出版者
福井大学
雑誌
遠赤外領域開発研究 : 福井大学遠赤外領域開発研究センター研究成果報告書
巻号頁・発行日
vol.2, pp.169-174, 2001-03

The rotational spectra of H235Cl+, H237Cl+ and HD35Cl+were measured in the 180-550 GHz region using a source-modulated submillimeter-wave spectrometer. The ions were generated in a free space absorption cell by a hollow-cathode discharge in a gas mixture of H2 (D2) and Cl2 Precise rotational constants including the electric quadrupole coupling constants were determined for the three species. The centrifugal distortion constants were used to derive the harmonic force field of H2Cl+, which was then applied to calculate the zero point average structure of the ion: r2=1.32091±0.00015 Å and θz =94.228±0.023º, where errors are due to residual inertial defects of the corrected moments of inertia.
著者
藤枝 重治
出版者
福井大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

エクソゾームは、ドナー細胞の細胞質内にある親水性の蛋白、細胞膜、その近傍にある蛋白とともに小胞体を形成し、MHC class I、IIの抗原情報を含んでいる。この情報が隣接した細胞内に取り込まれたり、細胞表面の受容体を刺激したりする。そこで舌下免疫療法にて著効した患者血漿中からエクソゾームがそのような効果があるか調べることを目的として、まず血漿中からエクソゾームの分離を試みた。その結果15μgから80μgのエクソゾームが分離できた。さらにウエスタンブロットを行うとMHCクラスIIα鎖、CD9、CD86のバンドが検出できた。しかし抗CryJ1抗体では、バンドは検出できなかった。以上からエクソゾームの回収は可能であるが、やはり量が少ないことが問題であり、更なる検討には、回収量の改善と検出感度の向上が必須であることが判明した。
著者
野田 隆裕 白井 治彦 黒岩 丈介
出版者
福井大学
雑誌
福井大学大学院工学研究科研究報告 (ISSN:04298373)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.69-76, 2008-03-31

The purpose of this research is to decrease the complicated selection operation in the Japanese input of a Personal Digital Assistant by using the Classified Examples Dictionary.Miniaturization technology for the Personal Digital Assistant using an interface without a keyboard has progressed.However,the method of a Japanese input is a problem.The Personal Digital Assistant has a characteristic interface using a small touch panel.Some techniques exist to help input characters.For example,the Graffiti,prediction conversion including POBox,etc. However,for any technique's writing a Japanese long sentence,especially a Japanese e-mail document,it becomes a big burden for a user.In many cases,e-mail documents are constituted combining certain sentences.So it is significant,if the dictionary which arranged many examples is drawn up and Japanese is inputted using that dictionary.In this paper,it is called The Classified Examples Dictionary.The purpose of this research is to ease a user's burden by using the dictionary.
著者
大江 秀樹
出版者
福井大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

下部尿路症状の中で最も生活に支障をきたす症状が夜間頻尿で、高齢者の多くにその症状がある。夜間頻尿の原因としては夜間多尿が最も大きな病因といわれている。われわれの研究室では抗コリン薬が夜間多尿を改善し、尿産生リズムを夜型から昼型へ戻す可能性を報告したが、そのメカニズムは解明できていない。しかし、腎機能や内分泌系への影響は否定的で膀胱自体からの尿が再吸収される可能性が示唆される結果が予備実験から得られた。その機序として、細胞膜を通して水分子を移動させる水チャネル分子であるアクアポリン(AQP)が関与していると考えた。このAQPと膀胱における水吸収との関係性を解明するために本研究を計画した。
著者
井川 正道 米田 誠 岡沢 秀彦
出版者
福井大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

筋萎縮性側索硬化症(ALS)では,酸化ストレスが運動ニューロンの変性に関与していることが家族性ALSやモデル動物による研究から示唆されているが,患者生体脳における実証はまだない.本研究では,申請者らが開発した62Cu-ATSM PETによる酸化ストレスイメージングによって,ALSにおける神経変性への酸化ストレスの関与を明らかにした.62Cu-ATSMは,過還元状態と呼ばれる,おもにミトコンドリア呼吸鎖の機能不全により電子が過剰に滞留し,酸化ストレスを惹起している部位に集積するため,本PETは酸化ストレスを生体で画像化できる.12名のALS患者(平均年齢65歳)と同年代の健常対照者を対象とし,頭部の62Cu-ATSM PETを施行した.30分間のダイナミックPET撮影を行い,各被験者のstandardized uptake value(SUV)画像を作成し,Statistical Parametric Mapping 2(SPM2)を用いて,解剖学的標準化および全脳平均を行った.さらにSPM2を用いて患者群と対照者群で集積を比較し,SPM上で患者群で有意な集積増加が認められた領域のSUV値を算出し,群間での比較および重症度との相関を検討した.その結果,SPMにて両側の運動皮質と右頭頂葉皮質に,対照者群と比較して患者群で有意な集積増加が認められた.患者群における両側運動皮質のSUV値は対照者群より有意に増加しており,さらに患者群における同部のSUV値は,重症度と正の相関を示した.以上より,ALSでは,運動皮質における酸化ストレスが増加しており,症状が強いほど,すなわち神経変性が進むほど,酸化ストレスが増加することが示された.したがって本研究により,ALSにおける神経変性には,酸化ストレスが関与することが明らかとなった.
著者
吉田 寿人
出版者
福井大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2018-04-01

