著者
瀬野 錦蔵
出版者
日本陸水学会
雑誌
陸水学雑誌 (ISSN:00215104)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.24-30, 1961-03-30 (Released:2009-10-16)
参考文献数
25

The Yukawa River flows down through the region consisting of sulfur and pyrites which makes the waters acidic. Acidity of waters caused by oxidation of pyrites is taken place not only on the earth surface but also on the subsurface. The pH of waters are high in the snow season of winter and low in summer inversely the flow rates of river decrease. The oxidation of pyrites seems to be violent in summer it is caused not only by accelerated reaction at high temperature, but the concentrated high acidic waters retained in the interspaces among gravels.
著者
浦部 美佐子
出版者
日本陸水学会
雑誌
陸水学雑誌 (ISSN:00215104)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.491-496, 2007 (Released:2008-12-31)
参考文献数
24
被引用文献数
6 10

ニュージーランド原産の小型巻貝コモチカワツボは,2007年11月現在,北海道・本州・九州の1道1府13県から記録されている。本種が在来生物に与える影響は明らかになっていないが,その増殖力のため,今後も注意深いモニタリングが必要であろう。本種は主として養殖魚類・貝類・水草等の移動に随伴して分散すると推定されるが,ゲンジボタルの餌として意図的に放流される可能性もある。また,人に付着するなどの偶発的分散もすでに起こっていると推定され,長靴等の器具を本種の侵入域で使用した後には乾燥・凍結・熱湯や薬剤による処理を行い,器具からコモチカワツボを完全に除去することが推奨される。
著者
目黒 章八
出版者
日本陸水学会
雑誌
陸水学雑誌 (ISSN:00215104)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.37-46, 1970-05-31 (Released:2009-10-16)
参考文献数
3

Lake Hakuryû-ko is situated about thirty kilometers south-west of Yamagata City and occupies 7.13 ha in the northeastern part of Yonezawa Basin. From the geological point of view, this lake is considered to be the relic of the Paleo-Yonezawa Lake.Even at the present time, in the surroundings the muddy marsh called “Ôyachi” spreads to an area of 900 ha.The present study has been carried on with the aim at elucidating the limnological features with special reference to the ecology.The annual deposition of suspended matter is estimated to be 70 mm in thickness. In other words, the lake has become shallower year by year. Under the circumstances, its maximum depth is now only 1.5 m. The bottom mud is composed of black organic matter under the reduced condition. The input of polluted water accelerates the rate of the eutrophication of this bog lake.In the summer and the season of thaws, the development of thermal stratification is observed. The transparency of this lake is only 0.40.7 m. This value is rather small as compared with that of other lakes in the same latitude.So far as the quality-of-water is concerned, this is characterized by the high concentration of chloride ion. At the littoral region, are found about 130 species of plants which contains 15 species of the alpine plants.
著者
今藤 夏子 奥田 しおり 大林 夏湖 上野 隆平 高村 健二
出版者
日本陸水学会
雑誌
陸水学雑誌 (ISSN:00215104)
巻号頁・発行日
vol.78, no.1, pp.13-26, 2016-10-03 (Released:2018-02-28)
参考文献数
46

ユスリカは広範な分布域とその種多様性から,陸水生態系における主要な環境指標種として用いられる。しかし,形態による分類・同定が難しく,塩基配列情報に基づくDNAバーコーディングの併用が有用であると考えられる。我々は様々な保存状態のユスリカ標本について,複数の方法でDNAバーコーディングを進め,塩基配列の取得率が標本の保存状態やDNA抽出方法によってどのように影響されたかについて比較を行った。シリカメンブレンフィルターを用いた精製は,保存状態に拠らず取得率が高く,特に貴重な標本や保存状態の悪い標本に適していると考えられた。一方,粗抽出や安価なキットによる抽出も,保存状態が良い標本や大量の標本を扱う際には有用であることが示された。ただし,室温で乾燥した標本や古い標本などに対しては,粗抽出法は有意に塩基配列の取得率が低くなったことから注意が必要である。古い標本などDNAの断片化により塩基配列が取得できないことが想定される場合は,シークエンス領域を短くすることで,取得率が回復できる場合もあった。また,翅の乾燥プレパラート標本や,水面から採集される羽化殻についてもDNA抽出とシークエンスを行った。成功率はそれぞれ18.0 %と41.7 %と決して高くはなかったが,目的に合致すれば,乾燥した翅標本や羽化殻も,DNAバーコーディングにおいて有用な試料となり得ると考えられた。
著者
長縄 秀俊
出版者
日本陸水学会
雑誌
陸水学雑誌 (ISSN:00215104)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.585-606, 1999-12-01 (Released:2009-06-12)
参考文献数
82
被引用文献数
1 3

