著者
伊藤 豊
出版者
山形大学
雑誌
山形大学紀要. 人文科学 = Bulletin of Yamagata University. Humanities
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.21-37, 2010-02-15

The American Board of Commissioners for Foreign Missions (ABCFM) was one of the largest Protestant missionary organizations active in Meiji Japan. The Japan Mission of the ABCFM gained a considerable following in the Kansai area, thus succeeding in establishing its sphere of influence there. The Japan Mission’s stronghold was the Doshisha School of Theology in Kyoto. The ABCFM missionaries in Kyoto also worked as teachers at other Doshisha schools. Doshisha eventually developed into one of the most prestigious private universities in Japan. Because of this particular background and setting, the present-day Doshisha University has become a major depository of historical papers relating to the Japan Mission. When I attended a research meeting at Doshisha several years ago, I was introduced to bundles of old, unsorted letters and documents that had long been left untouched in a storage cabinet. After only a glance I realized that in all probability they should be regarded as a constituent part of the Doshisha-owned Japan Mission papers. Nevertheless, no other scholars had ever bothered to examine their contents and details until I volunteered to do so. After a painfully time-consuming process of sorting and indexing, I have found that these materials numbering over 3,000 are tremendously informative sources on the history of the Japan Mission. Their most remarkable academic merit is that they include a variety of newly discovered manuscripts. Especially important among them are more than 2,000 pieces of correspondence from the ABCFM missionaries in Japan to Dewitt C. Jencks, who acted as the secretary of the Japan Mission from 1877 to 1887. Now that the indexing is nearly complete, I offer in this article an overview of these long neglected documents, and then demonstrate their historical significance.
著者
伊藤 嘉高 佐藤 慎哉 山下 英俊 嘉山 孝正 村上 正泰
出版者
山形大学
雑誌
山形大学紀要. 医学 : 山形医学 (ISSN:0288030X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.15-25, 2013-08-15

【背景】医療提供に真に必要な医師数を推計することは困難である。厚生労働省「医師の需給に関する検討会」の医師需給推計を背景に医学部入学定員抑制が進められた結果、今日、国民のあいだで広く医師不足の事態が認められている。さらに、これまで、地域ごとの将来医療需要に基づく診療科別の必要医師数の推計が試みられたことはない。そこで、本稿では、現在のフリーアクセス等の医療提供体制を前提として、今後も医学部入学定員増加が続き、勤務医の負担軽減が図られた場合の山形県における診療科別将来必要病院勤務医数を推計した。【方法】患者調査と人口推計に基づく診療科別の将来医療需要を算出するとともに、医師・歯科医師・薬剤師調査のデータに基づく医師就業の卒後1年階級別コホートモデルを作成した。そして、県内病院勤務医の過重労働の是正を加味したうえで、両結果に基づき2030年に必要医師数を充足させるために必要な新卒医師数を推計した。【結果】2030年の県内病院勤務医は全体で3,048名(2008年比122.0%)となる。他方で患者数は減少し、将来医療需要に基づき過重労働状況の解消を図ると、全体で4.0%(73人分)の医師数の余裕が生まれることになる。しかし、全ての診療科で余裕が生まれるわけではない。現在見られる新卒医師の診療科選択の傾向が今後も続いた場合、とりわけ外科は23.7%の更なる新卒医師数の上乗せが必要であり、脳神経外科など他の外科系も10%前後の上乗せが必要になる。他方で、新卒医師の半数以上が余剰になるおそれのある診療科も見られる。【論】本推計は、医療提供体制のみならず、医師の就業動態など多くの仮定に基づいており、推計の精度には改善の余地がある。しかし、それでも、現在の医療提供体制が続く限り、外科系等の診療科は今後も相対的な医師不足が続くことが推測される。医学部教育や医療提供体制の見直し、病院勤務医の勤務環境の改善等について適切な対応が求められる。
著者
竹田 隆一 坂井 伸之
出版者
山形大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

