 勝也
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 = Journal of the Brewing Society of Japan (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.105, no.7, pp.432-439, 2010-07-15
参考文献数
6

節度ある飲酒として純エタノールに換算した場合,1日あたり20g程度が適量とされている。これはどのような医学的根拠から導かれるのか,飲酒家にとっては興味を惹かれる問題である。本稿ではアルコール関連障害の診断,治療を行ってこられた専門医にお願いし,アルコールの作用,アルコール代謝と個人差ならびに関連疾患について医学的側面から簡潔に説明して頂いた。更に,その知見から導かれる病気にならない飲み方についても解説して頂いた。特にアルコール依存症の早期発見や予防のために,自己診断によるスクリーニングテストは有用である。