著者
田中 邦裕
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.63, no.12, pp.650-651, 2022-11-15
著者
中川 絢太 佐藤 直之 池田 心
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:21888736)
巻号頁・発行日
vol.2016-GI-36, no.20, pp.1-9, 2016-07-29

ゲームを人間がプレイするとき,ゲームから与えられた主目的に一直線には繋がらないような行動が観察できることが多い.例えば,格闘ゲームで「離れた相手に弱パンチを繰り返し対戦相手を挑発する」,アクションゲームで「アイテムが落ちている場所でジャンプを繰り返し仲間にその存在を教える」といった行動である.これらの行動は,様々なゲームで頻繁に見られ,“ ゲームの目的達成のみを追求するAI ”では生まれにくい挙動である.我々は,人間らしいAI の実現には,意図の有無に関わらず現れるゲーム内行動についての議論も必要だと考える.本稿では,30 ゲームタイトル45 種類に及ぶ行動事例を収集し,収集した行動を“催促”,“挑発”,“挨拶”などの目的に応じた計7 種類に分類し,例示した行動が発生する条件や,AI による再現法について考察する.
著者
石黒 祥生
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.63, no.12, pp.696-698, 2022-11-15

今回ご紹介するAge of Entanglementという論文は,人間の創造的活動をクエン酸サイクルに準えてわかりやすく説明しています.研究の着想,応用,発展をどうすべきか,現状どういう状況に陥っているかを知る手がかりとなります.研究活動ではどういう問題をどのように解決するかは常に考えていますが,ふと気がつくと機能改善に終始し,「作りました」で満足し,問題解決に繋がらない時があります.そんな時に,この論文のKrebs Cycle of Creativityという考え方が役に立ちます.発展目覚ましい情報技術のSOTA論文を紹介すべきか迷いましたが,HCI研究者として,あえてこの論文を紹介します.
著者
小向 太郎
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.63, no.12, pp.652-653, 2022-11-15

ツイッターに自分のプライバシーに関する投稿の削除を求めることはできるのか? 最高裁は,検索結果については,削除請求を認めるのに慎重な立場をとっていたが,ツイートについては,より緩やかな基準で削除を認めた(2022年の6月24日).この判決によって,SNSなどでの権利侵害について,削除請求が認められるケースが増えるだろう.事業者には,権利侵害が明らかな投稿への対応が求められる.
著者
岡田 直之
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.63, no.12, pp.676-680, 2022-11-15

「第4回中高生情報学研究コンテスト」で上位入賞をした高校生による研究が,どのような環境やプロセスを経て生まれてきたかについて,勤務校の物理部とSSHでの取り組みを例として述べる.STEAM教育の枠組みの中で実践的・創造的に行う情報学研究では,生徒自身の「ワクワク」を原動力にAARサイクルを短期間に何度も回す姿が見られ,生徒の学びに向かう力や情報活用能力の向上には驚くべきものがある.また,質の高い探究が自発的,継続的に行われるためには,外部機関や専門家メンターによる十分な支援環境の中で生徒たちが切磋琢磨しながら学びあい,先輩から後輩へ精神や技術が引き継がれる「学びの生態系」を作っていくことが重要である.
著者
佐々木 宣介 飯田 弘之
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.43, no.10, pp.2990-2997, 2002-10-15

