出版者
国立極地研究所
雑誌
極地研ニュース = NIPR news (ISSN:09110410)
巻号頁・発行日
no.17, pp.1-8, 1977-02

1 0 0 0 OA 極地研NEWS 181

出版者
国立極地研究所
雑誌
極地研NEWS (ISSN:13476483)
巻号頁・発行日
no.181, pp.1-16, 2007-03
著者
渋谷 和雄 金尾 政紀
出版者
国立極地研究所
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

1.1992年1月に行われた昭和基地を含む南極SCAR・GPSキャンペーンの解析を行うため、GAMITプログラム入力データファイル作成及び編集を行った。平成6年度用いたCVIEWに替わって平成7年度ではAUTCLN操作が出来るようになったので能率が上がった。SIO暦、GFZ暦を用いた比較解析を行った。2.平成6年度は3日間データの解析しかできなかったが、平成7年度では17地点、10日間データを用いた解析ができた。SIO暦によると、昭和基地GPS基準点(No.23-16金属標)のITRF92地心座標値はX=1766182.964m,Y=1460336.492m,Z=-5932285.883mであった。同じデータセットについてGFZ暦を用いるとX=1766182.947m,Y=1460336.521m,Z=-5932286.005mであった。標準誤差はいづれも4-5cmであった。Z成分の差が大きい(12cm)が系統的な差かどうかは今後の課題である。3.GPS基線解析により2-3cmの収束精度を保証するためにはsite information table, session information tableの確証が必要である。日々の解は4-5cm確度で安定はしているが各基地のアンテナオフセットが、どの点でも1cm精度で安定しているかどうかは心許ない。測量用の三脚ではなく恒久的なピラ-での観測が重要である。4.昭和基地においては1993年2月からDORISビ-コンが運用されている。No.23-16金属標のDORIS解による地心座標値はX=1766182.526m,Y=1460336.784m,Z=-5932285.380mであった。比較解析結果の一部を測地学会誌に発表した。5.1998年より定期的なVLBI観測を開始する計画が具体化した(APT95 International Workshopにて発表)。GPSとVLBIの同時比較観測により地球動力学基礎データが得られるであろう。
著者
神沼 克伊
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.20-28, 1976-07

日本,アメリカ,ニュージーランド3国共同事業として,ドライバレー掘削プロジェクト(DVDP)が1971-1976年の夏のシーズン,アメリカのマクマード基地を中心に行われた.このプロジェクトの一環として, 1974-75, 75-76年のシーズンに微小地震の観測を行った.観測は,マクマード基地北東城のアライバル・ハイツで3週間,オブザベーション・ヒル北方麓で1ヵ月,ドライバレーのティラー谷で10日,バンダ基地で3週間,実施した.マクマード基地は火山島であるロス島の南西端に位置し,活火山エレブスの火口から30km離れている.マクマード基地付近での観測からは,1日に1個程度の頻度で微小地震が発生していることが明らかになった.また大陸にあるドライバレーでの観測では,2日に1個程度の発生頻度であった.この二つの事実からマクマードサウンド周辺の地震活動は,2日に1個程度の割合で微小地震が発生し,火山地域ではそれに重なりさらに同程度の割合で微小地震が起こるものと推定される.
著者
神沼 克伊 高橋 正義
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.75-83, 1975-12

1973年9月,第14次越冬隊により,上下動1成分の地震計を用いた地震観測がみずほ観測拠点で行われた.観測条件の悪い南極の内陸基地での地震観測の試みは南極点基地以外には例が無いと思われる.基地内の人工的雑音などのため十分な観測ができなかったが合計210時間の間の記録をとることに成功し多くの氷震を観測した.その結果,この地域では気温が-35℃以下で,その変化の割合が1時間に-2.5℃以下,または-1℃/hourが数時間続く時には例外なく氷震が発生している.
著者
渡辺 研太郎 中嶋 泰 内藤 靖彦
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
no.75, pp.p75-92, 1982-03
被引用文献数
1

