著者
原 大周 小塩 平次郎 佐々木 淳 矢野 貴久 弓取 修二
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
年次大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.21, pp.1100-1103, 2006
参考文献数
3

過去の教訓に学びつつ、プロジェクト担当者がマネジメント上の分岐点で判断する際に参照できる情報を蓄積し、まとめることは極めて重要である。筆者らは、プロジェクトの中間・事後評価又は追跡調査・評価等から得られる情報を活用し、「NEDO研究開発マネジメントガイドライン(以後、「ガイドライン」という。)を作成した。このガイドラインは、プロジェクトの進捗段階に応じて立ち上げ段階から終了段階まで6つのフェーズに分類し、レビューポイントを明確化した。具体的には、「(1)先導調査の提案」として、先導調査の着手の判断を行うフェーズ、「(2)先導調査の実施・予算要求」として、プロジェクト予算要求の是非の判断を行うフェーズ、「(3)プロジェクト基本計画の策定」として、プロジェクトの骨格となる基本計画を策定するフェーズ、「(4)プロジェクトフォーメーションの決定」として、プロジェクトの実施体制・スケジュール等の詳細決定を行うフェーズ、「(5)実施段階」として、日々のマネジメントと各種評価の反映を行うフェーズ、「(6)終了段階」として、終了間近な時点におけるフォローアップを行うフェーズ、を設定した。全6つのフェーズのうち4つを立ち上げ段階が占めるのは、これらが特にプロジェクトの成功・失敗に大きな影響を及ぼすと考えられるためである。本稿ではこの立ち上げ段階にターゲットを絞り、ガイドラインで示した着目すべき指標とNEDOのマネジメントのあり方について検証した。
著者
田路 則子 新谷 優
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究 技術 計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.312-325, 2016-02-24 (Released:2017-10-19)

The region of Silicon Valley had attracted investment and human resources while the core industry has shifted from the previous field to the next field and an entrepreneurial ecosystem has evolved. Recently, web & mobile business have emerged. Immigrant entrepreneurs have the advantage of being able to hire low paid engineers in homecountries rather than high paid engineers in Silicon Valley. Most of them choose buyout instead of IPO and accmulate entrepreneurial experiences for their next startups. We found three factors which stimulate growth in startups in the preliminary study. The first is plural founders including CTO, the second is avoiding niche markets and the third is global orientation.
著者
真鍋 誠司 安本 雅典
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究技術計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.8-35, 2010-12-28
参考文献数
147

The article attempts to streamline the numerous Open Innovation studies and thereby elucidate the concept of Open Innovation (and openness). Since the early 2000s, quite a few studies have explored a broad range of issues (e.g., business strategy, industrial structure, management practice) based on the "Open Innovation" perspective. Nevertheless the concept of Open Innovation has rapidly become rather elusive as a variety of studies, mostly of an empirical nature, have been conducted without a solid conceptual structure for Open Innovation. The article examines more than 140 academic articles and books relevant to Open Innovation. After outlining how the actions of firms and environmental factors co-developed toward openness, the article shows the environmental conditions for Open Innovation, proposes a typological framework streamlining Open Innovation strategies and practices, and reveals related issues to be explored. Finally the article suggests theoretical and managerial implications drawing on the literature survey.
著者
湯川 抗
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究 技術 計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.115-128, 2013
参考文献数
34

大企業といえども社内のR&Dだけで新たなイノベーションを生み出すのは困難になりつつある。ベンチャーは大企業にとって,新たなイノベーション創出のためには欠かせないパートナーであろう。本稿は我が国大手ICT企業によるICTベンチャーとの関係をCVC投資の観点から考察し,大手ICT企業が,どの程度ベンチャーと関わっているのかを定量的に明らかにする。具体的には,上場ICTベンチャー129社に関し,これらの企業が上場を果たす過程でどのような企業から投資を受けてきたのかを目論見書に基づいて構築されたデータベースから分析した。分析結果からは,理論的にはイノベーション活動のパートナーと考えられるICTベンチャーに対し,我が国大手ICT企業は積極的に関わってきたとはいえないことが示唆される。ICTベンチャーに対する投資額の半数以上は,ICTビジネスを自らの主要な事業領域としない企業によって行われたものであり,CVC投資を行っている企業の4割以上は,こうした企業のうちでも非上場の企業である。ICT企業のCVC投資のみをみると,大手ICT企業はそれなりの存在感を示しているものの,これは非常に積極的な少数の企業に牽引されていると捉えることができる。我が国大手ICT企業は,CVC投資に積極的なグローバル企業と比較すると,少なくとも我が国ICTベンチャーを積極的に活用しようとしているとはいいがたい。
著者
菅澤 喜男
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究 技術 計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.28-35, 2008-06-12 (Released:2017-10-21)
参考文献数
20