初年度は実績概要について、(1)力学モデルと運動法則によって合理的な動作の原理を解明する。(2)理論に基づいた指導法を開発し、主に中学校体育で活用できる指導書を作成する。(3)外国人も理解できる指導書を作成する。の3項目を示した。これを踏まえ、昨年度は、(1)について、新たな知見を積み重ねることができた。具体的には、「多段階ブレーキ効果」と「下肢の支点移動」である。「多段階ブレーキ効果」は、初年度示した「ブレーキ効果」のい理論を更に深化させたもので、竹刀の振り下ろし時に、前方に移動する竹刀に、はじめに左手のブレーキがかかり、次いで右手のブレーキがかかる、つまり二重のブレーキが働くわけである。それによって、竹刀の先端に勢いがつき、速い振りとなるのである。また、「下肢の支点移動」とは、左脚で蹴り、右足で踏み込む(作用反作用効果)局面において、左脚の一点を支点にして、上肢が動くわけだが、そのとき、左脚の支点が移動しながら上肢が前方に移動することである。これによって、より勢いをつけて踏み込み運動が遂行されることがわかった。さらに、(2)については、物理学的理論を深める一方で、指導法の基礎について深めた。初年度は、①エレベーター効果を得るために、送り足を連続しておこなうこと。②上肢と下肢の作用・反作用効果を得るために、ギャロップ運動を利用すること。③打突運動においてブレーキ効果を得るために、実際に物を打つこと。を示したが、昨年度は、それらを検証し、さらに、「多段階ブレーキ効果」を効果的に遂行できることを目的に「跳ね上げ竹刀振り」の練習法を考察した。また、上肢と下肢の協応を効果的に練習できる「跳躍正面打ちからの面打ち」を効果的で有効な練習法と考察した。
著者
藤岡 久美子
出版者
山形大学
雑誌
山形大学紀要. 教育科学 = Bulletin of Yamagata University. Educational Science
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.9-23, 2013-02-15

本稿は、幼児期・児童期の引っ込み思案に関する最近の研究を概観した。まず、研究で用いられているsocial withdrawal, solitude, shyness, inhibitionなどの用語及び具体的な測定方法から引っ込み思案のとらえ方を整理した。次に、乳児・幼児期の縦断的研究を中心に、乳児期の抑制が幼児期の遊び場面での一人行動に至る道筋に関与する、気質や養育スタイルに関する知見をまとめた。また、幼児期から児童期にわたる長期縦断研究を含む児童期の研究から、引っ込み思案が学校での不適応へとつながる軌跡及びそのつながりに関与する要因について検討した。最後に教育への示唆を述べた。
著者
大村 一史
出版者
山形大学
雑誌
山形大学紀要. 教育科学 = Bulletin of Yamagata University. Educational Science
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.67-84, 2010-02-15

要旨 : 従来から認知神経科学研究における様々な疑問に答えるために使用されてきた脳波(electroencephalogram : EEG)を利用した研究が見直され始めている。そのような流れの中で、注意欠陥・多動性障害(attention-deficit/hyper activity disorder : ADHD)を主とした発達障害児のセルフコントロールトレーニングとして、ニューロフィードバック(neurofeedback)または脳波フィードバック(EEG feedback)という手法が注目されている。この技法においては、自身が脳波をモニタリングしながら、脳活動をコントロールすることによって、知的機能や注意行動を改善させることを目的としている。この10年ほどで、批判はあるものの、ニューロフィードバックの利用が劇的に増加してきた。ニューロフィードバックの効果を慎重に検討した研究報告では、ADHDの新しい代替療法としての可能性が支持されている。本論文では、主にADHDを対象としたニューロフィードバックを概観し、教育分野における将来の可能性を展望する。
著者
小嶋 茂稔
出版者
山形大学
雑誌
山形大学紀要. 社会科学 (ISSN:05134684)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.1-21, 2002-07-31

In this essay , I intend to treat of a relation between state and society in early Eastern Han Dynasty , utilizing readjustment of historical materials for "Measuring Field" (A.D.39-40) , especially about its enforcement and appling process. In this first part of the essay , I have carried out following particulars as a preparation of investigations in the second part : presentation of some historical materials concerned with "Measuring Field" , disentanglement of those complexed descriptions referring recent papers written by some Chinese researchers , interpretation of political accidents and social influence following after execution of "Measuring Field".
著者
三上 英司
出版者
山形大学
雑誌
山形大学高等教育研究年報 : 山形大学高等教育研究企画センター紀要
巻号頁・発行日
vol.3, pp.8-12, 2009-03-31

