著者
荻原 剛志 飯田 元 新田 稔 井上 克郎 鳥居 宏次 Ogihara Takeshi Iida Hajimu Nitta Minoru Inoue Katsuro Torii Koji オギハラ タケシ イイダ ハジム ニッタ ミノル イノウエ カツロウ トリイ コウジ
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告プログラミング(PRO) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1988, no.94, pp.89-98, 1988-12-09

我々はソフトウェアの開発過程を形式的に記述し,実行するための関数型言語PDL(Process Description Language)およびそのインタプリタを作成した.PDLでは開発過程をツールの起動やウィンドウ操作の系列として記述する.PDLはこれらの操作のための関数や複数の操作を並列実行するための関数を持つ.また,さまざまなマクロ機能があり,定義の記述を容易に行うことができる.PDLインタプリタは,実行中に検出した未定義関数をそのつどユーザに定義させる機能などを持ち,十分詳細化されていない記述も実行可能である.また,デバッグ機能やヒストリ機能,関数定義の画面編集機能などの機能も備えている.我々はすてにJSD(ジャクソンシステム開発法)など,いくつかの開発技法をPDLて記述し,実行している.PDLインタプリタは現在,いくつかのUNIXワークステーション上で稼働中である.
著者
織田 慎一郎 高島 健太郎 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
インタラクション2019論文集
巻号頁・発行日
vol.3P-72, pp.954-957, 2019-02-27

多様な人材間でのコラボレーションを促すため,マッチング,交流イベントの開催やコワーキングスペースなどの場所作りが積極的に行われている.しかし,初対面の者同士でコミュニケーションを開始,継続することは容易ではなく,効果的な自己開示が求められる.本研究では,これまで検討がされていなかった,嫌いなものや苦手なものといったネガティブな情報に着目し,その共有によるコミュニケーションの触発効果について調査する.予備実験の結果,シングルケースではあるが,ネガティブ情報の提示により,コミュニケーションが開始されることが確認された.また,ポジティブ情報と比べ,ネガティブ情報では好き/嫌いの程度と理由の個人差を意識せず済むという意見が得られた.
著者
福田 豊 中村 豊 佐藤 彰洋 和田 数字郎
出版者
情報処理学会
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.636-656, 2020-07-15

本学では2014年9月に全学ネットワークの更新を行い,IEEE802.11acに対応した機材の導入を行った.導入直後のAP(Access Point)数は253台であったが,建屋改修時や他部局リプレース時に講義室等を中心に増設し,2019年度までに368台となった.しかしこの5年間で無線LANの運用環境は大きく変化しており,次の更新に向けて無線LAN環境の増強策を検討するためには,既存無線LANの利用動向調査が必要である.そこで本稿では2014年9月から2018年度末までの無線LAN利用動向について調査し,更新に向けた知見を得たので報告する.
著者
齋藤 智世
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 情報システムと社会環境研究報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.113, pp.A1-A8, 2010-09-13
参考文献数
12

レポート作成時の負担 (テーマや調べ方を決定する,情報を整理してレポートの構成を考える) を減らして,スモールステップを意識した小設問形式の課題に取り組ませると,レポート作成が苦手な学生でも課題に取り組むことができることがわかった.調査内容を広範囲にすることや,座学で学んだことを実社会のコンテンツで確認するような調査活動を課題に設定すると,理解・知識・考えを深めることができることがわかった.Students can be supported in preparing assignments by reducing their load (such as by deciding the themes and methods of investigation and considering the composition of reports by sorting information) and by working on small tasked-based assignments with small steps in mind. Students can increase their understanding, knowledge, and thinking by broadening the scope of investigation or by selecting a real-world investigation based on what they studied at school.
著者
星野 佑輔 高島 健太郎 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. EC, エンタテインメントコンピューティング (ISSN:21888914)
巻号頁・発行日
vol.2019-EC-51, no.13, pp.1-8, 2019-02-15