バイカル湖オリホン島の小水域から得られた大型鰓脚甲殻類(カイエビ目)の1種をBaikalolkhonia tatianae gen. et sp. nov.(バイカロルホニア・タチヤニ新属・新種)として記載した。本属は,前額部に付属器官および全鰓脚に上肢三角板をそれぞれ欠き,尾節に1対の顕著な前棘が存在する点に基づき,科Cyzicidae STEBBING,1910(カイエビ科)に属すると判断された。本属固有の主な分類学的特徴は,第1脚対を含む前寄りの鰓脚上肢上角の多数が「円筒器官」へと変形していることである。この一連の上肢付属器官の特異な体制は,カイエビ科としては全く未知のものであり,かつ異例の形質でもあるため,カイエビ科の標徴を再評価し,同科において新たに定義された2亜科(バイカルカイエビ亜科Baikalolkhoniinaeおよびカイエビ亜科Cyzicinae)を提示した。本種以外のカイエビ目として,今日までに東アジア(極東ロシア,モンゴル,中国,韓国および日本)の隣接地域からは,4科(マルカイエビ科Cyclestheriidae,カイエビ科Cyzicidae,トゲカイエビ科Leptestheriidaeおよびヒメカイエビ科Limnadiidae)に分類される7属11種が知られている。これらの分布は,4つの動物地理学的な要素によってほぼ説明され,種の多様性については,ヨーロッパのカイエビ相と同様な,緯度に伴う明確な勾配が認められた。東アジアのカイエビ類について,種レベル・タクサまでのリストと検索表を付した。
著者
田中 晋
出版者
日本陸水学会
雑誌
陸水学雑誌 (ISSN:00215104)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.47-54, 1992-01-29 (Released:2009-06-12)
参考文献数
22
被引用文献数
4 8

カブトミジンコDaphnia galeata Snxsは形態の変異が大きく,古くから多くの変種(variety)が記載されるなど,分類学的に混乱した状態にあったが,最近ヨーロッパにおいて,近縁のウスカワハリナガミジンコDaphnia hyalina LEYDIGと区別されるはっきりとした種であることが明らかにされた。しかしわが国では,ハリナガミジンコD.longispina O.F.MULLERまたはD.hyalinaのシノニムか亜種としてあつかわれてきており,D.galeataの分類上の位置が確定されないできた。特にD.hyalinaとは明瞭に区別されていない。本報では,D.galeataとD.hyalinaの両種が分布する湖とされてきた琵琶湖と木崎湖のDaphniaを調べたところ,出現した種はどちらもD.galeataだけであることが明らかとなった。どちらの湖とも出現したD.galeataには大きな形態の変異があり,変異は二つの湖で異なっているが,この二つの湖の標本にもとづき単為生殖雌と雄の形態の記載と若干の考察を行った。
著者
岩田 勝哉 高村 典子 李 家楽 朱 学宝 三浦 泰蔵
出版者
日本陸水学会
雑誌
陸水学雑誌 (ISSN:00215104)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.341-354, 1992-10-29 (Released:2009-06-12)
参考文献数
18
被引用文献数
1

