著者
矢谷 博文
出版者
社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会雑誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.190-198, 2005-04-10 (Released:2010-08-10)
参考文献数
32
被引用文献数
1

目的: 補綴臨床が8020運動にどのような臨床的インパクトを有しているかを知るため,(1) 歯質欠損あるいは少数歯欠損を補綴することで支台歯の寿命は延びるか,(2) 補綴治療は補綴をしていない残存歯の寿命を延ばすことに貢献するか, の2つの問いに対する答えを系統的文献レビューにより明らかにすること.方法: 歯冠補綴装置の生存率, クラウンブリッジの支台歯の運命, 部分床義歯装着およびインプラント治療が残存歯の生存に及ぼす影響, および欠損を放置した場合と補綴した場合の残存歯の喪失率について, 適切なMeSH (Medical Sublect Headings) の選択と包含基準の設定を行ったうえで, PubMed からコンピュータオンライン検索を行った. 検索された文献の抄録を精読してさらに文献を絞り込み, レビューを行った.結果: 得られた結果は以下のとおりである.(1) クラウンブリッジは, 装着後13年以上経過すると急速にトラブルが増加し, 15年で約1/3, 20年で約1/2が機能しなくなる,(2) 歯質欠損あるいは少数歯欠損をクラウンブリッジで補綴することで支台歯の寿命を延長することができる,(3) 少数歯欠損を放置した場合と比較して, インプラントあるいはブリッジによる欠損補綴は残存歯の寿命を延ばすことに貢献できる.結論: クラウンブリッジおよびインプラント治療は, 支台歯ならびに欠損隣在歯の寿命の延長に貢献できることから, 補綴臨床が8020運動に与える臨床的インパクトは大きい.
著者
吉岡 慎郎 小河 弘枝 桑原 俊也 宮内 修平 丸山 剛郎
出版者
社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会雑誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.817-822, 1992-08-01 (Released:2010-08-10)
参考文献数
23
被引用文献数
1 1

In order to investigate the characteristics and reproducibility of the mandibular position during phonation of a Japanese syllabary single sound, intra- and inter-individual variations of the mandibular position were analyzed in 10 normal subjects using the Sirognathograph Analyzing System.Results were summerized as follows:1. With regard to the characteristics of the mandibular position during phonation of each vowel pronunciation, the order of the amount of the mandibular displacement in the vertical and anterior-posterior directions from maximum to minimum was IA/, /E/, /O/, /I/, and /U/ vowel pronunciation.2. With regard to the characteristics of the mandibular position during phonation of each consonant pronunciation, IS/ consonant pronunciation showed the smallest mandibular displacement in the vertical and anterior-posterior directions of all the consonant pronunciation.3. Phonation of each distinct single sound was performed at each characteristic mandibular position. However, high degree of reproducibility of the mandibular position during phonation was demonstrated in every subjects.4. The mandibular position during phonation of a Japanese syllabary has a little inter-individual variations in both antero-posterior and lateral direction. However, they showed a large inter -individual variation in superio-inferior direction.
著者
中居 伸行 貞森 紳丞 河村 誠 笹原 妃佐子 濱田 泰三
出版者
社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会雑誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.163-172, 2004-04-10 (Released:2010-08-10)
参考文献数
18
被引用文献数
7 9

目的: Oral Health Impact Profile (OHIP) はオーストラリアで開発された口腔QOLの評価法であり, 近年では, ほかの国々でも徐々に使用され始めている. 今回われわれは, OHIPの原版 (英語版) を日本語に翻訳し, 日本での使用の妥当性を確認した。方法: 本研究は2力国語に通じたもの (39名) を対象に, 原版と邦訳版の回答を比較・検討した. OHIPの翻訳の妥当性は項目ごとの一致率とλ係数 (対象性評価の指標) によって分析した.結果: 尺度ごとの平均一致率はそれぞれ, 「機能的な問題」75%, 「痛み」76%, 「不快感」69%, 「身体的困りごと」79%, 「心理的困りごと] 77%, 「社会的困りごと」90%, 「ハンディキャップ」85%であった. 全49項目中41項目は0.4以上のλ係数を有し, 高い一致性が認められた. 上記7尺度のα信頼性係数は, 原版では0.76-0.90, 翻訳版では0.77-0.89にあり, 日英両版の尺度の内的妥当性が変わらないことが示唆された. 日英両版における7尺度のSpearmanの順位相関係数は0.83-0.92 (p<0.001) で, 優位な相関性を示した.結論: 日本語版OHIPは, このように高い信頼性と翻訳の妥当性を有することから, 日英の2言語間で使用可能であることが示唆された.
著者
石上 恵一 星野 浩之 武田 友孝 月村 直樹 高山 和比古 青野 晃 大岩 陽太郎 濱田 久 島田 淳 片山 幸太郎 大木 一三
出版者
社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会雑誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.481-487, 1992-06-01 (Released:2010-08-10)
参考文献数
17
被引用文献数
2 2

