著者
仲本 寛 澤岻 淳
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.212-214, 2001-11-25
参考文献数
10
被引用文献数
2 12

We detected positive phototactic response of the West Indian sweet potato weevil, Euscepes postfasciatus (Fairmaire) (Coleoptera: Curculionidae) to chemiluminescent light, used as a light source for fishing floats at night, in laboratory observations. We examined the effectiveness of the light source for attracting weevils in a sweet potato field. In the field, traps baited with sweet potato roots and light captured significantly more weevils than the traps baited with roots only.
著者
本田 洋 羽生 健
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.238-246, 1989-11-25
被引用文献数
4

走査型電子顕微鏡を用いてモモノゴマダラノメイガとマツノゴマダラノメイガ成虫の触角上の感覚器について形態, 数, 分布を比較検討した。観察に先立ち同一試料で検体の全面を観察できる特殊な試料固定装置を考案作製した。両種の触角からはBahm's bristle, s.styloconicum, s.trichodeum, s.chaeticum, s.squamiformium, s.basiconicum, s.auricillicum, s.coeloconicumの合計8種類の感覚器が見いだされ, これらの感覚器の形態および分布様式には性差あるいは種間差はなかった。一方, いずれの種においても, s.trichodeumは雌よりも雄に多く, その数は8,000〜8,500本(雄), 6,500〜6,800本(雌)であり, 逆にs.basiconicumは雄(760本)よりも雌(1,400本)に多く見いだされた。しかし, 残りの7種類の感覚器に関しては数の上での性差は両種にはみられなかった。以上の結果から, モモノゴマダラノメイガとマツノゴマダラノメイガは, すでにそれぞれの触角上の嗅覚感覚器の匂い物質に対する感受性は一部分化しているが, 感覚器の大きな形態的分化はまだ起きてないと結論した。
著者
河田 党
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.177-178, 1968-10-25
著者
田村 正人
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.166-168, 1985-05-25 (Released:2009-02-12)
参考文献数
12
被引用文献数
4 2

年1化性のミノウスバは比較的低温適応性の昆虫で(田村・大内,1977),早いものは4月下旬頃より夏期休眠に入り(田村・小見山,1976),低温・短日下で休眠消去(ISHII et al., 1983)した蛹は日増しに気温が低下する10月下旬∼11月中旬の午前8∼10時に集中して羽化する。しかしながら,この時期の気温はほぼ昼間が15∼20°C,夜間が10∼15°Cであり,探雌のための雄成虫の飛しょう活動には15°C以上が必要なため,昼間活動性であることは本種の生存上きわめて有利であり,適応的であると考えられる。

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出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.51-52, 2015-02-25 (Released:2015-04-17)
著者
中井 善太 大谷 徹 園田 昌司
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.53-63, 2022-05-25 (Released:2022-06-05)
参考文献数
63

To examine the effects of groundcover preservation around tree trunks in Japanese pear orchards on the seasonal occurrences of spider mites and their natural enemies, we compared their densities at two study sites, each of which includes two plots with weeds(weed plot)and without weeds(control plot), in Chiba Prefecture in 2016 and 2017. The phytoseiid mites were the most dominant natural enemies observed on the trees. The densities of phytoseiid mites and spider mites on the trees were, respectively, higher and lower in the weed plots than in the control plots. The mean density of yellow tea thrips, Scirtothrips dorsalis Hood, on the trees was also higher in the weed plots than in the control plots. Some phytoseiid mite species were commonly observed on both groundcover around the tree trunks and pear trees throughout the survey period, suggesting contributions of the phytoseiid mites supplied from the groundcover in spider mite control on the pear trees.
著者
山崎 晋
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.169-175, 1992-08-25 (Released:2009-02-12)
参考文献数
20

アオオサムシ(Carabus insulicola insulicola)を卵期から3齢脱皮まで,T28, T24, T21, LLの4種の光周条件下でそれぞれ飼育し,続く3齢幼虫期の活動リズムを記録・解析した。T24とT21にはすべての個体が同調したが,T28にはすべての個体が同調できなかった。同調様式は,夜行性と昼行性の中間的な特異的活動パターンを示した。T24区では,暗期開始2.6時間から活動を開始し,その活動が明期開始後4.5時間まで続いた。T21区では同様に消灯後4.0時間から点灯後7.0時間まで活動がみられた。両光周条件下において活動時間(α)の暗期中の活動量は低く,間欠的であるのに対し,明期中の活動量は高く,連続的であった。明暗サイクルと活動位相との位相角関係は,環境周期(T)に依存した一定の関係を示し,Tが長くなると前進した。同調しなかったT28区では,半数の個体が26.6h(平均)の周期を示した。この場合,αと明期が一致している間は活動量は増加した。残りの半数では,リズムは不明瞭であった。T21で飼育した3齢幼虫の自由継続周期(τ)は,T24で飼育した幼虫に比べ約1時間短くなった。しかしT28で飼育した幼虫は,T24と有意な差がなかった。
著者
岩崎 拓 青柳 正人 百々 康行 石井 実
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.147-151, 1994-08-25 (Released:2009-02-12)
参考文献数
6
被引用文献数
2 3