上海郊外の淀山湖湖畔にある中国綜合養魚系では,ソウギョ(Ctenopharyngodon idella)と食性の異なる他の数種のコイ科の魚を水草を主な飼料として混養し,非常に高い生産をあげている。このシステムでは,養魚池中に多量に排出されるソウギョの糞が直接,間接的に他の魚の餌として重要な役割を果たしていることが推察される。事実,この池から取り上げたフナ(Cayassius auratus)やコクレン(Aristichthys nobilis)の消化管内容物中にはソウギョの糞に由来する水草の断片が多数発見されている。本研究ではソウギョの糞が池の食物連鎖網の中でどのような役割を果たしているかを知るために,セキショウモ属の水草(中国名:苦草,Vallisneria spiralis)の砕片からなるソウギョの糞を養魚池から集め,それを実験室内で分解した。16日間の分解期間の問,糞中の炭素はほぼ一定の速度で減少し,元の含有率の約1/2にまで減少したが,窒素は分解8日後までほとんど減少しなかった。分解過程のソウギョの糞の単位乾燥重量あたりの窒素やアミノ酸含有率は分解8日後までは時間経過に伴って増加し,上限に達した。その後の含有率は分解時間の進行に関わらずほぼ一定値を示した。培養液中に加えた15NH4や3H-チミジンは速やかに分解過程の糞に取り込まれた。分解過程のソウギョの糞は細菌が繁殖するための基質として役立ち,また,付着細菌を含む分解過程の糞全体は池に共存する無脊椎動物や魚の新たな食物資源として重要な役割を果たすことが示唆された。

2 0 0 0 OA 汽水の生物学

著者
益子 帰来也
出版者
日本陸水学会
雑誌
陸水学雑誌 (ISSN:00215104)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.108-116, 1981-04-30 (Released:2009-10-21)
参考文献数
55
被引用文献数
4 1

REDEKE (1933) defines brackish water as a mixture of sea water s.str. and fresh water, and some authors distinguish estuaries from brackish water. From the biological point of view, however, all waters of moderate salinity can be regarded as brackish, as REMANE (1958) points out. The terms, poikilohaline and homoiohaline, could be used to divide brackish waters into two types, in a sense somewhat modified from that of DAHL (1956). Thus, brackish waters of unstable and variable salinity, temporally but not spatially, are referred to as poikilohaline while those of temporally stable salinity are termed homoiohaline. In poikilohaline brackish waters, the productivity does not always appear to coincide with increase of nutrients, because the unstability of salinity may result in limiting the immigration of both the marine and the freshwater euryhaline forms. It is generally believed that life began in the sea and then migrated landwards. Most of the migration may have begun by entering brackish waters. There, homoiosmosity may first have been required of immigrating organisms. The biological significance of brackish waters may be here, and this is also the principal motive of the present review.
著者
東川 航 吉村 真由美 八木 剛 前藤 薫
出版者
日本陸水学会
雑誌
陸水学雑誌 (ISSN:00215104)
巻号頁・発行日
vol.80, no.3, pp.107-124, 2019-09-25 (Released:2020-09-30)
参考文献数
148
被引用文献数
3

里山の水田地帯において人々に親しまれたトンボ科アカネ属の数種(赤とんぼ)は,近年における農地条件や農法の変化に伴って激減している。いくつかの保全研究によれば,赤とんぼの衰退原因は,各種の生息地利用の違いに従って種特異的と考えられる。すなわち,アキアカネ等の止水性種の卵および幼虫は農薬の悪影響を受けて減少することが知られている一方で,緩流水を伴う水域に生息するミヤマアカネの幼虫は農薬の影響を受けにくく,水田水管理の近代化による生息水域の減少に伴って衰退したことが示唆されている。また,卵の耐乾性が他種よりも強いノシメトンボにとっては,不耕起栽培による水田の土壌表面の乾燥化は衰退原因となりにくいことが分かっている。赤とんぼを総合的に保全するためには,各種のそれぞれの成長段階における生息地利用について理解を深め,衰退原因を把握し,生息地環境を適切に整備する必要がある。保全生息地においては,赤とんぼ各種が必要とするそれぞれの微小環境をバランス良く配置してやることが重要である。そうした生息地環境のデザインは,赤とんぼのみならず,里山の水田地帯において減少している他の多くの湿地性水生生物の保全にも寄与すると考えられる。
著者
片上 幸美 田中 俊行 本間 隆満 横山 淳史 朴 虎東
出版者
日本陸水学会
雑誌
陸水学雑誌 (ISSN:00215104)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.1-12, 2004-04-20 (Released:2009-06-12)
参考文献数
55
被引用文献数
4 7