Recently, sports dentistry has attracted attention as a field of sportsmedicine. Since the stomatognathic system and the systemic condition closely affect with each other, we have studied both of them objectively, physiologically and scientifically.Archery is a sport requiring static concentration of thought, and it seems to be extremely important for this sport to control a basic posture at the time of aiming at a target.This study was carried out for the purpose of obtaining a fundamental data on how a bite raising for vertical position by a resin splint, which maintained stable occlusion, influenced gravity fluctuations in posture at the time of aiming at a target.
著者
野村 修一 三浦 順市 金子 康弘 星野 寿幸 石岡 靖
出版者
社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会雑誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.789-793, 1991-08-01 (Released:2010-08-10)
参考文献数
13

This study aims to applicate the Biometric impression trays for Japanese edentulous patients. A hundred (fifity males and fifity females) Japanese bucco-lingual breadth (BLB) s of the dentulous alveolar process were measured on maxillary study casts by the three dimensional coordinate measuring machine.Results:1. Average measurements (mm) and standard deviations (mm) were as follows. Central incisor; 5.7±1.15, canine 7.5±1.41, first premolar 10.7±1.07, second premolar 11.4±1.37, first molar 13.4±1.25 and second molar 12.3±1.33.2. Japanese average measurements were 0.5-1.0mm smaller in incisor and canine region, but 0.6-0.8 larger in premolar and molar region as compared with figures of Scottish that Watt had reported.3. Biometric tray of which design is based on the average BLB measurements will become a concrete guide to the breadth of the flange of complete upper dentures for Japanese.
著者
森川 理 大竹 貫洋 埴 英郎 松村 光明 三浦 宏之 高橋 英和 西村 文夫 本橋 孝志
出版者
社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会雑誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.213-222, 2002-04-10 (Released:2010-08-10)
参考文献数
19

目的: 口腔内で使用する合金は生体適合性に優れ, 各種修復物に応用可能なものが望まれる. 最近, 耐食性に優れ, 生体適合性も良いとされる歯科用金チタン合金が市販された. そこで, この合金の機械的性質および陶材との焼付強さを測定し, その有用性を検討した.方法: 実験には市販の陶材焼付用金チタン合金を使用した. 各種鋳造試験片はメーカーの指示に従って鋳造, 熱処理を行い作製した. 機械的特性として引張特性, 硬さを, 熱的特性として熱膨張係数を測定した. 金チタン合金と従来型陶材, 超低溶陶材との焼付強さをDIN13927に準じて求めた. 対照として, 従来の陶材焼付用金合金と従来型陶材の焼付強さも求めた. 金チタン合金に従来型陶材を築盛し割断した試料をEPMA分析した.結果: 引張特性と硬さは熱処理により変化し, 軟化熱処理した値は有意に小さかった. 硬化熱処理ではタイプ4金合金に近い機械的性質を示した. 熱膨張係数は従来の陶材焼付用金合金よりも大きかった. 焼付強さはいずれの陶材を用いても40MPa以上を示し, 従来型陶材焼付用金合金の値とは有意な差を認めなかった. 剥離面を観察したところ金属側には陶材の成分が, 陶材側にはチタンが存在していた.割断面を観察したところ, 焼付界面直下に酸化チタンが認められた.結論: 今回検討した金チタン合金は, 単一合金で広範囲な修復が可能な機械的性質を有し, かつ十分な焼付強さを示したことからその有用性が示唆された.
著者
杉木 進 山縣 健佑 樋口 貴大 杉山 一朗 北川 昇
出版者
社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 = The journal of the Japan Prosthodontic Society (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.257-270, 2001-04-10
参考文献数
21
被引用文献数
6 1