はじめに 高等教育機関における教養教育に対して,入学生をインターフェースとして社会全体から求められている役割は,多様である。そもそも,現代日本においては「教養」という語の意味自体が,社会の多様化に連動して拡散し続けているように思われる。このような状況の中で,教養教育は,習得すべき明確な到達目標を示すことが一層困難になってきている。要請される事柄の全てに対応しようとするとき,その実現は一地方大学の許容能力を遥かに超えてしまう。それゆえに,多くの高等教育機関における教養教育は往々にして,社会的な要請から乖離した画一的なカリキュラムの殻に閉じこもったり,反対に現状へ近視眼的に反応して即戦力的スキルの習得を第一義とする講習会へと変容してしまったりする。さらに,本質的な問題はこれらの教養教育が,非常勤スタッフの手を借りなければ運営できない状態に陥っていることである。この現状は,学問の本来的な在り方を鑑みるとき,危機的と呼んで差し支えない。本来の「Liberal Arts」が培ってきた「普遍性」に対する社会全体の意識低下が,この状況を生み出した主因だといえる。一方,教養教育の場で学ぶこととなる新入生は,学力・モチベーションがともに,必ずしも高いとはいえない。この責を単に初等・中等教育の現場や学生自身の意識の低さに求めることは,問題解決のために何ら貢献しない。なぜならば,少なくとも入学生たちは選抜試験に合格し,本学に入学を許可された者たちであり,これらの学生に対しての教育が困難であることを訴えても,社会的な承認は,けして得られないからである。さて,昨今の学生の特徴で教員にとって最も重要な点は,学生個々の基礎的学力と彼らの求める事柄が,やはり多様化しているということである。現在の入学者選抜方法は,社会的な要請に応える形で実に多様化している。そのことによって学生の資質も,複雑化しているのである。このような現状に対応するために,大学の教養教育の現場では,まず授業を成立させなければならない。そのために学問の本質とは基本的に無関係な多くの授業実践方法に関するスキルが要求されている。FD活動に代表される教育方法改善活動が,平成以降,全国で活発になったという事実は,煎じ詰めれば様々な学生の状態を許容することになった現代日本の高等教育機関の現状の反映だと考える。
著者
北中 千史 根本 建二 佐藤 篤
出版者
山形大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究ではグリオブラストーマ幹細胞を非幹細胞に分化誘導できる薬剤の探索を行った。その結果、糖尿病治療薬であるメトホルミンがFoxO3a活性化によりグリオブラストーマ幹細胞を非幹細胞化することを見出した。また、グリオブラストーマ幹細胞維持にシグナルキナーゼJNKが必須の役割を果たしていることを見出し、JNK阻害薬がグリオブラストーマ幹細胞を非幹細胞化する作用を有することを明らかにした。
著者
尾河 和夫 阿部 幸吉
出版者
山形大学
雑誌
山形大學紀要. 農學 (ISSN:05134676)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.169-180, 1952-01-30

本報告は昭和25年8月、山形県東田川郡常万村に於て、昭和24年度に於ける酪農経営及び豚飼育及び鶏飼育経営の実態を調査しそれをまとめたものである。この調査は昭和25年度科学研究費による。かつ石川農学部長及び山形県知事室調査課の御厚意によることも多く謝意を表する。
著者
後藤 岩三郎
出版者
山形大学
雑誌
山形大學紀要. 農學 (ISSN:05134676)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.55-74, 1950-12-25

前報では主として気泡についての諸観察,研究,被害の発生地域に関する気象上の考察が報告されている。此では浮き上りと苗代の管理方法との関係,気象の影響,及び山形県庄内地方について行はれた調査等を述べるものである。此の研究の大半は,石川農学部長及び山形県知事室調査課の御厚意によって実施出来たものである。研究中懇切な御指導を戴いた佐藤正己教授に深く感謝する。気象学上の諸点については本校羽根田教官に負う所が多い。猶実験は加藤清子,桜田豊両氏の助力によって為された。
著者
渡辺 将尚 西平 直史
出版者
山形大学
雑誌
山形大学紀要. 教育科学 = Bulletin of Yamagata University. Educational Science
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.13(205)-22(214), 2004-02-16

We developed a computer aided instruction (CAI)system that can show how much the students understand. We made out the effect of this system by the experiment with 12 students. At first, they answered 5 questions about the German definite articles that we had prepared on a Web page in advance. They sent their answers via Internet to the server and the teacher obtained them from the server. If they had some questions, they were able to send them with the answers. We confirmed that this system has the following 3 advantages :1. We can grasp in every question, how many students understand the question. 2. We can make the explanation more efficient, because we can also know, which mistakes the students make. The teachers can spare more time to explain the points which the students do not understand. 3. The students can ask questions more easily than before, since they need to make themselves know neither to the teacher nor the other students.
著者
桑村 昭
出版者
山形大学
雑誌
山形大学紀要. 教育科学 = Bulletin of Yamagata University. Educational Science
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.153(325)-186(358), 2008-02-15