本研究では,ゲームのルール変遷の根底にあるゲームの性質の変化に着目し,将棋の歴史的変種を比較する.最初に,ゲームの性質に関する比較を行うための2つの指標を提案する.これらの指標はそれぞれ,ゲームの面白さとゲームの決定複雑性を表すもので,平均可能手数,平均終了手数に基づいて算出される.すでに廃れてしまった将棋種に関しては,コンピュータプレイヤを用意し,それらのデータを採取した.本研究で用いたコンピュータプログラムは駒価値をベースにした評価関数を持ち,先読み探索を行う.各将棋種に対して駒価値を自動学習するために,Temporal Difference学習法を適用した自動対戦の実験を行い,各将棋種に対するデータを採取し,比較を行った.重要な知見として,大駒付加よりも持ち駒使用ルールがルール変遷の過程でより大きなインパクトを与えていること,そして,あまり難しくなりすぎないようにルールが洗練されてきたことが分かった. : This study explores how the evolutionary changes of the rules affect the characteristics of the games in the Shogi species from the viewpoint of evolutionary selection. For this purpose, we propose two measures based on the average number of possible moves and the average game length: (1) measure for entertainment, and (2) measure for decision complexity. For games where no grandmaster games are available, the statistics of specific features, such as the average number of possible moves and the average game length, are obtained by the method of self-play experiments. Then we made computer programs that performed lookahead search using an evaluation function based simply on piece-material balance. To obtain the appropriate piece values of Shogi variants, we apply Temporal Difference Learning method. Based on the data obtained by the above self-play experiments, Shogi variants including the modern Shogi and ancient Shogi variants are analyzed and compared. Through the analysis, we observed that the inclusion of the reuse rule was more important step than the inclusion of the major pieces in the course of evolutionary changes from Heian Shogi toward modern Shogi. We believe that the proposed measures are useful tools for building a genealogical tree of chess-like games.
著者
赤池 英夫 島崎 俊介 成見 哲 Hideo Akaike Toshiyuki Shimazaki Tetsu Narumi
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.51-63, 2022-06-23

本研究では,本学学内における対面での利用のみを想定して作成されていた実験システムを,やむを得ない理由で遠隔対応させ使用した結果,教育にどのような影響を及ぼしたかを調査した.対象となる実験システムは,本学3年生の実験科目の中のFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いて初歩的な論理回路を設計する課題で用いられている.作成した回路の動作確認に実機の物理的な操作をともなうため,例年,受講生は機器の設置された計算機室に一堂に介して課題に取り組んできた.2020年度は新型コロナウイルス感染症対策として入構禁止措置がとられたため,学外から機器を操作する仕組みを導入し実験を遂行した.とくに致命的なトラブルもなく実験を行うことはできたが成績の低下がみられた.遠隔対応とすることで学生の望むタイミングで課題に取り組めたことが見出されたものの,対面であれば容易に行える学生の理解度チェックがオンラインでは難しいことも分かり,ひいてはそれが成績低下の一因であることが示唆された.
著者
中山 泰一 Yasuichi NAKAYAMA
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.79-80, 2022-01-15

文部科学省は2021年7月30日,2025年の大学入学共通テストから「情報」を出題教科として,「情報I」をその科目とすることを決定した.現在,国立大学協会(国大協)で,2025年に実施する入学者選抜制度が議論されている.これまで,国立大学は一般選抜においては,第一次試験として大学入学共通テスト(原則5教科7科目)を課してきた.これに「情報」を加えた「6教科8科目」を原則とすることが検討されている.本稿では,その経緯と,国立大学の入試科目に「情報」が加わることの意義について述べる.
著者
内田 奈津子 久野 靖 中山 泰一 Uchida Natsuko Kuno Yasushi Nakayama Yasuichi
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.62, no.7, pp.1393-1414, 2021-07-15

現代社会において,プログラミングは義務教育の1つとなり,誰もが学ぶべきものとなったが,高等教育においては,プログラミングの内容を含む必須カリキュラムの実施には至っていない.新しいカリキュラムでは,言語を学びコードが書けるようになることを目的とするのではなく,プログラミングの概念を学び,その原理を理解することに加え,プログラムを活用するために,ソフトウェア開発プロジェクトの知識を含める必要があると考えた.著者らは,1科目のみで構成する,誰もが学ぶべき入門レベルのカリキュラムと位置づけ,プログラミング入門にPBL(Project-based Learning)を組み合わせた方法を提案し,この提案に基づき2単位90分15回のカリキュラムを構築した.本論文では,プログラミング入門にPBLを組み合わせたカリキュラムを設計・構築し,実践授業から得られたデータ(コンピテンシー評価,履修者の課題や最終レポートなどの提出物)をもとにカリキュラムの妥当性を検証した.
著者
馬場 裕 小林 智也 小倉 加奈代 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
インタラクション2012論文集 (情報処理学会シンポジウムシリーズ) (ISSN:13440640)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.3, pp.433-438, 2012-03-15