目的: 本研究の目的は, 被験音 [サ], [シ] を義歯装着時と無歯顎時にそれぞれ発音させ, 静的パラトグラフィーを利用して, 舌と口蓋ならびに歯槽部, あるいは舌と上顎義歯との接触パターンを比較することである.<BR>方法: 被験者は, 無歯顎者10名 (男性3名, 女性7名). 口蓋ならびに上顎歯槽部を覆う黒色ビニール製の人工口蓋板に白色アルジネートの粉末を散布し, 被験者の口腔内に装着した. 被験音の発音後に, 人工口蓋板の舌接触部位は湿って白色から黒色へと変化して判別できた. 新たに開発した画像解析システムを使用して, 各被験者の同一被験音5回のパラトグラムを平均化した. 各被験者のパラトグラムを平均化したパターンを標準歯列模式図上に変換した. 同一音を累積したパラトグラムについて接触面積と左右の接触部位間の最短距離を比較した.<BR>結果: 無歯顎時 (E) と義歯装着時 (D) のパターンを比較すると, [サ], [シ] 発音ともに接触面積は, EのほうがDより広く, また, 左右の接触部位間の最短距離も, EのほうがDより有意 (Student t-test, p<0.05) に短かった.<BR>結論: パラトグラムのパターンは, Dに比較してEでは口蓋前方部への舌接触範囲が広く, 口蓋ヒダ部での呼気流路を示す "せばめ" が狭まる傾向がみられた.
著者
小池 麻里 藤井 弘之
出版者
社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会雑誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.315-321, 2001-04-10 (Released:2010-08-10)
参考文献数
29

目的: Ag, Sn, Znを主成分とする歯科鋳造用銀合金はしばしばコアあるいは一部被覆冠に使用され, それらの約89%は変色している. しかし, 現在まで乳酸以外の有機酸に対する銀合金の腐食反応を観察した報告は少ない. 本実験の目的は, 唾液やプラークに多く含まれる有機酸および人工唾液中における銀合金の化学的安定性を評価し, 腐食試験などで用いられることが多い生理食塩水中で得られた結果と比較検討することである.方法: 浸漬試験法を用いて, 成分元素の溶出, 重量変化, 表面色の変化および腐食生成物の組成を分析した.結果: 全浸漬液で, 銀合金から解離したZnとSnの溶出および不溶性の沈殿物を認めた. Agの溶出はほとんど認められなかった. また, 試料の重量減少と変色を確認した. さらに, 溶出や重量の減少が多い試料のなかに変色が少ない場合があることを観察した. 銀合金は生理食塩水に接触したときよりも乳酸, ギ酸および酢酸などの有機酸に接触したときのほうが腐食しやすいこと, 有機酸の種類によって溶出イオンの動態が異なることがわかった.結論: 本論文の結果は, 銀合金は口腔内環境のなかで腐食しうることを示している. この腐食の程度は変色だけでは評価すべきではない.
著者
河野 亘
出版者
社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会雑誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.178-192, 1991-02-01 (Released:2010-08-10)
参考文献数
55

This study was made to investigate the influence of gum texture on the chewing motion. The textures of chewed gum (Green gum, LOTTE Co.), the hardness, the cohesiveness, the gumminess, the stickiness and the adhesiveness, were quantified by a texturometer (Zenken Co.), and also the weight measured for 10, 20, 30, 60, 90, 120, 180, 240, 300 and 600 sec in 8 normal subjects and 2 patients with craniomandibular disorders (CMD). Using a kinesiograph (Model K 6, Myo-tronics Co.), the jaw movement of mandible was recorded three-dimensionally during 10min. habitual gum chewing. Multiple regression analysis was applied for investigating the effects of the change of gum texture and weight on chewing motion (criterion variables: chewing movement parameters, explanatory variables: texture and weight factors).The results obtained were as follows:1. In normal subjects, the closing and the occluding phases were observed high correlations with the hardness and the cohesiveness. On the other hand, the opening phase and the cycle time were not observed correlations with any texture and weight factors.2. In CMD patients, all parameters of chewing movement were observed high correlations with texture and weight factors.In conclusion, a central pattern generator (CPG), somewhere in the brain stem, is suggested to be responsible for rhythmical jaw movement in normal subjects. In CMD patients, however, jaw movement was easy to be affected by peripheral factors such as gum texture and weight.
著者
三浦 英司 高山 慈子 細井 紀雄
出版者
社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会雑誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.212-221, 2004-04-10 (Released:2010-08-10)
参考文献数
19