人は仕事や勉強などのやらねばならない必須タスクでも,「やる気が出ない」 という理由で後回しにしてしまうことがよくある.この問題に対し,たとえばゲーミフィケーションのように,従来はタスクの実行中やタスク自体に動機づけのための要素や機能を付け加えて支援する試みが多くなされてきた.これに対して本研究では,ビデオゲームによって好ましい効果が得られるといういくつかの先行研究で得られた知見に基づき,タスクの性質や構成に手を加えるのではなく,タスクの直前にビデオゲームをプレイすることで,タスクに対するやる気を向上させることができるのではないかという仮説を立てた.この仮説が支持されるかどうかを調査するための実験を 2 つ実施した.第 1 の実験では,ビデオゲームの難易度がタスクへのモチベーションにどのように影響するかを評価した.第 2 の実験では,ビデオゲームをプレイすること自体がタスクに対するやる気向上に影響があるかどうかを調査した.結果として,ゲームをプレイすることによるモチベーションへの有意な影響は認められなかったが,ゲーム難易度の違いが影響を与える可能性が示唆された. : People often postpone even mandatory tasks such as business or study on the grounds that they do not get motivated. To solve this problem, there have been many attempts that add some elements and / or functions that evoke people's motivation to the tasks themselves and / or during execution of the tasks: gamification is a typical approach. In contrast with these conventional approaches that modifies the nature of the tasks, based on several preceding works on the positive effects of the videogames, we made a hypothesis that playing videogames just before the tasks positively affect the motivation for the tasks. To investigate whether this hypothesis is supported or not, we conducted two experiments. The first experiment was to estimate how the difference of difficulty of a videogame affects the motivation, and the second one was to investigate whether playing a videogame affects the motivation or not. As a result, it was suggested that the difference of difficulty affects the motivation, although playing the videogame does not significantly affect the motivation.
著者
富田 雄希 高島 健太郎 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. EC, エンタテインメントコンピューティング (ISSN:21888914)
巻号頁・発行日
vol.2019-EC-51, no.14, pp.1-7, 2019-02-15

地域活性化の施策として,多くのご当地アイドルが各地で活動している.ご当地アイドルが円滑な活動を続けるためには,新規ファンの獲得が必要不可欠である.しかし,既存ファンコミュニティによる熱狂的応援や独特のルールなどが,潜在ファンの参入障壁を形成してしまう.本研究ではこの障壁を軽減するため,役割体験学習論に基づき,古参ファンの体験を追体験するノベルゲームを構築し,その効果を他者理解と愛着の増加の観点で検討する.モデルケースとして,石川県西金沢の商店街を拠点に活動する西金沢少女団の既存ファンコミュニティから実体験を収集し,その実体験を織り込んだノベルゲーム BNO-Story を潜在ファンに楽しんでもらう.このゲームにより,古参ファンがなぜ熱狂的応援をするのかを理解できるか,アイドルへの愛着が増加するかを評価する. : Recently, many local idols play an active part in vitalizing local regions. In these activities, continuous acquirement of new fans is important. However, enthusiastic cheering and unique rules of the existing fan community form a barrier that prevents potential new fans from joining the fan community. In this research, in order to alleviate this barrier, we create a novel-game based on the role action learning methodology, which allows the potential new fans to vicariously experience the old fans' experiences, and examine whether it can effectively increase understanding and affection to the local idols as well as their old fans. As a model case, we collected actual experiences from the existing fan community of the Nishi-Kanazawa Shoujo-dan, which is a local idol group based in the shopping district of Nishi-Kanazawa, Ishikawa Prefecture. We implemented a novel-game named BNO-Story to which the collected episodes are incorporated. We conducted experiments in which we asked some subjects to play this game to evaluate whether the game is effective.
著者
金藤栄孝 二木 厚吉
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.9, pp.2124-2137, 2004-09-15