1981年1月15日から31日にかけて, 昭和基地付近の3点(底質は砂地と岩場)において, 第21次南極地域観測越冬隊および第22次夏隊に参加した3名が, SCUBA(自給気潜水器)を用いた生物調査を行った。潜水回数は15回, 延べ33回・人。各回の潜水時間は約45分, 最大55分で, 最大潜水深度は18mであった。使用したドライスーツをはじめとする潜水機材は, 南極の夏季の潜水作業には十分な性能を備えていることが判明した。調査の結果, これまでトラップでは採集できなかったナンキョクツキヒガイなどのろ過食性生物を含め, 約200点の底生生物を採集した。このほか35mmカラーフィルムで約250こま, 8mmカラーフィルムで約400フィートの水中写真に生物の生態を記録し, 所期の目的を達成した。
著者
倉沢 一
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
no.58, pp.p204-234, 1977-03

南極の火山の分布は,後期新生代に関して,いわゆる造山帯の傾向あるいは歴史と同様な特徴をもっている.南極のマリー.バードランドとビクトリアランド地域はアルカリ岩系の岩石区の特徴をもって,さまざまな変化をみせている.南極半島地域の南シェトランド諸島は玄武岩〜安山岩の組み合わせで,Na成分に富むとはいうものの,それらの性質からは,アルミナに富む高アルカリソレアイト系列に属すると考えられる.ストロンチウム同位体組成などから,ロス島火山岩類は,大陸に隣接していながら,ホット・スポットという意味をもって,海洋島のそれらによくにた性質をもっているという結論がえられた.同位体地質学的あるいは化学的性質から,南極地域の火山および火山岩類を検討した.
著者
江崎 雄治 栗田 邦明 松島 功 木津 暢彦 中嶋 哲二 金戸 進
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.125-204, 2000-07
被引用文献数
1

この報告は第38次南極地域観測隊気象部門が, 1997年2月1日から1998年1月31日まで昭和基地において, および, 1997年1月25日から1998年1月20日までドームふじ観測拠点において行った気象観測結果をまとめたものである。観測方法, 測器, 統計方法等は第37次観測隊とほぼ同様である。越冬期間中特記される気象現象として, 次のものがあげられる。1) 昭和基地での年平均気温はほぼ平年並みであった。9月の月平均気温は-23.6℃であり歴代1位の低さであった。2) 昭和基地において, 9年連続で大規模なオゾンホールを観測し, オゾン全量の最低月平均値は10月の164m atm-cmであった。これは観測開始以来2番目に低い記録であった。3) 昭和基地において, 1年を通して地上オゾン濃度観測を行った。8月28日から29日にかけて地上オゾン濃度急減現象を観測した。4) 昭和基地において, エアロゾルゾンデにより成層圏エアロゾルの観測を行った。年間を通して6台のエアロゾルゾンデを飛揚した。5) ドームふじ観測拠点における1997年の年平均気温は-54.4℃, 最低気温は7月8日に観測した-79.7℃であった。
著者
植竹 淳 東 久美子 本山 秀明
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.57-67, 2012-03

氷床アイスコア中には,鉱物粒子と共に輸送されてきた微生物が含まれる事が知られている.これら微生物の細胞数の計測には,蛍光顕微鏡による直接観察法が用いられるが,細胞数が少ないアイスコア試料では蛍光染色試薬の退色により数を過小評価しやすい一方で,含まれる鉱物などの非特異的な蛍光により過大評価しやすいため,定量的に細胞数を測定する事が困難である.本研究では5種の退色防止試薬から退色が最も少ないもの,19種の蛍光染色試薬から非特異的蛍光との選別が容易な試薬をそれぞれ選出し,細胞壁構造の異なる6種の微生物株を用いて染色選択性を確認し,鉱物の混入による染色への影響を調べた.その結果,退色防止試薬にはEverBrite Mounting Medium(Biotium製),蛍光染色試薬にはYOYO-1(Molecular Probes)が最も適していることがわかり,鉱物が混入する場合は濃度をやや高めに調整することで定量性が高くなる事が示された.
著者
村越 真 菊池 雅行
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 = Antarctic Record (ISSN:2432079X)
巻号頁・発行日
no.61, pp.81-107, 2017-11

