著者
新宮 学
出版者
山形大学
雑誌
山形大学歴史・地理・人類学論集 (ISSN:13455435)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.111-138, 2006-03-20

キーワード:出版, 禁書, 野史, 皇明通紀, 陳建, 科挙
著者
滝沢 元和
出版者
山形大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

銀河団衝突に伴う高エネルギー現象について、数値シミュレーションとX線観測の両面から迫った。N体+(電磁)流体シミュレーションを用いて衝突銀河団での特徴的な磁場構造や質量評価の不定性を明らかにした。すざく衛星を用いたX線観測で非熱的硬X線放射の上限値を求め、磁場強度の下限値を制限した。さらに重力レンズの同時データ解析で、系の力学状態に迫った。
著者
丸山 俊明 森谷 菜穂子 高橋 加津美
出版者
山形大学
雑誌
山形大学高等教育研究年報 : 山形大学高等教育研究企画センター紀要
巻号頁・発行日
vol.3, pp.20-33, 2009-03-31

はじめに 本学の附属博物館では,学芸員という国家資格を取得するための必修科目の一つである博物館実習を担当している。この実習は,博物館の教育運営に造詣が深い10人程の教員グループが講師を務めて,小白川3学部に共通する集中実施形式の授業として夏休みに開講している2単位の授業科目である。したがって,教育成果や学生からの授業評価は担当教員全員で共有すべきものであるが,小論では著者ら博物館事務執行部の視点で授業の概要をご説明し,実践事例の一つとして近況や課題をご報告する。ただし,すべての責は筆頭著者一人に限られ,他の授業担当教員や事務員の方にはまったく累を及ぼさないことをご承知置き願いたい。
著者
小林 淳子 森鍵 祐子 大竹 まり子 鈴木 育子 叶谷 由佳 細谷 たき子 赤間 明子
出版者
山形大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

出産後の母親の喫煙予防に資する基礎資料を得るために,母子手帳交付に来所した妊婦をコホートとして母子手帳受領時,妊娠末期,出産後の3回縦断的に調査した。その結果母子手帳受領時,出産後ともに喫煙には出産経験有,身近な喫煙者有が関連し,母子手帳受領時にはさらに若年齢が関連した。妊娠を契機に禁煙した妊婦は79.2%,その内出産後の再喫煙率は15.8%であった。妊娠が判明しても喫煙を継続した妊婦5名中4名(80.0%)が出産後は禁煙した。また,妊娠初期の禁煙支援として「意識の高揚」,「自己の再評価」を活用する妥当性が示唆された。
著者
泉 亮太郎 Koyama Hitoshi
出版者
山形大学
雑誌
山形大学紀要. 工学 (ISSN:0085834X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.277-282, 1960-03-30

第7報として今回は無限長の水平円柱の内外面に熱量が与えられた場合の伝熱について論じ,温度分布の式を求め例題として円柱表面の温度並びに円柱内部の温度をそれぞれ図表にしめした。 この問題は,「水平円柱に熱量が与えられた場合の伝熱について」と題して昭和34年8月30日,応用力学連合講演会において発表したものである。
著者
南谷 靖史 東山 禎夫
出版者
山形大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

ナノ秒の超短パルス高電界(数100kV/cm)を印加するとがん細胞が自発的死 (アポトーシス)を起こし, 体への負担が少なく治療できることがアメリカでの最近の研究で報告され, 実際にマウスを使った実験でがん細胞がなくなることが示されている。この効果による新しいがん治療法は, 薬のような副作用がなく, 粒子線, 放射線より安全簡便安価な方法であり実現が望まれる。治療実験では電界を患部に印加するのに針を突き刺しているが, 患部が深い場合, 複雑な部位にある場合針を刺すのが難しい。この問題の解決方法として治療を非外科的に行えるよう複数の指向性アンテナから電磁波を患部にスポット集中し, 高電界を印加する方法について研究した。パルスの持つ周波数成分を高周波化するため水コンデンサを用いた回路に水ギャップスイッチを用いたパルス発生回路を製作し, 250MHzの周波数成分を持つパルスを発生できた。1波長ループアンテナにより電界強度を測定した結果, 最大電界強度112kV/mの電磁波を放射することができた。さらに釣鐘形2焦点集束板を製作し電磁波を集した結果, 微小ループアンテナを用いて放射電界強度分布測定を行ったところ最大電界強度は11.3kV/cm,約5mm×5mm×3mmの範囲で10.8kV/cm以上の電界強度まで集束されていた。この電界強度は電極を用いて直接がん細胞に高電界を印加したときには治療効果が期待される電界強度である。さらにパルス電磁波による生成電界を大きくするためアンテナへの印加パルス電圧の高電圧化の検討を行い, 水コンデンサへの充電パルスの圧縮回路を追加することで高速充電が可能となり50kVまで充電できるようになった。これにより250MHzの周波数成分を維持しつつ集束点での電界強度を15.3kV/cmまで35%上げることに成功した。今後100kV/cmの電界強度を目指すとともに細胞への影響を調査する。
著者
大沼 亮 原 慶明
出版者
山形大学
雑誌
山形大学理学部裏磐梯湖沼実験所報
巻号頁・発行日
vol.17, pp.11-14, 2010-03