目的: 日常臨床において, 金銀パラジウム合金による鋳造鉤の変色がしばしば観察される. 本研究は, 溶体化処理後, 急冷あるいは空冷を行った金銀パラジウム合金製鋳造鉤を用いた部分床義歯を患者に装着し, 変色の経時変化を測定し, 溶体化処理の効果について明らかにすることを目的としたものである.方法: 装着中の義歯の鋳造鉤が, 高度の変色を示している10名を被験者として選択した. 12%金銀パラジウム合金を用いて, 1) 800℃1時間係留後水中で急冷, 2) 800℃1時間係留後, 室温で空冷, 3) 熱処理なし, の3条件の鋳造鉤を用いた部分床義歯を装着し, 装着時, 6ヵ月後, 1年後に鋳造鉤の輝度の測定を行った.結果: 義歯装着時の鋳造鉤の平均輝度は, 3種とも1, 000cd/m2以上の高い平均輝度を示した. 6ヵ月後の鋳造鉤は, 各条件とも装着時の約1/5-1/8と急激な輝度の低下が認められた. 1年後ではさらに輝度は低下し, 装着時の約1/7-1/12となった. 6ヵ月, 1年後ともに急冷を行ったほうが熱処理なし, 空冷に比べ輝度が高く有意差が認められた.結論: 熱処理の方法により鋳造鉤の輝度に有意差が認められたが, いずれも輝度は大幅に低下しており, 口腔内における金銀パラジウム合金の腐食性の高い患者では, 今回行った溶体化処理では耐変色性が十分でないことが示唆された.
著者
河野 真紀子 佐藤 裕二 北川 昇 椎名 美和子 原 聰
出版者
社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会雑誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.260-269, 2007-04-10 (Released:2010-08-10)
参考文献数
26
被引用文献数
4 7

目的: 超高齢社会を迎えた今, 患者のQOL向上のためには, 効率的で質の高い義歯治療が重要である, そこで, 義歯治療のテクノロジーアセスメントの手法を用いて, そのアウトカムを調査し, 新義歯治療における患者の義歯に対する評価の経時変化と, その原因を明らかにすることを目的とした.方法: 上下総義歯を新製した患者35名のアウトカムを検討した. 本研究では, 咀嚼機能・満足度・顎堤の状態をテクノロジーアセスメントとし, そのスコアを算出して用いた. 診査時期を,(1) 新義歯完成前の旧義歯使用時 (2) 新義歯装着後初回調整時 (3) 装着後約1ヶ月の3回とし, その評価の変動を検討した. また, 咀嚼機能評価および満足度評価の評価構成因子を分析・検討した.結果: 咀嚼機能評価では, 旧義歯の評価が高いほど新義歯の評価が低下する傾向が示された.満足度評価は, 経時的にスコアが上昇し, 「上顎義歯の適合性」と「下顎義歯の違和感」が満足度評価を左右する因子であることが示された. さらに, 咀嚼機能評価と満足度評価の変動には, 正の相関が示された.結論: 新義歯装着前後の患者の義歯に対する評価の経時変化と, その原因が明らかになり, 患者の満足度を高めるためには, 咀嚼機能および上顎義歯の適合性下顎義歯の違和感に重点をおいた治療をすべきであるという臨床的な示唆が得られた.
著者
小澤 美保子
出版者
社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会雑誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.727-740, 1992-08-01 (Released:2010-08-10)
参考文献数
48
被引用文献数
1

