著者
大石 学
出版者
東京学芸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

年度計画にもとづき、東京都、群馬県、山梨県、長野県などの史料保存利用機関において、江戸幕府の公文書に関する文献と史料の調査を行った。具体的には、幕府・朝廷間、幕府・藩間、幕府・旗本間、幕府・寺社間、幕府・町間、幕府・村間でやりとりされた史料に注目して調査・収集を行った。今年度は最終年度であるため、これまでの調査の成果を、文献と史料に大分類したうえで、上記のやりとりをもとにした小分類を用いて目録化した。地域史研究の進展の差や、調査地の制約などにより、目録は必ずしも完成されたものにはなっていない。しかし分類法を整理と、基礎的文献や基礎的史料を把握した意義は大きいと思われる。今後、対象地域や機関を拡大することにより目録を充実化させていきたい。これらの史料調査・分析の過程で、日本近世において、18世紀前半に8代将軍徳川吉宗によって展開された享保改革が、江戸幕府の公文書管理の重要な画期であったことが、あらためて確認されるとともに、吉宗の腹心ともいうべき大岡忠相が公文書政策に重要な役割を果していたことが明らかとなった。すなわち、大岡は町奉行時代に江戸の法令を集め、整理した『撰要類集』を編さんするなど幕府の情報蓄積に努め、その後寺社奉行に異動するとともに、公文書の持ち回りシステムを確立したのである。全国の代官所への公文書作成の指示もあわせて、享保改革の重要性があらためて確認された。
著者
伊藤 友彦 大伴 潔 藤野 博 福田 真二
出版者
東京学芸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

特異的言語発達障害(Specific Languag Impairment, SLI)とは、知的障害や聴覚障害、対人関係の障害など言語発達を遅滞させる明らかな問題が認められないにもかかわらず、言語発達に遅れや歪みがみられる障害をいう。欧米の研究者の間ではではよく知られた用語であるが、我が国ではあまり知られておらず、言語学的掘り下げた研究はほとんど行われていなかった。我々の研究の目的は日本語SLI例の特徴を明らかにするとともに、日本語SLIの評価法を提案することであった。今回の我々が行った日本語の典型的なSLI例と思われる子どもの縦断研究の結果、対象児は欧米の研究でG-SLIと呼ばれるタイプであることが明らかになった。欧米の研究ではG-SLIの子どもは時制、受動文などに困難を示すと言われているが、我々の対象児も同様な困難を示した。我々はさらに日本語SLI3例を対象として、文法格(grammatical case)に視点をあてた実験的研究を行った。その結果、SLI例は、年齢を対応させた正常発達の子どもに比して、格付与(case-assignment)の成績が悪いことが明らかになった。また、SLI群は、通常の語順と異なる、かきまぜ(scrambling)文の成績が著しく低いことが明らかになった。また、我々はアメリカ(アリゾナ州立大学)においてSLIの評価法に関する調査を行い、日本語SLIの評価法を提案する準備を行ったが、日本で行った難聴・言語障害学級を対象とした調査では、SLIの名称そのものの理解が得られないこともあり、日本語SLI例のデータ収集が十分にはできなかった。今回の我々の研究で日本語SLIの興味深い特徴がいくつか明らかになり、日本語のSLIの評価法に役立つと思われる基礎的知見が得られた。
著者
長谷川 正 松川 正樹 鎌田 正裕 新田 英雄 犀川 政稔 真山 茂樹 長谷川 秀夫 原田 和雄 中西 史 松川 正樹 長谷川 秀夫 新田 英雄 鴨川 仁 小川 治雄 前田 優 犀川 政稔 吉野 正巳 真山 茂樹 原田 和雄 中西 史 土橋 一仁 西浦 慎吾 鎌田 正裕
出版者
東京学芸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

理科の実験・観察を児童・生徒に印象づけるための動的実験・観察教材として,室内用を29件,野外用を3 件開発した.そして,それらを授業実施するため,教師,児童・生徒,保護者,地域のボランティアと大学教員や学芸員,学生としての院生と学部生からなる室内型と野外型の支援システムを構築した.さらに,学生・院生の科学コミュニケーターとしての意識を高めための,支援システムを活用した科学コミュニケーター育成プログラムの開発を試みた.
著者
斎藤 純男 井上 治 孟 達来 高木 小苗
出版者
東京学芸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

アフガニスタンにおけるモンゴル系のモゴール語は現在絶滅した可能性の高い言語であるが、服部四郎が1961年に現地調査を行なった際の未発表の録音資料が島根県立大学の資料中に発見され、それに基づいて研究を行なった。モンゴル系語彙を含むハザーラ語の話者の協力を得ながら、録音されたモゴール語の語や文を音声・文法・意味の面から詳しく記述した。使用した録音資料からは、モゴール人はハザーラ語も話すという新しい情報も得られた。また、永久的保存のためテープによる録音資料をデジタル化するとともに、過去に発表されたモゴール語語彙を電子化してデータベースの基礎とした。