Dijkstraのgoto文有害説とそれに引き続く構造的プログラミングの提唱以降,goto文の使用に関する問題は永く議論された.goto文の使用法に関し理論的裏付けを持つ研究としては,逐次的プログラムでの任意の制御フローは順次接続・条件分岐・反復の3基本構造のみで表現可能であるという結果に基づくMillsらのgoto文排斥論以外は皆無である.Dijkstra本来の正しさを示しやすいプログラムを書くための構造化という立場?つまりプログラム検証論の立場?からのgoto文使用の是非は考察されていない.本論文では検証手段としてのHoare論理に基づき有限状態機械モデルに基づくプログラミングでのgoto文の使用を検討する.その結果,状態をラベルで表し状態遷移をgoto文での飛び越しで行うプログラミングスタイルが,状態を表す変数を追加しgoto文を除いたプログラミングスタイルと比べ,Hoare論理による検証での表明が簡単で自然な形となり機械的検証の時間的コストも少ない.ゆえにプログラムの正しさの示しやすさという観点からは有限状態機械モデルに基づくプログラミングでの状態変数導入によるgoto文除去は有害でありgoto文を用いたスタイルの方が望ましいことを示す.There have been a vast amount of debates on the issue on the use of goto statements initiated by the famous Dijkstra's Letter to the Editor of CACM and his proposal of "Structured Programming". Except for the goto-less programming style by Mills based on the fact that any control flows of sequential programs can be expressed by the sequential composition, the conditional (if-then-else) and the indefinite loop (while), there have not been, however, any scientific accounts on this issue from the Dijkstra's own viewpoint of verifiability of programs. In this work, we reconsider this issue from the viewpoint of Hoare Logic, the most standard framework for correctness-proving, and we see that the use of goto's for expressing state transitions in programs designed with the finite state machine modelling can be justified from the Hoare Logic viewpoint by showing the fact that constructing the proof-outline of a program using goto's for this purpose is easier than constructing the proof-outline of a Mills-style program without goto by introducing a new variable.
著者
中山 泰一 Yasuichi NAKAYAMA
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.61, no.7, pp.735, 2020-06-15

本年(2020年)3月7日,本会第82回全国大会にて,第2回中高生情報学研究コンテストを実施した.新型コロナウィルス対策で第82回全国大会の現地開催が中止になったが,中高生情報学研究コンテストは,参加チームにポスターPDFと400字の説明テキストの提出を求め,それらをWebページに掲載する方式で開催した.第2回中高生情報学研究コンテストについての詳細は次号の特集号を参考されたい.
著者
田中 唯太 小倉 加奈代 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
インタラクション2012論文集 (情報処理学会シンポジウムシリーズ) (ISSN:13440640)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.3, pp.917-922, 2012-03-17

食卓で共有されている大皿料理から料理を取るとき,共食者間でのインタラクションが期待されるが,大皿料理が持つコミュニケーション活性化機能が十分発揮される形で共有されていない為に,大皿料理を介したインタラクションは限定的である.本研究では,お酒の「お酌」行為に注目し,お酌が持つコミュニケーション機能を「自分の皿に料理を取ることを禁止する」という手法を用いて大皿料理に持ち込む.提案した手法の妥当性を検証しつつ,食卓コミュニケーション支援メディアGiantCutleryの実装を行い,食卓で用いることで初期的な評価実験を行った. : It is expected that interactions among tablemates arise when tey dish out foods from a platter at a dinner time. However, the interactions are actually restricted because the platter's potential of vitalizing dinner-table communications is not effectively exploited. We focus on "Oshaku", a Japanese habit: the tablemates pour the platters at a dinner time. This paper investigates whether Oshaku behavior can be incorporated into the platter. Inaddition, we developed GiantCutley, which is a support medium for dining-table communications. We report results of apilot study for estimating effectiveness of GiantCutlery.
著者
吉岡 信和
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.52, no.9, pp.1134-1139, 2011-08-15
被引用文献数
1

セキュリティの考慮には専門的知識が必要であり,一般のエンジニアが安全なソフトウェアを開発するのは難しい.個々のセキュリティ機能がいかに安全に作られていても,その設定や使い方が間違っている場合,それがシステムの脆弱性になってしまう.そこを攻撃され,重要な情報が漏洩してしまう可能性があるため,セキュリティは注意深く開発する必要がある.そこで,セキュリティの専門知識を整理し,セキュリティの正しい再利用を促進するためのソフトウェアパターンとして,セキュリティパターンが注目されている.本稿では,セキュリティパターンの技術の研究動向と,今後のセキュリティパターンの展望を解説する.
著者
江渡 浩一郎
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.52, no.9, pp.1127-1133, 2011-08-15