The purpose of this study was to investigate effects of typical Japanese eating positions on mandibular movement and EMG activities in head and neck muscles during chewing.10 males chewed gums of 3 different hardness (soft, medium and hard) in cross-legged sitting (CL), chair sitting (CS) and standing (S) positions. Mandibular movement and surface EMG signals were recorded. In each position during chewing, head movement (HM) and forward inclination of the head and body (FIH, FIB) were measured by photography.The results were as follows:1. Maximal vertical displacement was the largest in CL position in chewing of hard gum.Maximal opening velocity was the largest in S position in chewing of medium gum. Opening phase time, closing phase time and cycle time were the longest in CL position in chewing of medium and hard gum.2. Burst duration was the longest in CL position in chewing of all gums. Muscle activities at anterior temporal, posterior temporal, masseter and nuchal region of the trapezius muscles were most increased in CL position in chewing of medium and hard gum.3. HM was the largest in S position while FIH and FIB were the largest in CL position in chewing of all gums.
著者
満木 志おり 前川 賢治 水ロ 一 窪木 拓男 松香 芳三 山下 敦
出版者
社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会雑誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.451-456, 1999-06-10 (Released:2010-08-10)
参考文献数
26

The analgesic effects of amitriptyline was evaluated in 11 patients with chronic orofacial pain. The patients visited Fixed Prosthodontic Clinic, Okayama University Dental Hospital with the complaint ofchronic orofacial pain. They had been treated for more than six months with occlusal appliance or physicaltherapy before this study was started, and did not have good treatment results. Ten mg per day ofamitriptyline was started, and the amount was increased gradually depending on the patient's symptoms. Themaximum dose in this study was 70 mg in one patient and most of them were receiving under 50 mg/day. Theresults indicated that amitriptyline was effective in 9 of 11 patients. Two patients showed severe side effectsand stopped receiving it. It was concluded that amitriptyline is effective in the treatment of severe chronicorofacial pain. However, there were side effects with this medicine, so it is necessary to know the effects andside effects when administering it to orofacial pain patients.
著者
Nishigawa Keisuke Rodis Omar Marianito Maningo Matsuka Yoshizo Omoto Katsuhiro Hayama Rika Okura Kazuo Tajima Toyoko Suzuki Yoshitaka Hosoki Maki Shigemoto Shuji Ueda Mayu
出版者
社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科學會々誌 (ISSN:18831958)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.217-222, 2017
被引用文献数
28

Purpose: We previously investigated the effects of team-based learning (TBL) on fixed prosthodontic education and reported that TBL could have higher efficiency with high student satisfaction than traditional lecture. In the current report, we introduced flipped classroom to the fixed prosthodontic education and compared their effectiveness based on the final examination score in addition to TBL.Methods: Participants were forty-one students from XXXXXX University School of Dentistry who attended a fixed prosthodontics course. The first six classes adopted the flipped classroom style while the latter eight classes adopted TBL. To evaluate the relationship between learning styles and their effectiveness, we compared results from the term-end examination between the curriculum covered by flipped classroom and TBL-style classes. To draw comparisons, a referential examination with the same questions was conducted to eight faculty members who had not attended any of these classes.Results: Term-end examination results showed that TBL classes had slightly higher scores than flipped classroom classes. Referential examination results also showed higher scores for the same curriculum and no significant interaction was found between class formats and the term-end and referential examination scores. Analysis revealed no noticeable difference in the effectiveness of the class formats.Conclusion: Our previous study reported that TBL had higher efficiency than traditional style lecture. In the current study, there was no statistical difference in the examination score between flipped classroom and TBL. Therefore, we conclude that both styles are highly effective than traditional style lecture and constitute valid formats for clinical dental education.
著者
羽田 詩子 山村 理 川内 大輔 藤井 輝久
出版者
社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 = The journal of the Japan Prosthodontic Society (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.16-25, 2006-01-10
参考文献数
32
被引用文献数
2 2