日常行われている会話には,様々な問題点がある.たとえば失言や重要な話の聞き逃しは,人間関係を悪くしてしまう危険性がある.これらは,空気中の音速で声が人間の何百倍の速さで移動する事が要因と考えられる.音速を遅くすることで,音声に追いついたり音声の重畳や参照をすることが可能になる.そこで,超低音速空間 CreepingVoice を構築し,会話の問題解決を試みている.本稿では,超低音速空間CreepingVoice を実装するための基礎的な実験の結果について報告する. : Everyday conversations have various problems. For example. a slip of the tongue spoils human relations. This problem is attributable to the speed of sound. Sound is too fast for us people to catch up. If the sound speed is much slower, we can catch up with our voice,modify it and refer it. We have been constructing a super slow sound space “CreepingVoice” to solve the problems. This paper reports results of elemental experiments for implementingCreepingVoice.
著者
渡辺 勇士 Takeshi WATANABE
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.62, no.12, pp.662-666, 2021-12

2020年度から小学校におけるプログラミング教育が必修化された.また,民間の学習塾や,幼稚園,保育園の現場では未就学児を対象にしたプログラミング教育を行っている場所も出始めている.本稿では,実際にプログラミング教育が行われている幼稚園の事例を挙げ,未就学児とプログラミング教育について解説する.
著者
岡田 崇 牧野 義樹 キム ジュンスー 中田 潤也 丹 康雄
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.365-378, 2012-01-15
被引用文献数
1

温室効果ガス排出量の削減や非常時,災害時におけるエネルギー確保を実現するため,エネルギーマネジメントはわが国の重要な課題である.近年,情報家電の普及にともない宅内にホームネットワーク(HN)が構築され,スマートハウス構想の実現に向け,HEMS(Home Energy Management System)やDSM(Demand Side Management)に対する期待が高まっている.新しいHEMS技術の有効性の検証には,実証実験かシミュレーションによる手法が用いられる.しかし,実証実験は時間やコストがかかり,実験規模,実験期間,網羅的な検証が困難であるという利便性に欠ける問題がある.一方シミュレーションは,HNの多様性,複雑性という性質からモデルの精度に関する問題がある.これらの問題に対し本論文では,実証的ホームシミュレータを提案し,その精度の評価およびHEMSアプリケーション例の効果を検証する.本シミュレータは,HNの要素を住宅,家電,環境,電力,人間の5要素に切り分け,要素間で相互作用する現象を再現可能とした.また実世界とのインタフェースを持ち実システムと同時に実時間で動作することで高い精度のシミュレーション結果を得ることができる.さらに統計情報やパターンを指定し異なるパラメータの実験を繰り返し実行することや,実世界と接続しない場合は複数の計算機を用い多数の世帯を高速にシミュレート可能である.評価として,本シミュレータの環境要素の精度を実験住宅iHouseで計測した実実験のデータとその再現実験のシミュレーション結果より検証した.検証のパターンとして,季節,天候,また窓閉め時,窓開け時,エアコン動作時の3シナリオについて検証を行い,結果から約5%の相対誤差内で環境の再現が可能であることを確認した.さらに実住宅の実消費電力量データとシミュレーション結果の比較を行い,その再現性を確認した.また住宅の効率的なカーテン開閉による消費電力量削減効果をシミュレータにより検証し,約8%の削減効果が見込めることを確認した.Energy management is an important issue for our country to fulfill reducing CO$_2$ emission or saving energy in emergency or disaster situation. Recently, due to the popularization of Home network (HN) comprised by smart home appliance, the need for HEMS (Home Energy Management System) or DSM (Demand Side Management) is stronger than ever. A field trial or a simulation method is adopted to evaluate the efficiency of new HEMS technology. But a field trial is associated with problems such as lack of convenience, time, cost, scaling difficulty, duration and exhaustive verification. On the other hand, a simulation has accuracy problems stemming from the diversity and complexity of HN. In this paper, we propose an experimental home simulator solving these problems. Furthermore, we evaluate the accuracy of the simulator and verify the effects of HEMS application. The simulator classifies elements of HN into categories such as house, appliance, environment, power consumption and human. It allows the reproduction of interactions between them. It can generate simulation results with high accuracy by having interfaces to real world and being executed in real-time. Moreover it has the functionality of a repetition of the experiment with statistics or parameters. If it does not connect to real world, it can simulate large-scale houses with high speed execution by using multiple computers. As the evaluations, we verify the accuracy of the environment simulation from the comparison between real experimental results and the simulation. The verification parameters are season, weather and user scenarios (window opening, window closing, air conditioner). We confirm that the simulator can accurately reproduce the environment with a five percent relative error. In addition, the reproducibility of power consumption simulation is confirmed by comparing the energy consumption measured in a real house with the simulation. Finally, as an example of HEMS application, we simulate an intelligent curtain control application and confirm eight percent reduction of energy consumption.
著者
山本 正信 ピエール・ボランジャー アンジェロ・ベラルディン マーク・リュウ ジャック・ドメイ
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.32, no.9, pp.1129-1141, 1991-09-15
被引用文献数
13