はじめに オオイシソウ属藻類は汽水域から淡水域に生育する紅色植物で、日本では7月から11月頃に池沼や河川で繁茂する。体は糸状で皮層細胞と中軸細胞に分化し、1から3回ないしはそれ以上に分枝する。体色は概ね暗青緑色で、体長は50cmを越えることもある。有性生殖は不詳で、単胞子による無性生殖で繁殖する。池の石や用水路のコンクリート壁表面にも付着するが、沈水植物の葉・茎あるいはヨシなどの主茎表面に付着することが多い。日本にはオオイシソウ属及び近縁の藻類として以下の5種が知られている ; Compsopogon oishii(オオイシソウ)の他に、C. aeruginosus(イパラオオイシソウ)、C. corticrassa(アツカワオオイシソウ)、C. hookeri(インドオオイシソウ)、Composopogonopsis japonica(オオイシソウモドキ)である。これらは分枝様式と皮層の形成様式、層数、皮層細胞の形などの形態形質で識別できる。オオイシソウは付着部に近い主軸では2から3回分枝する。皮層は2から3層よりなり、糸状体が肥大した根本付近の主軸では中軸細胞が死んで中空となる、特徴がある。主な分布域は関東以西とされているが、福島県(長谷井氏、私信)での生育も確認されている。今回オオイシソウの生育が確認できた白竜湖は山形県南陽市にあり、本種の新たな北限生育地となる。また、繁茂する時期は夏期から秋期とされていたが(前述の長谷井氏によれば越冬することもあるという)、今回の採集・生育確認は冬期であり、産地における生育時期の再調査が必要である。なお、オオイシソウの和名は明治33年武州矢口村(東京都狛江市)の清水川(公園内の水路として僅かに痕跡が残っている)で本種を発見した大石芳三氏に由来する。記載者の岡村金太郎博士は、隅田川や月島での生育も確認している。
著者
中村 隆
出版者
山形大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

A:「クルックシャンクにおけるホガース模倣」ポールソンの先行研究に異説を唱え、クルックシャンクはホガースに始まる英国の諷刺喜劇の図像的伝統に終焉をもたらした挿絵画家ではなく、ホガース的なエンブレム図像の正統な継承者の1人であるということを論証した。B:「クルックシャンクの連作版画『酒瓶』(The Bottle,1847)の社会文化史的解明」禁酒主義の思想を体現する『酒瓶』で用いられたのは「蝋刻電鋳版画」(glyphography)という版画媒体だった。精密さという点で銅版画よりも劣るこの方式をクルックシャンクが敢えて採用した理由は、安価な版画を直接労働者階級に届けるためである。労働者階級における飲酒の悪弊を根絶しようとした絶対禁酒主義者(teetotalist)としてのクルックシャンクの目論見がこの版画媒体を選択させたのである。
著者
粟野 宏
出版者
山形大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2003