建築家Christopher Alexanderによって提唱された建築設計手法パターンランゲージは,建築業界において大きな反響を巻き起こしたにもかかわらず,定着しなかった.後に,Kent BeckとWardCunninghamという2人の研究者によってソフトウェア業界へその方法論が導入され,結果として,デザインパターン,アジャイルソフトウェア開発,Wikiなどといった成果として花開いた.本稿では,パターンランゲージの誕生から現在のソフトウェアパターンへの応用に至るまでの歴史を概観する.
著者
間瀬 正啓 木村 啓二 笠原 博徳
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 計算機アーキテクチャ研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.184, pp.O1-O10, 2009-08-04
参考文献数
27
被引用文献数
11

本稿ではコンパイラによる自動並列化を可能とするための C 言語の記述方法として Parallelizable C を提案する.Parallelizable C で記述した科学技術計算およびマルチメディア処理の逐次プログラム 6 本に対して OSCAR コンパイラによる自動並列化を適用し,マルチコアシステム上での処理性能の評価を行った.その結果,逐次実行時と比較して,2 コア集積のマルチコアである IBM Power5+ を 4 基搭載した 8 コア構成のサーバである IBM p5 550Q において平均 5.54 倍,4 コア集積のマルチコアである Intel Core i7 920 プロセッサを搭載した PC において平均 2.43 倍,SH-4A コアベースの情報家電用マルチコア RP2 の 4 コアを使用した SMP 実行モードにおいて平均 2.78 倍の性能向上が得られた.This paper proposes Parallelizable C, a guideline for writing C programs which enables automatic parallelization by a compiler. 6 sequential programs written in Parallelizable C from numerical and multimedia application domains are automatically parallelized by OSCAR compiler. The parallel processing performance for these applications are evaluated on multicore systems. The evaluation results show that the compiler automatic parallelization achieves average 5.54 times speedup on a 8 cores server IBM p5 550Q with 4 dual-core Power5+ processors, average 2.43 times speedup on a 4 cores multicore processor PC with Intel Core i7 920, and average 2.78 times speedup on Renesas/Hitachi/Waseda RP2 with SH-4A cores in SMP execution mode using 4 cores compared with sequential execution, respectively.
著者
荒井 翔子 大橋 学 伊藤 有紀 Uehara Juan Martin 増田 知之 Shoko Arai Manabu Ohashi Yuki Ito Martin Juan Uehara Tomoyuki MASUDA
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. EC, エンタテインメントコンピューティング (ISSN:21888914)
巻号頁・発行日
vol.2019-EC-52, no.9, pp.1-4, 2019-06-03

店舗の環境を創り上げる要素の 1 つに,バックグランドミュージック (BGM) が挙げられる.買い物客の購買意欲を高めるためには,既存の BGM に頼るだけではなく,その店舗にフィットした新しい音環境や音源の開拓が必要である.現在,日本は空前の猫ブームに沸いており,猫の発するゴロゴロ音が人に癒しをもたらすと考えられている.しかしながら,これを実証する科学的根拠はほとんど存在しない.そこで本研究では,猫のゴロゴロ音が人の生理的状態にどのような影響を及ぼすか検討した.ストレス負荷課題をこなした実験参加者に猫のゴロゴロ音を聴かせたところ,ゴロゴロ音を聴いた群の心拍数は,猫への嗜好性を問わず,安静時の基準値よりも有意に低下することが明らかとなった.この結果は,猫のゴロゴロ音にリラックス効果があることを示唆しており,猫のゴロゴロ音が店舗での新規音源となるポテンシャルを秘めていることが明らかとなった.
著者
世木 寛之 田高 礼子 清山 信正 都木 徹
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.575-586, 2009-02-15
被引用文献数
1