富栄養湖である諏訪湖に端を発する天竜川の上流域では,造網性トビケラの一種,ヒゲナガカワトビケラStenopsyche marmorataが多数生息している。春から秋にかけて諏訪湖で発生した有毒藍藻のMicrocystisや,その細胞に含まれる肝臓毒microcystinが大量に天竜川に流下することがある。天竜川に生息するヒゲナガカワトビケラ幼虫のmicrocystin濃度の季節変化と,ヒゲナガカワトビケラからのmicrocystinの排出について研究を行った。幼虫のmicrocystin含有量は,河川水に含まれる有機懸濁物質中のmicrocystin濃度と相関を示した。また若齢個体ほどmicrocystin含有量が高い傾向が見られた。これは幼虫の成長に伴う食性の変化と関係していると考えられる。さらに前蛹,蛹,成虫からも低濃度ながらmicrocystinが検出された。Microcystin排出実験では,5日間microcystinが幼虫の組織内に残留した。これらの結果は河川生態系においでヒゲナガカワトビケラがmicrocystinのベクターとなり,さらに陸上生態系へもmicrocystinが移行する可能性を示唆している。
著者
山本 雅道 沖野外 輝夫
出版者
日本陸水学会
雑誌
陸水学雑誌 (ISSN:00215104)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.249-259, 2001-10-31 (Released:2009-06-12)
参考文献数
31
被引用文献数
4 4

第二次世界大戦後(1946~1999年)の諏訪湖の魚類群集の変遷を漁業統計を中心に分析した。漁業統計は,諏訪湖漁業協同組合の年度ごとの漁獲統計表を,暦年に整理し直して用いた。諏訪湖の総漁獲量は1946年より1970年にかけて増加し,それ以降減少に転じ,1999年には1946年以降での最低漁獲量を記録している。漁獲物は,魚類,貝類,エビ類に大別し,それぞれの漁獲量の変遷について検討した。1970年頃までの漁獲量上昇期には,貝類が漁獲量の1/2~1/3を占めていた年もあるが,魚類の中ではワカサギとフナが主要な漁獲物であった。また,この時期には多様な魚種が漁獲されていたことは特筆に値する。1970年以降では,漁獲物の大半がワカサギとなり,貝類の漁獲量は激減,フナも減産の一途を辿った。近年は,ワカサギ,フナ,コイ以外の魚種はほとんど採取されなくなっており,ワカサギに次いで漁獲量第2位であったフナに替わってコイの漁獲量が増える傾向にある。1970年を境に諏訪湖の漁獲量が減少した理由の一つに湖畔の埋立,浚渫工事による沿岸域の水生植物帯の減少を挙げることができる。最近の諏訪湖の総漁獲量は1970年代のおよそ1/4程度であり,ワカサギの漁獲量もおよそ1/10に減少している。その主な原因としては,漁業者の高齢化や魚価の低廉化による漁獲意欲の減退も考えられる。しかしながら,最近の漁獲量の減少を漁業者の漁獲意欲減退だけでは説明できない状況もあり,諏訪湖の湖沼環境が変化したことの影響についても合わせて検討する必要がある。生息魚類相の変化では,オオクチバス(ブラックバス)やブルーギルなどの外来魚種の増加やウキゴリの増加など,今後の推移を注意深く見守る必要のある事象が目に付くようになっている。
著者
伊藤 寿茂
出版者
日本陸水学会
雑誌
陸水学雑誌 (ISSN:00215104)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.219-222, 2006-12-01 (Released:2008-03-21)
参考文献数
11
被引用文献数
3 4

日本に帰化した淡水魚カダヤシGambusia affinis の塩分耐性を水槽内で調べた。飼育水の塩分を様々な上昇幅で24時間毎に上げていき, その生残率を調べた。1日で海水濃度まで上げた水槽では, 殆どの個体が死亡したが, 3日以上かけて徐々に塩分を上げた水槽では, その生残率は大幅に高まり, 海水に高い適応性のある魚種であることが確認できた。カダヤシは汽水域や海水域を一時的に生活場所と出来, 海水域を介して分布を拡大する可能性が示された。
著者
和 吾郎 藤田 真二 東 健作 平賀 洋之
出版者
日本陸水学会
雑誌
陸水学雑誌 (ISSN:00215104)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.13-26, 2013-07-10 (Released:2015-02-25)
参考文献数
35
被引用文献数
1