東アジアは,木版印刷術のみならず,活版印刷術においても先駆的で輝かしい業績を誇っている.グーテンベルク革命にさきだつこと4世紀,西暦1040年ごろ,中国の畢昇は陶磁製の活字(膠泥活字)をつくり,人類史上初の活版印刷をはじめた.1314年,中国の王〓は,木活字をつくり印刷をした.朝鮮では早くも1234年に銅活版印刷がはじめられた記録があり,以後東アジアとしては例外的に活版印刷術がさかんにおこなわれた.活版印刷術は,16世紀末,2つのルートによって日本にもつたえられた.1つは,豊臣秀吉による朝鮮侵略のさいに,朝鮮から銅活字がもたらされ,徳川家康が17世紀はじめにかけて銅活字や木活字の利用に道をひらいた.もう1つは,16世紀後半に西欧の印刷術がイベリア半島からもたらされた.それは「きりしたん版」とよばれる.このように,西欧の活版印刷術にくらべて,東アジアに活版印刷術が登場したのは時期的に早かったが,東アジア中に普及したとはいえない.グーテンベルクの技術体系が,またたくまに西欧世界にひろまってそれを変革してしまったこととは,あまりに対照的である.そのおもな要因として,しばしば表意・象形文字としての漢字に代表される複雑な文字体系が指摘される.しかしここでは,それにとどまらない技術に内在する要因について考察した.東西の活版印刷術を比較したときに,もっとも大きなちがいは母型による活字の複製である.グーテンベルクの技術体系では,母型から低融点金属の鋳造により活字が大量生産されるのに対し,東アジアの活版印刷術ではそうではなかった.木活字では,一つずつ手で彫刻されるので,複製としてはきわめて低水準といわざるを得なかった.銅活字にあっても,融点が高いことに加えて,母型には砂型が用いられたので,作業性も鋳造精度も著しく劣る.こうした活字の複製のための母型の事実上の不在が,技術に内在する要因とみることができる.
著者
小熊 正久
出版者
山形大学
雑誌
山形大學紀要. 人文科學 (ISSN:05134641)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.65-82, 2006-02-15

Die Aufgabe dieses Aufsatzes besteht darin, den Zusammenhang des Sinnbegriffs in der Phanomenologie Husserls mit dem in der Theorie der Sozialen Systemen Luhmanns deutlich zu machen und zu analysieren. Husserls Phanomenologie hat die Horizont-Struktur und Moglichkeitselement in den Sinnphanomenen gefunden. Luhmann akzeptierte diesen Befund in seiner Systemtheorie und bestimmte die Funktion des Sinnds nach seinem Gedanke von der System/Umwelt-Differenz. Nach Luhmann ist Sinn "eine allgemeine Form der selbstreferentiellen Einstellung auf Komplexitat" In Zusammenhang mit diesem Sinnbegriff hat Luhmann den Begriff von Kommunikation und den von Information behandelt. In diesem Aufsatz habe ich auch didse Sachen unter dem Gesichtpunkt vom Sinn betrachtet.
著者
渡辺 修身
出版者
山形大学
雑誌
山形大学紀要 教育科学 (ISSN:05134668)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.67-78, 2002-02

近年,我が国におけるオペラブームに伴って,各地で市民オペラの活動が盛んになってきている。また教育の現場においてもオペラやオペレッタ,ミュージカル等(創作物も含める),舞台公演を行う機会が増えている。「総合舞台芸術」とも呼ばれるオペラを公演するには,多大な労力と時間が費やされる。本研究では,オペラ公演にいたるまでの音楽スタッフ,特に「コルペティトア(練習ピアニスト)」そして彼らの使用する楽譜「ヴォーカルスコア」に焦点をあて,いかに効率よく練習を進めていくかを考察する。 In recent years, musical performances have become more popular in Japan. In particular, the number of opera, operetta and musicals staged by professional groups and by amateurs at the collegiate level has increased. This is most encouraging since it indicates renewed opportunities for such an event to take place. Opera is a comprehensive stage art. It is time consuming and labor intensive to produce. In this report, efficient and effective ways by which the rehearsals for such a production can be carried out is analyzed. The roles of Korrepetitor, the practice pianist and the ways in which he utilizes musical notes and vocal scores is discussed in depth.
著者
安濃 恒友 高梨 良一 斎藤 周一
出版者
山形大学
雑誌
山形大学紀要. 工学 (ISSN:0085834X)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.327-336, 1966-01-14

This is a report on the Linear-Servomotor, a new control system component, which has been developed in order to obtain the higher speed characteristic for servomechanisms and which has been made to move rectilineally without any mechanism like gear trains. In this study, the Linear-Servomotor is applied to the operating unit of self-balancing instrument, and it is clarified through the experiments that its speed of response is about 0.87[m/sec] and is superior to any recoder of the same type on the market in this country. Furthermore, it is discussed from various points of view that the speed of response may be able to speed up to 10[m/sec].