目印: 歯科臨床において審美性と機能の調和が求められ, オールセラミッククラウンによる歯冠修復が普及している. 修復物の製作において, 天然歯の形態と色調の再現が重要である. しかし, 透明性が高いコーピング材料では, 支台歯の色調がコーピングの色調に影響を与える. そこで, 3種類のオールセラミック材料, Empress, Empress2 (IVOCLAR VIVADENT), Procera AllCeram (Nobel Biocare) について, 支台歯の色調がコーピングの色調に与える影響を評価した.<BR>方法: 上顎左側中切歯にEmpress (TC1), Empress2 (100), Procera AllCeram (ホワイティシュ) のコーピングを厚さ0.5mmに製作した. 支台歯はIPS Empress System (IVOCLAR VIVADENT) のダイマテリアル6種 (ST1, ST2, ST3, ST5, ST8, ST9), 金銀パラジウム合金, 金合金, 実験的黒体を用いて製作した. 各支台歯に3種類のコーピングを装着し, 歯冠頬側中央部を高速分光光度計を用いて測色し, L*a*b*表色系にて比較検討した.<BR>結果: 彩度の高いほうから, Procera, Empress2, Empress, 明度の高いほうからEmpress2, Procera, Empressの順であった. Dryの条件 (支台歯とコーピングを乾燥し装着した条件) あるいはWetの条件 (支台歯とコーピングの間に水を介在させ装着した条件) 下で測色した場合を比較すると, コーピングの色調は, 特に彩度に影響を及ぼした. Wetの条件で測定したST1を除く全ての条件について, 支台歯色との色差はEmpress2, Procera, Empressの順に小さくなることがわかった.<BR>結論: 二支台歯の色調を反映する順序はEmpress, Procera, Empress2であった. 臨床および技工操作においてはWetな条件で色調を観察および測定することが望まれる.
著者
田端 義雄
出版者
社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会雑誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.731-748, 1983-08-01 (Released:2010-08-10)
参考文献数
45
被引用文献数
2

Taking an impression is an important clinical step in prosthetic dentistry because it links the treatment work and model technique together. Since the fabrication of the prosthesis requires indirect techniques, there are many high quality, newly developed materials available. However, hydrocolloid impression is one which has been used for quite some time. Compared with the others, the hydrocolloidimpression material has several advantages such as hydrophilia, better flow, and no requirement of pressure or mixing. But there are some disadvantages that have been pointed out: dimensional instability, weak gel strength, and impartation of a rough surface to dental stone. Many efforts have been made to alter its undesirable properties, yet still some remain. By using 4 types of hydrocolloid impression materials in two group-a) Rubberloid heavy bodied and 5/16 small stick (VAN-R) and b) Politube reqular and 3/8 stick white (SURGIDENT) and 12 types of model stones (9 dental improved hard stone and 3 hard stone), the following parameters were investigated: (1) dimensional stability, (2) accuracy, (3) effect of tray design, (4) detail reproduction, (5) surface character of stone model, and (6) the effect of fixation. According to the results obtained, the following observations can be made:(1) The hydrocolloid impression material maintained in a supersonic humidifier (100% humidity) or in a wet box (85-90% humidity) had minimal weight change while those kept in the open room environment (50% humidity) or in water were unstable. But the dimensional stability of stone casts derived from the hydrocolloid impression of the original bridge die was poor under all condition used. This suggested that a short time interval between the impression work and stone pouring as well high humidity would give good results.(2) When different stone types having different setting expansion values were used, there was no correlation between the degree of deformation and setting expansion values. Therefore dimensional changes can not be explained solely by setting expansion of the stone.(3) Comparing the retention ability of hydrocolloid impression material with different tray forms, there were the same dimensional changes with both the rimlock type tray and that without the undercut. This suggests that there is no retentive effect in the horizontal vector. The retention due to vis or perforations was similiar. Therefore separation of the impression material from the tray after the impression work probably influences dimensional change.(4) Concerning the reproduction of detail, all the hydrocolloid impression materials gave a good reproduction of a 10μm wide line, but there were differences with different dental stone. The stone crystal granule size giving good reproducibility was 5μm, and that giving the worst was 20μm. This was determined by SEM observa tion. It was suggested that the use of a granule size over 20μm would make it difficult to reproduce a 20μm wide line. Comparing the stone surfaces made from either Coltex or hydrocolloid impression material, the surface made from the hydrocolloid impression material revealed larger growing crystal granules which may be due to the surface roughness or hardness of the impression.(5) Stones whose surface character may be affected by hydrocolloid impression material were Densite, Silkyrock, Velmix, Surstone, Tewe and Rapid stones, while those not easily affected were Mode-rock, Fuji-rock, Sunrock and New metal rock as well as New plastone and Hydro-gips. Clinically, the latter group seem to have less surface roughness.
著者
椿本 貴昭 岩崎 正一郎 瑞森 崇弘 中村 隆志 高島 史男
出版者
社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 = The journal of the Japan Prosthodontic Society (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.494-503, 2001-08-10
参考文献数
34
被引用文献数
1 2