ハトムギは漢方薬として中国や日本で古くから利用されてきた。近年、ハトムギの抗腫瘍効果が注目され、ハトムギの抽出エキスであるヨクイニンにも抗腫瘍効果があることが示された。今回の研究では、口腔癌におけるヨクイニンおよびその有用成分Trilinoleinの抗腫瘍効果について検討を行った。口腔扁平上皮癌細胞にヨクイニンおよびTrilinoleinを作用させたが、細胞増殖活性に変化はみられなかった。口腔扁平上皮癌にCOX-2 inhibitorを作用させると抗腫瘍効果がみられたため、今後、COX-2が関与している漢方薬の抗腫瘍効果についての検討していく。
著者
白藤 法道 濱野 忠則
出版者
福井大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究で、高Hcy血症がタウの重合を促進し、アルツハイマー病の原因となる神経原線維変化形成に傾くことを明らかにした。GSK3β、cdk5活性化またはPP2A不活性化を介してタウのリン酸化レベルを増加させ、カスパーゼ3の活性化によりC末端が切断されるタウを増加させた。Hcyが20Sプロテアソーム活性を低下させ、タウの分解を阻害し、総タウ量が増加させた。リン酸化・C末端切断型タウの増加は、タウの立体構造変化をきたし、神経細胞死、および神経原線維変化を促進した。このことから、ホモシステインを低下させることが、アルツハイマー病におけるタウオパチーの異常な神経細胞障害作用を緩和させることが示唆された。
著者
安冨 素子
出版者
福井大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

我々はオートファジーが食物アレルギーにおいて何らかの役割を果たしていると考え、新規治療法を開発するために、食物アレルギーのマウスモデルを用いて、オートファジー機能の修飾が下痢や低体温などのアレルギー症状に与える影響を検討した。その結果、オートファジー機能の修飾により即時型の食物アレルギー症状が軽減することが示唆された。
著者
上原 佳子 長谷川 智子 北野 華奈恵 礪波 利圭 出村 佳美 安倍 博
出版者
福井大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

健康な成人女性を対象として,タクティールマッサージの効果を,生理的指標により検証することを目的とした,成人女性20名に,一定環境下で,同一対象者に手へのタクティールマッサージを実施する【タクティール】と,安静座位を保つ【安静】を20分間,連続した別日に行い,条件の順番は被験者によりランダムとした。生理的指標として,唾液中コルチゾール,唾液中オキシトシン,心拍変動周波数解析を用いた。その結果,タクティールマッサージは,内分泌系においてストレス反応を緩和させること,自律神経系において自律神経活動を活性化させることが明らかになった。
著者
竹田 有加里
出版者
福井大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究では膵β細胞の長鎖脂肪酸レセプターGPR40刺激によるインスリン分泌増強作用、及び腸管ホルモンGLP-1レセプター(R)との同時刺激によるインスリン分泌相乗作用機序の解明を目的とする。長鎖脂肪酸EPA及びGPR40シグナル伝達系下流因子PKCの活性化薬は、β細胞株INS-1のインスリン分泌を増加させた。またGLP-1R (cAMP系)との同時刺激によりインスリン分泌を相乗的に増強させ、その作用はPKA阻害剤で完全に抑制されたことからGLP-1RとGPR40シグナル伝達系のクロストークが示唆された。理論研究の結果IP3Rがそのクロストークターゲットの主要因子であると示唆された。
著者
平田 隆幸 藤原 郁弥 藤本 研治 園山 輝幸 原田 烈光
出版者
福井大学
雑誌
福井大学工学部研究報告 (ISSN:04298373)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.215-220, 2003-09-30
被引用文献数
3

Yes. The principle of a kaleidoscope can magnify tiny differences of dot patterns. Human brains can recognize a small difference of patterns especially in the case of patterns having some symmetry. The kaleidoscope generates 3-fold rotation symmetry patterns by using the mirrors so that we can recognize tiny differences of time-series by embedding the oeak-value on the scope of the kaleidoscope. We demonstrate this effect using synthetic data and then apply this method to RF echo signal of ultrasonic diagnostic system.