本論文は距離動画像を用いて非剛体物体の運動を解析する手法を述べている本手法は画像間の対応付け操作を必要とすることなく 線形連立方程式を解くことにより物体の運動パラメータを推定することができるこの推定式はヤコビ行列による非剛体運動の表現式を距離動画像用に拡張した時空間勾配拘束式に代入することにより得られるわれわれは既にピデオレートで距離動画像が得られるレンジファインダを開発している。このレンジファインダを使って 実際に紙や布 皮膚やゴム風船などに代表される幾つかの非剛体物体の動きを解析したさらに 距離動画像と同時に得られる濃淡動画像も併用することにより 動きの解釈時に起こる曖昧さの解消が可能になることを示した
著者
櫻橋 淳 神武 直彦 石谷 伊左奈 三鍋 洋司 西山 浩平 石寺 敏 後藤 浩幸
出版者
情報処理学会
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.189-195, 2014-07-15

2011年,東日本大震災およびそれに伴って大規模に進められた計画停電を経て,東京電力管内では電力供給の低下により広く節電を行うことが求められた.電力総需要の約30%を占める家庭部門は,業務部門および産業部門と比較し,電力需要の抑制の呼びかけにどのくらいの電力利用者が対応し,節電を行うのかが未知数であるという課題があった.それに対し,筆者らは,スマートフォンなどの情報端末を通じて参加者の節電の取り組み情報を収集し,収集した情報を分析し,各電力管内での電力使用率などの情報とともにスマートフォンやWebサイトで可視化するシステムを構築した.そして,そのシステムを用いて,ソーシャル・キャピタルと節電行動の関係を実際の節電履歴データを取得して分析すること,およびソーシャル・キャピタルが強くない中でも節電を行う仕組みの実現に寄与することを目的とした実証実験「停電回避プロジェクト」を夏の電力需要が増加する2011年7月1日から100 日間実施した.結果として,①身近なコミュニティにおける節電行動の可視化,②身近なコミュニティでのランキング表示など自身のポジションの可視化,③他の利用者との接続が常時されているというリアルタイム性,の3つを実現し,ソーシャル・キャピタルの度合いが高くない電力利用者に対しても節電行動を促せることが分かった.
著者
高橋 麻美 根路銘 崇 沼尾 雅之
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.7, pp.1711-1720, 2012-07-15
被引用文献数
1