オオカマキリとチョウセンカマキリの卵嚢からのカマキリタマゴカツオブシムシ越冬世代成虫の脱出パターンおよび成虫の寿命と産卵数を準自然条件下において調べた。越冬世代成虫の脱出は,5月と6月に見られたが,両種の卵嚢において,雌より雄の方が早く脱出し,雌雄とも,脱出はオオカマキリ卵嚢からの方が早かった。脱出後,雌雄のカツオブシムシとも約2か月間生存し,産卵は,5月下旬から8月中旬まで見られ,1雌当りの産卵数は約10個であった。しかし,両種のカマキリが産卵を始める9月まで生存する個体はなかった。7月下旬と9月中旬に採集したハラビロカマキリおよびチョウセンカマキリのふ化後の卵嚢から,それぞれ,このカツオブシムシの幼虫と脱皮殻を付着した羽化直後の成虫が得られた。越冬世代成虫の脱出は6月中に終了するので,これらの個体はいずれも第1世代のものであると考えられた。
著者
稲泉 三丸
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.29-38, 1970-03-25 (Released:2009-02-12)
参考文献数
17
被引用文献数
4 5

従来,わが国のワタアブラムシは卵態でクサギ,ムラサキシキブ,ムクゲに越冬することが知られていたが,筆者は胎生雌越冬もすることを確かめた。また,クサギ,ムラサキシキブに卵を産むアブラムシはワタアブラムシとは異なる,ほかのAphisの1種であることをつきとめた。さらに,卵越冬する植物として,アカネ,ツルウメモドキ,クロウメモドキを,胎生雌越冬する植物として,オオイヌノフグリ,タチイヌノグリ,イヌノフグリ,ナズナ,タチアオイ,キク,イチゴ,オオバコなどを記載した。また,野外について,これらの冬寄主上に春はじめて有翅虫の羽化する時期と,中間寄主へはじめて有翅虫の飛来する時期とを調査し,その結果からワタアブラムシの冬から夏にかけての伝播の経路を推察した。そのほか,世界各地のワタアブラムシの越冬法についての知見をもとにして,卵および胎生雌越冬と気候,地理との関係を論じた。
著者
高橋 敬一
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.201-205, 1987-08-25 (Released:2009-02-12)
参考文献数
6
被引用文献数
15 16

餌アブラムシの有無がナナホシテントウ幼虫の共食いに与える影響を各種の発育ステージの組合せについて調査した。1) アブラムシを与えないといずれの齢期の幼虫も卵を共食いしたが,アブラムシを与えると3齢以上の齢期では卵の共食いはみられなかった。しかし,1, 2齢期ではその場合でも若干の共食いが見られた。2) 幼虫間での共食いはアブラムシを与えないと2齢以上の齢期で多く起こったが,アブラムシを与えるとほとんどみられなかった。アブラムシさえ十分にあれば,幼虫の齢構成や飼育密度の違いは共食いの原因にはならないと思われる。3) 蛹に対する共食いは,アブラムシの有無にかかわらずほとんど起こらなかった。
著者
根本 久 桐谷 圭治 小野 久和
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.150-155, 1984-08-25 (Released:2009-02-12)
参考文献数
23
被引用文献数
12 9

(1)幼虫を0, 10, 50, 100, 500, 1,000, 5,000,および10,000ppmの8段階濃度のメソミル溶液に浸漬処理したところ,10および100ppm区でそれぞれ1.3倍および1.5倍と無処理区よりも有意に産卵数が増加した。(2) 蛹を0, 10, 50, 100および500ppmの5通りのメソミル溶液に虫体浸漬した。供試蛹はすべて5.5∼6.5mgのものに限った。その結果,無処理と比較して産卵数および受精率の増加,さらに,成虫生存期間の短縮などが認められた。1日当り1雌当りの産卵数および受精卵数は増加した。こうしたことから内的自然増加率(r)や1か月後の期間増殖率(λ)の値は大きくなり,たとえば10ppmでは無処理と比較して,それぞれ1.13倍および2.03倍となった。
著者
土田 祐大 増井 伸一
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.99-108, 2021-05-25 (Released:2021-06-10)
参考文献数
46
被引用文献数
4

Five phytoseiid mite species: Phytoseiulus persimilis Athias-Henriot, Neoseiulus californicus(McGregor), Neoseiulus womersleyi(Schicha), Amblyseius eharai Amitai and Swirski, and Euseius sojaensis(Ehara)(Acari: Phytoseiidae)were collected from commercial Japanese pear orchards in Shizuoka Prefecture. To evaluate the suppressive effect of generalist phytoseiid species on the spider mite Tetranychus kanzawai Kishida(Acari: Tetranychidae), we compared four treatments(E. sojaensis release, A. eharai release, synthetic pyrethroid application, and no-release)performed in a greenhouse. These treatments were conducted when T. kanzawai densities were low, and pine pollen was provided as alternative food for predatory mites in all treatments. At late June, the peak densities of T. kanzawai were significantly low in E. sojaensis release and in no-release compared with in pyrethroid application and in A. eharai release. The dominant phytoseiid species in E. sojaensis release and in no release was E. sojaensis. After July, however, E. sojaensis densities became lower in E. sojaensis release as well as no-release, and thus T. kanzawai densities became higher in all treatments at early August. These results suggest that conservation and augmentative release of E. sojaensis prior to T. kanzawai population increase, might suppress the outbreak of this spider mite in Japanese pear orchards until early summer.