This paper provides an introductory description of the concept of technology intelligence, a concept rather new to many readers, along with its applications to focusing of technological development and identification of new business areas. Since the establishment of the Society of Competitive Intelligence Professionals (SCIP) in the U.S. in 1986, many research works, including applications in actual enterprises, have been published. Japanese studies on technological strategy seem, in contrast, to fail to fully appreciate intelligence activity in enterprises. While being accepted as one of the most important areas of technology management, technology intelligence is understood somewhat differently in the U.S. and Europe: the Americans focus on the logic and methodologies for winning in competition; the Europeans emphasize creative actions for the development of new technologies and products. The author reviews studies in the area in the U.S. and Europe, expecting that this information serves as a starting point for technology intelligence studies in Japan.
著者
松田 昌幸
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
年次学術大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.1065-1067, 2006-10-21

これからの日本の生きる道は先進的なアイデアにより日本を取り巻く諸国に先んじて開発を行い、知的財産の強化を進めなければならない。本日の講演は、開発現揚で実際に実施して顕著な効果を確認された集団による新技術、新製品、新事業のアイデアを創生した手法を具体的に提案するものである。この方法は技術の分野に限らず職場での人間関係の改善の提案をするばあいなどにも応用できる多分野、多目的に応用できるもので、所謂KJ法とブレインストームとを組み合わせたものである。従来のものと大きく異なるのは、従来は発言してアイデアを発表するものであったが、MKJ法は紙に書いて提案するものである。MKJ法の基本的なルールは、(1)カードにアイデアと名前と提案時間とを書く(2)特許請求範囲に採用された提案者は発明者になる(3)特許請求範囲を支える具体的な実施の例を提案した者も発明者とする(4)同じ内容の提案が有った場合は最先の者が採用される(5)提案グループは一定期間守秘義務を負う(6)提案行為は同じグループ・メンバーで一定期間継続する(7)一定期間を経過した後は、他のグループ・メンバーに情報を開示しアイデアの拡がりを促進する。MKJ法の本質は提案者のオリジナリティを尊重することにある。
著者
平井 祐理 渡部 俊也 犬塚 篤
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究 技術 計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3_4, pp.259-272, 2013-04-25 (Released:2017-10-21)
参考文献数
61

日本では「大学発ベンチャー1000社計画」以降,大学発ベンチャー数は急速に増加したが,その業績は全体として好調であるとは言い難い。そこで本研究は,日本の大学発ベンチャーを対象とし,高い業績を達成するための成功要因を明らかにすることを目的としている。本研究では,Upper echelons perspectiveの視点から,大学発ベンチャーのトップ・マネジメント・チームに注目をし,そのデモグラフィック特性とプロセス要因を取り上げた。質問票調査のデータについて回帰分析を行った結果,大学発ベンチャーの業績には,トップ・マネジメント・チームに大学外出身者の割合が高いこと,チームの異質性が高いこと,戦略的コンセンサスと個人的な親密さの交互作用項がそれぞれ正に有意に影響を及ぼしていた。これによって,大学発ベンチャーが高い業績を達成するためには,そのトップ・マネジメント・チームは異質的であることが重要であり,またビジネス上とプライベート上のどちらか一方の関係性を深めれば良いということではなく,両側面において密なコミュニケーションがとれていることが重要であるということが示唆された。さらに,企業業績に対するトップ・マネジメント・チームの影響に関しては,デモグラフィック特性とプロセス要因は別の要因として検証することができるという可能性が示唆された。
著者
金間 大介
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究 技術 計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.62-72, 2012
参考文献数
23

若手研究者は国や組織の競争力を高める重要な資源であるため,今後の科学技術政策やイノベーション戦略を立案する上で,彼らの意欲を高めるような方策を検討することには大きな意味がある。そこで本研究では,直接若手研究者に対しインタビューを行い,研究を行う動機や,やる気を低下させる要因,その対処法などについて調査した。その結果,若手研究者には,彼らの持つモチベーション特性の違いから,課題解決型と課題発見型の2つのタイプが存在することが分かった。課題解決型の若手研究者は,自己の能力や技能を用いて課題解決に挑むことに研究の面白さを感じる一方で,対応不可能と思われる課題や暖昧な課題を与えられた時に意欲の低下が見られた。このような時彼らは,暖昧な作業の中から挑戦すべきテーマを見つけ出すなどして自らのモチベーションを保つよう対処していた。課題発見型の若手研究者は,自身が関与する研究分野を既知の領域と未知の領域に別けて考え,自らが先頭に立って未知の領域を開拓することを研究意欲の源泉としていた。また彼らは,外部からの強いコントロールを感じた時に意欲の低下を示した。このような時彼らは,何らかの外的な報酬に行動の原因を帰属させることでモチベーションを取り戻そうとしていた。
著者
品川 啓介 玄場 公規 阿部 惇
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究 技術 計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.200-213, 2014