大規模な音声データベースから音声データを選択して接続する波形接続型音声合成が提案されている.この音声合成方式で利用される大規模音声データベースは,音韻バランスなどを考慮して選定された文章を,音声合成に適した話速やスタイルで読み上げることで作成されることが多い.一方,放送局では過去に放送された番組が大量に保存されているため,これらを音声データベースとして利用することが考えられる.本研究では,ニュース番組の収録音声を,波形接続型音声合成システムの音声データベースとして利用することを試みた.高い頻度で音声データベースに存在する音素列を,前後の音素環境を考慮して抽出した"音素環境依存音素列"を探索単位として合成音を作成し,5段階のオピニオン評価実験を行った結果,MOSは4.01となり,「不自然な部分はあるが気にならない」という自然性を持つ合成音が得られた.特に,全体の39.8%が5の「自然である」と評価され,自然音声と変わらない品質の合成音がかなりの頻度で作成されていることが分かった.次に,目標スコアを用いた場合と,用いない場合の合成音とを比較したところ,MOSの差は0.18となり,音声データベースの発話内容と合成する文が類似している場合には,必ずしも韻律予測せず目標スコアを考慮しなくても,自然性の高い合成音を作成できる可能性が示された.Proposals have been made to implement a system that generates synthesized speech by concatenating segments of speech stored in large databases. While these databases are often created by recording sentences with a specific phonetic balance, read at a rate and in a style that are optimal for speech synthesis, this paper explores an alternative method of database creation, one that utilizes broadcast materials archived in networks. In our study, we used samples of recorded speech from news programs to create a speech database. An assessment of speech generated by the speech synthesis method using "context dependent phoneme sequences" as search units yielded the mean opinion score (MOS) of 4.01 in a one-to-five-scale rating. Overall, the samples were considered "somewhat unnatural but not bothersome." In particular, 39.8% of the entire samples scored 5.0, demonstrating their highly natural-sounding quality. In addition, we compared the evaluation on "synthesized speech with target scores" and that on "synthesized speech without target scores." The difference of MOS was 0.18. This result confirmed that prosody prediction or target scores are not necessarily required to create synthesized speech of natural-sounding quality when the content of input sentences is similar to the content of sentences stored in the database.
著者
長谷川 隆 西本 卓也 小野 順貴 嵯峨山 茂樹
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.1204-1215, 2012-03-15

本論文では,音楽から受ける「作曲家らしさ」の印象を説明し定量的に測定できる工学的手法を目指して,音楽学における様式分析手法の1つであるラルーらの綜合的様式分析において論じられている様々な定性的特徴に対応する特徴量を提案する.対象データはMIDIデータとし,音の厚み等の音楽的な表現語の意味を解釈し,楽譜情報から計算可能な量を検討する.正準判別分析の作曲家推測精度を求めることにより,提案した特徴量群による特徴空間上で同作曲家の楽曲が近接して配置されていることが,判別分析結果の階層クラスタ分析により,時代・文化が類似していて類似した印象を受けると考えられる作曲家の特徴重心が近接して配置されていることが示された.以上から,提案した特徴群は「作曲家らしさ」の尺度として妥当性を持つと考えられる.The purpose of this paper is to establish technique to explain and measure "composer-characteristic" impression extracted from music. For that purpose, musical features are proposed by quantifying various qualities stated in Style Analysis by LaRue et al., one of musicological analysis methods. Input is assumed to be MIDI data, and measurable features from sheet music information are investigated by elucidating musicological descriptors such as "sound thickness". Composer discrimination accuracy evaluated with canonical discriminant analysis showed points of music by the same composer in the feature space of proposed features are placed nearby. In addition, the result of hierarchical cluster analysis showed centroids of similar composers with homogenous chronological and cultural backgrounds are also placed nearby. Therefore, the proposed features are presumed to be feasible for measuring "composer-characteristic" impression.
著者
吉田 翔 金井 秀明
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014-GN-91, no.52, pp.1-8, 2014-03-06

本研究は,食事中のそしゃく癖の改善を目的としたそしゃく状況通知手法に関する研究である.共食の場において周囲に悪影響を及ぼす 「クチャラー」 を対象とし,聴覚遅延フィードバックを用いたそしゃく状態の通知を行った.被験者のそしゃく音を遅延させて再生することで,自分のそしゃく行為が周囲からどのように認識されているかを通知する.構築システムでは通知だけでなく,被験者の顎の動きを検出することで,そしゃく状態を測定することが可能である.このシステムを用いた実験により,遅延時間を大きくした場合,被験者は自らのそしゃく状態を認知でき,そしゃく行為を控えようとする傾向が確認できた. : In this paper, we propose a notification system of a state of mastication in order to improve a habit of mastication during the meals. The system senses user's mastication state, and uses the delayed auditory feedback to notify the user of the state. The system does the feedback of user's mastication sound depending on the mastication state in order to make sense of the state. We carried out user experiments in order to investigate the effects of the system and how to change user's behavior of masticating using the system. From the experiments, we found that the subjects tend to change their masticating action depending on the delayed auditory feedback.