節電がますます重要視される中,企業や家庭では,一般的な節電対策として経験的かつ試行錯誤的に節電に対する取り組みが実施されている.一方で,節電効果の向上を目的として,従来のブレーカ単位・月単位での測定に対し,より詳細に把握するために電化製品や部屋単位で測定する技術が登場してきている.我々は,電化製品と利用者の関係を整理するために,サービスインタフェースモデルを用いて,電化製品の特徴に基づく利用状況を分析した.本論文では,電化製品の消費電力量を利用者単位で測定する手法に加えて,節電のための指標となる節電KPIの計算方法について述べる.また,提案する手法に対する実験と評価について述べ,有効性を検証する.Electric power saving efforts is getting more important not only from the regional view point but also from the earth level view point. In order to improve the power saving, enterprises and homes are trying to reduce power consumption by ad-hoc try-and-error approach and based on empirical information. Thus, it is highly expected to establish the technologies and infrastructure for monitoring the power consumption by appliance level or finer location level. We proposed an approach to evaluate the user-level power consumption by converting from the appliance-level power consumption. In order to do that, we analyzed the relationship between appliances and users by using service interface model. In this paper, we described a method for allocating power consumption which measured by appliance level to user. In addition, we defined KPI (Key Performance Indicator) for saving power consumption and evaluate our approach.
著者
甲斐 俊文 佐々木 良一
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.1136-1143, 2011-03-15

ボットネットの被害が増大してきており,ボットマスタ(ハーダ)まで追跡することが重要な課題となっている.ボットネットごとに通信経路は異なるが,経路上に防弾業者や一般ユーザの端末がある場合には追跡は困難になる.そこで我々は防弾業者や一般ユーザの端末を使用しているボットネットの割合を推定するために,統計調査を実施した.その結果,ユーザ端末を使用しているボットネットの割合は1割から3割程度,防弾業者サーバ端末については少なくとも2割以上,専門のサーバ管理者に管理されている端末は4割から5割程度と見積もられることを示す.また,ボットネットに使用されている端末の国別の傾向について調査した結果も示し,これらの調査に基づいてボットネット追跡の方針を検討する.The damage of botnet is increasing, and it is an important problem to track bot masters. We analyzed tracing paths of botnet and classified these under 5 patterns. And if there are terminals of bulletproof providers or end users on a path, tracing on the path is difficult. Now we are examining a ratio of botnet using a terminal of bulletproof providers and end users. We have examined a ratio of botnet using a terminal of bulletproof providers and end users. As a result, we estimated the ratio of the botnet which used terminals of end users at around 30% from 10%, bulletproof providers at least 20%, and normal server managers at around 50% from 40%. And we argue about a policy of botnet traceback.
著者
水田 貴将 田中 直人 塩津 翠彩 村瀬 ゆり 張 海峰 趙 暁婷 解 爽 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
インタラクション2017論文集
巻号頁・発行日
pp.186-189, 2017-02-23

本研究では漢字形状記憶の損失を防ぐための漢字入力方式G-IMにゲーミフィケーションの要素を取り入れることで,G-IM使用の際に生じる抵抗感を低減するシステム「BanG-IM」を提案する.G-IMは,文字変換時の候補の中に,誤形状漢字をランダムに差し込むことで利用者が持つ漢字形状記憶の再構築を支援するものであるが,利用者が使いたいと思わないという問題がある.そこで,我々は罰ゲームの一種として浸透している風船割りゲームに着目した.本システムは同一室内での複数人での利用を想定している.利用者の個人ブースの頭上には,それぞれ風船が設置してあり,誤字入力が行われると該当する利用者の風船が膨らんでいく.また,中央にある共有スペースにも大きな風船が設置してあり,すべての利用者の誤字入力に対してその都度膨らんでいく.実装したシステムの評価実験を行ったところ,本システムを利用することでG-IM特有の抵抗感を低減できる可能性が示唆された.