青色発光ダイオード製品開発を例にとり,科学論文書誌情報をもとにこの製品開発に伴い生じた科学知識の爆発を分析することによって,その背後にある技術的プロセスイノベーションの特徴を探る。青色発光ダイオード製品開発においては,青色発光を可能にする新しい半導体結晶材料の候補として,ガリウムナイトライド(以下,GaNとする)結晶とセレン化亜鉛(以下,ZnSeとする)結晶が時期を同じくして存在し,結果,GaN結晶の開発成功によって初めて製品化を実現したことが知られている。科学論文の書誌情報をもとに,1970年から2012年(データ収集時におけるデータベースの最新収録年)までの両結晶開発推移を分析した結果,GaN結晶開発に関わる研究論文はロジスティック曲線を描くように増加する一方で,ZnSe結晶開発に関わる研究論文では緩やかな単調増加が観察された。GaN結晶開発に見られるこの曲線の前半には,科学知識の爆発と見られるGaN結晶開発研究の論文急増が生じており,GaN結晶の製品化を可能とするプロセス技術として知られるMetalorganic chemical vapor deposition(MOCVD)が研究課題として含まれていた。以上の発見から,GaN開発研究成功の背景には「科学的知識の爆発」が存在し,その爆発の様子は製品開発に関わる論文累積数の急激な上昇によって観察され,その因子のひとつとして科学を起点として形成される技術的プロセスイノベーションが挙げられることを指摘する。
著者
野津 喬
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究 技術 計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.202-214, 2017-07-28 (Released:2018-01-26)
参考文献数
34

To promote industrialization of agriculture in Japan, it is critical to accelerate the development of excellent new varieties that meet market needs, especially the needs of the food industry. To date, there are limited studies which have quantitatively analyzed factors influencing the introduction of new varieties by the food industry.Using the data of the questionnaire survey, this paper has analyzed the introduction of new varieties by the food industry. In the present study, by obtaining the information of new varieties from research institutes and to differentiate new varieties from existing one, the food industry's willingness to use new varieties increased.This paper also revealed that the utilization of new varieties differs depending on the type of food industry.
著者
深見 克哉 澄川 愛 西村 淑子 末次 由佳 花田 由紀
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究 技術 計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.185-201, 2017-07-28 (Released:2018-01-26)
参考文献数
22

Transferring materials is necessary for research in universities. However, there are currently some problems regarding material transfer: firstly, the delayed completion of the Material Transfer Agreement (MTA) due to the complexities of MTA terms and the procedure of MTA completion, and secondly, the large risk of infringing on others' rights brought about by modifications, inventions resulting from the use of materials, etc.To solve these problems, we have begun managing all of the materials and the material transfer processes via a web system enabling an online application of the material transfer (MMC system). All researchers at the institution use the MMC system whenever they receive or send materials. As a result of the MMC system, the centralization of MTAs has been successfully implemented. The MMC system could also support the transfer of materials in compliance with laws related to the material transfers.
著者
妹尾 大
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究 技術 計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.177-180, 2017-07-28 (Released:2018-01-26)

In this article, the author mentions the following three points as modern meaning of "Managing the Flow of Technology" which was published 36 years ago.Firstly, direct communication is still important to the engineers, as it used to be.Secondly, visualizing the flow of Information acquisition and dissemination into the organization is becoming more precise and with lower cost than before.Thirdly, the findings that the space design of the workplace affects communication among engineers might be extended to not only building design but also urban design.Three books are also recommended to be read together with this Allen̓s work. The readers can think more deeply about each of these three points.
著者
児玉 充
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究 技術 計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.161-175, 2017-07-28 (Released:2018-01-26)
参考文献数
66

This paper presents the research perspectives from the macro viewpoint of "corporate boundary dynamics" and the micro viewpoint of "organizational capability" regarding corporate strategy adapted to the evolution of convergence in advanced ICT era. As a first point, convergence is the viewpoint of accelerating "Collaborative Innovation" of people, organizations, companies and industries, and raising the possibility of creating a new business ecosystem by dynamically restructuring corporate boundaries. And as an element to decide the corporate boundary, this paper presents that the elements of "creativity-view" and "dialectic-view" as "boundary conceptions" held by stakeholders are important. Secondly, this paper points out the importance of "Dynamic Capabilities (DC)" as an organizational capability adapted to environmental change called convergence. In this paper, DC will increase the possibility of creating new innovation through asset orchestration of internal and external assets toward dynamic reconstruction of corporate boundary, inducing perception and cognition of new environmental change.