目的: 咀嚼の側性を客観的かつ定量的に評価する方法として, 左右側を指定しない自由咀嚼運動の左右側ストローク数より非対称性指数 (Asymmetry Index, 以下AI) を算出する方法を用い, 方法の妥当性, さらには食品による変化, 日間変動について検討することである.<BR>方法: 被験者として健常有歯顎者10名を選択し, チューイング・ガム, カマボコ, グミ・ゼリー, タクアン, スルメ, ピーナッツ, ジャイアント・コーンの計7種類を被験食品に用いた. 被験者に左右側を指定しない20秒間の自由咀嚼運動を行わせ, 左右側のストローク数を視覚的に数え, AIを算出した. 記録は各種食品1日1回, 1週間ごとに計3回行った.<BR>結果:(1) 左右側ストローク数からAIを算出することにより, 咀嚼の側性を定量的に表現できた.(2) 咀嚼の側性を捉える目安として, 3日間のAIの中央値, 範囲から, 各被験者を片側咀嚼型 (U型), 両側咀嚼型 (0型), 不定側咀嚼型 (V型) の3型に分類できた.(3) 軟性食品では0型が, 硬性食品ではU型が多い傾向があったが, 軟性食品内あるいは硬性食品内での性状による差は認められなかった.<BR>結論: 本実験で用いた咀嚼の側性の評価方法は客観的かつ定量的方法であり, 咀嚼の側性は各被験者において特徴的で, 食品の硬性により影響を受ける可能性が示唆された.
著者
鈴木 哲也 熊谷 宏 内田 達郎 吉富 信幸 渡邊 竜登美 石鍋 聡 水口 俊介 関田 俊明 平野 滋三 宮下 健吾 小林 賢一 長尾 正憲
出版者
社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会雑誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.476-484, 1994-04-01 (Released:2010-08-10)
参考文献数
40
被引用文献数
2 4

The distribution of occlusal support of 366 aged patients of over 70 years was surveyed and analyzed in this study. Their masticatory abilities were also evaluated by the questionnaire on the masticatory aspects of 20 kinds of foods, and their maximum occlusal forces were measured with the pressure sensitive foil. The relations among masticatory ability, maximum occlusal forces and the distribution of occlusal support were analyzed.The results were as follows.1. 52.8% of the upper and lower dentulous patients had less than 5 occlusal tooth contacts.2. Posterior tooth contacts were less than anterior ones, and even in posterior areas, occlusal contacts tended to be less from the second molar to the first premolar.3. 61.2% of the upper and lower dentulous patients had no occlusal support or only unilateral occlusal support. It is evident that occlusal support is extremely ill-conditioned in elderly patients.4. It was found that if the aged have more occlusal tooth contacts and wider occlusal support areas, they would show better masticatory ability and greater maximum occlusal forces.5. In thier initial visits to our clinic they had poor occlusal support with their dentures.6. It is suggested that occlusal tooth contacts and occlusal support areas should be important for maintaining a healthy oral function in elderly people.
著者
寺岡 文雄 北原 一慶 多田 広宣 中川 正史 高橋 純造
出版者
社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会雑誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.274-279, 1995-04-01 (Released:2010-08-10)
参考文献数
12

Dimensional changes of complete dentures, which were constructed by six conventional polymerization methods, were investigated after polymerization and during storage. The discrepancy at median line and alveolar ridge was larger in the dentures constructed in a water bath at 70°C for 40 min and then at 100°C for 30 min, in a hot press and by microwave polymerization than in a water bath at 70°C for 24 hrs, for 8 hrs and by autopolymerization. The discrepancy at the denture border of the dentures constructed by autopolymerization during storage in water for 30 days was 0.174±0.048 mm and in the case of the dentures constructed by other polymerization methods was less than 0.1 mm. Since the dimensional changes of the dentures during storage in water occurred up to 7 days, it seems reasonable that wearing dentures or occlusional adjustment should be carried out after storage in water for more than 7 days. The discrepancy was 3 to 4 times in the dentures stored in air than in water. When the dentures which were stored in air for 30 days was immersed in water for 30 days, the discrepancy at the denture border of the dentures constructed by autopolymerization was restored to 0.214±0.097 mm, but in the case of other polymerization methods, it was restored to about 0.14 mm.