Summary : Since their deregulation in 2004, more and more Japanese national universities have been dynamically restructuring their international functions by incorporating their international linkages and student exchange components into international student services and Japanese language education functions in order to provide a more comprehensive service. This paper attempts to show how effectively they have been able to accomplish that and what major issues and challenges Japanese national universities now face. The author especially focuses on whether Japanese national universities have been successful in setting up an international office as a single, independent entity by taking in all key functions in the field of international education effectively and making it visible within the university. The author begins his argument by bringing up several key issues as to how the aforementioned functions are performed in the international program offices of Japanese national universities: office structure, management, personnel issues, and so on. He then uses three questionnaires, including his own targeted at Japanese national universities, to support his arguments and investigate whether or not there are similar issues are prevalent at other Japanese national universities. Examples of how international offices are structured and how their functions are performed at three foreign universities are also introduced and compared to their Japanese counterparts to seek possible models. In the final chapter, the author makes suggestions for better ways to run an international office, what roles faculty and staff could play and how they could collaborate in performing their duties in each functional area within the field of international education. He also proposes structural models that may be suitable for international offices at Japanese national universities.
著者
園田 博文 全 成燁 国実 久美子 百留 康晴 百留 恵美子
出版者
山形大学
雑誌
山形大学紀要. 人文科学 = Bulletin of Yamagata University. Humanities
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.81(38)-94(25), 2008-02-15

This article addresses the misunderstandings and problems that can be caused by the use of similar Chinese characters standing for such things as positional titles, and the names of organizational subdivisions. The countries involved were Japan, Korea China and Taiwan. We attempt to compare these academic terms from the four countries by dividing them into three sub-groups: Terms related with classes and administration; terms related with academic department structure and curriculum; and terms between related with status and position. International academic exchanges make it necessary that the discrepancies in terminology be mapped. We suggest further study in this direction. This article discusses the current situation, including the difficulties facing international academic exchanges from the point of view of Inje University, a sister university of Yamagata University. Even though it is a long process to become a sister university, there are additional practical problems in performing the administrative work of exchanging students. For example, the transfer of credits or grades between universities is made difficult by the differences in academic terms. It also requires the adoption of new guidelines in considering each university’ s grading policies. In addition, this article examines the programs and activities related to international student exchanges and reports on the instruction of student theatrical activities and speech contests performed in the Japanese language. We conclude that it is necessary to collect practical case studies and analyze the causes of misunderstandings in order to determine proper solutions and better facilitate international relations. Furthermore, it is necessary to increase and continue additional academic research in this area. 【キーワード】大学用語、日韓中台語彙対照研究、大学間協定校、国際交流、日本語教育
著者
小林 慎吾 田中 賢
出版者
山形大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

Regio選択的な開環メタセシス重合法を適用可能なモノマー構造の拡張と、得られた高分子の血液適合性材料への応用を目指した研究を行った。アリル位に官能基を導入したシクロアルケン類を合成し、Grubbs触媒を用いた開環メタセシス重合を行った結果、重合はregio選択的に進行し、側鎖の配列が制御された新規定序性高分子が得られた。得られた高分子の含水試料について、DSC測定を用いた水和構造の解析を行った結果、ポリマー構造の変更により、発現する中間水量が変化することがわかった。得られた高分子のヒト血小板粘着試験を行った結果、中間水発現量の増加に伴って発現する血液適合性が向上することが分かった。
著者
小熊 正久
出版者
山形大学
雑誌
山形大學紀要. 人文科學 (ISSN:05134641)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.1-23, 2012-02-15

In der Analytik der Intentionalitat, hat Husserl zwei Momente von der "Vorstellung" geschieden, d.h. "Empfindungsdaten" und "Auffassung". Empfindungsdaten fungieren als "Abschattungen" in der "ausseren Wahrnehmung". Und sie sind gegeben in der phanomenologischen Reflexion. Aber, was fur eine Beziehung besteht zwischen diesen Momenten in der Wahrnehmung ? Diese Abhandlung versucht, Natur und Funktion von der "Abschattung" als dem Medium der Wahrnehmung zu erklaren, nach den Husserls Analysen in Ding und Raum 1907 und Einfuhlung in die Phanomenologie der Erkenntnis 1909 . Und dabei besondere Achtung wird gegeben auf die raumlichen und zeitlichen Momente von der Abschattung . Dafur mussen wir folgende Sachen betrachten : 1. Phanomenologische Methode und Analyse der Wahrnehmung 1) Transzendenz des Wahrgenommenen vom Bewusstsein und Phanomenologische Reduktion 2) Leibhaftikeit und Wirklichkeit des Wahrgenommenen 3) Immanente Wahrnehmung und Transzendente Wahrnehmung 4) Entsprechung von der Empfindungsdaten und der gegenstandlichen Qualitaten 2. Der Begriff der Abschattung 3. Die Raumliche Extension der Abschattung und das Feld der Wahrnehmung 4. Die Zeitliche Extension der Abschattung und das innere Zeitbewustsein 5. Probleme der phanomenologischen Reflexion Das Ergebnis dieser Studie ist folgendes: "Abschattung" kann als "Medium" der Wahrnehmug fungieren, wenn sie einerseits raumlich in dem Feld der Wahrnehmung , andererseits zeitlich in dem System der Retentionen etc. gegeben sind.