第58次日本南極地域観測隊員に,冬期総合訓練前後と出発直前の計3回,南極リスクに関する質問紙調査を実施した.その結果,①リスクに対する態度では「南極リスクの脅威」,「南極リスクへの効力感」の2因子が得られ,②両因子の得点とも経験者が高かった.③リスク対応の自己評価では,「作業工具による打撲等」「一酸化酸素中毒」が全時点で経験差がなかったが,他の南極特有のリスクの多くで経験差が見られたほか,④未経験者の「クレバス転落」「タイドクラック転落」への対応の自己評価で調査時期による向上が見られた.⑤発生可能性が場所に依存するクレバス,タイドクラック,ウィンドスクープ転落について,未経験者は経験者より発生を過剰に評価していた.結果より,訓練や全員打ち合わせ等による情報提供は,未経験者のリスク対応の自己評価を高めるが,場所に依存するリスクを十分に理解できていない点に課題があることが指摘された.A questionnaire was completed by members of the 58th Japan Antarctic Research Expedition before and after winter training, and shortly before departure. The questionnaire yielded the following results: 1) the factors "threat of risks in Antarctica" and "self-confidence regarding risks in Antarctica" were yielded from attitude items. 2) Members with JARE experience yielded higher scores for both factors. 3) There was no difference in the self-evaluation of measures to prevent "injury by work tool" and "carbon monoxide poisoning" between experience groups for all survey periods, but significant differences were observed among other risks in Antarctica. 4) Self-evaluation of members without JARE experience regarding "fall into tidal crack" or "fall into crevasse" improved over time. 5) Members without JARE experience evaluated the risk of "fall into crevasse", "fall into tidal crack", and "fall into wind scoop" to be higher than did members with JARE experience. It is concluded that information given at the training sessions improved the self-evaluation of members without JARE experience, although they may not comprehend that the occurrence of risks is dependent on site characteristics.
著者
渡辺 佑基
出版者
国立極地研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

マグロ類と一部のサメ(ホホジロザメ等)は、筋肉の収縮によって生じた熱を体内にため込むことにより、体温をまわりの水温よりも高く保つことが知られている。しかし、高い体温を保つことにどのような生態的意義があるのかは、ほとんどわかっていなかった。本研究では、様々な種のサメに記録計を取り付け、自然のままの行動を記録した。体温を高く保つ種は、そうでない種に比べて、遊泳スピードが速く、また一年間の回遊の範囲が広いことが明らかになった。
出版者
国立極地研究所
雑誌
極地研ニュース = NIPR news (ISSN:09110410)
巻号頁・発行日
no.91, pp.1-8, 1989-06
出版者
国立極地研究所
雑誌
極地研ニュース = NIPR news (ISSN:09110410)
巻号頁・発行日
no.62, pp.1-8, 1984-08
出版者
国立極地研究所
雑誌
極地研ニュース = NIPR news (ISSN:09110410)
巻号頁・発行日
no.59, pp.1-8, 1984-02
著者
OOTAKI Osamu Fujiwara Satoshi
出版者
国立極地研究所
雑誌
Polar geoscience (ISSN:13443194)
巻号頁・発行日
no.11, pp.9-13, 1998-10
被引用文献数
1

Continuous observations using GPS were carried out on an ice sheet in East Antarctica, near Syowa Station for about 4 days to detect detailed movement of the ice sheet. It is possible to detect the short-time change of the location precisely by analyzing the differential GPS with data simultaneously acquired at a reference GPS continuous observation point, using precise ephemeris. We detected constant movement of the ice sheet toward the WNW of about 13 mm per day. The drift rate of the ice sheet movement coincides with the result of repeated differential GPS measurement over two years, so it is proved that the movement of the ice sheet is rather constant. This kind of GPS observation gives ground truth for geoscience.
著者
青柳 昌宏 上田 一生
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.p88-95, 1989-03