2004年8月と2005年9月に物部川上流域で発生した大規模山腹崩壊に伴う濁質の流出特性の変化を明らかにするため,2001~2011年における下流部の濁質負荷量,濁度と流量との関係(C-Q関係),アユ河川定着期(6~9月)の濁水(濁度10度以上)の発生日数の経年変化を調べた。山腹崩壊が発生した2004年以降,物部川の濁質負荷量,出水時の濁度上昇率(C-Q式の傾き),濁度10度以上の日数は山腹崩壊前(2001~2003年)に比べて増加し,その状況は2007年まで認められた。近年の濁質流出の動向について,2010年と2011年の濁質負荷量は,これら2ヶ年より降水量が少なかった2006年の50%以下まで減少した。一方,2009年以降,濁度10度以上の日数は再び増加傾向を示し,2011年では2006年の70日間に次ぐ54日間を記録した。以上のように,物部川の濁質の流出特性は大規模山腹崩壊を契機として高濃度濁水の発生及び濁水長期化が認められる状況に変化した。近年では高濃度濁水の発生は抑制されつつも,アユへの影響が懸念される水準の濁水は依然として高頻度で発生し,濁水長期化が継続している。
著者
長縄 秀俊
出版者
日本陸水学会
雑誌
陸水学雑誌 (ISSN:00215104)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.75-86, 2001-02-28 (Released:2009-06-12)
参考文献数
96
被引用文献数
2 3

甲殻類・鰓脚綱のうち,「大型鰓脚類」(ホウネンエビ目,カブトエビ目,カイエビ目,タマカイエビ目)の分類に関する資料を報告した。既存の分類体系における「大型鰓脚類」の位置付けについての概論を述べたうえで,日本の「大型鰓脚類」相について最近の知見にもとづき整理した。Brtek(1997)のリストを改訂して,現世の「大型鰓脚類」全体について科および属レベル・タクサまでのリストをまとめた。日本の「大型鰓脚類」相は8科8属11種(ホウネンエビ目3種,カブトエビ目3種,カイエビ目4種,タマカイエビ目1種)で構成され,キタホウネンエビDrepanosurus uchidaiおよびタマカイエビLynceus biformisを除くすべての種が,大陸との共通種である。
著者
上野 益三
出版者
日本陸水学会
雑誌
陸水学雑誌 (ISSN:00215104)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.105-110, 1968-10-28 (Released:2009-10-16)
参考文献数
14
著者
吉村 孝一 荒 勝俊 林 克己 川瀬 次朗 辻 和郎
出版者
日本陸水学会
雑誌
陸水学雑誌 (ISSN:00215104)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.204-212, 1984-07-30 (Released:2010-11-22)
参考文献数
19
被引用文献数
7 13

River Die-Away tests of linear alkylbenzene sulfonates (LAS) and soap were carried out. At 10 mg El-1 of surfactant in river water, dissolved organic carbon (DOC) due to soap decreased slightly faster than that due to LAS, while no significant difference was observed in the change of particulate organic carbon (POC) of either surfactant. As the result of River Die-Away test of soap at 30 mg El-1, POC level increased in the course of biodegradation of soap (till about day 15 of test period). The increase of POC level was inferred to be due to bacterial floc partially containing unsoluble soap (fatty acid salts). Fatty acids in the course of biodegradation of soap were analyzed by a pre-labelling HPLC method. The extent of biodegradation of fatty acids decreased in the following order : C12>C10≅C8>C14≅C18 : 2>C18 : 1>C16>C18 LAS was degraded according to Swisher's “Distance Principle” that the longer the alkyl carbon chain length, and the longer the distance between the far end of alkyl chain and the phenyl group, the faster the biodegradability becomes. Optimum temperature for LAS biodegradation was about 25°C. Although soap was degraded at both 10 and 40°C, LAS was not degraded at those temperatures. However, after incubation of river water containing LAS at 20°C, LAS was degraded even at 10°C.