第1回国際ペンギン会議が, 1988年8月, ニュージーランド, オタゴ大学で開催された。123名が参加し, 口頭発表, 展示発表合わせて53の論文が提出された。アデリーペンギン属, エンペラーペンギン属の5種のペンギンの発表論文が, そのうち22を占め, これらのペンギンが主たる研究対象となっていることを示していた。海中におけるペンギンの行動研究の手段として, 深度計, 電波による追跡装置が関心の的であった。これらの装置を用いて, 採餌, エネルギーの移動の研究が進められている。ロス海における, アデリーペンギンの長期個体数変動調査の結果が, 南極海洋生態系を知る手掛かりとなるものとして評価された。ニュージーランドに生息するキガシラペンギンの個体数減少が報告された。
出版者
国立極地研究所
雑誌
極地研ニュース = NIPR news (ISSN:09110410)
巻号頁・発行日
no.1, pp.1-8, 1974-08
著者
本多 一郎
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
no.73, pp.p178-188, 1981-09

1979年4月, 日本政府は, 「ふじ」の輸送能力の限界と老朽化を考慮して, 南極地域観測支援のため, 新しい後継艦を建造することを決定した。新砕氷艦は, 「ふじ」に比べると大きさで約2倍, 軸馬力で約3倍であり, 砕氷能力は, おおよそアークティッククラス4と見積もられる。本艦は観測隊員等60名, 貨物1000トンを昭和基地に輸送する能力をもっており, CH-53級輸送用ヘリコプター2機とOH-6級偵察用ヘリコプター1機を搭載する予定である。推進装置としては, ディーゼルエレクトリックAC-R-DC, 3軸推進方式が採用されている。宙空, 海洋, 生物, データ処理等5つの観測室が設けられ, 種々の洋上観測作業をすることができる。本艦の初の南極行動は, 1983年末に予定されている。In April 1979,the Japanese Government decided to build a new icebreaker to take over the function of the icebreaker FUJI, because the latter's capability in the Antarctic activities was reduced due to aging. The new ship also engages in such operations as the transportation of the personnel and cargo and on the onboard observations. The ship's capabilities are improved. The standard displacement is 11,000 ton, which is twice that of the FUJI, and the propulsion capacity is 30,000 SHP, which is about three times that of the FUJI. The diesel-electric AC-R-DC is used for the propulsion. Six sets of generators and motors drive three propellers through three shafts. The capability of breaking the sea ice may be estimated as Arctic class 4. Accommodations for 60 scientists and 170 crew and holds for cargo of 1000 tons are prepared. Laboratories for the onboard research of the space science, oceanography, biology, geosciences and gravimetry and a data processing room are provided. The first cruise of the new ship is planned in the 1983-84 season. Two CH-53 class cargo helicopters and one OH-6 class reconnaissance helicopter will be equipped.
著者
石沢 賢二 粉川 牧 半貫 敏夫
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.115-127, 1993-07

アイスドームの製作技術と時間によるその変形を研究するために, アイスドームの建設が試みられた。直径10mの膜を送風機で膨らませ, 水と雪をこの上にかけた。約13tの水を使って厚さ7cm, 高さ3mのものができあがった。天井はクリープにより, 徐々に変形が進み, 中央部は99日間で55mm沈下した。また, 夏にはアイスドームの厚さが昇華により急速に薄くなったため, ロータリ除雪車で時々雪掛けを行った。このアイスドームは倉庫あるいは作業場として有効に使用できた。もうひとつのアイスドームは, このために持ち込んだ造水装置を使用して実施したが, 強風と低温で大変な作業だった。また, 水を使わない雪だけのスノードームの製作も試みたが, 固まらなかった。